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新月オウ…星屑の記憶

オマケ(裏設定)


ウリエルは人間に見世物として酷い仕打ちを

受けていたのをケルベロスが助けだし一緒に逃げた。そして安倍晴明に保護される。


妻のウリエルはその時の事を子供達には

話さないが時々人間に、された事を思い出し

悪夢にうなされている。


心地良い風が吹く度に

薄紅色の花びらと共に甘い桃の匂いが

仄かに香る。


子供達の無邪気な笑い声が響き

桃の薄紅色に咲いた花びらがひらひらと

風に吹かれて舞い上がる。

その光景を見て

ここは天国なのだろうか?

と錯覚さえ覚える。


今、私は桃源郷と呼ばれる場所で漆黒の翼を持つ獣人のケルベロスと、美しく白い羽を背中に持つ天使の二人、その内の一人は白い甲冑を身に付けている天使アウロラが何故か

私と視線が合う度に目を反らす。


そして私達一族の、始祖(安倍晴明)と

小さな切り株を囲いまるで

久しく会う友の様に話しをしていた。


この場所では,悪魔も天使や人が皆、

平和に暮らしている。


遠くでは,紅い角が額から突き出ている悪魔が天使の子供を背中に背負い川に洗濯をしている。


近くでは人の子が様々な種族の子供達に

巻物を広げ読み聞かせをしていた。


私はその光景を見て、ある疑問が浮かび、

切り株を囲み話しをしている者達に問い掛ける。

日高望

「何故ここには、様々な者達が住んでいるのですか?」


安倍晴明

「天界と魔界、そして人間界で起きた戦に

よって親を失った子供や行き場を失った者達を拾いここに住んでもらっています。」


日高望

「天界や魔界が存在するのですか?」


アウロラ

「存在しますよ、この世は四つの世界で成り立っていますから。」


日高望「四つの世界とはなんですか?」


アウロラ「それは貴方達が住まう人間界、

悪魔ルシファーが納める魔界、そして

神の一族が住まう天界、そして全ての世界に拒絶された者が封印されている無の世界です。」


ケルベロス

「天界と魔界が戦をする以前は

お互いの世界を自由に往き来出来たが今は、魔王ルシファーと大天使ミカエルが争い激しい戦いが繰り広げられている。」


安倍晴明

「二人の激しい戦いにより、人間界にも邪気が入りこみ、疫病や殺し合い等の被害が、

絶えないのです。」


安倍晴明

「その戦に巻き込まれた、魔界の住人と天界の住人が平和を求めて人間界に、疎開してきたのですが、邪気に当てられた人間達の犠牲となっています。」


ケルベロス

「晴明は、人間達に殺された我々の同士達を,見付けてはここに連れてきて保護している。」


アウロラ

「現にミカエル様とルシファーの凄まじい

戦いで時空が歪みが生じ人間界に飛ばされた私の、友人ウリエルも晴明様に救われました。」


ケルベロス

「我も晴明に命を救われた者の、一人だ。」


ケルベロス

「そしてこの場所で美しい妻にも出逢う事が出来た。」


そう言うとケルベロスの隣にいる美しい女性の方を向いて笑っていた。


私は、ケルベロスの隣で座っている

女性の方を見ると美しい顔に似合わない

まぶたに酷い火傷の後があり

白く透き通った肌に無数の傷痕が目立つ

風が吹く度になびく金色の髪を麻のひもで

縛りまとめていた。


その女性は美しく背中に生えている白い羽を

はためかせて私の気配を感じるとこちらを

向いて自分達の事を語り出す。



「初めまして私は天使ウリエルと言います。」


「私が住んでいた天界に魔王ルシファーが

攻め込んで来ると大天使ミカエル様と、天界の聖騎士団が迎え撃ち、激しい戦闘が、始まりました。」


「その時に魔王ルシファーと大天使ミカエル様の激しく凄まじい一撃により天界と魔界に巨大な空間の裂け目が生まれる。」


「人間界に天界と魔界の者達そして魔王ルシファーも吸い込まれて人間界に落ちて行きました。」


「人間界に落ちた私達天使は、一部の人間達に襲われてほとんどの者達がその命を落とし生き残った者は人間達の奴隷となり家畜の

様に生きていくしかなかった…」


「私の顔についたこの傷も逃げない様にと

人間が火の付いた薪で眼を焼き視力を奪うと私の魂を汚した…」


その事を私に語ると唇を噛み締めていた…


私はウリエルに


「天使の力があれば人間等を打ち払えるのではないですか?」


「何故反撃をしなかったのですか?」


と自分でも過去の辛く酷い事を聞いていると分かるがどうしても気になりウリエル達に

尋ねた。


するとアウロラが代わりに答える。


「それは私達天界に住む者達は、創造神の

命令を忠実に守るよう教えられてきた。」


「創造神は,人間達を決して傷つける事を

許さないと私達に言い残してそのままどこかに消えてしまったわ。」


「その命令に忠実に従い、人間達を傷付けずに人間達の犠牲となって何人もの仲間達が星へと帰って行ったの…」


理由を聞いて少し腑に落ちないが

私は、安倍晴明にここに来た目的である

タマヨノカミの試練と星蘭と日菊、

そして悪魔メフィストと魔王ルシファーに

ついて尋ねた。


するとその問いに安倍晴明は淡々と穏やかに答える。


安倍晴明

「先に結論から言いますね。」


安倍晴明

「望殿が私に尋ねた出来事は、まだ起きていないので分かりません。」


安倍晴明

「そして悪魔メフィストについては望殿も、ご存知だと思いますが、未来では邪悪なの、存在かもしれないのですが、今はその様な、兆候は見られません。」


日高望

「やはりあの子がメフィストなのですね…」


と私は言うと無邪気に他の子供達と遊んでいるメフィを複雑な気持ちで見詰めていた。


その視線を感じたのかメフィがこちらに

向かって走ってくる。


私の膝に自分の座る席だと言わんばかりに

ちょこんと座るとメフィが


「食べ物や寝る所に困ったらセイメイに言えばくれるぞ!」


「望、セイメイが駄目て言ったら僕が代わりに面倒を見る!」


