もうやだ、勘弁して下さい。
やっぱり思いつきで書いてみた。
「…はっ!」
俺は目が覚めた。どうやらうたた寝をしていたみたいだ。
「あれ? ここは何処だ?」
見慣れた場所では無く、少し薄暗い知らない場所だったからだ。
そして俺は豪華な椅子に座っていた。
その時!
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
何こいつら、コスプレ? 良い大人がそんな恰好をしているなんてな…ぷーくすくすっ(笑)
「魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
真ん中に居た男が剣を抜き飛び掛かってきた。
「え?」
ズバッ!
「うわああぁぁぁ~~~~!」
「え?」
俺は切られた、痛い!
そして、切った男はボー然としている。
俺は死んだ…
・・・・
「…はっ!」
目が覚めた。さっきの夢は何だったんだ?
そして、今先ほど見ていた夢と同じ状況であることが確認出来た。
「え? もしかしてこれからあの5人がやってくるのか?」
そう思った瞬間。
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
何これデジャブ?
「魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
真ん中に居た男が剣を抜き飛び掛かってきた。
「嫌あぁぁぁ~~!!」
俺は逃げようとしたが、無効の攻撃の方が早い。
ズバッ!
「うわああぁぁぁ~~~~!」
「え?」
俺は又切られた、痛い!
そして男がやっぱりボー然としている。
そして再び俺は死んだ…
・・・・
「…はっ!」
目が覚めた、やっぱりさっきの場所だ。
「もしかしたらだが、同じことを繰り返している?」
そう思った瞬間。
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
「やっぱりいぃぃぃ~~!!」
「魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
真ん中に居た男が剣を抜き飛び掛かってきた。
もうあんな痛い思いをして死にたくない!
「待てぃ!」
俺は叫んでみた。
「今更命乞いか、覚悟!」
ズバッ!
「うわああぁぁぁ~~~~!」
「え?」
俺は又切られた、何度切られても痛い!
そして男がやっぱりボー然としている。
そして再び俺は死んだ…
・・・・
「…はっ! っていい加減にしろ!!」
何で何度も意味も分からず死ななきゃならないんだよ!
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
少しは考える時間もくれよ!!
「魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
真ん中に居た男が剣を抜き飛び掛かってきた。
「話が有る!!」
俺が叫ぶと、男が止まった。よし!
「一応死ぬ前に聞いてやろう。」
お、聞いてくれるんっすね。
「勇者様! 魔王の言葉に耳を掛けては行けません!」
白い服を着た女性がそんなことを言ってきた。
「そうだった、今まで苦しんだ人々の恨み、覚悟!!」
ズバッ!
「うわああぁぁぁ~~~~!」
「え?」
俺は又切られた、だから痛いんだってばよ!
そして男がやっぱりボー然としている。
そして再び俺は死んだ…
・・・・
「…はっ! 又かよ…」
落ち込むのは後だ、とりあえず急いで考えを纏める必要が有る。
まず俺は魔王らしい、そしてもうすぐ勇者が魔王を倒しにやってくる。
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
「来るのが早えぇんだよ!!」
「はっ、今更何をほざく!
魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
勇者が剣を抜いて襲い掛かってきた。
「そのパターンはもう飽きたんだよ!!」
俺が切り掛かってきた剣を躱す!
「ふん!」
勇者が振りぬいた剣をそのまま返し斬り掛かってきた。
ズバッ!
「うわああぁぁぁ~~~~!」
俺は死んだ。
・・・・
「…はっ! 時間が無い急げ!」
とりあえず話し合いは無理っぽい。勇者はもしかしたら行けるのかもしれないが、あの女が邪魔をしてくる。
となると…
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
「だから来るのが早えぇんだよ!!」
「何のことだ? まあいい。
魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
勇者が剣を抜いて襲い掛かってきた。
よし、同じパターンだな。
俺は最初の一撃を躱すと、勇者が振りぬいた剣をそのまま返し斬り掛かってきた。
よし、これも同じだ。俺は前転でその剣を避けた。よし!
起き上がり体制を立て直す。
ボンッ!
