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傭兵と琥珀姫  作者: 大石次郎


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リラへっ!

手持ちの素材がだいぶ減ったが、どうにかリビルドの魔法で祓い所を補修し、居合わせた旅人達への迷惑料を払い終えた俺達は何閥云々は伏せて、魔女同士の抗争にはぐれ魔女のディッカが巻き込まれて琥珀像に封印されてそれを復活させる為に旅をしている、とちょっとだけズラして事情を話しどうにか納得してもらえた。

さらに行商から祓い所なら西の森のエルフ郷で霊木の琥珀が溜め込んでいるということを聞いた俺達は、エルフ郷に向かった。

エルフ郷で沼地の悪魔退治を引き受けるのと引き替えに霊木の琥珀を割安で買えることになった俺達は、苦労して沼地の悪魔を撃破っ! 霊木の琥珀800グラムを購入できた。

ただ完全に金欠になった俺達はエルフ郷に暫く滞在して素材集めをし、リラ方面で一番近いデニーアへと出発した。

途中、シュカーに近い風のエルバエン閥復権派の魔女達に襲われたが撃退し、デニーアに到着した俺達はエルフ郷周辺でかき集めた素材を売却っ。

この金でデニーアでも霊木の琥珀を買いに魔法素材屋通りに行ってみるとなんと! 割高な上に500の塊の状態で初期錬成されて固められてしまった霊木の琥珀が急に市場に流れてきた掘り出し物として売っていたっ。

資金が微妙に足りなかった俺達は、成り行きでなぜかダンスコンテストに出演することになった?!

元怪盗で身体能力の高いメイニーは普通にプロ部門で、アッチとソッチは素人ペア部門、姫号のディッカは使役モンスター部門と出場! 俺は全く向いていなかったので付き添い人としてサポートに回った。

結果、メイニーは優勝! アッチとソッチは審査員賞を受賞っ! ディッカはインチキをしていたダンスモンスター使いと乱闘して壊滅させて失格!!

まぁトータルでは購入額と当面の旅費くらいは稼げた・・


「はぁーっ! つまんないわぁっ!! ダンスコンテストとかっ、格闘大会とかの方が面白くないっ?」


楽屋で不満顔の姫号のディッカ。


「・・得手不得手がありますから」


ずっと続けた発声練習の成果で小声ながら普通に会話できるようになってるメイニー。ダンスが終わったので、瓶底眼鏡に戻ったが、目のやり場に困る衣装を着ていた。


「俺達盛り上げたんだけどなぁ」


「マジックダンスは禁止とか本気で踊れないし~っっ」


2人は多いに盛り上げたが、最終的に本気で踊り過ぎてピクシー族のマジックダンスを発動してしまい、観客と審査員に実在しない少年少女時代の田舎での清々しい夏の思い出の日々の幻覚を見せてしまった為、審査対象外となっていた。


「まぁ、稼ぐだけ稼いだ。とっとと止めてもらってる霊木の琥珀を買っちまおう」


大会運営に服装に関してあれこれ言われたのでバーテンみたいな格好で髪も油を付けてオールバックしていて、鏡で見ると輩にしか見えない俺。


「買ったら街の魔法屋の作業室を借りて、また琥珀姫ちゃんの補修しよっかな?」


最近、自分の像を琥珀姫ちゃん呼びしているディッカ。自分だからな?


「別にいいと思うが、また人形の調整になりそうだな」


豆号はシュカー戦で再起不能になってしまったので豆号の加速機能を足した姫号と雄牛号だけにはなってきたが、短期間で強化を続けた結果、作業が高等化している印象はあった。


「それはそれ。もう完全に狙われてるし、また復権派に狙われた時のことを考えたらパワーアップしないと」


「・・私達もディッカさんに見劣りしないように、装備等を改めた方がいいかもしれませんね」


「そだな~」


すぐ金欠になるのは出費の多いディッカで、俺達はそれなりに持ってる。アッチとソッチも売却できる素材はそれなりに持っていた。

着替え、霊木の琥珀を買った俺達は、俺は杖代わりに魔法の触媒に使えるようハルベルトとグラディウスをルーンハルベルトとルーングラディウスに強化し、盾もミスリル製に改めた。

メイニーは減っていたサモンカードの使役モンスターを補充し、自分の魔力障壁を増やせる腕輪を買っていた。

アッチとソッチはピクシーの防具の物理と魔法の耐性を上げ、アッチは魔法封印の針の剣をソッチは眠りの針の剣を購入した。

かなり戦力アップだが、それなりの値段だった。俺も段々稼ぐ為に旅をしているのか? ディッカについてく為に度をしているかちょっとわからなくなってきたな。

退屈はしないけどさ。



魔法屋に借りた地下の作業室で琥珀像の再補修は行われた。

霊体のディッカとメイニーの錬成で激しい発光と共に霊木の琥珀を初めとした素材を消費し、琥珀像の腹の穴は完全に塞がる!

