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初月セイ…憎悪の芽

オマケ(裏設定)


miyabiは、悪魔メフィストフェレスの力を借りて名声を手にしていました。


その代償として自分のファンを生け贄として献上していた。

紅く光る満月が不気味に空を支配する。

深淵の暗闇が広がる深い森の奥で

男女の激しく言い争う声が聞こえる。


赤いポニーテールの子供の様な若い女性が

黒いレインコートを身に付け鋭いナイフを

持った男に追いかけられていた。


女性は,走って深い森の奥へと逃げて行くが、木の根につまずき転ぶ。転んだ拍子で胸に着けていた(Miiyaabii)と書いてあるバッチが取れて転がる。


男は息を荒くしながら女性に追いつくと、

ナイフを首元に突き付けて

「言う事を聞けば殺さないでやる!動くなよ!」と言うと


男は,獣の様に息を荒くして女性の上着を、ナイフで引き裂く、すると

女性の瞳から涙が溢れ頬を伝う。


女性の下着の中に手を入れて男は、

自分の思い通りに、女性を辱しめる。

男は指についた女性の体液を舐めると

今度は、男が無理矢理,女性のズボンを、

下ろそうとする。


女性は,必死に抵抗するが男が、拳で女性を殴りナイフを女性の瞳に向けて

「次に動いたら殺す!」と脅す。


女性が死の恐怖で抵抗を止めて男の良いなりになる。


男は,女性の下腹部に自分の生暖かい物を

入れると欲望を満たす様に怪物の如く身体を上下させる。


女性は,下腹部の痛みに耐えながら男が身体を動かす度に喘ぎ声を上げる。


男が己の欲望を満たすと女性の瞳が絶望に

染まっていた。


男は,自分の衣類と呼吸を整えると

壊れた人形の様に動けない

心と未来が壊された女性に向かい

斧を振り下ろす。肉と骨に斧がめり込む

鈍い音と共にかすれた声の悲鳴が聴こえる。


辺りに激しい血飛沫が飛び散り男の顔に

かかる木々が風で不気味揺れる。

すると紅い満月の明かりが見えて

男の姿を照らす。

男の眼は黄色く光る。


すると男は,こちらをみて斧を振り下ろす。


◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻


僕は、身体が重くて動けない「うーん」と

うなされている。

額から油汗が滲み出る。


すると僕のお腹で胡座あぐら姿の「いつまで寝ておる、この馬鹿たれが!」と威厳と自信に満ちた武将が僕の頭を

握り拳で殴ると

僕は飛び起き辺りを

見渡すとさっき観たものは、

夢だったのかと思う。

僕は、妙に生々しく変な感覚を覚えた。


武将の声の主が、僕の顔をじっくりと

みるなり

「相変わらず、間抜けな面よ!」

と人の顔を笑いながら台所に向かい歩く。

この武将の名前は、織田信長だ。


すると廊下から信長の声が轟く。


「雪、雪は、おらぬか!一希を起こしたぞ!早う飯にせい!」

とばあちゃんに朝食の催促をしていた。


台所から雪ばあちゃんの優しい声が聞こえ


「はいはい、のぶちゃんのご飯もすぐ用意するで、待っててね。」と言いながら

朝食の準備をしていた。


廊下から包丁で何か切る音と共に、

香ばしい味噌汁の匂いが、立ち込めて

僕のお腹から"ぐぅー"と音が鳴る。


「お兄ちゃん、おはよう!」

と身体の透き通るショートヘアーの元気な女の子が僕に笑顔を向けて言う。


妹の夢莉だ。

僕は,ボサボサの頭を手で掻きながら

「夢莉おはよう!」

と言って洗面所に向かい歩く。


僕は、洗面所に付くと顔を洗っていると

自分の両目に異変に気が付く。

左の瞳が深淵の闇が不気味な光りを放ち

六芒星が刻まれる。


右の瞳に、蒼白い光りを放ち五芒星が

刻まれていた。


すると僕の頭から森蘭丸の声が響く。

「それは,星蘭が右目に宿った証です。」


「左目は、恐らくケルベロスの惡眼あくがんだと思います。」


僕が惡眼とは何かを森蘭丸に聞く。

「惡眼とは,邪成る者の姿を見抜く力と

悪魔がこれから起こすであろう、悪行を

知らせる力があると聞いております。」


それを聞いて僕は,森蘭丸に自分が見た夢の話しをする。

すると僕の背後できゅうりをボリボリと

食べながら信長が

「それは、悪魔の手掛かりになるな!一希」

と口からきゅうりを飛び散らせ

真剣な顔で僕に言う。


僕がそれはどういう事かを、織田信長に

尋ねる。信長がきゅうりを食べ終えて話す。


「お主は、星蘭とケルベロスに試練を与えられケルベロスと繋がっておる。」


「それは,悪魔メフィストを見付け払う事とメフィストが作り出した、悪魔の悪行を止め元の時間を取り戻す事よ。」


「盟約者とは,その宿命を背負う!」


僕は,信長の話を聞いて背中に重たい物を

背負う感覚に襲われる。

気持ちが重くなる…


すると僕の背中を平手でバチンと信長が叩くと「安心せい、お主一人だけでない、その為にわし等がいる貴様を、鍛え共に戦い奴等を、滅するのじゃ。」


リビングの方を指差して

「腹が減っては戦ができぬ!飯を食え!」