その時、俺の頭がはじけ飛んだ。
俺は死んだ…
・・・・
「…はっ! いったい何が有った?」
勇者の剣を避けて立ち上がった瞬間に意識を失ったんだよな。
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
「だから!! …いや、もういいや。」
言っても無駄なら考える方に時間を使った方が建設的だ。
「魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
勇者が剣を抜き飛び掛かってきた。
俺は初撃と追撃を躱す。
その際、何が有ったのかを確認しながら立ち上がる。
「ん? あのジジイが何かしているな…」
ボンッ!
ジジイが杖を前に出した瞬間、俺の頭がはじけ飛んだ。
俺は死んだ…
・・・・
「…はっ! 現状確認!」
おそらくだが、あのジジイが魔法を使ったのではなかろうか?
つーか魔法って避けられるのか? いや、まだ諦めるのは早い!
バン!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
くそっ! 考える時間が短い!
「魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
勇者が剣を抜き飛び掛かってきた。
俺は初撃と追撃を躱す。
その際、何が有ったのかを確認しながら立ち上がる。
ジジイが杖を突きだす瞬間、一か八か頭を下げてみた。
「何! ワシの魔法を避けただと!?」
「よし!」
さて次はと思った瞬間。
スコン!
頭に何かが刺さった…これは…矢?
俺は死んだ…
・・・・
「…はっ! 次だ!」
それでも生き残るために俺は必死にパターンを覚えるために頑張るのだった。
勇者の攻撃を避け、賢者の魔法を避け、アーチャーの弓を避け、よし次だ!
その瞬間に俺の懐に黒い何かが入り込んだ。
「魔王! 覚悟アルネ!」
絶対何かが有ると予想していた俺は腕を交差して攻撃を防ぐ!
ドカッ!
よし防げた!
だけど、殴られた勢いで後ろに飛ばされた。
スバッ!
「えっ?」
背中に痛みが走る。
振り向くと、そこに勇者が剣を振り切った状態でいた。
どうやら飛ばされた先に勇者が待ち構えていたみたいだ。不覚…
俺は死んだ…
・・・・
「…はっ! …何かこれムリゲーな気がしてきた。」
とは言え、出来れば痛い思いはしたくない。
頑張るしかないな。
「そうだ! 某横スクロールのグラ何とかシューティングだって何とか復活することが出来るんだ、やったるで~!!」
俺は頑張ることにした。
勇者の攻撃を避け、賢者の魔法を避け、アーチャーの弓を避け、格闘家の攻撃は防ぐでは無く避けるを選択する。
ドカッ!
くっ…思ってた以上に早かったな、完全には避けられなかった。でも、勇者の方には飛ばされなかったぞ。
何とか体制を整えることが出来た。
「さすがは魔王だ、俺達の攻撃を避けるとは…」
まぁ、パターン覚えたからな。言わんけど。
「勇者よ、何故お前は戦う?」
何となく疑問に思ったので聞いてみた。
「ふざけるな! 貴様のせいで俺の妹は、家族は…絶対に許さん!」
「そうか。」
これ何を言ってもダメなパターンだな。
例え俺が魔王じゃ無いと言っても信じてくれないだろう。
再び切り掛かってきた勇者の剣によって俺は死んだ…
・・・・
あれから俺は何度も何度も同じことを繰り返している。
何回目かは覚えていない、100回目くらいまでは数えてたんだけど、もういいや。
いい加減避けるのには自信がついて来た。パターンを覚えなくても対処出来る様になった。
前回の戦闘は、俺の体力が尽きたの原因だ。さすがに5対1は卑怯だと思う。
少し数が減ってくれないだろうか…ん? 減ると言えば…
「そーいや俺って避けるだけで、攻撃なんかしたこと無かったな。」
魔王って言うくらいなんだ、攻撃力も半端ないんじゃないのか?
そして勇者がやってきた。
勇者の初撃を躱すと同時にカウンターを食らわせる。
ドカッ!
おぉ! 気持ちいい~!!
今までの恨みを晴らすかの勢いで勇者が飛んでいく。
スコン!
