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満月と太陽ボウ…過去を越えて未来へ

オマケ(裏設定)


夢莉出版社のサポートは悪魔マモンが全面的に

行っていた。

そのせいか大規模な出版社となっていた。

私が経験した事を全て一希達に話し終えると


織田信長が

「星蘭とはそんな秘密があったのだな…」

と物思いにふけっていた。


僕は、望大伯父さんに


「大伯父さんの考えた作戦を教えて下さい。」

と聞くと今までの話しを遠くで聞いていた

二人の男が近付いてくる。


悪魔特有の気配と匂いを感じる。


僕と信長が天聖の爪と風毬の槍を構えると

望大伯父さんが

「一希さんこの人達は私達の仲間ですよ。」

と諭す様に話す。


一人は僕も見覚えがあった。

その男は

「一希君は初めてじゃないよね。」


「皆さん、初めまして、悪魔マモンの

息子"黒永永二"と言います。」


「一希君のクラスの担任をしています。」

と皆に自己紹介をする。

そして黒永先生の隣にいる

鮮やかな黒いスーツを着こなしている厳格で白髪の英国紳士の様な出で立ちの男が


「皆さん初めまして、人間としての名が黒永権蔵くろながごんぞう、本来の名はマモンと言います。」


「私が悪魔だと聞いて皆さんが警戒するのは当然の事だと思います。」


「確かに今まで生きてきて時には人の道に、反れる様な事に手を染めた事もあります。」


「しかし決して己の私利私欲で動いた事など一度もありません。」


すると隣にいたマモンの息子、黒永先生が「父さん、年取ってから話しが、回りくどくて長いから端的に言わないと、時間がないんだよ!」

とマモンに言うと

「永二!お前はいつもそんな事を言っておるが相手の気持ちも考えて話さんといかん時、もあるのだぞ!」


二人が口喧嘩を始め出した。


すると望大伯父さんが

「2人とも話しが長いので代わりに私が説明しますね。」

と少し不機嫌そうに話す。


マモンが


「望先生怒らないで下さい。」


「久しぶりに昔の仲間に会えて気分が高揚してしまっただけです。」


と望大伯父さんに謝っていた。

その様子を見ていて

僕は「まさかマモンさんて、平安時代で

望大伯父さんが教えていた、あのマモンさんですか?」


するとふざけながら黒永先生が

「そうそのマモン!」と笑っていた。


マモンは黒永先生の頭を、「このバカモン」と言い握り拳で殴ると話しを続けた。


「以前の目標はメフィストを倒しルシファーの復活を止めると言う事ですが、そもそもこれ自体が間違っています。」


「魔王ルシファーはメフィストの身体を

乗っ取りこの世界に既に存在しています。」


「そしてルシファーは闇の審理書の封印を、解いて自分の本体と一つになろうとしています。」


「封印を解くためには四つの世界にいる霊気の要となる者を殺さなくてはならないのです。」


「魔界は、強欲の悪魔ベルゼブブ。」


「天界は大天使ミカエル。」


「無の世界はケルベロス。」


「そして人間界は人間と悪魔と天使の魂を

受け継ぐ者とされています。」


「この内大天使ミカエルは既にメフィストの手によって殺害されました。」


「ケルベロスもルシファーを封印するのに、力を使い果たし、もう既に要としての役目を果たしていない。」


「これから一希君達はベルゼブブ達を倒しに行くのですよね。」


「それこそがルシファーの思惑通りなのです。」


その事を言うと藤堂さんが怒りに震えながら


「ルシファーを復活させない為にベルゼブブを見逃せと言うのか!そんな事をしたら

あいつの餌食になる者が出るぞ!」


「これ以上俺の様な思いをするやつを増やす訳にはいかない。」

とマモンに詰め寄る。


マモンは眉一つ動かさずに冷静に答える。


「ベルゼブブを見逃せと言う事ではないですよ藤堂さん。」


「先程も言いました通り強欲の悪魔ベルゼブブが魔界の霊気を支える要の者なのです。」


「つまり悪魔ベルゼブブが取り憑いている

人間と切り離してベルゼブブを封印すれば

被害者も出ないですし、ルシファーの復活も止められます。」


「藤堂様、貴方のお気持ちが全て分かるとは

言えませんが復讐したい気持ちは、分かります。」


「幼少期に目の前でご両親を殺され挙げ句

今でもその魂を縛り苦しめている。」


「何回殺しても怒りが収まらないと思います。」


「ですがそれでは欲望のままに動く

ベルゼブブと同じ獣でございます。」


「人間もまた道理と現実は別物でありましょう、藤堂様がベルゼブブを狙うのを止める

つもりもありません。」


「しかし望先生の邪魔をする様ならば、

私 が責任を持って排除させて頂きます。」


そう言うと右手から鮮やかに光る紅いもりを出すと先端を床に強くあて威圧する。


藤堂さんが

「やれるもんならやってみろよ!」

とマモンを睨み付ける。


月詠志保里ばあちゃんが

「貴方達、うるさいのよ!」


「望の邪魔をするならマモン、貴方も私が

払うわよ!」

と二人を睨み付けて凍り付かせる様な冷気を呼び出すと二人は静かに近くの椅子に座る。


望大伯父さんがため息をしながら


「マモンの話しの通りベルゼブブが消滅すれば封印の一つが消えてルシファーの完全復活が近付いて来ます。」

と一言を言うと


ずっと黙って聞いていた夢莉が

「マモンさんが最後に言っていた人間界の要は、人間と悪魔と天使の魂を受け継ぐ者と

言っていたけど誰だか分かるの?」

首を傾げてマモン達に質問をする。


それを聞いてマモンが

「それがメフィストを含め私達も知らないのです。」


「人間と悪魔と天使の魂を受け継ぐ者を探す為にメフィストは疫病の悪魔ネルガルである

余川仁美を使い最悪の感染症サビアを

撒き散らし人々を苦しめました。」


それを聞いた僕は,

「サビアと人間界の要に何の関わりがあるのですか?」

と聞くと黒永先生が代わりに答える。


「それはウイルスの特性が関わってるのさ。」


「サビアは悪魔と天使と人間の血を引く者には感染しない。」


「そしてメフィストの手下も同じく感染しない。」


「悪魔と天使と人間の血が、混ざっている者は存在しないと言っても良いぐらいに少ないですからね。」


「それを利用して、この世界に存在する者達をサビアに感染させて発症しない者達を

調べて行けば要の条件である悪魔と天使と

人間の魂を受け継ぐ者に辿りつくと言う訳さ。」


その説明を聞いて、今度は望大伯父さんが

「私はその事をマモン達から聞くと脳裏に

一人だけ要の可能性がある人物が浮かびました。」


「その人物は私の妹である日高雪さんです。」


「サビアが世界規模で大流行した当初に

一度だけ感染者に襲われている者を助けに

行き噛まれた事がありました。」


「ですが雪さんは発症せず噛まれた跡も

なかったので当時は偶然に避けたのだろうと思っていたのです。」


「しかし平安時代に行き星蘭と日菊の特性を知る事で確信へと繋がりました。」


「一希さん、初めてお会いした時に、雪さんが闇の審理書から星蘭を抜いた事を、覚えていますか?」


「星蘭は悪魔や鬼の血を継ぐ者しか使えません。」


「晴明さんは自分の中には鬼と妖狐の血が

流れていると言っていました。」


すると信長が

「わしも気になったのだが何故雪が星蘭が

抜けたのに、上手く使え無いのが

わからんかった。」


「星蘭は正当な持ち主でなければ触れるだけですぐに星蘭の裁きを受ける。」


「以前わしの友も星蘭を握りすぐに黒い炎に包まれた。」


そう言うと夢莉が以前に

雪ばあちゃんが言っていた話しを思い出す。


「それは変だよだって雪ばあちゃんの友達のしげちゃんとメーちゃんは星蘭に触れたけどそんな目にあってないよ!」


それを聞いた望大伯父さんが

「それはしげちゃん達が幼い子供だったからだと思います。」


「ウリエルは人間の事を憎み嫌っていましたが子供達の事を嫌ってはいませんでしたから…」


と夢莉達に伝えると信長が

「ならば何故雪は星蘭を使えない?」


と望大伯父さんに聞くと

「それは悪魔の性質のせいです。」


「悪魔は一回だけ蘇る事が出来るが

一度死ぬと悪魔の力を失うのです。」


「雪さんは赤子の頃とても病弱で医者に

一ヶ月も生きれないと言われました。」


「余命を宣告された日の夜に一度心臓が