と言うと後ろに振り向きリビングヘ歩いて

行った。



すると雪ばあちゃんは,大声で「カズちゃん今日は,学校でしょう。早くご飯食べなさい」と台所で叫んでいた。


その声を聞いて僕は,急いで制服に着替えて

リビングでばあちゃんの作ってくれた朝食を口に流し込む。食べ終わると手を合わせ

「ばあちゃんご馳走様でした。」

と言って通学かばんを背負い玄関に行く。


「カズちゃんちょっと待ち!」と声が聞こえ振り向くとばあちゃんは,

「これも持っていき」と弁当を僕に渡した。


僕は,ばあちゃんにありがとうと笑顔を向けて学校ヘ走ると


「急いだで走ったらいかん!カズちゃん気をつけないといかんよ!」

と心配そうに言うので僕は、手をふりながら

「気をつけて行ってきます。」と

ばあちゃんに元気よく言って学校に走る。


その姿を見送るとばあちゃんは家の中に入る


夢莉が「ばあちゃん、私達も、お兄ちゃんと一緒に行くね。」

とばあちゃんに伝えると信長と夢莉は

月詠一希の元ヘ飛んで行く。

ばあちゃんはその姿を見詰め

「カズちゃんの事を、頼むね!」と織田信長と夢莉に向かい言っていた。


僕は,凄い人混みの中をかき分けて

駅に向かいながら、この都会的に変わった

町並みに正直驚いていた。


余りの人混みに僕と同じように夢莉達も驚いていた。


ちなみに信長は、駅の改札機に興味が

あるのかずっと

「お主は関所を守る者か?」と

話しかけていたので僕は,信長の手を

引っ張り電車にかけ乗る。


実は,僕達が過去に行き、雪ばあちゃんと

その友達や大伯父《日髙望》さんを助けた事により水鏡村の未来が変わり

驚く程に都会ヘと変貌していた。


名前も水鏡"村"ではなくて、水鏡"町"になり人口も明らかに沢山増えたので、

水鏡町立宿陽道すくようどう小中高一貫校と名乗る、マンモス学校が出来ていた。


僕は,そこの(もく望星組ぼうせいぐみ)の教室で学ぶ事になった。


僕達は、これから通う学校に辿り着くと

宿陽道小中高一貫校の大きさに驚いていた。

敷地面積1,5平方km(東京ドーム32個分)の

広さがあり全国からここに

通う子供達が集まる。


ちなみに学生寮も有るらしいが

僕は,家から近いので必要性はない。


すると信長は「何じゃあれは!」と

青く光る防犯用の電気柵を触り感電して

黒く焦げていた。


信長は,煤を払いながら「流石は、陰陽師の寺子屋よ結界がはっておるわ!」と

何事もなかったかの様に自信満々に腕を組み立っている。


すると炎の様に赤色の長い髪を

なびかせながら一人の女の子が僕に近づく。

「君は、もしかして新しい転校生?後ろにいるのは,幽霊だよね。」と

僕の顔を覗きながら話す。

僕は、「アレが見えるの?」と信長を

指差して聞くと女の子は

「まぁね一応、陰陽師の家系だしね。」


「私、賀茂綺羅々《かもきらら》て言うの

じゃあ転校生君、待たね。」と

言って教室に向かって走って行った…


僕は,さっきの子を何処かで見たような

気がするが思い出せないでいた。


すると(キーンコン、カーンコン)と少し

音程がずれているチャイムが鳴る。

僕が教室に行こうとすると信長が

「わしを無視して行くな!」と遠くで

叫んでいるが僕は、放っておこうと

思いそのまま教室に向かった。


とにかく学校内の敷地が広く、

自分の教室を探すのに困難を極め

校内の電子案内板で自分のクラスを探すが

見付からず途方にくれていると


「もしかして、今度、木の望星組に来る

月詠一希君かな?」

と声が聞こえ振り向くと、陰陽師の狩衣かりぎぬを身に纏い禿頭とくとうのおじいちゃんが僕に声をかける。


「わしはここの校長第37代目の安倍晴明であり校長じゃ!」

と言うと後ろにいる秘書の男性が眼鏡をあげながら「違いますよ、42代目の安倍晴明ですね。」

と言うと校長の安倍晴明は、

「適当に言っても誰もわからんから、平気じゃわ!」

と言うと秘書の男性が


「安倍校長、子供に虚偽を述べるのは,教育者として良くないのでは?」と

言うと安倍晴明と名乗る校長は、

へそを曲げてすねていた。



信長が「何じゃこのつるっぱげは!」と

校長の頭をペチペチと叩きながら

こっちを見ると僕は、安倍晴明と言ったら、有名な陰陽師なので信長を封印でも、

されたらいけないと

夢莉と一緒に全力で止めると

安倍校長が

「今、誰かに叩かれた気がするが誰もいないのぉ。」と辺りを見渡し頭を撫でながら

言う。

信長が「ほれ、このハゲは、何の力も無いから平気じゃ!」とまた禿げた頭ペチンと叩く。


夢莉が自分のポケットから小さな包みを

出すと、こればあちゃんが食べてと

言ってたよと、小さなパンケーキを信長に

渡す。すると信長は、手に取り「うむ」と

言って美味しそうに食べていた。


僕は,信長の扱いが上手い雪ばあちゃんと

夢莉に感服していた。


すると秘書の男性が「月詠君、教室が分からないのならお連れしますよ。」と聞いてくれたので僕は、「宜しくお願いします。」と

会釈する。


すると秘書の人が分かりましたと言って

教室まで付き添い道案内をしてくれた。