頭に矢が刺さった。あまりの嬉しさに油断した。
俺は死んだ…
・・・・
「次から本気出す。」
そして勇者がやってきた。
勇者の初撃を躱すと同時にカウンターを食らわせる。
ドカッ!
ここで安心しては駄目だ、弓矢を避けて次のターゲットはっと。
「アイヤー、あたしが相手アル!」
格闘家が飛び込んできたので避けると同時に攻撃を仕掛ける。
「やるアルネ!」
流石は武道に精通しているだけある、俺の攻撃を避けやがった。
「ん?」
ふと視界の端で倒れた勇者を介護する女性の姿は移った。
聖女だ。癒しの光で勇者を治療している。
そーいやこの女、今まで誰も怪我することが無かったから動かなかったので役立たずだと思ってたが、回復要員だったんだっけ、忘れてたよ。
「どこ見ているアルネ。」
ドカッ!
うぐっ! まともに食らっちまった。
そして勇者が復活した。
ダメージを負って動きの鈍くなった俺に勇者の剣は避けられなかった。
俺は死んだ…
・・・・
「よし! 攻撃対象を変えよう。」
やはり体力が有る近接戦闘員を先に攻撃するのは駄目だ。
回復要員から倒すのがRPGにおけるボスとしてのセオリーだろう。
勇者がやってきた。
勇者の初撃をローリングで躱すと同時に聖女へと走り出す。
「セシル!!」
勇者が叫ぶ! この女の名前はセシルって言うんだ、どうでも良いけど。
「おっと!」
危ない危ない、油断するとすぐこうだ。
俺は弓矢を避けて聖女へと走る。ふふふっ、もう誰も間に合わん。
「助けて! 勇者様~!!」
聖女が叫ぶが、俺は会心の一撃を聖女へと叩きこむ!!
ドカッ!
悲鳴を上げることも無く、聖女が吹っ飛んで行った。よし!
「セシル!」
勇者が叫んで聖女へと走る。しめしめ、馬鹿な奴め!
その間に厄介な遠距離攻撃要員へとターゲットを変えた。
次は動きの遅い賢者だ!
「覚悟!」
俺は賢者へと走る。
賢者は魔法をブツブツと唱えているがもう遅い!
俺は振りかぶって賢者へと殴り掛かった。
その瞬間、賢者はニヤリと笑った。
「後は任せたぞ。」
そう言って賢者は自爆した。
俺もその爆風に巻き込まれてしまい、そして死んだ…
・・・・
「なるほど、あんな手も有ったのか。」
これはうかつに近寄ることも出来無いか?
「遠距離攻撃か、どうすっかな…」
ふと俺は魔王だ。魔王って言うのは魔物の王、もしくは魔術の王だろう。
俺の周りに誰も居ないってこは、魔物の王ではなくて魔術の王かな?
とは言っても魔法の使い方なんか知らんぞ?
そうこうしている内に勇者がやってきてしまった。
「だから早いって! まあいい、次に期待だ!」
とりあえず今回は戦闘を長引かせて賢者の魔法に注目することにした。
勇者の攻撃を避け、聖女をぶちのめし、賢者から距離を取って今度はアーチャーへと迫る。
「くそっ、ちょこまかと動きやがって!」
流石は距離を取って攻撃する職業だ。全然近寄らせてくれない。
それにしても賢者からの魔法が飛んでこないな。
「無視するなアル!」
そこに格闘家が割り込んできた。
格闘家の攻撃を避け、カウンターを打ち込む。
くっ…さすがは本家本元、避けるのが上手い!
嫌らしい角度から撃ってくる矢を避けつつ、格闘家の攻撃を避ける。
相変わらず賢者は魔法を撃ってこない。どうしたんだ?
突然賢者が叫び出した。
「タオ! 魔王から離れるんじゃ!」
「わ、分かったアル!」
格闘家が俺から離れると同時に賢者が突っ込んできた。
もしかして自爆特攻か? さっきまで動かなかったのは魔法が完成して俺が突っ込んでくるのを待っていた?