止まりましたがすぐに息を吹き返しその後は嘘の様に元気になって行きました。」


「今を思えば、悪魔特有の病気にかかり一度死んだ事により悪魔の力がなくなり元気に

なったのだと思われます。」


月詠志保里ばあちゃんが

「雪が要なら誰か守りにいかないといけないわね。」

と言うと望大伯父さんが

「既に紗央莉さんにお願いしてあります。」


「何かあれば連絡がくるはずです。」

志保里ばあちゃんがそれを聞くとなら安心だと納得してまた優雅にソファに座る。


信長が

「紗央莉とは誰の事か知っておるか?」

と僕にひっそりと聞いてくるので僕は


「志保里ばあちゃんの妹でとても珍しい(獣印じゅういん)の使い手なんだ。」

と説明すると

信長が「獣印とはなんじゃ?」

と僕に聞くと

その声が聞こえたのか志保里ばあちゃんが

代わりに説明をする。


「獣印とは獣の魂を身体に宿す事でその力を行使出来るの。」


「例えば隼の魂を宿らせれば高速で空を飛べるとかね。」

と説明を終えると


望大伯父さんが真剣な眼差しでここからが

本題だと言いこれからの作戦を話し始めた。


日高望

「まず最初にやる事が一希さんが、賀茂さん達家族を説得して我々に協力して貰います。」


日高望

「綺羅々さんの髪の毛を貰い身代わりを作りこちらから悪魔を誘い出して祓います。」


月詠一希

「身代わりは賛成だけど明日、綺羅々が

さらわれるのが分かっているから、その後を追いかければ早いよ!」


月詠志保里

「一希君、明日は黒日よ、それは無謀ね。」


藤堂

「黒日?何すかそれ。」


マモン

「黒日とは人間界ではもっとも人間の生命力が下がる日だが悪魔達にとっては

霊力が最大限に上がり邪気も深まる。」


マモン

「いわば悪魔達の大安吉日という事ですな。」


信長

「もし悪魔が綺羅々以外の者を襲えば

この作戦は成立せんぞ!」


日高望

「綺羅々さん以外の者を使って正邪反転の儀をするのは考えにくいですね。」


信長

「何故じゃ?」


日高望

「それは、正邪反転の儀を行うには

心清き女性の汚された子宮と血液の

他に強い霊力を持つ魂が必要なのです。」


日高望

「綺羅々さんはその条件を全て揃えている

ので他を探すのは難しいでしょう。」


信長

「理由を聞いて納得したわ。」


日高望

「とにかく一希さんは綺羅々さんを

襲う悪魔を賀茂親子や藤堂さんと協力して

祓って下さい。」


藤堂

「俺が一希達と一緒に行っても良いんですか?」


日高望「これから何が起きても、貴方が一希を支えて下さい。」


日高望

「そして未来の一希さんは現在の一希さんに星蘭を渡して未来に戻って下さい。」


月詠一希

「じゃあベルゼブブはどうなるの?」


日高望

「それは現在の一希さんと藤堂さん達に

任せます。」


日高望

「一希さん貴方は未来に戻り天聖の爪を

使い運命を切り開いて下さい。」


月詠一希

「僕はどうすれば良いの?」


日高望

「安心して下さい!天聖の爪が

貴方を導いてくれます。」


作戦を話し終えると望大伯父さんが持つ

無線機にノイズが聞こえ慌てた声で


「こちら紗央莉、雪ちゃんの家に張られた、結界が破れて敷地内に悪魔達が入り込んで、来ました至急応援願います。」

と話すとガチャンと音がなり無線機の

向こうで争う音と獣の雄叫びが聞こえる。


望大伯父さんが

「志保里さん、一緒にきて下さい。」

と志保里ばあちゃんに伝えると二人は

雪ばあちゃんの家の方角に飛んで行く。


僕も雪ばあちゃんを助けに行こうとすると


黒永先生が

「一希君は望さんに言われた事を全力でやらないとね。」と僕の肩を掴み

雪ばあちゃんを助けに行くのを止める。


僕が黒永先生の手を払い

「何故止めるの!雪ばあちゃんが悪魔に

襲われているんだよ!」


と黒永先生を睨み付けて怒りをぶつける様に怒鳴る。


それを聞いた藤堂さんが僕をなだめる様に


「一希、落ち着け!雪さんは望さん達が必ず助けてくれる。」


「俺達はやる事をやらなきゃな!」


「綺羅々ちゃんを救わないとお前が見た未来になっちまうだろ!」


そう言うと僕の手を引っ張りパトカーに

乗せると僕達を連れて賀茂親子が住む

スーパーおづぬに向かって走り出す。


▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶


パトカーの助手席に座っている僕を見て

歩いている人が何かを言っている。


僕は何故か恥ずかしくなり悪い事を

していないのに下を向いて外から

顔がわからない様に背ける。


後ろにいる夢莉がふざけて

「お兄ちゃん補導されてる。」と

笑っていた。


藤堂さんが僕の様子をみて

「堂々としていないと逆に周りから

変に思われるぞ!」


「ちゃんと前をみてろ。」


と言いながら夢莉と同じく笑っていた。


僕は、ふざけている二人をみてモヤモヤ

しながら外の景色をみている。


すると信長が突然、藤堂さんに

「お主、何故わし等が見える?」

と聞くと藤堂さんが人差し指でリズムカルにハンドルを叩きながら答える。


藤堂

「最近、毎晩と夜中に落武者が枕元に

座って信長様を助けてくれって言うのよ。」


藤堂

「俺さ、霊感全くないから最初は

夢かなとか思って気にしてなかったんよ。」


藤堂

「この前、渋谷区で連続強盗殺人事件が

発生して、渋谷警察署の人員が足りないからって事で駆り出された時だわ。」


藤堂

「ある食料品店に強盗が入ったて事で

要請が入り、俺が現着した時には犯人が

食料品店の店員にナイフを突き付けて

たんよ。」


藤堂

「すると犯人が俺の顔を見るなり、いきなり黒い化物に変身しやがってさ。」


藤堂

「目の前で店員を喰っちまってよ。」


藤堂

「その姿にびびって腰が抜けて動けなくなっちまってよ。」


藤堂

「黒い化物が店員を喰い尽くすと

今度は俺の方に襲い掛かって来やがって。」


藤堂

「俺、多分死ぬなと覚悟を決めた時に…」


そう言うと藤堂さんから淡い光を放たれると

後部座席に色白の鋭い眼光が光る武将が現れると藤堂さんの話しを遮り続きを語り始める。


「お初にかかる拙者は、明智光秀と申す。」


「未琴は,私の子孫であるが故にずっと見守り続けていました。」


「未琴が鬼に襲われとっさに私の力で鬼を

吹き飛ばすが私の霊力では、力不足で鬼を

祓うだけの力が足りず、仕方なく未琴を

連れて逃げました。」


「拙者達は近くにある公園の公衆トイレの

一番奥に隠れると拙者達を追いかけてきた、鬼がトイレに入って来る。」


「一番手前の扉をドンッと大きな音たてて、勢いよく開ける。」


「恐らく鬼は、拙者達の居場所に気付いているが怯えている拙者達を楽しんでいるかの

様に順番に扉を開けていく…」


「隣の扉が開けられ次は拙者達がいるトイレの扉の前に鬼が立つ。」


「そこで拙者の機転によ…」

と今度は明智光秀の話しを遮る様に

藤堂さんが

「光秀が俺の相棒である、自動小銃"ハチキュウ"に宿ると淡く光を放ち化物が、

俺達のいるトイレの扉を開けると同時に

黒い化物目掛けてぶっぱなして祓って

やったぜ!」

と笑って話す。

すると信長の表情が変わり

「この石頭が息災でおったか!」

と喜んで明智光秀に話しかける。


明智光秀の眉間にシワを寄せた険しい顔が

和らぎ

「お館様も息災で何よりでございます。」

と再会を喜んでいた。


明智光秀が辺りを見渡して

「蘭はいないみたいですね…」


「彼は成仏したのですね。」

と寂しそうにしていた。


織田信長がその様子をみて

「蘭、とは誰の事を言うておる?」

と首を傾げていた。

すると二人の話しを聞いていた夢莉が

「明智さんもしかして蘭て森蘭丸様の事ですか?」

と眼を光らせて明智光秀に聞くと

「はい織田信長様の身の回りの世話を

していたよく気が付く少年です。」

と夢莉の質問に答えると信長が

「森蘭丸などわしは知らんぞ!」

と訝しげに答える。


すると僕の頭の中で森蘭丸の声が響く。


「一希殿、憶えていないのは仕方ないのです。」


「私が信長様が金ヶ崎での戦で悪魔に取りつかれた、浅井長政あざいながまさ様達を、止める為に星蘭を使い過ぎ、その代償により鬼となりかけたのを、私の魂と引き替えに信長様の鬼化を先延ばしにしました。」