木の望星組と書いてある扉が見えた。

すると身長が180cm位の細くサングラスをかけた若い男性が僕を見て「よかった、無事にこれたな。」と

こちらに向かい歩いてくる。


すると若い男性が「月詠君、初めまして、木の望星組担任の黒永永二くろながえいじです。宜しく。」と右手を僕に差し出す。

僕は、差し出した手に触れると右目が疼き

ほのかに悪魔特有の腐敗臭がする。

すると黒永は、僕の耳元で

「僕は,メフィストの仲間じゃない!君の

味方だよ。」と耳元にささやく。


僕達は、警戒するが黒永は、両手をあげて

敵意がないと意思表示をする。

僕は星蘭を発動させようと構えると

僕の方をみて信長が首を横に降り

「今は、出方を伺うべきじゃな。

相手が何を考えているか分からぬ内は、

下手に動かぬ方が良い時もある。」


と真剣な表情で黒永を睨んでいた。

「じゃあ教室は、ここだから」と

黒永先生は僕達の殺気を無視して,

自分の仕事を淡々とこなす。


そこには木の模様と空に輝く星が

刻まれている扉が見える。

黒永先生は,扉をコン,コン,コン,と

叩いて開けると

「着いたよここが木の望星組の教室だよ。

中に入ろうね。」と言って僕の背中を押す。


教室に入ると儀式の様に起立、礼、着席と淡々とこなす子供達を見詰め


黒永先生が「転校生を紹介する。月詠一希君だ。皆仲良くしてやってくれ!」と

教室の皆に向かって言う僕は、

仲良くしてやってくれの一言に、

ムカついたが、ここは転校生らしく

大人しく空気のようにしていようと

決意を固めていた。


教室の中は、意外と普通で黒板と普通の机があり学校特有の少しカビ臭い匂いがする。

黒永先生は「月詠の席は賀茂の隣な!」と

指で席を指すと「こっちこっち」と

赤い髪の女の子が僕に向かって手を振る。


僕は、窓際の奥の席に座ると綺羅々が

小声で。話しかける

「まさか同じクラスだとはね、宜しくね。」と言い終わると正面の黒永先生がいる方を

見る。


黒永先生は「,自己紹介も終わったのでこれから歴史の授業を始める。教科書47ページをひらいて」と言うと普通に授業を始める。


僕は,黒永先生を警戒しながら見ていると

隣の席の綺羅々が小声で「教科書忘れたの?無いなら見せるよ。」と心配していたので

僕は,教科書を出して大丈夫と、

目で合図を送る。


綺羅々は,小さく頷くと、正面に向き直して

黒永先生の授業を聞いていた。


キーンコン、カーンコンと音がずれたチャイムが校内に鳴り響く。


黒永先生は、「今日の言ったところは、今度のテストに出るぞしっかり予習しとけよ!」

と言うと当直が起立、礼

「先生ありがとうございました。」


黒永先生に言うと他の生徒も

同じ様にありがとうございましたと、

礼をする。


一時間目の授業が終わり、休み時間になった。


「ねぇ綺羅々今度の水鏡町の星風ドームに"Miyabi"が来るんだって!」


「嘘あの"Miyabi"?」


「綺羅々も今度の日曜日にMiyabiのコンサートに行かない、?」


「綺羅々もMiyabi好きじゃん!」


と隣の席で綺羅々を中心に女子達が雑談を

繰り広げていた。


ちなみにMiyabiは,今女子達に流行っている

紅い眼が目立つイケメンの歌手で


世間では「現代の美悪魔」と呼ばれている。


僕が知っている理由は,昔、妹の夢莉が

ファンだったからである。


綺羅々は、渋い顔をしながら

「父に日曜日は、黒日だから出掛けるなて

言われてるんだ。」

と言うと友達は、

「そうか綺羅々のお父さんてスーパーを経営してるけど、占いが良く当たるのでも

有名だもんね。」


と綺羅々に言うとその会話に

一人の男子学生が入る

「俺の従兄弟が、"Miyabi"が来る星風ドームコンサートの関係者なんだけど、チケットが結構余っててさぁ、俺と一緒にMiyabiの

コンサート行かない?」

それを聞いた女子生徒達が「行くよ行く!」と浮き足だって喜ぶ。

それを見て男子学生は、「綺羅々さんも来ない?何か起きても、皆で行くから大丈夫だよ。」と言う。


綺羅々は少し悩んで、

「うん、私も行く!今度の日曜日だね集合場所は?」と皆に言うと

色々相談しはじめ最終的には,

学校に朝10時集合と言う事になった。


その一部始終を聞いていた、僕を見ながら

信長がニヤニヤと笑みを浮かべ

「お主、さては、あの綺羅々とか言う娘に、好意を寄せておるのか?」

と僕をからかう。


僕は,「違う、何処かで綺羅々に会った

気がするけど思い出せないんだ。」


それを聞いた信長と夢莉は,声を揃えて

「青春だね。」とふざけていた。


キーンコン、カーンコンとまた音がずれた

チャイムが鳴る。


黒永とは違う猫背の先生が教室に入る

「数学担当の三神です。」と小声でボソっと言うと気弱そうな三神と名乗る男

の先生が授業を始める。


◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼


1日の授業が終わるとクラスの皆が

荷物をまとめ始める