「だから心配しなくて良いよ。」


と私の方をつぶらな瞳で見詰めながら

心配そうに伝えて来た。


私はメフィを見詰め微笑みかけながら


「ありがとうメフィは、優しい子だね。」


「その気持ちを大切にするんだよ。」


と優しく抱き締めた。


メフィは照れながら

「望は、寂しがりやだな、僕が望の事を

守ってあげるから元気をだして。」

と言うと私の頭を小さな手で撫でて膝から

飛び下りるとまた他の子供達の方に向かって走っていく…



すると私の方を見てウリエルが


「望さん落ち着くまでここに住んでみた

ら?」


「その方がアウロラやメフィも喜ぶだろうしね。」


と言うとケルベロスが「我は反対だな!」

腕を組んで後ろを向いてふてくされる。


アウロラは、何故か頬を赤らめて

ウリエルの背中を平手で軽く叩いていた。


しかしここに人間である私がいても

良いのだろうか?と私が悩んでいると

安倍晴明が


「望殿、もしかしたらここにいれば貴方の、目的が果たせるかもしれないですよ。」


と私の肩にそっと手をのせて触れる。


私は未来を変えれるのかも知れない思い

覚悟を決めて安倍晴明に


「ここにしばらくお世話になります。」


と伝えると安倍晴明は

「分かりましたでは,契約を結びますか。」


「望殿、一つだけ言い忘れましたが

タマヨノカミは私の祖父です。」


それを言うと両手に精神を集中させると

「この地に新たに住む者が来る故に

タマヨノカミよ、その姿を現して下さい」


すると深い霧と共に見覚えのある純白の

毛並みを持つ巨大な狐が目の前に現れる。


「お主がこの地に住みたいと望む者か?」


「この土地は私が守護する場所故、お主の血を一滴この地に垂らせさすればここへと

自由に入れる。」


それを聞くとケルベロスが自分の爪で

いきなり私の指を軽く切ると指先から

赤い血液が流れ地面に垂れると周りに

生えている桃の木々が激しく揺れて

地面が盛り上がると

煉瓦作りの大きな建物が現れる。


「お主の霊力は,晴明より劣るが

人間にしておくには勿体無い程だな…」


と言うとタマヨノカミが白い霧に包まれて

消えていく。


何故かケルベロス達が驚いて

私の方を見ていた。


安倍晴明も少し驚きながら

「私の子孫は化け物かもしれないですね。」

と呟くとまた京の見廻りに行くと

出掛けて行った。


私はアウロラに何故、皆が驚いているのかを

尋ねると


「タマヨノカミ様と借り住みの儀をすると

大抵は霊力を吸い尽くされて倒れるのに

貴方の血を一滴垂らしただけで、この場所に張られている結界が強くなり新たな建物まで建てられるのは異常な事なのよ。」


「私だって借り住みの儀をした時は凄い勢いで霊力を吸われて一瞬意識を失ったもの。」


と笑って話す。


私は「少し疲れたので休みます。」

アウロラ達に伝えると地面から現れた

煉瓦作りの建物に入る。


建物の中は外観と同じ様に広く檜で

作られた廊下が遠くまで続き

複数の部屋がある扉が見える。


私は一階の玄関のすぐ側にある部屋に入ると鎌倉時代にはないベッドとカーテンそして

大きな窓と明かりが付いた電球がついていた

私は窓の方に行き外の景色を見ようと

カーテンを開けた。


すると何故か地面にそのまま寝ている

人達がいる。


そしてその中にはケルベロスやメフィ達も

桃の花びらを地面に敷き詰めてその上に

寝ていた。


思わず私は窓から

「何故皆さんは自分達の家に戻らないのですか?」

と地面に雑魚寝をしている人達に聞くと

遠くから歩いて来てアウロラが

「家、とは何ですか?」と不思議そうに

首を傾げ窓から僕に話す。


するとケルベロスも

「汝はさっきからうるさいぞ!」

と怒ってこちらに歩いてくる。


私は二人に何故外で寝ているのかを聞く。


アウロラ

「望殿は何を驚いているのですか?」


ケルベロス

「そうだぞ!我等は今から寝るところだったのだぞ。」


日高望

「すみません、ですがどうして外で寝ているのかを知りたくて。」


ケルベロス

「そうか汝は人間なのだから知らぬだろうが我等天使と悪魔は、大地と風を感じて身体を休めるのが古より決まっている。」


日高望

「つまり昔から決まっているから外で

寝ているという事ですか?」


ケルベロス

「そうだ!それの何が悪い?」


日高望

「貴方達の生き方を否定するつもりはありません。」


日高望

「それでも生きるとは常に自分達で考え、

挑戦し失敗を繰り返して成長していくのです。」


アウロラ

「私達が何も考えずに生きていると言いたいのですか!」


日高望

「はい、その通りです。」


日高望

「創造神に言われたから自分やその仲間達が傷つけ虐げられていてもなにもしない。」


日高望

「そんなのは言い訳に過ぎない!もし今ここのいる大切な仲間達が人間に襲われても貴方達は、同じ事を言いながら見ているだけですか?」


私はふと我に返ると、怒りで顔を赤く染める

二人の顔を見て言いすぎたと反省する。


すると私達の口論で目が覚めたのかメフィが小さい翼をぱたぱたとはためかせてゆっくりと私の方に飛んでくる。


メフィが

「ケンカはいけないぞ~皆、仲良くするってセイメイもよく言ってたよ。」

と心配そうに言うと

ケルベロスが

「メフィ大丈夫だぞ!皆仲良しだ。明日は何をするか話し合っていただけだよ」

とメフィを寝かしつけに戻った。


アウロラも

「この事はまた明日話し合いましょう!」

と言うと後ろに振り返りそのまま

桃の木々の奥へと消えていく。


私は,自分の傲慢さに苛ついてそのまま

ベッドに入る。


それぞれ考え方が違うのに自分の尺度で

発言をした事に反省して頭の中をぐるぐると後悔の念が渦巻いていた。


私は,全く眠れず気分転換に外の空気を吸いに桃源郷の出入口に向かって歩いて行く。


すると「何処に行くのですか?」と私の背後から声が聞こえ振り向くと安倍晴明が岩肌を背にして立っていた。