「その時星蘭から言われたのが私が、

存在した時の記憶が大切な人の中から

消えていくという事でした。」


すると僕の方をみて信長が

「またお主は、ケルベロスと話しをしているのか?」


「あんな化け物と良く仲良く出来るのお。」


と僕の頭を平手でポンポンと軽く叩く。


僕が信長に森蘭丸の事を話そうとすると

口が開かない。


その様子を感じて森蘭丸が

「一希殿、そのお気持ちだけで十分でございます。」

と伝えるとまた声が聞こえなくなる。


藤堂さんが「おづぬに着いたぞ!」と

言うと駐車場にパトカーを止めて降りる。


僕もシートベルトを外して助手席から降りるとパトカーから降りる僕をチラッと見ながらひそひそと話しをして見知らぬ人達が

通り過ぎて行く。


僕は、早歩きでスーパーおづぬに入って行く。


一方その頃、雪ばあちゃんを助けに向かった

望大伯父さん達は、二人の悪魔に苦戦をしていた。


◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁


「現代最強の陰陽師、日高望も大した事がないな!」

と美しく光るルビー様な瞳を持つ悪魔が

漆黒の翼を拡げて望大伯父さんを空から

見下ろしていた。


日高望

「やはり海里さんが来ましたか!」


月詠海里

「私が来る事が分かっていたから一希と一緒に来なかったのね。」

そう言うと


もう一人のブルークォーツの様に美しい

青い色に輝く瞳を持つ女神の様な悪魔が

「望、お願い諦めて、私達のする事を黙って

観ていて!」


と望大伯父さんを悲しそうに見詰めて言う


日高望

「メフィスト側だとは気付いていましたが、まさか、悪魔になっているとは思いませんでしたよ!」


日高望

「何故息子の命を奪った者になってしまったのですか、月詠志保里!」


月詠志保里

「それは夢莉の命を守る為に仕方なかったのよ!」


日高望

「夢莉さんが生きているという事は本当ですか?」


月詠志保里

「えぇ、本当よ確かにメフィストの城で

培養液に浸されて生きていたわ。」


日高望

「確かメフィストに殺されたと夢莉さんが

言っていたのに何故です?」


月詠海里

「メフィスト様が夢莉に幻覚を見せて肉体と幽体を分離したのよ。」

日高望

「ならあの遺骨は、誰の者なのですか?」


月詠志保里

「あれは自殺した人間の骨よ。」


日高望

「何故そんな事をしたのですか?」


月詠海里

「それは、一希がメフィスト様を強く憎む、様に仕向ける為にするためよ。」


月詠海里

「そうすれば一希の中にある凄まじい闇の力が解放されて、その力にミカエルの魂をぶつけると夢幻の扉が現れる。」


月詠海里

「夢幻の扉が開けば、この世に邪気が溢れて、逢魔が刻が訪れ、創造神様がいる世界へとつながる。」


月詠志保里

「メフィストは創造神を滅ぼしてこの世界に住む者達を救おうとしているの。」


日高望

「世界を救う?」


月詠志保里

「望は何故この世界に悪魔と天使と人間が

存在すると思う?」


日高望

「アウロラに聞いたのは、創造神がこの世界に人間を作り、人間を守る為に天使を作ったと聞いています。」


日高望

「悪魔は人間を大切にする創造神に嫉妬した魔王ルシファーが作り出したとも聞きました。」


月詠志保里

「ルシファーは、この世界の生命体から出る怨み、憎しみ等の負のエネルギーを使い、

悪魔を作り消化していたの。」


月詠志保里

「それも創造神の命令でね。」


月詠志保里

「人間を作り出した理由も創造神の為

だけなの。」


月詠志保里

「この星そのものである創造神の食料が

人間の魂だからなのよ。」


月詠志保里

「天使は人間の魂がより清く強くなるように

守っていたの。」


月詠海里

「そしてもうじき創造神の食事が始まる。」


月詠海里

「一度、創造神に喰われた魂達は決して転生する事はない。」


月詠海里

「メフィスト様は大切な家族の魂が食べられる前にミカエルの魂で作られた神具を使い

創造神を殺す。」


月詠志保里

「メフィストはルシファーの知識を利用して亡くなった家族達を甦らせるとも言っていたわ。」


月詠海里

「メフィスト様は、家族で仲良く暮らす事が望みなの。」


月詠海里

「その中に望、貴方も含まれているのよ。」


それを言うと昼間なのに急に空が漆黒の闇に染まり雷雲が立ち込める。


凄まじい重圧が空から伝わり、六つの漆黒の羽を羽ばたかせ天空を切り裂き舞い降り

深淵の瞳を持つ幼い悪魔が日高望に

懐かしむ様に語りかけてくる。


「望、会いたかったよ。」


「僕はただ家族みんなで暮らしたいだけなんだ。」


「僕の城には夢莉がいる。そして一希が僕の

思惑通りにベルゼブブを倒しに行った。」


「これで雪を殺せば要がいなくなり夢幻の扉が開き邪気が溢れ逢魔が刻が訪れ、創造神と会える。」


「彼女達からこの世界の真実を聞いたろう。」


「僕はルシファーとミカエルの力を借りて

創造神を滅ぼす…」


「望、桃源郷の時みたいにまた色々教えてよまた、あの頃みたいに僕の頭を優しく撫でて。」


そう言うと子供の様な笑顔を向けて望の

前に立ち右手を差し出す。


望大伯父さんは、悲壮に満ちた表情を浮かべ


「メフィ、痛い程に気持ちが伝わるよ。」


「だけど私が言った事を憶えているかい?」


「優しい気持ちを忘れてはいけないよ。」


「そうきみには伝えた筈だよ。」


「創造神を滅ぼす為に他の者達を犠牲に

した…」


「ケルベロスもヒナタもウリエルも皆

そんなメフィを止めたくて戦ったんだよ。」


「私も道に外れたメフィを止める為に戦う。」


「それが家族だから…」


自分の想いを伝えると霊力を込めた日菊を

握り締めてメフィストに刃を向ける。


メフィストの表情が悲しげに涙を浮かべ

「望さよなら、僕は、止まらないよ…」


と日高望に向かって言うと、両手を拡げる。

すると闇の霊気が集まり禍々しい力を放つ

ミカエルの魂で作られた巨大な大鎌が

現れる。


私は自分の霊力を全て込めた日菊を天に掲げ「聖なる日の光りよ我の前に立つ邪なる者を切り裂き天に帰せ」(聖光波動斬せいこはどうざん)と唱えると神々しい光りが雷雲を切り裂いてメフィストに射し込み聖なる光が降り注ぐ。