黒永先生が「明日から休みだから教室には、教材をおいて帰るなよ!」

と言っていた。

一部の生徒が黒永先生に「先生さよなら!」と手を降っていた。


黒永先生も「さよなら」と生徒に手を

振り返していた。


僕は机にある自分の荷物をまとめ

教室から出ようとすると女の子の高い声で

「ねぇ途中まで一緒に帰らない?」と

呼び止めるので振り向くと声の主は、

綺羅々だった。


それを聞いた信長は、「わしらは,先に帰るかのぉ、なぁ夢莉。」とニヤニヤ笑みを

浮かべ夢莉と教室から出て行った。


僕は,綺羅々の提案に頷き、途中まで一緒に

帰る事にした。


歩きながら、僕は,何を話せば良いか

分からず少し緊張をしていた。


すると綺羅々が真っ直ぐな瞳を向けて

「あのさ、月詠君から不思議な感じがするけどやっぱり何か能力があるの?」

と僕に聞いた。僕は,話せる範囲で

自分の事を話した。


一希「僕の能力は,闇に生きる者を払う力なんだ。」


綺羅々「闇に生きる者?」


一希「まぁ、悪魔とか鬼とかで呼ばれているやつかな。」


綺羅々「へぇー何かカッコいいじゃん。」


綺羅々「私も、一応能力が有るけど、あんまり使えないの。」


一希「使えない?!どんな能力?」


綺羅々「私のは、私と眼を合わせた生き物に幻覚を見せる(幻眼げんがん)て言う能力なんだけど、使う用途が無いのと、"制限"があるからあんまり意味ないの。」


一希「そっちの方が凄そうな能力じゃん。」


綺羅々「幻眼は,人には効かないの。それに能力が使えるのが"満月の夜"だけっていう、制限もあるし、本当に役に立たない能力だわ。」


一希「でも満月の夜に生き物に幻覚を見せるて、何かカッコいいよ。」


綺羅々「そう?まぁ幻覚を見せるのって何嫌な感じだから、どっちにしても使わないけどね!」


綺羅々「もう一つ聞いても良い?」


一希「別に良いけど。」


綺羅々「月詠君は,どうして水鏡町に引っ越して来たの?」


その何気ない問いに僕は,うつむき、

答えれずにいた…


すると綺羅々は,「ごめん,何か嫌な事を、

聞いたかも。」と気まずそうに言う。


しばらく重い空気と沈黙が続く…


僕は,何故か綺羅々には,話さなければ、

いけないと感じ、話す決意を固め。


僕は,過去に起きた出来事をゆっくりと

綺羅々に語り出す。


◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼


あれは,去年の今頃だった。


僕達は、東京の特別区の永田町で

保護されて暮らしていた。


世界で様々な厄災が起きて、数え切れない程の人達が犠牲になったが、日本も厄災による被害は、甚大なものだった。


その厄災によって人々の平和な生活が失われ東京は,貧困と食料難により犯罪が特に

多発していた。


僕の両親は人々を厄災から身を守る為の

全ての国が加盟している(世界平和維持協定)

"WPMA"に所属していた。


僕の父親は,自然学者で世界で猛威を降い人々の命を奪った感染症サビアの特効薬を

開発するメンバーに選ばれ,最初の感染者が発生した、千代田区で研究をしていた。


感染症サビアは,感染すると最初は、普通の風邪に似た様な、鼻水,咳,発熱,の症状が

一週間程続き、熱が収まる、

と今度は,死んだように眠り、昏睡状態となる。そして3日目に昏睡していた感染者が

目を覚ますと凶暴化して

周囲の人間に噛みつき生き血を

求める魔物になる。


そして噛まれた者は、サビアに感染するか、

サビア感染者に、生き血を干からびるまで

飲み干される…そのどちらかしかなかった。


サビア感染者は,末期になると干からびて、骨まで残らず砂の様になり亡くなる。

その姿から当時サビアを発見した

医師がこの感染症の名前を


イタリア語で(砂)と言う意味の

サビアと呼んだ。


ある日、僕達が住む、特別区の防壁に

犯罪テロリスト達が、爆弾を仕掛け壁を

破壊するとサビアの感染者が大量に

壊れた箇所から侵入してきた。


特別区の住人は,次々と感染者に襲われ

犠牲となった。

人々が恐怖と絶望で悲鳴を上げている。

人々の赤い血液が飛び散り

周辺に、血生臭い匂いが、立ち込め

襲われて、倒れている人がいると、

獣の様に群がり食らいつき


自分の欲望を満たす為に、血液を飲み干す。

正に地獄と呼べる様な凄惨な光景が広がる。


その時、僕と妹の月詠夢莉つくよみゆうりは特別区の住宅地にある家にいた。


僕達は,外から凄い破裂音と悲鳴が聞こえ

窓から外を覗くと道路が真っ赤に染まり

人が倒れてそこに群がり食らい付く

感染者達の姿が見える。


僕と妹はとっさに家の鍵がついている地下室に逃げ込んだ。


地下室の中には一週間分の食料の備蓄と外に設置されているカメラの映像が

見れるモニターがあった。


夢莉「お兄ちゃん怖い、私達も食べられるの?」


一希「大丈夫だよ、地下室は、頑丈だし食料沢山ある。」


一希「しばらくここに隠れていれば、自衛隊の人達が来て助けてくれる。それまでの我慢だ。」


夢莉「感染者があんなに沢山いるのよ!