安倍晴明

「望殿、今は外にでない方が良いですよ。」


安倍晴明

「先程の望殿は少し感情的でしたね。」


日高望

「申し訳ない、勝手に私の考えを押し付けてケルベロスさんやアウロラさんを傷付けてしまった。」


日高望

「私は本当に心が未熟者です。」


それを聞いた安倍晴明は,闇夜に浮かぶ

月を見ながら


「私も含めこの世に生きる者達は未熟者ですよ。」


「それでも亡くなった者達の分まで私達は、悩み、傷付け合い、時には助け合うそれが、生きると言う事だと私は考えますよ。」


と私に言うとそのまま地面の岩肌を枕にして横になる。


私は安倍晴明に何故、桃源郷の方に戻らずに

ここにいるのかを聞くと


「望殿も感じると思いますが今外には、沢山の悪魔達と邪気に当てられた人間達が天使達を探しています。」


「おそらくここが見つかるのも時間の問題でしょう。」


「私は見付かった時の為に見張りをしているのですよ。」


と笑って話す。


私は,安倍晴明に「もし彼等を本当に守りたいのであれば戦う術を教えるべきです。」

と真剣に考えた結果を伝えた。


すると安倍晴明は月明かりのせいか

透き通る様な蒼い瞳で私を見て


「私も微力ながらお手伝いをします。」


「なので望殿がその術を彼等に伝授して強く鍛え上げてもらえますか?」と話す。


私は,

「そうしたい気持ちはありますが

私には彼等との信頼関係がありません。」


「むしろ晴明様の方が適任だと思われます。」と晴明に気持ちを伝えると


安倍晴明は私の気持ちを汲み取り淡々と

自分の考えを話し出す。


「もし私が彼等にそうしなさいと言えば

彼等は言うとおりに動くでしょう。」


「それでは創造神と同じ事を彼等に

強いるだけですよ。」


「それだけは間違っていると私は思います。」


「何故ならば先程言った様に自ら が悩み

苦しんで答えを出すのが生きる事だと思いますよ。」


「だからこそ望殿が適任なのですよ。」


と私に言い終わると座禅を組み

精神力と霊力を高めていた。



私は自分の部屋に戻ろうと歩いて桃源郷

唯一の建物に向かうと玄関にアウロラが座り

私の帰りを待っていた。


アウロラ

「ごめんなさい晴明様と望の会話を、聞いてしまったの、近いうちに桃源郷が、悪魔達や、邪気に当てられた人間達に見付かるのも時間の問題だと聞いたわ。」


アウロラ

「正直に言えば望が言っていた事は悔しい

位に正しいと思う。」


アウロラ

「だけど私達は創造神の命令を破れば

魔王ルシファーの様に堕落だらくした、存在に堕ちるのが怖かった。」


アウロラ

「身勝手なお願いだと思うけど望

どうか私達を自分達の力だけで生き抜ける、様に導いて欲しいの。」


と言うと深々と私に頭を下げる彼女の必死

な姿を見てアウロラに頭を下げながら


「私の方こそ謝罪しなければいけません

あの時の発言は私が間違っていました。」


「貴方達は創造神の言われた通りにしか

動かず何も考えていないと最初は、思っていました。」


「ですが今のアウロラの姿を見て考えが

変わりました。憎むべき人間の私に頭を下げて自分達が生き残る為に変わろうとしている…」


「私にアウロラさん達の力を貸して下さい!」


「必ず皆さんがこの世界を生き抜ける様に

私の知る全てを教えます。」


「だから必ず生き残って下さい!」


と祈りにも近い想いでアウロラに自分の

気持ちを伝えアウロラに向けて右手を出す。


アウロラが私の手をとり

「こちらこそよろしくお願いします。」


と笑顔で私に答えると

メフィを寝かしつけおえたケルベロスが

それを聞いて


「お主達は我等と同じ夫婦になるのか?」


「それはめでたく良いことだ、皆の者

起きよ祝福の唄を歌おうぞ!」


桃源郷全体に響く大声で喜んでいた。


私がそれを否定しようとケルベロスの方に

行くが安倍晴明に

「良いではないですか、アウロラも嫌がってはいない様子ですし、それで皆さんの信頼が得られれば安いものですよ!」

と笑っていた。


私は,アウロラに相談しようと声をかけるが「望殿と結婚!」と一言叫ぶと全身を真っ赤に染めて私の言葉が届かない。


天界では右手で握手する事が特別で

婚約する為のプロポーズという意味があると

私は後から知る事となる。


気が付くと桃源郷にいる全ての住人が

アウロラと私を囲んで美しい旋律の唄を奏で歌うと天使達が行う祝福の儀が始まる。


そしてアウロラと私は桃源郷の住人達から

祝福を受けて夫婦となった。


それから私は安倍晴明の許可を得ると

タマヨノカミを呼び桃源郷に学校等の施設を作りそこで住人達に私が知る限りの事を教えた。


まず初めに人間界での読み書きと

兵法と武術そしてルールを教える。


その時にアウロラと共に授業をする

途中で住人達の得意な事を分析を行いながら

平安時代を生き抜く為に

多方面にわたる学部を確立する。


建築学部は、平安時代の建築の主体である

柱とはりを組み合わせて骨組みを作る

軸組工法じくぐみこうほうを初め、

継手、礎石、仕口、規矩術等、建築に

関わる事を教える。


産業学部は,農作物の生産方法と

生活日用品を生産する鍛冶そして

衣類を作る為の養蚕に関する技術や知識を

教える。


経済商業学部はこの世界に存在する

貨幣の価値と産業により生産された物を

いかに高く売り材料を安く仕入れるかを教え

製品の製作の支援をする事で新たな利益を

生むという仕組みを感じてもらう。


防災自衛学部は、有事の際は仲間や自分達を守る為に武術を災害時には避難方法や救助に関する知識や体術を教え子供や負傷者等を

守る戦士を育てる。


医療学部は天使と人間の肉体の構造が

ほぼ同じだと分かり治療方法や薬草の種類と感染症予防等を教える。


そして分析をした住人達を適性に合わせた

学部に振り分けると私は、人間の文化と

ルールそして人間の貪欲さと努力を