メフィストが大鎌に闇の気を込めると

「夢幻に潜む闇の力よ我の前に立つ者を無へと帰せ」(閻無奏ハデス)と唱えると闇より黒い底が見えない程の暗闇が光を

飲み込み全て黒い霧となり消滅していく。


その暗闇が日高望の身体をも飲み込み

無に消えて行った…

そして日菊だけが地面につき刺さる。


雪ばあちゃんがその光景をみて嘆き叫ぶ。


すると三人の子供達が日菊と雪ばあちゃん

そして二人の悪魔と戦い瀕死の月詠紗央莉を抱えて逃げる。


悪魔志保里が「逃がすか!」と叫び空気全体を凍らすが狐目の少年が

「風の守り神よ我等を守りたまえ」と言うと激しい砂嵐が起きて周りが見えなくなる。


悪魔海里が闇の波動弾を手から放つが砂嵐が邪魔をして少年達に当たったのかが

分からず、砂嵐が消えると少年達と

雪ばあちゃんと紗央莉さんの姿が消えていた。


メフィストが笑いながら

「やっぱり望はすごいな!」


「お前達、夢幻解錠の儀を行う為に僕の城に戻るぞ。」

と言うと二人の悪魔を連れて自分の城へと

飛んで行った…



▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶


その頃一希達は、バーゲンに群がる人だかりで賀茂親子を見付けられずにいた。


「いらっしゃい!いらっしゃい!」


「只今、土曜日限定タイムセールおづぬ祭りを始めます。」


「スイカ一玉2000円のところタイムセールにより 5分間200円!200円で売ります。」


「さぁ早いもの勝ちだよ、持ってけどろぼー!」

とマイクを持った店員さんが大声で叫んでいた。


獲物に群がるハイエナのようにスイカ売り場にお客さんが集まる。


藤堂さんが遠くで

「ここはヤバい、人気の無い安全な場所まで

逃げるぞ!」と叫んでいた。


僕は声のする方に向かうが欲望に染まる人間の恐るべき力に抗えず地面に倒れ踏みつけられる。


すると「少年大丈夫か?」と人の群れを力業で押し退け僕を抱えその場から救い離れる。


見覚えのある大胸筋が僕の頬を抑えつける。


僕を救ってくれた恩人の顔見ると賀茂頼則武だった。


安心したのか僕の瞳から思わず涙が溢れる。


信長はそれを見て笑い、光秀は日本産のワインを眺めていた。


夢莉だけが僕の側に来て慰めてくれた。


賀茂頼則武がたくましい右手で僕の肩を掴むと「男がむやみに泣いたらいかん!」


「男が泣いて良いのは親が死んだ時と

夢が叶った時だけだ!」

と僕に言い聞かせる。


すると「おーい!一希、大丈夫かー!」と

大声で叫びながら僕のいる方に向かって

来た。


藤堂さんがボロボロになっている僕を見ると信長と一緒に笑い唾を、のみそこなって

むせている。


僕が二人を軽く睨み頼則武さんにこれから

綺羅々の身に起きる事を全て伝える。


月詠一希

「綺羅々が明日悪魔に襲われて殺される!」


月詠一希

「だから賀茂さん力を貸して下さい!」


賀茂頼則武

「一希君、悪いが冗談にしては良くないな。」


賀茂頼則武

「それに綺羅々が明日出かける事はない

ぞ!」


そう言うと後ろを振り向き店内に戻ろうと

するので僕は必死で頼則武の腕を掴み

「力を貸して下さいお願いします!」

と頭を下げる。


頼則武が必死で頼み込む僕の姿をみて

「分かった、但し一つだけ条件がある。」

と言うので僕はその条件は何かと聞くと


「それは家にいる我が息子の賀茂太郎に会ってから話そう。」と言うとスーパーおづぬのトラックに乗り込んで自宅に向かう。


藤堂さんと僕もパトカーに乗り込みトラックの後を追いかける。


しばらく走ると頼則武さんが窓から手信号を僕達におくり近くの駐車場に入ると

頼則武さんが

ここからはパトカーで来られるとご近所さんの目があるからこのトラックに乗って来て

欲しい。

と僕達に話すと藤堂さんがすみません

気付かなくてと会釈をする。


僕達は、頼則武さんが運転するおづぬの

トラックに乗り込むとまた走り出す。


ピンク色に目立つ建物が見えてきた。

賀茂頼則武がトラックを自宅の駐車場に停めると

「ここが私の家にです。」と言ってトラックから降りる。


僕達もトラックから降りると頼則武は家の鍵を開けて玄関口で

「おーい太郎!悪いがちょっと下に降りてきてくれ。」


と二階に声が届く様に呼んでいると階段を

ゆっくりと降りてくる眼鏡をかけた猫背の

少年が

「今将棋の良い譜面が、浮かんだのに何か様なの!」と不機嫌そうにこちらに向かって話す。


頼則武は僕達が話した事をその少年に伝える。


僕達の方を見て、眼鏡を外すと綺羅々と

似ている少年が


「すみません、お客様が来るとは存じていなくて失礼な態度をしてしまいました。」


「初めまして賀茂頼則武の息子、賀茂太郎と言います。」


「父から話しを聞きました。」


「あまりに荒唐無稽こうとうむけいな、話しで残念ながらどうしても疑ってしまいます。」


「ですが、皆さんがその様な嘘をつく理由も、無いと考えられます。なので幾つか私の質問を、答えてもらえますか?」


少年とは思えない

落ち着いた雰囲気を醸し出し言い終える。


僕達がわかったと頷くと太郎が

精神を瞳に集中させると瞳が真珠の様に白くなる。


僕達は,急に頭と意識がぼんやりとする。


賀茂太郎

「これから質問をします。」


賀茂太郎

「まず警察官の藤堂さんに聞きたい事が、

あります。」


賀茂太郎

「貴方の所属と秘密を教えて下さい。」


藤堂未琴

「俺の所属は(WPMA)の特殊犯罪対策科だ。秘密は幼い頃から大事にしている

ぬいぐるみと一緒に寝ている。それが無いと悪夢を見て寝れなくなる。」


賀茂太郎

「なるほどぬいぐるみと寝ているとは以外と可愛い秘密ですね。」


賀茂太郎

「次は、一希君に聞きます。貴方は何処で僕達、家族の秘密である合言葉を何処で聞きましたか?」


月詠一希

「2日後の未来から賀茂さん達からそれを、言えば必ず力を貸してくれると言って教えてくれました。」


賀茂太郎

「…確かに。」


賀茂太郎

「では皆さんに聞きます。僕の名前が太郎と聞いて何と思いましたか?」


藤堂未琴

「書きやすいと思った。」


月詠一希

「ダサッと思いました。」


賀茂太郎

「ほぉ~面白い発見です。書きやすいと思う人もいるのですね。」


それを聞いた賀茂親子はお互いの顔を見て

納得すると賀茂太郎が眼鏡をかけて術を解く


僕達の意識がはっきりすると後ろで黙って

見ていた信長達が

「あれは心眼だな、久し振りに面白いものをみたわ。」

と笑っていた。


すると賀茂頼則武が、

「声が聴こえるが誰かいるのか?」

と周りをキョロキョロと声の主を探していた。


僕は,

「もしかしてここにいる人が、見えないのですか?」と賀茂親子に尋ねると

頼則武は

「私は霊感が無く見えない。」

と残念そうに言い


太郎は「眼鏡を外せば見えますよ。」

と父親の方を見て自慢そうに話す。


僕達は賀茂親子に綺羅々が、

今何処にいるのかを聞くと

太郎が気分転換に外の空気を

吸ってくると言って出掛けたと

教えてくれた。


すると空から三つの人影が凄い速さでこちらに飛んで来る。


すると息を切らせながら狐目の少年が、

「一希さんはここにいますか?」

と焦る声が聞こえ

僕はすぐ過去の望大伯父さんだと思い玄関

から外に出ると傷だらけになっている

紗央莉叔母さんと雪ばあちゃんを必死で

抱える二人の少女達が、そこにいた。


僕は血が付いている雪ばあちゃんの方に

駆け寄り声をかけると意識がない。


僕達の様子を見て何が会ったのかを

過去の望が自分が見た全ての事を話す。


僕達は望大伯父さんが

メフィストに殺された事

月詠志保里ばあちゃんが

悪魔でメフィストの手下だった事

夢莉が生きていてメフィストの城に

捉えられている事を聞いて

激しい動揺が走る。


すると紗央莉叔母さんを抱えている少女達が


「そこの二人!いつまでそこで話しをしているのですか!」


「早くこの人を治療しないと手遅れになりますよ!」

と叫んでいた。


(少年期)望は

「一希さん今、私は殆どの霊力を使い果たしてこの人の治療が出来ません。」


「貴方の天聖の爪で治せませんか?」

と僕に伝えると意識を失い倒れる。


僕は雪ばあちゃんと紗央莉叔母さんの前に

立ち左手に精神を集中させる。


すると金色に輝く爪が左手に現れる。


僕は頭の中にいるケルベロスに天聖の爪の

使い方を聞くと僕は意識を失い黒い渦が現れその場にいる者達を飲み込む。


僕達を薄暗い森林に落とすと役目を終えた

黒い渦が消えていく。


藤堂さん達がここは何処だと騒いでいる。


ここが闇の審理書の中だと直ぐに気づき

僕は大声でケルベロスを呼び続けると

目の前に今にも消えそうになっている

ケルベロスがうずくまっていた。


ケルベロスが

「我を呼んだ理由は、分かっている時間が

無い故、手短に言うぞ。」


「天聖の爪に魂を込め惡眼に精神を集中させろ!」


「さすれば魂を肉体から取りだそうとする

黄泉鬼が見える筈。」


「黄泉鬼に天聖の爪を突き刺し魂ごと肉体に戻せば良い。」


「早くせねば、黄泉鬼が創造神の元に魂を

運んでしまう。」


と言いながら苦しそうに咳き込む。


僕は言われた通りに自分の魂を天聖の爪に

注ぎ込むと身体に激しい脱力感が襲い手足が震える。


そして左目の惡眼に精神を集中させると

全てが暗闇に映り何も見えない

僕は更に神経を研ぎ澄まし黄泉鬼の気配を

探す。


小さな光りを放つ青い小鬼が肉体から

ぼんやりと燃える火を引っ張り出そうと

している。


僕は、これが黄泉鬼だと思い天聖の爪を

紗央莉叔母さんに黄泉鬼ごと突き刺すと

黄泉鬼に燃える火が焼け移り、虹色の炎と

なり紗央莉叔母さんの身体に吸い込まれる。


すると意識が戻り淡い緑色の眼が開くと

紗央莉叔母さんは

「カズ君ここは何処?ゆきちゃんは無事?」

と僕に聞くので事情を説明すると直ぐに

起き上がり

「ごめんカズ君、望さんや姉さんを守れなかった…」とうずくまり泣いていた。


僕は紗央莉叔母さんの背中をさすりながら

雪ばあちゃんの姿を探していた。


僕の方に二人の見覚えのある少女達が歩いて来る

「私達は40年前からきた月詠志保里と

紗央莉です。」


「望から事情は聞きました。」


「一希さんの力になります。」


すると遠くで藤堂さんが大声を出しながら

雪ばあちゃんに心臓マッサージをしている。

その声を聞いて紗央莉(少女期)と志保里(少女期)が声の方に走って行く。


僕は、霊力を使い果たし動かない身体を

無理矢理に動かして地面に転びながら

雪ばあちゃんの方に駆け寄ると

藤堂さんが、必死で心臓マッサージをして

志保里と紗央莉が自分達の霊力を

込めて雪ばあちゃんの傷を

塞ごうとしている。


雪ばあちゃんを助ける為に僕は覚悟を決めて天聖の爪を出すと惡眼に精神を集中させる。


心臓が脈を打つ度に全身に釘が刺された

様に痛み、僕の口から血が吹き出して地面に滴り落ちる。

明智光秀が僕の手を掴み

「それ以上続けると死ぬぞ!」

と止めるので手を払い天聖の爪に魂を

注ぎ込む。

すると夢莉が蒼白く光り出すと

メフィストの声が夢莉から発せられる。


「雪の命を救うのは僕が許さない!」


と言うと夢莉の背中に六つの漆黒の羽が宿り

霊力で治療をしている紗央莉達を吹き飛ばして心臓マッサージをしている藤堂さんの

首を強く締める。


藤堂さんが夢莉の手を払おうとするが

手がすり抜けて外れない。


信長が

「あやつ夢莉の肉体から自分の霊気を送り

夢莉を操っておる。」


「早う止めねば夢莉も悪魔となる、一希!