助けに来てくれるかな?」


一希「大丈夫だよ!夢莉の事は,必ず守るから。」と

言うと僕は、不安そうに思う夢莉の側に

行き、優しく頭を撫でた。


僕は,外の様子を確認するためにモニターをつける。


すると口元を赤く染めた化物が、次の獲物を

求め歩き、彷徨う姿が写し出される。


モニターをから写しだされて見える

外の惨劇に怯えている、夢莉の姿を見ると

僕は,モニターの電源を切ると恐怖で震える夢莉の側に静かに座り

夢莉を抱き抱えなだめていた。


しばらくするとダッダッダッと銃の乱射する音が鳴り響く。

ピンポーンと玄関のインターホンが鳴らされ


男の声で「誰かいないか?君達のご両親から救出を頼まれて来た。」と家の中で叫ぶ


僕はモニターの電源をつけて外の様子を

見ると感染者達が銃で撃たれて倒れている。


そして外に両親が所属している、(WPMA)のマークが描いてある車が止まっていた。


夢莉が「あのマーク知ってる!パパとママの服にもついてる。」と安堵の笑みを浮かべる


僕は,少し安心して地下室の鍵を開けて

リビングに向かうと,何か硬い物で背後から殴られ気を失う。


何か冷たい物が僕の顔にピチャンと当たり

僕は,目を覚まし辺りを見渡すが

小さい電球のみの明かりで薄暗く視界が悪い

錆びた、天井のパイプから水滴が垂れる。


僕の,頭がズキズキと痛み、手で頭を触ろうとするが手足を縛られて動けない。


他にはないか見渡すと手足を拘束されて

倒れている夢莉の姿が見える。

僕は,這いずり夢莉の側に行く

とすやすやと寝息が聞こえる。

生きている事に安心しながら自分達の

状況を考えていた。


すると奥の錆びた扉がギィと鈍い音をさせながらゆっくりと開くと

人の足音が僕達の方に近付いて来る。


足音の招待は身長170cm位の細身で

覆面をした男だった。するとその男は、

「いつまで寝てる!」と僕の腹を蹴飛ばし

,いきなり僕の髪を手で掴むとブチブチと

音を立てながら、力任せに持ち上げる。


覆面の隙間から僕を不気味な赤い瞳で

睨みつけながら、氷の様な冷たい声で

僕の耳元に

「君達のご両親は,月詠直人と月詠海里で、間違いないですか?」と囁く。


僕は,直感的に答えたら殺されると思い

口を閉ざす。


すると男は,「君達が、何でここにいるのか分かりますか?」と僕を睨みつけて言う。


僕は、わからないと首を横に降る。


男は,「我々は世界平和維持協定の陰謀を

止め世界を救う為に活動している、武力組織Muuだ。」


「君達のご両親は,世界を滅ぼすのに加担をしている。だから君達を誘拐して、

月詠直人に裁きを下そうと思ってね。」と

狂喜にも近い表情を浮かべて、

僕達に話していた。


すると「総帥、作戦の準備が出来ました。」

と額に傷がある男が覆面の男に伝える。


覆面の男は、僕の手を引っ張り薄暗い部屋から連れ出す。


僕は,窓がなく全て赤壁の個室へ

連れられ紅い目の蛇と六芒星が描いてある

白い布の上に座らされる。


僕の目の前にカメラが設置されている。


すると覆面の男が胸につけている十字架を

握り締めながらカメラに向かい


「我等は"muu"神の騎士であり神の命により世界を救う為に選ばれた使者である。」


「月詠直人、貴様は神メフィストの望む世界の邪魔をしている。よって貴様の息子は

,神メフィストの裁きを受ける。」と


言うと不敵な笑みを浮かべ

緑色の液体が入った小瓶を持った

額に傷がある男が僕の背後に立つ。

すると緑色の液体を僕にかけると

僕は急に寒気がして倒れる。


覆面の男が「貴様の息子は、神メフィストがこの世に産み出したサビアに感染した。」


「今この部屋の隣に貴様の娘がいる。」


「部屋の扉を開けておいてやる。」


「一週間後には貴様の娘は神メフィストの生け贄となる。」


「我等の怒りを思い知るが良い!」

と言ってカメラを止めた…


その映像は、僕の両親がいる、WPMAの

支部に送られていた。


僕達の父親で、自然学者兼細菌学者の月詠直人つくよみなおとは、テロリストの集団に襲われた僕達を救出する為に

世界平和維持協定(WPMA)のメンバーで僕達の母親で特殊犯罪対策科の警察官でもある

月詠海里つくよみかいり達と一緒に

僕達がいる場所を探しながら作戦を立てていた。


月詠直人「僕の能力"千里眼"を使えば一希と夢莉の場所を探せる。」


月詠海里「千里眼は,使用者の寿命を縮める危険な術よ!」


月詠直人「子供達を、助けられるのなら僕の寿命位、幾らでもくれてやる!」


藤堂未琴「落ち着いて下さい!見つけられてもその場所は、間違いなく罠が仕掛けられています。」


藤堂未琴「俺達が死んだら子供達も助からない!」


WPMAの特殊部隊が支部に到着すると


「月詠さんお気持ちは,分かりますが,我々に任して下さい。」