知ってもらうように努めた。


そして安倍晴明達の助力を借りてながら

各授業をなんとか行う事ができた。


日高望《私》の受け持つ学部は幼い頃から

日高家当主として学んできた

経済、産業、医療、防災についての

知識を桃源郷の住人達に教える事にした。


安倍晴明は,建築と今、研究中の

神具製作ついでに鍛冶を教える。


ケルベロスは戦闘技術が高いので主に自衛に

ついてを教えて足りない部分は日高望《私》が補う。


最初は天使や悪魔の子供達や住人達は

戸惑い、時として喧嘩になる事も多々

合ったがその内に慣れて今では楽しんで

学んでいた。


私は授業をする度に天使や悪魔のみんなの

反応に驚き楽しんでいた。


私が最初に驚いたのは貨幣について

教えていた時に

この時代で流通していた貨幣、

赤みのかかった金色に輝く宋元通宝を

住人達に見せて

「これはお金と言い、これで食べ物や必要な

道具等と交換します。」と教えると

一人の悪魔の子供が

「こんなに綺麗な物と他の物を交換するのはもったいない!」

と渡した宋元通宝を眼を輝かせて

眺めているのであげると言うと、喜んで

「これを沢山集めたいから方法を教えて」と

私の授業を熱心に聞くと

桃源郷にて生産した数本の刀と絹糸で

作られた布を持って売り一晩で

500文を稼いで来た。


500文は当時の労働者の賃金約一週間分位

でありかなりの大金である。


その子の事を皆がマモンと呼んでいた。


他にも安倍晴明が受け持つ鍛冶の授業で

刀を作る方法を教えていたら

宗近という天使の子供がみるみると

鍛冶の腕が上達をする。

すると軽く一振すると豆腐の様に木を

切り裂き、鋭い切れ味の小狐丸という

美しく輝く刀身を持つ刀を打つ。

あまりにすごい切れ味なので

危険だと言い晴明が何処かにしまうが


その天使の子供が後の平安時代の

有名な刀鍛冶"三条宗近さんじょうむねちか"と呼ばれる様になる


自衛と防災は日高望《私》とケルベロスが

教えていた。


日高望《私》は主にサバイバル技術の

基本である火の起こし方や

食べれる野草と毒がある植物等を教え

ケルベロスが戦闘の方法と

肉体の鍛練についてを教えていた。


すると授業を受けずに何もしないで

寝てばかりいる天使の子供サータに

ケルベロスが激怒して厳しく

武術の授業をするとサータはケルベロスが

あまりに恐ろしいと感じたのか

必死で授業についていき才能が目覚めると

今ではケルベロスも「少し本気を出さない

と危ない。」と言わせる程に強くなる。

彼も後に有名な源頼光の

有名な武将"坂田金時さかたのきんとき"と呼ばれる様になる。


医療について教えるのはとても苦戦を

強いられた。特に人体の構造が人間と同じという事で日高望《私》は特に人と天使達に

教えようとしたが天使が自分達が人間と同じだという事が納得出来ず抵抗があるのか

聞き入れてもらう様になるのに

時間がかかった。


その中で一緒懸命にアウロラと人の子達だけが授業を受けてくれた。

その姿を見て他の天使や悪魔の人達が徐々にに授業を受けてくれる様になりそのお陰で

今までは風邪や食中毒等にかかった時は

陰陽師の術を使うしか治す方法が無かったが


今では骨折や風邪を引いた時治療や簡単な、外科的な治療である刀傷や切り傷の縫合が

出来る様になると

朝の邪悪な者達が動けない時間体に、近くの村にひっそりと行き風邪や刀傷等により困っている人達を助けに天使や悪魔の子供達が

行くようになる。


私とケルベロスはとても危険だとその子達を注意したがアウロラを筆頭に病気で

困っている者達を救うのが

医療の知識がある者達の務めだと

正論を言い張り私は、説得を諦めて

日高望《私》とケルベロスが交代で護衛として付き添う事にした。


その光景を複雑な表情でウリエルは見ていた。


そしてどの授業にも適性がありこなせるのがケルベロスとウリエルの子供達である

長男メフィストと三つ子で姉弟の長女ヒナタ

弟のツクミ、次女のヒヨが全ての授業で満点に近い能力を発揮していた。


日高望《私》が子供を褒める度に

ケルベロスが

「我等の子ゆえ当たり前の事だ!」と

いつも鼻を膨らまして喜んでいた。



桃源郷で楽しく平和に暮らす日々が

6年程続いた。


私は大きく成長したメフィスト達を見ていてこのまま何もなく平和な日々が続くと

感じ初めていた。


朝日が登り目が覚めるするとアウロラが

部屋の扉をノックして入る。


アウロラ

「おはよう、望!」


日高望

「アウロラさんおはようございます。」


アウロラ

「まだアウロラ"さん"なんだ…」


日高望

「どうしましたか?」


アウロラ

「ううん、何でもない。」


アウロラ

「今日やる授業の準備は、出来たの?」


日高望

「えぇもう準備は、してありますよ。」


そう言うと私は出勤用の簡素な狩衣に着替える。


私が着替え終わるとアウロラが

「今日は、何の日か覚えてる?」

と私に尋ねる。


私は,何を言いたいのか気付いたがあえて「何の日ですか?」

とアウロラに聞き返した。


アウロラは、その言葉を聞いて

「もういい!」と怒りながら部屋を

出ていった。


私は彼女の後ろ姿を見送ると今日は、

アウロラとの結婚記念日なのでプレゼントを作りに工房に向かって行く。


工房に着くとそこには安倍晴明とウリエル

そしてケルベロスとその子供達が

待っていた。


ケルベロス

「メフィストが先に準備しているぞ!早く作りに行くぞ!」


ケルベロス

「お前は、何時も雲の様に動くがたまには急げ!」


ウリエル

「貴方は、口より早く手を動かしなさい!」


ヒナタ

「お母様、あまりお父上様達を怒らないであげて。」


ヒヨ

「そうよ、父様は、不器用だからそんなに色々出来ないわよ。」


ツクミ

「それって父さんに対しての嫌味だと思うけど…」


安倍晴明

「本当に皆さん変わりましたね…」