星蘭を使いメフィストが出す霊気の糸を斬れ!」と僕に言う。


しかし今の僕は霊力が尽きかけ星蘭や

天聖の爪のどちらか一回使うと動けなくなり両方は使えない。


僕は望の方を見るが倒れて動かない。


僕が悩んで動けずにいると息苦しそうに

咳き込みながら雪ばあちゃんが

「カズちゃん私は、もう大丈夫だから

ゆうちゃんを助けてあげて…」

と僕に伝える。


僕は最後の力を振り絞り星蘭に霊力を

込めると不気味に脈を打つ大鎌が現れる。


両手で大鎌を握ると惡眼に精神を集中させると黒い糸見えて夢莉の魂を縛り苦しめている。


僕は黒い糸を全力で断ち切ると夢莉から

邪悪な霊気が消えてそのまま光の粒となり

メフィストの城へと飛んでいく。


全身に激しい痛みと脱力感が襲いながらも

這いずって雪ばあちゃんの元にいくと

藤堂さんが泣きながら僕に

「一希、すまん…」と一言伝える。


二人の少女達も

「ごめんなさい私達ではどうにも、出来なかった…」と僕に謝る。


僕は雪ばあちゃんの身体を触ると徐々に

手と顔が冷たくなっていく。


悲鳴にも近い声で僕は雪ばあちゃんの身体を揺さぶりながら呼び続ける。


しかしばあちゃんからの返事が返ってくる事はなかった。


すると一人淡い緑色の瞳を持つ

紗央莉(少女期)が


「雪さんは悪魔が放った霊力の弾から私達を庇って傷ついてしまったの…」


「未来の望から貴方達の事を頼むと託されたのに…」


今度は青いクォーツの様な瞳を持つ

志保里(少女期)が

「私のせいで、ごめんなさい…」と僕に声をかける。


絶望と怒りが混ざり僕の心を黒く禍々しい

膿が蝕んでいき肉体が変化していき全てを

破壊したい衝動に襲われる。


すると意識が戻った、紗央莉叔母さんが僕を抑え望(少年期)が日菊を握り締めて僕の右目に突き刺して聖なる気を送り込む。


気が付くと僕の肉体がケルベロスの様な

獣の姿に変わっていた。


信長が悲壮に満ちた表情で

「星蘭の呪いがもう始まったのか…」

と僕の姿を見つめていた。


すると弱々しく咳き込むケルベロスが


「違う、我の血を引きツクミの生まれ変わりである一希の本来の姿だ。」


「我の肉体は直に滅び滅する、その前に託さなければならない物がある。」


「我が封じているルシファーの力を一希に宿す。」


「その力でお前の気持ちの赴くままに戦うのだ。」


そう言い残すとケルベロスの肉体が砕けそこから白と黒の波動が混じる凄まじい霊力が

僕の身体に入ってくる。


信長が

「いかんこれでは一希が魔王になってしまう!」と叫び風槍を構える。


その声を聞いて藤堂さんの拳銃に明智光秀が宿り僕に銃口を向ける。


紗央莉さん達も霊力を集中させて構えている。


すると意識が戻った望(少年期)が

「安心してください。」


「未来の望《私》から聞きましたが一希さんは魔王にはなりませんよ。」


そういうと僕の方を冷静に見ていた。


ルシファーの力が全て僕に宿ると禍々しい

邪気と神々しい聖気の波動が全身にまとう。


そして獣の姿から人間の姿に変わり草原に

吹く風の様に穏やかな霊気が流れる。

空気の様に気配を感じられない僕の様子を

周りにいる仲間達が不思議そうに見ていた。


賀茂太郎が

「何で魔王の力が一希君に入ったのに人間の姿になる?」と驚いている。


望(少年期)はそれを聞かれて


「全ての人間は闇と光が混在しています。」


「ケルベロスの聖なる力とルシファーの

邪悪な力が相殺して元の人間の姿になったのだと考えられます。」


と賀茂太郎の疑問に答えた。


信長が周りに

「しかし見た目で油断するな!」

と言って警戒する。


僕は警戒する信長に

「僕は魔王になってないよ。」


「魔王は信長だけで十分だしね。」


と笑って伝える。


僕の言葉を聞いて信長が風槍を解き


「お主は二つの強力な霊力が身に宿った

はずだが相変わらず言うことは阿呆よの。」

と安心した様に笑う。


信長の一言で緊張が解けて藤堂さん達も

警戒を解く。



僕はさっきまでの不安が嘘の様にこれから

しなければいけない事を誰かに導かれる様に

次々と脳裏に浮かぶ。


今綺羅々の身に危険が迫っている。

そう感じた僕は、精神を研ぎ澄まして

気配を探る。


ここから3キロ先から二人の気配を感じる。


一人は綺羅々だろうか、その後を邪気を放つ何かが追いかけている。


「歩空"瞬"!」と唱えると

仲間達の前から一瞬で気配がある場所まで

光の粒となり飛んでいく。


紅いポニーテールの少女が

「ここは何処なの、誰か助けて…」と

不気味に広がる森林を、雄叫びを上げ

ナイフを振り回しながら追いかけて来る、

常軌を逸した黒いレインコートを着た猫背の男から逃げていた。


私が木の根につまずき転び胸に着けていた(Miyabi)、と書いてあるバッチが取れて転がる。

邪気を放ち黄色い瞳を持つ男が

転んだ私に首元にナイフを突き付け


「言うことを聞けば殺さないでやる、動くなよ!」と


言うと恐怖で動けない私に手を掛けようとしたその時、


男の身体に光の弾が命中し数メートル程

吹き飛び木々にぶつかり気を失う。


恐怖で動けない私を、抱き起こし

「綺羅々、大丈夫?」と少年が心配そうに

見ていた。


私は聞き覚えがある声が聞こえ

助けてくれた少年の顔を見て

「一希君!何でここにいるの?」

と驚きながら尋ねる。


月詠一希は、

「ごめん、後で詳しい事を話すから今は、

僕の後ろにいて。」

と私に言うと吹き飛ばした男の方を睨んでいた。


すると気を失っていた男が立ち上がり

黒いレインコートの男が獣の様な

咆哮を上げると黒い化物に姿が変わる。


私は一希君の後ろに隠れる様に下がると

化け物が

「モウスコシデ、タノシメタノニ、ジャマヲシヤガッテ!」


「マアイイ、コゾウヲ、コロシテ、

ツヅキヲタノシムトシヨウ。」

と言うとナイフを振り回してこちらに

襲いかかる。


その剣幕に怯えて動けない私を抱えて

