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漆黒の部屋(ブラックボックス)

ホラーです。

刺激の強い描写があります。

ホラーの中でも気持ち悪い系が苦手な人は読まないほうが良いと思います。

   「ここ・・・どこだ?」


 気付いたらそこに立っていた。

それまでの過程など一切覚えていない。

本当に気付いたらここに立っていた。


   「なんだ?」


 そこは黒。

上も下も右も左も前も後ろも全てが黒。


   「ん?」


 よく見ると、その黒は何やらもぞもぞと動いている。

見るだけではよく分からないので、男は下の黒い部分に触れてみた。


  −ガサガサ−


 本能から怖気を誘う気味の悪い音。

男は覚悟を決めてその黒を軽く手で払ってみた。


  −ザァァ−

   「うげ!」


 それはゴキブリだった。

その瞬間、部屋を漆黒に染めていた大量のゴキブリの集団が一斉に動き出した。


   「うわっ!!」


 ビックリして足を振り上げ、そのまま振り下ろしてしまった。


  −グシャ−


 ゴキブリがその足の裏で何匹か潰れ、その感覚が何故か裸足であった足の裏を伝って脳まで届いた。

しかし幸か不幸かその気持ち悪さを感じている暇は無い。

ゴキブリはブンブンと飛び回り、男の体に張り付き、服の中に入り込み、自由勝手にはいずり回る。

下からも足を伝ってゴキブリはどんどん男の体を登り、髪にももう何匹かゴキブリが絡まっている。


   「う、うわぁぁああ!!!!!」


 男は狂ったかのように腕を振り回し脚を振り回し、できるだけゴキブリを近づけないように暴れた。


  −グシャグシャグシャ−


 その過程で何匹もゴキブリが潰れたが、男は気にしなかった。

否、気にしている余裕など無かった。

ひたすらに暴れ振り払う。

しかし、


   「うわ!」

  −グチャ−


 男は脚を引っ掛けて転んでしまった。

その大きな体に何十匹ものゴキブリが一気に押し潰される。


   「うわぁぁああ!!」


 妙に生暖かく、湿気を感じる背中を見る気がしなかった。

一気に気持ち悪さから飛び上がり、後下がる。


  −グシャグシャグシャ−


 また何匹も足の裏で潰れる。

バン!と壁を叩いた掌の下にはやはり何匹ものゴキブリ。

男はヘナヘナと力無く座り込む。

男はすでに失禁していた。

しかしゴキブリの勢いは止まらない。

また男の体に絡みつき、体を這い回り、そして口の中にも入っていく。


   「オエッ!」


 男はゴキブリが口の中に入って、恐ろしい不快感に襲われ、口を閉じてしまった。


  −グチュ−


 ゴキブリを噛み潰し、なんとも甘苦い濃厚な体液が口の中に溢れ、喉の奥へ流れていく。


   「ウゲェェエエエ!」


 男はもう我慢できず、口の中から嘔吐と共に、汚物を吐き出す。

ゴキブリはその汚物に群がり、それを纏って再び飛び回る。

そして男に群がり、男の全身を擽る。


   「う・・・」

  −グシャ−


 男はついに気を失い、顔面からゴキブリの群れへ倒れこんだ。

意識を失った男の口の中に何匹かのゴキブリが入り込み卵を産み付ける。

そしてその瞬間、体力のゴキブリが口の中へ入り、気管を通って肺まで行き、肺を荒らして穴を開け、男は窒息して死んだ。

何日か後、男の体は腐敗し、新たなゴキブリが大量に男の体から生まれてきた。


   「ヒ、ヒィイ!」


 そしてまた新たな犠牲者がこの部屋に。

さあ今も貴方を待っている。

静かに、ふと急に、突然この部屋に招かれる。

この部屋の名は『漆黒の部屋ブラックボックス』。

自分で書いてて鳥肌が立ちました。

次は爽やか系な短編にしようと思います。

ぅおう・・・エンガチョ〜。

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