安倍晴明

「望殿が以前に欲しいと言っていた物は、

彼等が一緒に探してくれました。」


マモン

「望さん、材料揃えるの結構大変だったの

ですからしっかり作って下さいよ!」


宗近

「俺は楽しかったから別に良いけど。」


サータ

「宗近、お前は荷物を持たなくて良いから

楽しかったのかもしれないが、俺はマモンにこき使われて凄く辛かったぞ!」


マモン

「その代わりにサータの好きな物を私のお金で買ってあげたでしょう!」


マモン

「受け取ったら契約が成立するのでそれ以上の要求は、してはいけませんよ!」


サータ「ぐっ、もういいよ!」


と言うとサータは、大きな戦斧と紅い羽織りを眺めていた。


私は、協力をしてくれた皆に

「本当にありがとうございました。」

と一礼をすると皆が声を揃えて

「家族なんだから当たり前だろ。(でしょ)」

と言ってくれた。


私は工房の奥にある鍛冶場に行くと炉の火を必死で強く燃やして温度を上げる

メフィストとケルベロスがいた。


メフィストが

「やっと来たねもう無理。」と言って暑さで倒れる。


ケルベロスが

「メフィストお前はこの程度の暑さで倒れるとは貧弱だな!」と言いながら汗だくで

フイゴを使い炉の火を大きくしていた。


私はマモン達が用意してくれた鉄鉱石を

炉の中に入れると熱で赤くなり徐々に溶けてくる。

私は溶けた鉄鉱石を型に流すとハンマーで

何度叩いては熱するのを繰り返し不純物を

取り出す作業をしていた。


すると背後から安倍晴明が


「望殿、貴方のお陰でここにいる、住人達が

変わり私がいなくなっても皆が、自分達の力だけで人間界に順応して暮らして行ける様になりました。」


「皆に代わり心から礼を言います。」


「ありがとうございます。」

と私の顔見て悲しそうに話す。


私は作業を続けながら

明らかに様子が変な安倍晴明に

「何かありましたか?」と理由を聞いた。


安倍晴明が

「貴方が元の時代に帰る時が近付いているので少し寂しく感じているだけですよ。」

と言うと鍛冶場から出ていった。


私は安倍晴明が言っていた元の時代に戻る時が近いという言葉が心の中を駆け巡るが

今は指輪を作る事に集中していた。


4時間程で二つの指輪が完成すると

あらかじめこっそりと描いていた、

小さなアウロラの肖像画と指輪を懐に入れ

炉の暑さで気を失っている

メフィストとケルベロスを起こして

冷たい水を渡しアウロラのいる桃の花が

もっとも咲き乱れる桃水樹とうすいじゅに向かって走る。


アウロラは嫌な事があると必ずそこに行き

桃の花を眺めている。


私は彼女の笑顔が見たくて必死で走る。


桃水樹に着くとそこには桃源郷にある夜空を

見上げ月を眺めているアウロラが岩の上で

寝そべっていた。


私は息を整えると

「アウロラ、渡したい物があります。」


と彼女に声をかけた。


アウロラは驚きながら起き上がり

「望、どうしたの?」と

汗だくになっている私を心配していた。


私はアウロラの前で片膝をついて

懐に手を入れながら顔を見詰めて

「今日は結婚記念日ですよね!覚えていましたよ。」

と伝える。


アウロラは驚きと喜びが混ざった表情を

浮かべて岩の上から降りると私の前に座る。


指輪と彼女の絵を渡す為に懐から出そうと

すると凄まじい爆音と共に悪魔特有の瘴気が立ち込める。


遠くから悲鳴と喧騒が聞こえアウロラと

一緒に声のする方に向かうと

不気味に赤く光る刀を振り回す人間達と

獣の様な悪魔の集団が

桃源郷に住む天使と悪魔に襲い掛かっていた。


ケルベロスと安倍晴明が襲い掛かる悪魔達と人間を倒していた。


安倍晴明が襲い掛かる悪魔達を石にしていくと

「望殿,ここで暴れている悪魔達は闇の瘴気を浴びた人間の子供達です。」


「何とか押さえて下さい!」


「私はここにいる桃源郷の住人を避難させてからまた来ます。」


と言うと桃源郷の住人達が光に包まれ

安倍晴明と一緒に学校の校舎の方に

飛んで行く。


私は両手に精神を集中させて

「大地の精霊達よ邪悪なる者達の動きを止めよ。」(石扁洞塊せきへんどうかい)と

唱え地面に霊力を放出すると瘴気により悪魔と化した子供達を足元から石化していく。


全ての悪魔になった子供達を石化させると

ケルベロスの援護に向かう。


ケルベロスが赤く不気味に光る刀を持つ

人間達の猛攻に苦戦をしていた。


人間A

「お前ら鬼やあやかしには妖刀ムラマサは

とても効くだろう!」


人間B

「妖刀ムラマサは俺達、人間様がお前ら鬼達を殺す為に天から舞い降りた神ルシファー様が授けてくれた!」


人間C

「神ルシファー様の傷を癒す為にムラマサの生け贄となれ!」


と言うとケルベロスにムラマサを振り下ろす。

私が風の太刀で人間達を吹き飛ばすと

ケルベロスに

「どうしました?あの程度の人間なら簡単に勝てるでしょう!」と言うとケルベロスが


「人間達が持つムラマサに触れると我の力が吸い取られ思う様に動けん!」


「あれは天使にも効き目がある故アウロラはこのままウリエルのいる校舎に逃げよ!」


と言うと黄金に輝く天聖の爪を振りかざし

瘴気を放つ人間達に向かい(天聖光嵐ホーリーストーム)と唱えると

ムラマサに取り憑かれた人間達に四方から

光りの矢が降り注ぐが全て黒い壁に守られ

人間達に当たらない。


アウロラは,人間に切られ倒れている天使を一人背負うと走って校舎の方に向かう。


私はムラマサを振り回す人間達の攻撃を避けながら他のムラマサに切られた天使や悪魔の呼吸を確認すると既に息を引き取っていた。


その中には昨日まで元気に授業を受けていた子供達もいた。

私は初めて心から激しい憎悪と殺意が芽生え黒い風の刃を呼び寄せると

そこにいる全ての邪悪な人間達を切り刻む。


大量の血の雨が降り注ぎ美しい桃源郷が

真っ赤に染まり手足と内臓が飛び散り散乱し

一瞬にして地獄の様な光景となる。