でも、何で今突っ込んできたんだ? もしかして時間制限でも有るのかもしれない。
俺は賢者から離れ、タオと呼ばれた格闘家に向かうことにした。
「何じゃと!」
賢者は驚いている。どうやら予想が外れたみたいだ。
「…タオ、すまんが世界の平和のために、一緒に死んでくれんかの。」
「仕方ないアルネ、みんな、後は任せるアルネ。」
タオが俺に向かって突っ込んできた。
間違いない、俺を足止めして賢者と自爆するんだろう。
そうはさせない。
俺は賢者から離れる様に逃げる! アーチャーが逃げ道を邪魔するように撃ってきたが避けながら逃げた。
「すまん、ダメじゃったみたいだ。」
そう言って賢者が自爆をした。やっぱりな。
「おのれ…魔王め!」
仲間が2人殺されたからか、勇者の雰囲気が変わった気がした。
「セシルの居ない世の中に未練は無い、俺の命を使ってでも魔王、貴様を倒す!」
勇者が叫ぶと、勇者が炎に包まれた。
「勇者! それは駄目アル!」
タオが叫ぶと同時に、
「何…だ、と…?」
その瞬間、俺の首は体から切り離されてしまった。
俺は死んだ…
・・・・
「次からは倒す順番も考えないと駄目かもしれない。」
それにしても厄介なのはタオって女だ。あの手の戦闘職は魔法に弱いのがセオリーだ。
やはり魔法は必要だな。
よく魔法はイメージだと言うし、試してみるか?
「メ〇!」
国民的RPGの魔法を真似してみることにした。
すると、物凄い勢いの炎が噴き出した。
「おお! これは…」
俺は思った以上の結果に喜んだ。
「これで、『今のは〇ラゾーマでは無い、〇ラだ。』ゴッコが出来るぞ!」
そんなことをしている内に勇者がやって来た。
ふふふっ…これで勇者も年貢の納め時だな。
勇者の初撃を躱すと同時にカウンターを食らわせる。
ドカッ!
ここで聖女が勇者に向かうハズだ。やらせんよ!
続けて聖女へと向かう。そこにタオが割り込んできた。
「行かせないアル!」
「じゃまだ! 〇ラ!」
「ギャアアァァ~~!」
やはり格闘家は魔法耐性が無いな、見事に炎に包まれた。
「タオ!」
賢者が水の魔法を使ったみたいで火が消えたが、タオは黒焦げでビクンビクンとしていた。
とりあえずは生きている程度みたいだ。
俺は聖女へ向き、
「〇ラ!」
再び魔法を使う。
だが、謎の光が聖女を包み、魔法はレジストされてしまった。
なら直接攻撃だ。俺は聖女へと走る。
ヒュン!
「おっと!」
相変わらずの嫌らしいタイミングでの矢を避け、聖女へと向かう。
「嫌、来ないで! 助けて勇者様!」
だが、勇者は動けない!
ドカッ!
紙装甲の聖女は俺のワンパンで吹っ飛んだ。
そして、そのまま勇者へと止めを刺す!
ボキッ!
勇者の首を思いっきり踏みつけると、人として駄目な方向に首が曲がった。
残り2人!
賢者が俺に向かって走ってきた。これは自爆特攻だ。
俺は賢者から離れる様に逃げる。
時々飛んでくる矢を避けながら逃げる。
「ぜぇ、ぜぇ、ま、魔王、待つのじゃ。
わ、ワシみたいな…老いぼれが、ぜぇ、こ、怖いんか?」
「何で自爆しようとする相手に向かわなきゃならんのだ。」
「ぜぇ、な、何故それ、を…」
「じゃあな、ジジイ。」
「お、おのれ…」
ドカーン!
ジジイは時間切れで自爆した。残り1人!
飛んでくるアーチャーの弓を避ける。そしてアーチャーの矢が尽きたみたいだ。
「降参~!」
アーチャーはそう言って弓を捨てた。
「ずいぶん潔いな。」
「もう私1人だし、勝てないって分かったからね。
だったら助かる可能性に掛けるのも悪くないと思うけど?」
「ほぅ?」
「だからね? ま・お・う・さ・ま♪
私を好きにしても良いから、助けてよ~」
そう言ってきたアーチャーはローブを取った。
「おぉ!」
現れたのは耳が尖っているとてつもない美人だった。つーかエルフだ。
「エルフキター!!」
エルフ好きの俺としてはこれ以上無いご褒美では無いだろうか?