一希君が空に飛ぶと「聖魔の光よ我に

牙を剥く邪なる者に罰を与えよ。」

(聖魔邪裁ザクロギ)と唱えると化け物の体内から黒い炎を纏う無数の刃が突き破ると化け物の身体を焼き尽くす。


化け物の凄まじい断末魔と共に黒い刃が

光となって天に帰っていく。


すると足元から

「おーい、一希!」

と大声で呼ぶ人達の声が聞こえる。


一希君は、私を優しく地面に下ろし私の身に起きた事やこの場所の事を全てを話すと空に浮かぶ赤い満月を見つめ笑っていた。


誰かがいきなり泣きながら私を抱き締める。


「綺羅々!大丈夫か?怪我はないか?」


私の父親の賀茂頼則武が身体を触りながら

確かめる。

ふと我に返り「恥ずかしいから止めて!」とパパをビンタすると

いきなり叩かれて驚いたのか座りこみ

動かないでいた。


その光景を見て兄の賀茂太郎が笑っていた。


一希君は、私達に

「未来の僕はもう戻らないといけない!」


「藤堂さん、望、後の事はお願いします。」


そう言い残すと淡く緑色の光りを放ち

一希君の中から黒と白の丸い球が空に飛んで消えて、一希君は地面に倒れる。


すると狐眼の男の子が

「あなたが綺羅々さんですね。」


「いきなりで申し訳ないのですがこれから、過去に戻り悪魔ネルガル達を倒しに行きます。」


「手伝って貰えますか?」


と私に聞いて来る。

何の事か分からず困っていると

パパ達が今何が起きているのかを全て

話してくれる。


私は世界を救うとかよく分からないけど

大切な人達を守りたいと家族を見ながら

決意を固め望に頷いて行くと伝える。



地面に倒れ動かない一希君が心配になった

私が側に駆け寄ると「うーん」と頭を

抱えながら起き上がる。


信長と光秀がボーッとしている一希君を

容赦なく叩いて正気に戻すと

「わしらは、このままベルゼブブを倒しに

行くぞ!」と一希君に話していた。


藤堂未琴

「じゃあ俺の言う西暦と日付と時間そして

場所に行けるか?」


日高望(少年期)

「はい、時間が分かれば皆さんを過去に飛ばせます。」


藤堂未琴

「じゃあ1999年7月8日8時47分の軽井沢に飛ばしてくれ!」


月詠一希

「その時代には何があるの?」


藤堂未琴

「俺の家族がベルゼブブに襲われた時代だよ…」


それを聞いた望さんは、

「分かりましたでは一希さん、藤堂さん、

信長様、光秀様、後武運を祈ります。」

と言って複雑な印を結ぶと一希君達を過去に飛ばした。


望さんは

「黒永さんとマモンから聞いたネルガルが

サビアを流行させた時代に飛ばします。」


「これからネルガルを倒しに行くのですが

私は皆さんをこの時代から過去に飛ばす事は出来ますが、私自身は一旦元の時代に戻ってからでないと目的の時代に行けません。」


「なので申し訳ないのですが先にネルガルがサビアを振り撒いた時代にいってもらえますか?」


「私は後から行きます。」


と私達に話すと複雑な印を結びネルガルの

いた時代に飛ばした。


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ベルゼブブの討伐隊(月詠一希"過去")、

(藤堂未琴)、(織田信長)、(明智光秀)


ネルガルの討伐隊(賀茂頼則武)、(賀茂太郎)

(月詠志保里"少女期")、(月詠紗央莉"少女期")

(賀茂綺羅々)、(月詠紗央莉"現在")


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過去に飛ばす為に殆どの霊力を使い少し

疲れた望さんは、闇の審理書の奥にある

無の扉の前に座って休んでいた。


そこに二人の悪魔が歩いて来る。


望は、日菊を構え

「やはり来ましたか。志保里、海里!」


悪魔海里

「年上に呼び捨ては、良くないわね。」


日高望

「悪魔に身を落とした人間に礼儀を持つ意義は、ありません!」


悪魔志保里

「確かにそうね…」


悪魔志保里

「望、今の貴方を傷つけたくないの。」


悪魔志保里

「無の扉の前から退いて。」


日高望(少年期)

「それは、難しい話しですよ。」


日高望(少年期)

「ここを退いたら貴方達は、夢幻解錠の儀を行うでしょう。」


日高望(少年期)

「それだけはさせない!」


そういうと二人の悪魔と望の間に凄まじい

霊気が集まり緊張が走る。


すると悪魔海里が

「なら望、ここで死んでもらうしかないわね。」と言って木で出来た人形を持ち霊力を込める。

そして「夜月の血を持つ我に力を与えよ。」と唱えると木の人形がメフィストの形に

変わり望に闇の波動弾を放つ。


その攻撃を躱し悪魔海里に斬りかかるが

同じく弾かれる。

日高望(少年期)が

「やはり一筋縄ではいかないですね。」

と笑っていた。


その背後で悪魔志保里が全てを凍らせる程の凍てつく冷気を放つ。


全ての木々や地面が凍りついていく。

その冷気を日菊で防ぎ望は空を自由に駆け巡る蝶の様に舞いながら

「天と地に宿りし精霊達よ日の血を,受け継ぐ我の命に従え」と念じ八枚の依り代を出すと

複雑な印を結び依り代に霊力を吹き込み

五行操術天地雷鳴ごぎょうそうじゅつあまちらみな」と唱えると自然界に存在する8つの精霊が現れる。


精霊達が一つに集まると漆黒の鱗を持つ

翼竜の姿に変わり

「我の名はディアポロス、日の血を受け継ぐ者にのみ従う」


そういうと望は「私の目の前にいる悪しき者達を退けろ。」と二人の悪魔を指差し

ディアポロスに命じる。


すると全てを押し潰す様な重圧感を放ち

「承知した。」と一言話すと二人の悪魔に

向かって飛んでいく…



一方その頃月詠紗央莉率いるネルガル討伐隊は東京の人混みの多さに驚いていた。


志保里(少女期)

「何ですかこの人混みは何かのお祭りでもあるのですか?」


賀茂綺羅々

「東京はいつもこんな感じだよ。」


紗央莉(少女期)

「嘘…、」


賀茂太郎

「それよりネルガルの場所はわかっているのですか?」


紗央莉(未来)