「お子さんを無事に救出します。」

と両親に告げると別の場所で作戦会議を始めた。

僕達の母親《月詠海里》は,その光景を見て

「恐らく私達の子供は始末される。」と父親《月詠直人》と藤堂さんに話す。


月詠直人「やはりそうだろうね。サビアは

まだ特効薬が完成していないからね。」


藤堂未琴「でも月詠さん達の子供を見殺しには出来ない!」


月詠海里「直人もう子供達の居場所は,分かっているでしょ。」


月詠直人「ああ、もう居場所は分かっている。」


藤堂未琴「なら早くWPMAの部隊よりも先に行かないと子供達が危ない!」


すると何か決意を固めた父親《月詠直人》が自分の机にある黒いケースを取り出して

中身を開けて見る。


中には青い液体が入っている小瓶が3本入っていた。


月詠直人「これは,サビア治療薬の試作品なんだ。これが効けば一希達を救える。」


月詠海里「ならあの子達を早く、助けに行きましょう!」


月詠直人「でも試作品だから効きめがあるかわからない!」


藤堂未琴「一か八かです。やりましょう!」


父親《月詠直人》は,「なら僕一人だけで行かせて欲しい!」


その一言を聞いた母親《月詠海里》「どうして、直人一人で行くの?」と悲しそうに聞くと父親《月詠直人》は「以前にキミに話した運命の時が今だからだよ。」と

心配そうに見つめる海里に伝えた。


すると母親《月詠海里》は表情を変え「以前に伯父さん|《日髙望》が占いで言ってた事?」と泣きながら話す。


すると父親《月詠直人》は作り笑いを

浮かべて頷く。


その話しが良く分からず藤堂さんが直人に「運命の時てなんですか?」

真顔で聞く。


直人は過去を思いだしながら「僕達が付き合い始めた時に伯父《日髙望》さんから、直人さん貴方は,子供達を救う為に一人で、悪に立ち向かい死なねばなりません。」


「そしてその時が来た時には、直人さん貴方に渡した指輪が壊れ知らせます。」


「もし一人で行かない時には全てを失い永久の苦しみに飲まれる。」


「直人さん、誠に申し訳ない私の力では,運命を変える事が出来ない。」と伯父《日髙望》が言っていた事を二人に話すと

自分の指にはめていた"太陽の指輪"が粉々に砕けているのを見せる。


すると母親《月詠海里》が泣き崩れる。


父親《月詠直人》は「藤堂君これを受け取って欲しい試作品のデーターが,入っている

チップだよ。」とICチップを藤堂さんの手に持たせて藤堂の目を見詰めながら、


「僕が死んで子供達を救えたら、この

データーをWPMAの、黒永に渡して欲しい、彼なら、この薬を完成させる事が出来る。」

二人にその事を託すと、精神を高めると

笑顔を浮かべて「歩空"瞬"」と唱える。

一瞬で二人の目の前から消えた…


僕は、身体中が火照り、咳が出る


そして何故か物凄く喉が渇いていた。


僕は,どのくらいこの場所にいるのだろう?


そのまま僕は,強い睡魔に襲われ深い眠り

についた。


僕が目を覚めると激しい喉の渇きが襲い意識が遠くなる。


近くで声が聞こえる「お兄ちゃん助けて!」

意識がぼんやりしながら声のする方に向かう


手足を拘束されて衰弱している夢莉がそこに倒れていた、掠れた声で「お兄ちゃん、喉が渇いた、もう動けない、私死んじゃうの?」

とすすり泣いていた。


,弱々しく泣いている妹を見ながら

おぞましい欲望と衝動が

僕の心の底から沸き上がる。

衝動を抑えきれずに僕は、,喉の渇きを

夢莉で癒そうと首元に噛みつこうとする。


「一希、止めろ!」と声がすると僕は、

コンクリートの壁に吹き飛び床に倒れる。

僕の瞳から、赤い物が流れ床に飛び散る。


すると聞き覚えがある懐かしい声で

「一希、遅くなってすまない、これを飲め。」と聞こえると何かの液体が

口の中に流し込まれる。


僕の全身に引き裂くような激しい激痛が

走り出すと喉の渇きが徐々に収まって行く。


僕の意識が徐々にはっきりしてくる。

目の前に僕を抱き抱え

父親《月詠直人》の心配そうに僕を見詰め

その瞳からは涙が溢れ僕の顔に落ちる。


僕は,「父さん,何でここにいるの?」と

間の抜けた質問を父親《月詠直人》に尋ねると「間に合って良かった。」と言って

僕を床に下ろし、急いで夢莉に優しい声で

「夢莉、大丈夫か?これを飲みなさい!」と伝え、水を飲ましていた。


夢莉も意識が戻り自分達を助けに来た父親《月詠直人》に泣きながらすがり付く。

父さんは,夢莉をなだめながら僕達に

「ここは敵のアジトだ。お前達、急いでここから逃げるぞ!」と言うと僕達の身体を抱えて立ち上がる。


するとこちらにコツコツと足音と共に拍手が聞こえる。薄暗い明かりから、不気味に光る蒼白い瞳と深い深淵の瞳を持ち見た目の美しい少年が「やぁ、待っていたよ!月詠直人、君を殺せばサビアが世界に広がり、死と闇の世界が僕達を祝福してくれる。」