「ま、まぁ、仕方ないな、な、仲間にしてやろう。」
「わ~い、有難う♪」
そうってエルフは俺の首に抱き着いて来た。
…やっぱりエルフだ。華奢なのは仕方ないな。
「何か?」
ジト目で見られてしまった。
「コホン…いや何んでもない。
それで、お前の名前は何だ?」
「私? 私の名前はリリーって言うんだ。
あんたを道ずれにする女だ、覚えておきな!!」
そう言ってポケットから筒みたいなのを取り出し、紐を引っ張った。
ドカーン!
俺はリリーに抱きしめられたまま死んだ…
・・・・
「女って怖い…もう誰も信じない…」
絶対油断なんかするもんか!!
そうして勇者がやって来た。
「魔王! 今までの悪行を清算してもらうぞ、覚悟!」
勇者を殴り、タオを焼き、聖女を殴り殺し、勇者に止めを刺す!
賢者を自爆させて、残りはリリーのみだ。
「降参~!」
アーチャーはそう言って弓を捨てた。
「そうか、じゃあな。」
「えっ?」
俺はそのままリリーを殴り飛ばす。
「〇ラ!」
そして魔法を発動! 自爆道具に火が付き爆発した。
ドカーン!
「これでよしと!」
一応状況を確認。あ、タオがかろうじて生きているみたいだ。
「〇ラ!」
何が有るかは分からないので、遠距離で止めを刺す。
今度は燃え尽きたらしく、黒焦げの物体が出来上がった。
「やっとだ、やっと俺は自由だあああぁぁぁぁぁ~~~~!!」
俺はやり遂げた。
元々座っていた椅子に座り、勝利に酔いしれている。
バンッ!
勢いよく扉が開かれ、5人の男女が現れた。
あれ?
「魔王、次は南の国の勇者、アスベルが相手だ!」
マジですか?
「もしもし? 参考に聞くけれど、勇者って何人居るの?」
「俺は2人目だが、勇者は1万と居る! 諦めるんだな。」
「もう嫌ああぁぁ~~!!」
こうして死んだら最初っからってのを繰り返し、勇者を攻略するのを繰り返すのだった。
・・・・
「やった、やったぞ! ついに俺はやり切ったぞおおぉぉぉ~~!!」
実時間208日と8時間、体感的に357374年と4ヵ月23日と13時間33分56秒ほど俺は頑張った。
勇者もどんどん強くなっていったが、最期の周回では楽勝で勇者を倒せたのは笑いが止まらなかった。
「何はともあれ、俺お疲れ~!!」
しばらく待ったが勇者は現れなかったってことは終わりで良いんだよね?
実は裏勇者とか真勇者とかが居るとか言わないよね?
そんなことを考えていたら頭の中に声が響いて来た。
(勇者虐殺1万人達成おめでとう。これで君は真の魔王へと進化した。)
「な、何だ?」
(これから君にはある世界に行って貰う。そこで世界を征服してくれ。
なに、今の君の実力なら何の心配もないさ。)
「はぁ? 何を言ってるんだよ! 俺は嫌だぞ!」
(では行くが良い、真の魔王よ、世界を恐怖のどん底に陥れるのだ!)
「お、おい!」
俺の言葉は完全に無視をし、俺は異世界へと飛ばされたのだった。
・・・・
「…はっ! ここは?」
「魔王様!」
声を掛けられたので見てみると、綺麗な女性が頭を下げて跪いていた。
「メ〇!」
俺は有無を言わさずその女を焼き殺した。
何故だって? 他人なんか信用出来るかってんだ! 何回騙されたと思ってるんだよ!!
俺の心はすっかりと人を信じることが出来なくなっていた。
「俺は誰にも会わずに自由に生きるぞ~!!」
俺は魔王城を後にし森の奥で幸せに暮らすのだった。
こうしてこの世界は魔王に征服されることも無く、人々は幸せに暮らしたとさ。
おしまい。
まぁ、ありがちな話ですが、一応満足(笑)