私は全身が真っ赤に染まりながら呆然と立ち尽くしているとケルベロスが

「しっかりしろ!まだくるぞ!」

と私に活を入れた。


すると安倍晴明が

「一旦校舎まで引いて下さい!」

と言うと出入り口にまた結界を張り直す。


私はケルベロスと共に校舎に行くと

床に負傷者と犠牲になった骸で溢れていた。


私とケルベロスは家族を探して走る。


アウロラは背中に傷があるが無事だった。

私はアウロラを抱き締めるとケルベロスの方で泣き声が聞こえ凄まじい霊気を感じる。


声のする方に行くとウリエルの首から

大量の出血があり泣きながら必死で

傷口を押さえているメフィストの姿と茫然と立ち尽くしている化物の首を持つ

ケルベロスが見える。


私は,メフィストをなだめてどかすと

左手に霊力を集めウリエルの側に行き状態を確認すると首筋に深い穴が見え

そこから血液が大量に流れている。


動脈が損傷したのだと確信して首の損傷箇所に左手で集めた霊力を込めて流す。



傷口が塞がるが意識が戻らないウリエルに

ケルベロスは天聖の爪を突き刺すとウリエルに生気が戻り意識が戻ってきた。


私はウリエルとメフィストに何が合ったのかを聞くとメフィストが泣きじゃくりながら


「今まで一緒に遊んでいた人の子が、黒い霧を吸い込むといきなり化物になって僕達を、襲って来たの。」


「母さんは僕達を庇って化物に咬まれそこから血が沢山出てきて倒れた。」


「母さんの事を襲って来た化物は父さんが

倒したけどはぐれた姉さん達が心配だよ!」


私にそれを伝えると廊下から子供達の

悲鳴が聞こえる。


するとムラマサを持つ人間が二人子供達の

首に刃を当てながらこちらに向かって歩く。


人間D

「今すぐそこにいる狐目の男の首をよこせ!」


人間E

「あいつと晴明さえいなければ俺達には怖いものはねぇ!」


と私達を睨み付けて人質を盾にして

ジリジリとにじり寄る。


刃を首に当てられている子供達の瞳が恐怖に染まり壊れそうになっている。


ケルベロスが私に目線で合図を送るが

それを見た人間が


「下手な事をするとガキを殺すからな!」

とムラマサを首に強く当てそこから血が流れる。


私は手を上げて

「私の首は貴方達に差し上げましょう。」


「その代わりに子供達を放しなさい。さもないと首を切られても私は貴方達を皆殺しにしますよ!」


と人間達を睨み返し床に座る。


人間の一人が「その紐で男を縛れ!」と

ケルベロスに向かって麻の紐を投げて渡す。


私は

「彼等の言うとおりにして下さい。」

と紐持って苦悩の表情をしている

ケルベロスに伝える。


私の手を紐でしっかり縛ると人間の男が

ムラマサを私の首を目掛けて振り下ろす。


その瞬間ヒナタ達を盾にしていた人間と

ムラマサを振り下ろす人間の二人が凍り付く。


すると人間達の影からアウロラが現れ

(氷結縛斬アイスチェーン)と唱えると

凍り付いた人間達が粉々に砕ける。


アウロラは人間を殺したせいなのか急に

強い吐き気が襲い床に座り混んで胃の中身を吐き出していた。


私は手を封じる紐を風で切り裂くとアウロラに向かって駆け寄る。


日高望

「アウロラ、大丈夫ですか?」


アウロラ

「望、私は、大丈夫よ!」


アウロラ

「あなたは、大丈夫?」


日高望

「アウロラのお陰で傷一つありませんよ。」


日高望

「アウロラすまない!私が未熟者なばかりに

君を苦しめる事になってしまった…」


アウロラ

「私は望さえ無事ならそれで良いの。」


アウロラ

「望が前に言っていたでしょ、大切な仲間が目の前で傷つけられても、見ているだけなのか!って。」


アウロラ

「その事を言われてずっと仲間達の事を

考えていたの。」


アウロラ

「答えがまったく出なかったけど今、望が

死んじゃうと思ったら気が付くと身体が

勝手に動いていたの。」


アウロラ

「望が生きててくれて本当に良かった!今なら何となく答えが分かるわ。」


日高望

「アウロラ、創造神との約束を破らせてすまない。」


アウロラ

「望は本当に鈍感ね。今の私が大切なのは、創造神様の言葉より望の方が大事なの!」


アウロラ

「もしこれでルシファーの様に邪悪な者と

なっても私は何度でも同じ事をするわ。」


日高望

「そうなる前に私が必ずアウロラを助けますよ。」

と言うと二人はお互いを抱き締めていた。


すると安倍晴明が

「良い感じになっている所を邪魔して、すまないが少し話しをして良いかな?」


とからかいながら言う。


安倍晴明が

「私の張った結界が大量の悪魔とムラマサを持つ人間達によりもうじき破られます。」


「私がおとりとなるので、今すぐここから、生き残った者達を、連れて逃げて下さい。」


と私達に伝える。


今度は、激しい破裂音と共に今までとは違う禍々しい巨大な霊気を感じる。


すると桃源郷にいる者達全員の頭に闇に誘う様な声が聞こえる。


「私の名はルシファー、ここにいる悪魔と

天使達よ今すぐに投降し共に人間どもを

皆殺しにすると誓えば生かしておいてやろう!」


「さもなくばここで我の糧となるが良い。」


と言うと凄まじい咆哮が聞こえ地面

めり込む様な重圧が全身と魂にのし掛かる。


それを聞いたメフィストが全身を怒りで

震わせると

「何がルシファーだ!何が人間だ!全て壊してやる!」と叫ぶとメフィストの瞳が美しい黄色から怒りで真っ赤に充血する。


するとメフィストの回りに凄まじい量の霊力が集まると身体が巨大な獣となり

自我を失くした化け物となる。


メフィストは襲い来る悪魔達と人間達そして桃源郷の住人達を見境なく破戒する。


そして化け物となったメフィストは,

ルシファーと対峙すると激しい戦闘となる。


ウリエルがメフィストの異変を感じ

皆を呼び寄せる。


ウリエル

「このままではメフィストが闇に飲まれ

ルシファーの様になってしまいます。」


安倍晴明

「どうすればメフィストを止めれますか?」