と言うと少年の右手が異形の形になり

鋭い爪が父さん|《月詠直人》に

振り下ろされる。

僕達を抱えたままその一撃をふわりと

かわし右目に精神を集中させて

「星詠みより来る、神具星蘭よ闇の盟約者、月詠直人の命により我に力を授けよ。」と

唱えると右目から赤銅色の宝玉が出てくる。

父親《月詠直人》は,宝玉を構え

「お前が日髙伯父さんから、聞いた悪魔メフィストだな。」


「ここで祓ってやる!」

と言い悪魔メフィストを睨みつける。


僕達は,普段とても気弱で虫も殺せない程

優しい父親から凄まじい殺意を放ちメフィストを睨みつける姿に驚いていた。


メフィストは,不気味な笑みを浮かべ

「直人、君では力不足で僕を祓えないよ。」と言うと一瞬で父親から夢莉を奪い

鋭い爪を首に立てながら

「星蘭を捨てれば、僕が子供達を傷つけないと約束するよ。」

と天使の様に無邪気に笑う。


父さんは,「わかった。」と言うと赤銅色の宝玉"星蘭"をメフィストの方に投げる。

するとメフィストは,星蘭を拾い

夢莉を離すと

「約束通り僕は,子供達に一切手を出さない。」


「だけど,他の者がどうするかは知らないけどね。」

とメフィストの後ろから大量の新鮮な血液を求める獣の様なサビア感染者が現れる。


すると父親《月詠直人》が突然に笑い「はなからメフィストお前が約束を守るとは、思っていないよ!」と言うと精神を集中させ

「爆ぜろ!」と唱える。

星蘭が赤黒く光りを放ち大爆発を起こす。


激しい爆炎が建物全体を覆い焼き付くす。

僕達は,建物の外で炎が立ち上るのを見ていた。


父親《月詠直人》が星蘭で大爆発を起こす

瞬間に空間を歪め外に僕達を連れて

瞬間移動をした。


父親《月詠直人》は星蘭を念じて呼ぶと一筋の光りが建物から飛び出し右手に収まる。


するといつもの優しい声で「夢莉、一希、

怪我はないか?」と僕達を抱き締めて言う。


僕達は,ほっとして父親にすがり付く

父さんは,僕達の顔を見詰めて

「二人とも良く頑張ったね。」と

笑顔で話す。


すると右目に赤く光る眼を持つ男が「月詠直人!貴様は,また俺の邪魔をするのか?」と叫ぶ。父親《月詠直人》はその男の顔を

見ると「カイル!」驚く

僕達は,父親の方を見ながら

「あの人は誰?」と聞くと父さんは,


「僕の唯一の友人だよ。」と辛そうに話す。


カイル「何が友人だ!あの時、僕の研究を

邪魔して止めたじゃないか!」


月詠直人「サビア感染者を操り、犯罪者を

襲わせるのは、間違っている!」


カイル「直人、お前は,目の前で化け物《サビア感染者》に家族を喰われて殺された、俺の気持ちが分かるか!」


カイル「その事を言ってもお前は、病気によるものだと俺に言うのだろう?」


月詠直人「サビア感染者は,幾人の命を奪い傷をつけた。」


月詠直人「君も大切な者をサビア感染者に奪われた犠牲者の一人だ。」


月詠直人「気持ちが分かるとは,言わない。」


カイル「当たり前だ!俺の気持ちが分かる訳がない!」


カイル「俺の目の前で生き血を吸い付くされてゆく、姉の悲鳴が今でも俺の頭から消えない。」


月詠直人「なぜ、悪魔メフィストの手先になった?あいつがサビアを作った張本人だぞ!」


月詠直人「お前は、サビアの恐ろしさを一番分かっている科学者じゃないのか!」


カイル「分かっているさ、だから人類が滅べば悲しむ者がいなくなるじゃないか。」


カイル「もう生きる事に疲れたんだ…」



カイルが急にうずくまると黒い異形の化け物

に変わっていった。


凄まじい咆哮を上げると辺りに腐敗臭が

漂う。

するとカイルは,「俺の体内にサビアより

毒性が強いウイルスが埋め込まれている。」


「メフィスト様に授けて頂いた力で、この

ウイルスを世界にばらまいてやるわ!」


と言うと身体が巨大に膨れ上がる。

父親《月詠直人》は,僕達に「大地の神々よ此の地に邪成る者の退ける盾となれ」

(岩法防壁)と唱え結界を張り

「一希、夢莉と母さんをしっかり守るんだぞ!」


「夢莉は,お母さんに似て頑張り屋さんだから無理をするんじゃないぞ!」


「二人共愛している。お父さんは,これで、いなくなるけどお前達を見守っているからな!」


そう告げると膨らみ続ける悪魔となった

カイルに向かい星蘭を放ち

自分と悪魔のまわりに星蘭の結界を張ると

そのまま何処かに消えていった…


炎に包まれた建物から黒く禍々しい霧が出て来て人の形になる。

透き通る白い肌に火傷の跡が出来ている。

その姿は悪魔メフィストだった。


「よくも僕の顔に醜い傷を付けたね。月詠直人、罰として子供達を殺してやろう!」

と言うと鋭い爪を僕達に振り下ろすが父親《月詠直人》の張ってくれた

結界に弾かれ吹き飛ぶ。

悪魔メフィストは,舌打ちをして「まぁ良いや、君達は,いつでも殺せるしね。」


「君達の顔は,覚えたから次に会う時には、ゆっくりと楽しむ事にするよ!」

と言うと黒い霧となって消えていった。


遠くからヘリコプターの音が聞こえる。

僕達は,岩影に隠れて様子を見るとヘリから身を乗り出して母親《月詠海里》が

