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蒼き臨界のストルジア  作者: 夜神 颯冶
海から来た少女
13/37

                               13        


 

僕は彼女に言われるままに、

そのアクアボイジャーとか言う変な機械きかいのゴーグルを、

頭に(かぶ)った。



彼女はそのゴーグル(もど)きに手をばすと、

何かのボタンのようなものを押した。



途端(とたん)にそれまでピーピー、キーキー言ってただけの、

イルカの声が聞こえてきた。



「つなみ」「つなみ」



二頭同時に何かを言ってきている。



「フィーフィー」「フィーフィー」


「変わって」「変わって」


「つなみ」「つなみ」



なんだかわからず僕は機械をはずすと、

彼女にイルカの声をげた。



「イルカ達がなんだか変わってくれて言ってる」



そう言って彼女に機械を渡した。



不思議そうにそれを受け取った彼女は、

それをかぶりイルカと話をし始めた。



『うんうん。

 沖合おきあいの。

 うん。

 本当なの?

 距離は?

 うん。わかった。

 大丈夫(だいじょうぶ)

 うんうん。バカで、ロリコン。

 うん。大丈夫。

 聞こえてない。

 完璧(かんぺき)!』



聞こえてるよ・・・



彼女は神妙(しんみょう)にボイジャーをはずすと静かに僕にげた。



なみが来るって』



えっ!?



「なんで津波が!?」



沖合おきあいにいるイルカの()れがそう言ってるって』



のんびりした彼女のテンションに、

なんだ津波かと思いそうになるが、

その事実はけっして(けい)できるものではない。



「大変じゃないか!

 すぐに逃げなきゃ」



そう言った僕を彼女は制止した。



『落ちついて』



そう言った彼女の声はとても落ちつき、

僕の反応のほうがおかしいのかと思ってしまう。



大丈夫(だいじょうぶ)

 世界が滅ぶだけだから』



大問題だあ!!!


落ち着け。落ち着け。落ち着け。



てっ!?

世界がほろぶんじゃ逃げようがないじゃないか!?



彼女はそんな僕の反応ほんのうを楽しむように見つめつぶやいた。



冗談(じょうだん)



へっ?冗談(じょうだん)なの・・・



助かったのか?



『世界が滅ぶのは冗談。

 津波が来るのは本当 』



助かってなかった~~~!?



「すぐに逃げなきゃ。

 沖合おきあいのイルカが言ってるって、

 そんな声が聞こえるって事はすぐ近くまで

 来てるんだよ 」



『大丈夫。

 それにイルカの声の1つ、

 低周波音ていしゅうはおん警告けいこくしてきてる。

 イルカは遠くと話すときに低周波音をよく使う。

 高周波音こうしゃうはおんは一回で送れる情報量が多いから、

 近くで話すときはイルカは高周波を使っている。

 でも遠くまでは届かない。

 わざわざ低周波音を使って来てるのは

 遠くから話している証拠しょうこ

 イルカの声は25キロはなれた仲間と会話出来る 』



 

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