代わりに左手にヒビが入っていた。


「おおっ、ほぼ直ってるな。左手は?」


「ふぅ~っ、回復が進んだから残りの損傷を左手に移した。不死鳥の尾羽根でこのまま復活させても左手が利かない、くらいで済むよ?」


「・・もう一息ですね」


「よかったなぁ」


「でもゴーレムに色々入れる方が得じゃないか? 気分で身体変えられるし!」


「そんないいもんじゃないわ。とにかく、力は7割は戻ったよっ!」


実体かと錯覚するくらい濃い姿になり、輝く荊を纏うディッカっ。


「なんかスゲーな、そろそろパンチの手加減覚えた方がいいぞ?」


「そこはまぁ、相手次第っ! でもこの勢いで有り金で行ける範囲で一気にリラの近くまで転送門で跳ばない?」


急に言い出すディッカ。


「また金欠になっちまうぞ?」


「リラの近くは発達してるでしょ? 稼ぎ易いだろうし、素材も買い易いし、あと衛兵や冒険者も手練れが多いからちょっかい出され難いと思うんだよね」


「あ~、それはあるかもな」


「・・一理、だと思います」


「都会! 面白そう!」


「行こうぜっ?」


というワケで、俺達は金欠覚悟で一気にショートカットして、リラに近い、モラ平地の街、ベシィムへとテレポートすることになった。



バカみたいに高い料金を払い、転送門の魔方陣に乗る俺達。


「いざっ、リラへっ!」


「街中では大人しくしてくれよ? ディッカ?」


「・・都会用の服、買っておけばよかったです」


「うおーっ、緊張してきたぁっ!」


「さらば故郷っ! 俺達は見果てぬ先を目指すのだぁっ」


「いや、リラだから。明確にリラに行くつもりだかんな?」


「例えだろ? ダイスケっ」


「無粋~」


「えー?」


魔方陣が輝きだした!


「都会には悪い誘惑が多いから気を付けてねっ、ダイスケ!」


「あのな、君は一体俺をなんだと」


「・・跳びますよっ?」


魔方陣は発動し、俺達を新たな地へと飛ばした。



飛行島のミラッカの館ではちょっとした騒ぎになっていた。


「何? 転送っ?? 馬でゆるゆる旅をしているんじゃなかったのか?!」


死者簒奪の水晶を前に慌てるミルッカ。


「シュカーの仲間にしつこめに襲撃されてうんざりしたのかも?」


「また錬成補修したみたいだからチンタラ行くの飽きたってのもありそう。アイツ、雑だし」


「デニーアの先の郷の市にも霊木の琥珀、もう流しちゃったよ?」


「ぬ~っ」


部屋にいくつも置かれた物見の玉にはベシィムに着いて、わいわい騒いでいるディッカ達の姿や、また連合軍に討たれるゴブリンキングとゴブリンクィーンの様子、密かに監視している復権派内の対立グループの姿が映っている。

ゴブリンの掃討が予定より早く、連合軍の被害もあまり出なくなり、粗悪なゴブリンの生命しか水晶に吸収できなくなっていた。

ディッカが完全に復活してしまうと、自分では動かない2位以上の魔女しか太刀打ちできなくなるので、無視するしか対処法がなくなってしまう。

もう少し対立グループを減らす為にディッカにぶつけたかったが、ままならなくなりつつあった。


「バカ姉が復活する前に、マリケンのグループとバドーのグループだけはぶつけて損耗させたい。煽れないか?」


「ええ?」


「バドーはディッカに1回半殺しにされてるからいけるかも?」


「バドーって船持ってたよね?」


「それだそれだっ、いやまず流した霊木の琥珀を回収しろっ! 無駄になるっ」


慌ただしく企むミルッカ達。

この20日後、ミルッカの飛行島と死者簒奪の水晶は完全復活したディッカのアルティメット・コスモ・パンチによって跡形も無く粉砕されてしまうことを彼女達はまだ知らないのだった・・・

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