「えぇ千代田区で行われる医学会の

国際フォーラムでネルガルは、

サビアウイルスが入っている爆弾を仕掛けているらしいの。」


頼則武

「ならこの近くだ、君達全力で走るぞ!」


そういうと物凄い速さで朝日に向かって

走っていく。


賀茂太郎がそっちは皇居がある方だよ!と

大声で叫んでいた。


私は、パパ達のやり取りを見てため息が出ると本当にネルガルを倒せるか不安を感じていた。


そして一希率いるベルゼブブ討伐隊では、

もうベルゼブブとの戦いが始まっていた。


大きな洋館の窓を激しい雨が風と共に吹き付けガタガタと音がなる。


そこには手足を縛られた男性とその子供が

ベルゼブブに殴られ血を流し倒れていた。


そして子供の母親にじりじりとにじみより「子供を殺されたくなかったら大人しく私の言うことを聞きなさい。」と脅していた。


ベルゼブブが母親の服を引き裂こうとすると

蒼白く光る弾丸がベルゼブブの手を貫く。


黒い体液が飛び散るとベルゼブブが怒りに

震え「私の邪魔するのは何処の馬鹿だ!」と

弾丸が飛んできた方向に口から闇の弾を

吐き出す。


信長が風槍でその弾を反らして弾くと

ベルゼブブの瞳に一撃を入れる。


ギャャーと奇声が上げて貫かれた瞳を抑え

ベルゼブブがうずくまる。


その姿を見た信長が

「うるさいハエが!」と言ってお腹に蹴りを入れる。


ベルゼブブの傷が塞がり信長の足を掴むと

悲しみの表情したベルゼブブの口から

紫色の炎が吐き出される。

信長がベルゼブブの手を切り落として逃げると紫色の炎が当たった箇所が熔けて腐る。


信長が「鬼らしく姑息な技よ!」と

ベルゼブブを鼻で笑いあぐらをかいて

床に座ると「おいそこの阿呆それで本気か!」と膝を叩いて高笑いをしていた。


信長がベルゼブブを小馬鹿にした事により

怒りが頂点になりベルゼブブの姿が人の姿から三つの顔と六つの腕を持つ阿修羅の様な

姿と変わる。


ベルゼブブは六つの手に持つ黒く禍々しい

武具で信長に凄まじい速さの攻撃を

繰り出す。


信長が風槍で猛攻を躱すが防ぎ切れずに

体勢が崩れる。


その隙をついて黒い槍と斧の一撃が信長を

目掛け襲い掛かる。


信長が不敵な笑みを浮かべ「今じゃ!」と

合図を送るとシーリングファンに隠れていた一希が星蘭の斧をベルゼブブの首に目掛け

振り落とすと首が切断される。


ベルゼブブが断末魔を上げると首が弾け飛び周辺に黒い霧が立ち込める。


霧が晴れベルゼブブの身体が消滅すると

さっきベルゼブブに襲われていた女性泣きながら藤堂さんに向かい走って来る。


すると藤堂さんは、銃口を女性の心臓目掛けて撃ち込む。


女性の口から黒い体液が流れると

ベルゼブブの姿に変わる。ベルゼブブは

「何故私だと分かった?完璧に変化したのに…」

藤堂さんは、虫の息になっているベルゼブブに向かって僕達が考えた作戦を話した。


藤堂未琴

「未来の一希からお前の能力は聞いていた。」


藤堂未琴

「もし、仲間や知り合いに変化された時に

どうやって見破るのかを考えていた。」


藤堂未琴

「すると信長が悪魔は必ず一番大切な人間に変化すると話していた。」


織田信長

「貴様ら悪魔や鬼は人間がもっとも苦しみ

悲しむ事を知り尽くしているおるからのぉ」


明智光秀

「そして一番自分の事を憎んでいる者も

分かるみたいですからね。」


藤堂未琴

「各々がお前ら悪魔に恨みを持っているが、その中で一番悪魔からしたら心を読みやすい奴が標的になる。」


藤堂未琴

「つまり俺しかいねーじゃん!」


藤堂未琴

「俺が一番大切に想う母ちゃんの姿になった

お前が俺に向かって走って来たから迷わず、撃った。」


ベルゼブブ

「もし違ったら本物だったらどうするつもりだ…」


藤堂未琴

「そりゃねぇな!だって俺の母ちゃんだったら真っ先に子供の方に行くからよ。」


それを聞いたベルゼブブが笑いながら

「そうか…それが愛か…私にはわからない物だな…」と言って消滅していく。


信長が

「一希!ベルゼブブが消滅する前に封じよ!」と僕に伝えるので僕は慌てて星蘭を

掲げベルゼブブの魂を封じ込めようとする。


すると「すまん一希!」と言うと僕から星蘭を取り上げて藤堂さんが走って逃げる。


僕が藤堂さんに

「このままだと闇の審理書の封印が解けちゃうよ!」と叫ぶと


ベルゼブブが高笑いをしながら

「私が消滅したら夢幻の扉が開く、そうすれば逢魔が刻が起こり創造神の食事が始まる。」

「お前達はどのみち滅ぶ運命にある…」


そう言い残すと黒い灰となって消えていく。


すると僕達も光りに包まれ身体が消えていく


藤堂さんが消えていくなか僕達に

「すまないメフィストに言われてこうするしかなかった。」


「俺には大切な人がいる。」


「こうしなければ紗央莉を殺すと言われた。」


「本当にすまない…」と懺悔の言葉を

言い残すと僕達は完全に消滅した…


そしてネルガル討伐隊も国際フォーラムにて

ネルガルと戦闘を初めていた。


学者や教授等様々な分野のスペシャリストが講演会場に続々と入っていく。


賀茂頼則武もネルガルが中にいるかも

知れないと講演会場に入ろうとするが

警備員に止められて中に入れずにいた。


その様子をみていた賀茂太郎は爆笑している。


私達がどうやってネルガルを探せば良いのかを悩んでいると一人の男がこちらに声をかけて近付いてくる。


「貴方達が未来から来た人達ですか?」


「初めまして僕の名前は黒永永二です。」


「大体の事は望さんから聞いています。」


「今日の国際フォーラムで"多剤耐性菌感染症に対する遺伝子改変アルファ細胞移植の有効性と安全性プロファイル"の発表をするので残念ながら僕はお手伝いする事が難しいのです。」


