俺と友達の話:ラーメン屋にて
俺には友達が一人いた。
小学生時代から仲の良い友達だ。
親友と言っても彼は否定はしまい・・・
俺もそいつも冗談が好きだった。
事あるごとに冗談をかまし、周囲を笑わせた物だ。
そんな、俺と友達の一つの話。
☆
店員「いらっしゃいませ〜」
聞こえの良い声が店内に響く。
俺と友達は高校の放課後、近所のラーメン屋に立ち寄った。
感じのいい空腹感が二人を襲った為だ。
店員「こちらへどうぞ。」
俺と友達はカウンターの席へ案内される。
そして、俺達二人は並んで座った。
店長「いらっしゃい!何にしますか?」
先程とは違う威勢のいい男が俺達の前に現れる。
見た目の風格や纏っているオーラからこの店の店長だろうと当りをつける。
俺「とんこつラーメン大盛りで。」
ラーメン好きの俺がいつも決まって頼むのはこれ。
さて俺の友達は・・・
友達「じゃあ俺もとんこつ大盛り。それとビール。」
なんと俺の友達はこんな場所でボケおった・・・
店長「はいよ。キリ●とア●ヒどっちにしますか?」
友達「じゃあキリ●で。」
店長「はいはい。グラスはお二つで?」
まさかこの店長は本気にしたのではあるまいな?
しかたない・・・
俺もボケさせていただこう。
俺「店長さん、俺は飲まないが、こいつはこうやって飲むからグラスは二つくれ。」
俺はグラスを片手に一つずつ両手で持ち、それを同時に口に運んで飲むジェスチャーをする。
友達は少し驚いた顔をしたが、すぐに意図に気付いた様子で、
友達「そうそう。だから二つ宜しく。」
乗ってきた。
店長「はいよぉ!お〜い!!とんこつ大盛り二丁とビールキリ●一丁!!!」
そう叫ぶと店長は店の奥へと消えた。
友達「おいおい・・・冗談だってわかってるよな?」
俺「大丈夫だろ・・・俺達、学生服着てるんだぜ?」
十分ほどして店長が戻ってきた。
店長「はいお待ちぃ。とんこつ大盛り二つとビールキリ●グラス二つね?」
どうやら店長は本気にしたらしい。
店長は俺らから離れた。
がしかし、なんと大いに期待した顔でこちらを見つめているではないか!!?
友達「どうしよう・・・これ・・・・・」
俺「どうもこうも行くしかないだろう?それこそKYって奴だ。」
友達「お前・・・ツマラン言葉知ってるな・・・」
俺「ほら行けよ。店長さんがワクワクしてるぜ?」
友達「ちくしょ〜よし!不詳俺!!行かせて頂きます!!!」
友達はそう言うと、グラス二つにビールを注ぎ、それを両手でガシッと掴み・・・そして!!
−ゴクッ!!ゴクッ!!−
聞くだけでも美味しそうな音を立てて飲み始めた。
口の端からはビールが一筋垂れているが、そこは俺の友達の男を立てて言わないことにする。
友達「プハァ!!美味い!!!」
俺「よかったなwww」
勘違いされないように言っておくが、普段から俺達二人はこんなことをしてるわけではない。
酒を飲んだのだって初めてのはずだ・・・たぶん・・・・・
店長「うぉぉおおぉおぉおおぉおお!!!」
こっちの気も知らないで、店長は興奮して拍手までしている。
俺「いい経験が出来たな。」
友達「もうやらん・・・」
こうして俺達二人の仲は一層深くなった(と思う)。
ちなみに、後日このことがとあるルートで学校にバレて、俺の友達は一週間の停学を喰らう。
ついでに言うと、止めなかったと言うふざけた理由で俺も一緒に一週間の停学を喰らう破目になるのだった。