ウリエル

「天界の古来から伝わる聖剣を使えば

止められます。」


日高望

「何処に聖剣がありますか?」


ウリエル

「聖剣は天使達の聖なる魂とその肉体を代償にして作られる武具の事です。」


ウリエル

「確か晴明様は、神具の研究をしていました

よね。」


ウリエル

「あれは天使達がその身を犠牲にして作られた武具達です。」


ウリエル

「晴明様、私を使って聖剣を作って下さい!」


安倍晴明

「あなたを犠牲にする、そんな事は出来ません!」


ウリエル

「ですが闇に染まる天使を戻すのに他の方法はありません。」


ヒナタ

「申し訳ないのですが、お母様一人の魂だけではメフィストは止めれません!」


ヒナタ

「お母様は以前に人間によって魂を汚されました。それでは純粋な聖剣は出来ないと思います。」


ウリエル

「ならどうすれば良いと言うの!」


ヒナタ

「晴明様、私の肉体もお使い下さい。」


ヒナタ

「私の霊力は、お母様と違いまだ未熟、故弱いですが肉体と魂は聖剣を作るのに適していると思います。」


ヒヨ

「お母さん、お姉ちゃん、嫌だよ行かないで!」


ツクミ

「ヒヨ!気持ちは皆一緒だけどメフィスト兄ちゃんを止めないと行けないのは、分かるよな。」


ヒナタ

「ごめんねヒヨ、お姉ちゃんのわがままを、許して。」


ウリエル

「晴明様どうか私達で聖剣をお作り下さい。」


ケルベロス

「………。」


安倍晴明

「分かりました…。」


安倍晴明

「では二人は工房に向かって下さい。」


安倍晴明

「望殿も工房に行って下さい。」


ケルベロス

「我からも皆に伝えねばならぬ事がある。」


ケルベロス

「実は我は、ルシファーを封じる為に創造神によって作られた時空の門番だ。」


ケルベロス

「晴明が聖剣を作りメフィストを押さえると残りルシファーが残る。」


ケルベロス

「望お前が聖剣を使いルシファーを我と共に

封印せよ。」


そう言うとケルベロスが一冊の本になる。


日高望《私》はその本を見ると闇の審理書と書いてあった。


闇の審理書を持って工房へ行こうとすると

ムラマサを持つ人間達が桃源郷に入って来た。

私は彼等を蹴散らしに行こうとすると

アウロラが

「望、時間がありません!ここは私が責任を持って守ります。」

と言うと白い甲冑を身に付け宗近が打った刀を手に取り桃源郷の出入り口に向かって

走る。


私はアウロラを信じて工房に向かった。


工房に着くと安倍晴明が魔法陣を書いて

その上にウリエルとヒナタが座っている。


安倍晴明が複雑な印を結び霊力を二人に

集めていた。


するとウリエルとヒナタが暖かい光りに

包まれると集めた霊力と二人が混じり合い

二つの神具が生まれる。

一つはまるで生きているかの様に脈を打ち

闇の力を放つ禍々しい刀だった。


もう一つの神具は金色に輝き聖なる波動を

放っているとても美しい刀である。


安倍晴明は二つの神具を持つと


「闇の刀は星蘭、光の刀は日菊と名付けました。」


と言い私に日菊を持たせると安倍晴明は

星蘭を握った。


日菊から凄まじい力が流れて来る。

頭にヒナタの声が聞こえ

「どうか兄を救って下さい。」

私が必ず救うと日菊を握り締めて誓う。


安倍晴明は


「やはり望殿は天使の血が流れていましたか…」と一言言うと


「このままメフィストを救い、ルシファーを封印しに行きますよ!」

と言うと(歩空"疾風")と唱えて光の速度で

飛んで行く。


私もその後を追いかけて飛んで行く。


敵味方を関係なく破壊する化けメフィスト

ルシファーとの戦いに苦戦を強いられていた。

ルシファーはメフィストの本能のままの

動きを読むとメフィストの巨大な鋭い爪の

攻撃を躱して右腕ごと切り裂く。


凄まじい悲鳴と共に腕を失いバランスを

崩して巨体が倒れる。


ルシファーが小さくタメ息をしながら

「私を殺せる者かもしれないと期待をしたが所詮は混ざり者の醜い化け物よ!」

と言いながらメフィストの首を目掛けて

自分の影から出した闇の剣を振り下ろす。


その瞬間に二人の鋭い斬撃がルシファーに

当たると黒い体液が切られた箇所から

血飛沫の様に吹き出しルシファーは

地面に膝をついて動けないでいた。



その隙に右腕を失った化け物と化した

メフィストにその二人は自らの手に持つ

聖剣の星蘭と日菊をかざしメフィストの

邪悪な霊気を浄化していく…。


化け物になったメフィストが元の姿に

戻ると意識が戻り


「晴明、望、止めてくれてありがとう…」


「怒りで自分の事を抑えきれなくてこのまま全てを壊してしまう所だった…」


そう言うと深い眠りに付く。


聖剣で斬った傷がふさがり私達の背後で

激しい怒りに満ち溢れたルシファーが

凄まじい殺気を込めて睨み付けつけている。


ルシファー

「創造神に作られた出来損ないごときが私に傷をつける等あり得ん!」


ルシファー

「貴様達から先に魂ごと喰うてやろう。」


そう言うとルシファー力を解放して本来の姿となる。背中にこの世界を暗闇に誘う程の

ある六つ巨大な漆黒の翼を羽ばたかせると

大気が震え天候が乱れ嵐が起きる。


七つの腕が身体から生えてその手には、大鎌

槍、剣、金槌、拳銃、斧、そして不気味な形をした刀を持っていた。


全ての武具には邪悪な霊気と共に一つだけでも世界を破壊出来るだけの力があると

肌で感じられる。


晴明と私はルシファーを囲む様に前後で

聖剣を構えた。


先にルシファーが晴明の方に攻撃を仕掛けた。


大鎌と剣を振り回しながら槍を構えて

突進してくる。晴明がルシファーの攻撃を

捌ききれずに吹き飛ばされ

晴明の身体ごと切り裂こうと斧が

頭上目掛けて振り下ろされる。


私は晴明を助ける為に日菊に霊力を込めて「聖なる光りで闇を照らせ」(聖照光覇せいしょうこうは)と念を込めて放つと太陽の様に全てを暖かい光で照らすとルシファーを聖なる光りが包み込む。