「その代わり強力な助っ人を呼んでいます。」

すると黒永が目で合図をすると講演会場から一人の男性がこちらに歩いてくる。

そしてまじまじと私達を見ながら

抱き付くと少し肩を落とし

「僕は月詠一希の父親の直人です。」


「星蘭を持っているので少しはネルガルを

倒すのに役に立つと思います。」


と言って一人一人に握手して挨拶をすると


賀茂頼則武が

「以前一希君には娘を救ってもらった事が

ありまして良いお子さんですね。」


と直人に話すと照れながら

「一希が、人を助けれる様な子供に育って良かった」


「賀茂さんこれからも家の息子を宜しくお願いします。」

と私のパパに頭を下げるとお互いの家族の

話しをしだした。


私は二人に早くネルガルを見つけて止めないとサビアが入った爆弾が破裂すると伝える。


すると直人が優しい笑顔を浮かべて

「綺羅々ちゃん安心して今探すから。」と

言うと瞳を閉じて精神を集中させる。


千里眼を使いネルガルの気配を探していると

強い邪気を放つ者が屋上から感じられる。


更に強く念じるとそこに爆弾らしき物を

仕掛けている姿が見えた。


その事を私達に伝えエレベーターに乗って

こっちと手で合図を送る。


急いでエレベーターに乗り込むと屋上へと

上がって行く。


エレベーターの扉が開くと強い風が吹き荒れる。


すると悪魔ネルガルがいきなり毒の霧を

両手から放つと屋上が緑色の毒雲に包まれる。


周辺が毒のせいで全てが腐蝕して溶けていく


私達は直人さんの結界に守られ無事だった。

ネルガルが

「そこから一歩でも出たら貴方達は溶けて骨まで残らない…」


「そこで大人しく見ていなさい!」

と言って爆弾の準備をしていた。


すると二人の紗央莉が精神を高め

「獣印解放、ハチドリ」と叫ぶと二人の背中に羽根が生えるそして高速で羽ばたくと

毒雲が突風で吹き飛ばされる。


ネルガルは驚いて次の毒雲を出そうとするが賀茂頼則武が素早く両手をへし折り攻撃を

止める。

ネルガルが口から毒を吐き爆弾の

起爆スイッチを押した。

直人が結界を解きネルガルに星蘭で止めを

刺すと爆弾に向かって走る。


直人がタイマーを見ると残り時間が1分しかなかった。爆弾を抱え「歩空"瞬"(疾風)」

唱えると私達の前から消える。

そして1分経つと疲れ果てた直人が目の前に座り込み倒れる。


爆弾がどうなったのかを直人さんに聞くと「南極の火山エレバス山に投げて来た」と

笑って話す。


私達はその事を聞くと私達賀茂家の

人間だけが光りの粒となり消滅していく。


何が起きているのか分からず紗央莉さん達が叫んでいるが何も聞こえない。

私達は完全に消滅する…




二人の悪魔と激しい死闘を繰り広げていた…


そして過去の望が霊力が尽き膝をついていた。


すると月詠海里が望に目掛け獣の様な鋭い爪を突き立て、止めを刺そうとすると

悪魔となった志保里と海里が消滅していく…


望は「間に合いましたか…」と言って

ほっとして笑うと無へと繋がる扉が

開き出す。


扉の向こうから無数の亡者達から放たれる

うめき声と黒い膿の様な物が大量に獲物を

求めて望の方に向かい飛び出してくる。


悪魔海里と志保里の戦いでその場から動けず望は、死を覚悟した。

すると

「星詠みの時より来る神具よ闇の盟約者の

月詠一希の命により目覚めよ!」と聞こえ

目の前に黒い一筋の鋭い閃光が走ると亡者達を蹴散らしていく…。


ある程度蹴散らすと「望早くこっちに手を伸ばして!」と私の方に右手をを差し出すと

私は必死で手を掴み

「無事だったのですね一希さん!」と

星蘭を握り締めて飛んでいる少年に言うと


笑いながら「僕ももうダメかと思ったけど

何とかなったみたい。」と私にベルゼブブを倒した後の事を話し出す。


藤堂さんに邪魔をされてベルゼブブの封印をが出来なかった事、その後歴史を変えた事により一度過去の一希さんが消滅して、

別の未来から来た事等を教えてくれた。


どうやら霊力の要が全て滅び時の流れや世界の垣根もなくなり、今魔界、天界、人間界が一つの場所に存在している。


そして夢幻の扉が開きそこから

創造神グラムマモディウスが現れ全ての

生命を食らい付くして暴れていると話す。


私が闇の一希さんに抱えられ闇の審理書から飛び出すと外の世界は私が知っている物と

完全に違っていた。


空に美しい城がそびえ天界があり地面には

溶岩と瘴気が広がる魔界がある。


そして遠くに漆黒の黒い闇から巨大な口が

開けられ触手が伸びて悪魔や天使そして人間を手当たり次第に口の中に入れていく。


その各々の世界の住人が協力をしてその化物に立ち向かっていく。


その中に私の知っている者達がいた。


天使達を率いメフィストがミカエルの魂で

作られた神具を振り回して傷ついて逃げれない者達を触手から庇い戦っていた。


悪魔を率いているのはマモン達で彼等も

地獄の炎を操り創造神の行く手を阻んでいた。


人間達を率いているのが月詠家の志保里と

紗央莉、そして一希の両親である海里と直人が世界中の軍隊に指示を出しながら

霊力で創造神の動きを止めようとしていた。


私は悪魔や天使そして人間達が協力して

創造神と戦っている光景を見て何が

起きているのか分からず呆然としていると


私に向かって創造神の触手が襲いかかる。


すると銃声と共に蒼い光りが触手を貫いて

吹き飛ばすそして藤堂さんが

「望さんぼーとしてると喰われますよ!」

と笑いながら拳銃を乱射している。


今度は創造神の口から無数の黒い種が

吐き出すと種が地面に落ちる。


するとそこから真っ赤な眼球を持つ黒い花が咲き乱れると生物を睨み付ける。

睨まれた者達は痺れて動けず創造神の次々と餌食になっていく。


動けない悪魔の子供に触手が伸びると

賀茂頼則武が殴り飛ばし大声で

「子供は未来の宝だ!」と拳を高らかに

上げて悪魔の子供を抱えるが子供が怯え

怖いと泣かれていた。

それをなだめながら賀茂太郎が

安全な場所に連れていく。


逃げる獲物を止めようと黒い花達が目線を

賀茂太郎達に向けると綺羅々の瞳が真っ赤に染まり黒い花達を睨み付けて「貴方達の獲物は向こうの大きな化物よ!」と創造神に指差す。

すると黒い花達は一斉に創造神の方に

向かって不気味に走って行く。


そして一希さんが私の方を見て

「未来の望大伯父さんは世界を救う為にわざと霊力の要を壊す作戦を実行したんだと

思う。」


「僕達は大切な人達を犠牲にしたのだから

絶対に勝たないといけない!」


と言うと信長の方を見つめて

「信長、創造神を倒す為に御霊呼びをやろう!」と言うと信長が「うむ。」と一言言って頷く

月詠一希は精神を集中させて

「深き絆に結ばれし星を繋ぎ太陽の耀きを

持つ我等を導きたまえ」と言うと複雑な印を結び地面に放つと足元に幾何学的な模様が

浮かび信長と一希の身体が金色に輝く。


すると天を覆う様な目映い光りが照らすと

神々しい波動放ちながら全身が赤黒く燃え

鋭い眼光を持つ鬼神が

「我は第六天魔王、封天なり!」

と名乗ると凄まじい霊力により天が割れ

大気が震える。


瞬き一つで創造神の頭上に移動すると

蒼白い刀身を持つ星蘭を構え振り下ろすと

創造神が豆腐のようにまっ二つになり悲鳴をあげる。


すると創造神の姿が変わり丸く美しい地球の様な形に変わると全てを見透かす様な瞳が

こちらを睨み機械の様な声で

「汝らは我が産み出し食事の為に存在する」


「我を滅ばせば汝らの住まうこの星も消え失せる。」


「それでも汝らは神である我に逆らうのか?」


そう言うと創造神の瞳が光りすると見えない力が襲いかかり第六天魔王の右足を

吹き飛ばす。

失った右足から凄まじい出血がみられる。


するとメフィストが「ツクミ!」と叫びながら創造神に向かい巨大な大鎌を振り回し

切り裂こうとするが傷一つ付けれずに

一瞬で両手が消し飛ぶ。


その光景を見て虫でも殺したかのように

冷たく何も感じていない創造神が目線を

第六天魔王に向けると

「神に逆らう愚かな者達よ安心して我の贄となるが良い」と言うと大きな口が現れ

メフィストもろとも吸い込もうとする。


諦めかけた僕の心の中でルシファーの魂が


「我らを産み出した神に逆らう等、無駄な事だ!」


「神は強いと言う次元ではない!」


「止める手立ては一つしかない。」


「ミカエルの魂と我らの魂をぶつけ永遠に

夢幻の世界に創造神を封印するしか方法はない!」


「しかしそれをすればその魂も我らと一緒に消滅して二度生まれ変わる事はない!」


「お前ら人間にその様な覚悟があるのか?」


とまるで僕達を試すかの様に問い掛ける。


僕と信長は創造神と必死で戦っている

皆の姿を見て一切の迷いもなく

「是非もなし」と笑ってルシファーに告げる。


ルシファーは高笑いをして

「お前達みたいな人間ばかりなら、我も

ミカエルとは争わなかったのにな…」

と物悲しそうに話す。


すると僕達の思考の中に

メフィストとウリエルとヒナタが


「私達皆で共に創造神を抑えましょう。」


「ケルベロスはこの世にいないけど彼が守りたかったこの世界を私達が代わりに守ろう!」と話す。


今度は夢莉の声が聞こえる。


「私も一緒に行くよ、お兄ちゃん達だけ犠牲にして私がこの世界を生きて行くのは嫌だ!」

と泣いている。


僕とメフィストが

夢莉ヒヨお前は僕達が守った世界を見届けて欲しい!」


「大丈夫、何となくまた会える気がするから心配するな。」

夢莉ヒヨに言い聞かせる。


ミカエルが

「我らの父はこのような事をするために我らを産み出したのかと思うと情けなくなる…」


「人間達そして我らの同胞達よ本当にすまない。」と僕達に謝っていた。


すると信長が

「お主が謝る必要はない!わしらはやりたい様にやるだけよ。」と笑って話す。


それぞれの想いを話し終えると

創造神が

「汝らは役目を終えて我の贄となる運命を受け入れよ。」


と言い放つとそこに存在する全ての魂を吸い込もうとしている。


僕達は魂を一つにすると創造神に目掛けて

飛んで行く。


激しい衝突により爆風が吹き建物が破壊されて行く。


すると創造神の後ろに夢幻の扉が現れる。


僕達は全ての力を創造神にぶつけて夢幻の扉の方に押し込める。


ルシファーとミカエルの魂が一つになると夢幻の扉が開き

全てを吸い込むブラックホールが現れ創造神の身体を引っ張って行く。


後もう少し押せば創造神がブラックホールに飲まれるという所で徐々に力が弱まる。


創造神が「愚かな者達よ汝達がいくら束になろうとも所詮は塵にすぎん!」

といって押し戻す。


僕達はもう駄目なのかと諦めそうになった時ケルベロスの天聖のつめが光り創造神を

更に星蘭と日菊も一緒に扉へと押しやる。


そして夢幻の扉にあるブラックホールが

僕達ごと創造神を吸い込むと消え失せる。


そうしてこの世界の平和は彼らの犠牲により守られた。


夢幻の扉は彼らの記憶と共に創造神と彼らの事を封じ込める。


それから月日が流れ1000年後…


今この世界は天界、魔界、人間界が一つになり共に仲良く暮らしている。


そしてこの本を見ている者達も彼らの事を

忘れないで欲しい。


そうすればいつしかこの世に生まれ出でるかもしれないので…


私だけは忘れないでいます。

私の名はハミエル、転生する前の

名前はアウロラこの世界の記録者。


その文章を最後に後は何も書かれていない。


だが裏表紙に古い文字で夢莉出版社と書いてあった。


人間の子供はその本を読み終え閉じると

白い羽を持つ母親と黒い翼を持つ父親の元に

走って行く。


その姿を笑って見ている者達がいる


ふと気が付くと彼らの姿が消えていた…


そして静かな風が吹き

「我等の過去を越えてより良い未来へと…」

と声が風と共に何処かに流れて行く。

ここまで読んでいただき


誠にありがとうございました。


表現も乏しくまだ稚拙な文章も多いですが


これからも宜しくお願いいたします。

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