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蒼き臨界のストルジア  作者: 夜神 颯冶
海から来た少女
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                                8        

 

『そう私はあなたのママじゃない。

 宇宙人でもない。

 ただの無力な子供よ』



それはあなたと同じねと言ってるようで、

僕は益々(ますます)この少女に興味きょうみいだくのだった。



いたっい彼女は何者でどこから来たのか?



彼女のひとみは何もかたってはくれなかった。



でもその言葉の中には、

真実がかくされているような感じがした。



彼女は常闇とこやみの水平線を見つめたまま、

まるでひとごとのようにつぶやいた。



『一緒に・・・ 』



彼女は途中とちゅうでその言葉を飲み込み、

それ以上は何も言わなかった。



ふと見上げると虚空こくうに広がる満天の星々が、

そんな二人を見下ろしていた。



しおられながらぎてゆく優しき時間。



いつの間にか二人を乗せたポッドは海水におおわれ、

その中で浮かんでいた。



その周りを何かが横切るのが見えた。



青き燐光りんこう残像ざんぞうように海面に輝跡きせききざみ、

その遊泳ゆうえいあとを残していく。



背びれが二つ、

無人島に取り残された小人の周りを、

獲物えものねらうように回っていた。



「サメ!?」


僕は足をつけたままの無防備な幼女を見て、

咄嗟とっさに彼女を引き上げると、そこから遠ざかった。



『違うよ』



腕の中の少女は静かにそうつぶやく。



違うって?



『違う』



そうつぶやき少女は、

おもむろに笛のような物を取り出すと、

それをくわえ吹く素振そぶりをした。



だがそこからは何の音も聞こえてこない。



聞こえなかったが異変いへんはすぐに起こった。


 

 



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