ルシファーが凄まじい悲鳴と共に全身から

黒い煙が吹き出し皮膚が焼けただれていく。


晴明はその隙をついてルシファーの心臓を目掛けて「深淵の闇より来る者達よ邪悪なる者を贄として与える。」(星獄蛇光せいごくじゃこう)と霊力を込めた星蘭を放つと

闇の稲妻が蛇の様に動き

ルシファーの心臓を貫く。


ルシファーの口から黒い体液が漏れ地面に

落ちる。


ルシファーは自分の身体に傷を与える

人間に驚き、戦いによる高揚感が満ち溢れ

楽しそうに笑っていた。


ルシファーは拳銃に自分の禍々しい霊力を

込めると(暗黒砲雷ダークネスキャノン)と夜空に向けて放つと核弾頭の様な威力の

ある闇の気弾が降り注ぐ。


晴明と私は二人で聖剣に霊力を込めて

「闇の力より我等を守護せよ」

(究極金剛結界鬼岩きゅうきょくこんごうけっかいきがん)

と念じると桃源郷を包み込む虹色の巨大な

結界が張られる。


凄まじい爆音が鳴り響き音が収まると結界が張られた場所以外は全て焼き尽くされ地面が黒い炎と共に黒く溶けていた。


晴明と私は結界を張るのに霊力を

使い果たし地面に倒れる。


ルシファーは手を叩きながら笑ってこちらに向かって歩いてくる。


ルシファー

「人間にしては良く頑張った褒めてやろう。」


ルシファー

「褒美にお前達を私の部下にしてやる。」


ルシファー

「もしお前達が私の部下になるなら、ここに住まう者達の命だけは見逃してやろう!」


ルシファー

「断ればお前達ごと私の一部となり永遠を共に生きる事となる。」


ルシファー

「私はどちらを選んでもお前達を喜んで受け入れよう!」


と自分に酔いしれて笑っている。


するとボロボロになったメフィストが私達を庇いルシファーに攻撃をしようとする。


私達は止めるがルシファーはハエを払うかの様にメフィストを吹き飛ばす。


私達の瞳に絶望が宿り始めた時闇の審理書からケルベロスが出てくる。


いきなりケルベロスが天聖の爪を出して

ルシファーを突き刺す。

油断をしていたルシファーがケルベロスに

反撃をしようと霊力を集めようとするが力が

入らない。


ケルベロスが私達に

「我の爪は、創造神にルシファーの力を封じる為だけに作られた物。」


「だがこのままではルシファーを闇の審理書の中に封じる事が出来ぬ!」


「御主達が聖剣の力を使い、我ごと闇の審理書に封印して欲しい。」


「晴明、望、子供達の事を頼む!」


と言うとルシファーとケルベロスが徐々に

石化していく。


晴明と私は聖剣に全ての霊力を込めてかかげるとケルベロスとルシファーが闇の審理書に吸い込まれていく。


するとルシファーが

「お前らの思い通りにはならん!」

と言って自分の右目を動く手でくり貫くと

メフィストの方に目掛けて投げる。


吹き飛ばされて意識がないメフィストに向かいルシファーの眼球から不気味な触手を出るとメフィストの右目に触手が入って行く。


何とか止めようと私はメフィストの方に

行こうとするがメフィストにルシファーの

一部が宿ると雄叫びを上げて黒い霧となって消えて行った…。


ルシファーの本体が闇の審理書に完全に封印されると私は急いでアウロラの元に走って

行く。


桃源郷の中は人間達の亡骸で埋め尽くされていた。


私はアウロラの名を叫びながら桃源郷を

探していた。


すると血だらけになっているアウロラが

地面に座っている。


アウロラの元に駆け寄ると傷だらけの手で

私の頬を触りながら


「望、私頑張って仲間達を守ったよ。」


「最後に望の顔が見れて良かった…」


と言い残すとアウロラの瞳から光りが消えた


私が声にならない悲鳴を上げると頬を伝い

涙が流れる。


すると私の身体が透けていく…

安倍晴明は「望殿時間がきましたね。」


「決してあなたの事を忘れない。」


「月《過去》を見て太陽《未来》を想う事で貴方の事を語りついで行きます。」


と消え行く私に向かい叫んでいた。


完全に消えると星屑となり天へと消えて行く


気が付くと元の時代に戻る為に星屑の道を

歩いていた。

光りが差す方に向かうと突然に強い風が吹き

ポケットから何かが落ちる。


私はポケットを抑えながら光りの方に歩いて行くと元の時代のタマヨノカミが

「長い旅でしたね、お帰りなさい。」

と優しく話す。


私はさっきまで起きていた出来事が夢なのかと胸ポケットを見ると二つの指輪があった。


タマヨノカミは

「貴方は無事に試練を終えました。」


「後はやるべき事をやりなさい!」

と言い残すと岩に描かれた壁画へと戻って

行く。


私は,その場から離れると不自然な一つの

亡骸の側に行く。

すると亡骸の首元に光るペンダントが見えた


ペンダントが時代の流れで鎖がちぎれて地面に落ちると開いて中が見える。


子供が描いた様な私の似顔絵がそこには

入っていた。


それを見て以前にアウロラが私を見ながら

描いた絵だった。


私は胸ポケットから指輪を一つ亡骸の前に

置いて

「アウロラ遅くなってすまない結婚記念日のプレゼントだよ。」

言うとアウロラの声で「望、ありがとう。」と聞こえると亡骸が星屑となって

空に帰っていく。


私はやるべき事を行う為に覚悟を決めて未来の一希の元に飛んで行く…



オマケ(裏設定)


アウロラは家事全般が出来ない。

特に料理は家を燃やしたので望に禁止されていた。なので家事全般は望が行っていた。

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