僕達の名前を叫ぶ。


僕達は,岩影から飛び出しヘリに向かって手を降った。


ヘリコプターが僕達の前に着陸すると、母親《月詠海里》がヘリコプターから降り走って来ると、僕達を強く抱き締める。


すると僕達の安否を確認すると辺りを見渡し「一希、お父さんは,どうしたの?」と不安そうに僕に聞く僕達は、お父さんに、起きた出来事を母親《月詠海里》に全て伝える。

するとそれを聞いていた藤堂さんが

カバンに入っているパソコンを、取り出すと

父親《月詠直人》の携帯にハッキングしてGPSを作動させる。


藤堂未琴「直人さんの居場所が分かりました。」


藤堂未琴「東京の千代田区から西に、8000km地点にあるサウジアラビアの

砂漠地帯に反応があります。」


月詠海里「分かったWPMAの飛行機で私が直人の所まで行くわ。」


月詠海里「未琴は,子供達を永田町の特別区にある病院に連れて行って!」


そう言うと無線で"WPMAの本部"に母親《月詠海里》は,連絡をしていた。


「コードK、緊急事態です。月詠直人博士がサビアのワクチンを作る為に必要なサンプルをサウジアラビアで見つけました。」


「こちらから援護する為に,F-15DJモデル"HAYABUSA"の使用許可を,お願いします。」


すると無線の相手から「コードKを確認F-15DJモデルHAYABUSAの使用を許可する。」


「横田基地に向かえ!」


「F-15DJモデルHAYABUSAが、格納されている。」


「横田基地のバウエル軍曹には、話しを通しておく。」


「カイリ、ツクヨミ健闘を祈る!」


と言って無線が切れる。


母親《月詠海里》は「歩空」と唱え

横田基地に飛んで行った…


横田基地に着くと検問所まで歩いて行く。

基地の兵士が「身分証明書を、見せて下さい。」と母親《月詠海里》に言うとWPMAの手帳を兵士に見せて、月詠海里と名乗る。


兵士は、身分を確認すると敬礼しながら、「どうぞお通り下さい。」通す。


母親《月詠海里》は,そのまま基地の中に

入ると一人の小柄だが片目に傷がある軍人が立っていた。


その軍人は一見爽やかな好青年の見た目だが実際の年齢は,47歳と一般的には中年の男性と呼ばれている年齢だ。

だがその見た目とは違い、全身から発せられる気迫が歴戦の戦士の様な凄みが、あり声にも貫禄があり、人生の重みを感じさせる、

深みがある。


彼には様々な伝説があり、たった一人で麻薬密売組織や武装したテロリスト集団を

壊滅させたという逸話がある。


その軍人が母親《月詠海里》に向かい敬礼

をすると

「私の名前はロバート.バウエル軍曹、此の基地の指導係みたいな事をしている。」


「WPMAから、話しは聞いている。」


「F-15DJモデルHAYABUSAを、サウジアラビアまで飛ばしたいのだろう?」


「私が責任を持ってカイリ、君を目的地まで運ぼう!」


「しかしF-15DJモデルHAYABUSAは,日米共同で開発した"PCMA"(精神力伝導回路網動力《サイオニックコンダクションマトリックスエーサリック》)を搭載しているがカイリに動かせるだけの,日本で言う"レイリョク"はあるのか?」


「それが無いと飛ばす許可は出せない。」


それをバウエル軍曹が伝えると勾玉が

付いた機械を母親《月詠海里》に渡す。


「これは,祖国で開発をしたAM(霊力測定器アストラルメーター)だ。」


「これでカイリの霊力値を測りたい。」


「最低8万Altは、無いとサウジアラビアまでたどり着けない!」


ちなみに8万Altを、実際に使用している、

電力で表すと東京都の

一年分のエネルギー量であり


一般的な超能力者や陰陽師は、大体8000Alt出せれば良い方である。


そしてこのAMで測定した最高値は、日髙望の約29万Altで世界最高記録として密かに

語り継がれている。


29万Altは、暴発すると地球の半分が吹き飛ぶ程のエネルギーらしい。


しかも測定器が計測中に壊れたので実際は、それより高い可能性もある。



その測定器に母親《月詠海里》は霊力を込めるとメーターが凄まじく動き17万Altと数値が表記される。


その数値を見るとバウエル軍曹は,笑いながら

「日本のオンミョウジ日髙家と月詠家は,モンスターだな。」


「これなら十分に飛べる!カイリ、準備を

するから裏の格納庫で待っていてくれ。」


「格納庫の場所は,見ただけで分かる。」

と言うと

バウエル軍曹は飛行準備をするために

基地の中へと入って行った。


母親《月詠海里》は,言われた通りに基地の中を歩いて格納庫の方に行くと

大きくWPMAのマークが描かれている

格納庫を見つけそこに向かっていた。


WPMAの格納庫に着くとそこには,流線型で迷彩色が施された戦闘機があり

日本とアメリカの国旗が描かれていて

そこの中心に大きくWPMAのマークがありとても目立っていた。


「準備は出来たぞ、いつでも飛ばせる。」

と母親《月詠海里》の背後から、

フライトスーツを着たバウエル軍曹が

大声で話す。


すると数人のバウエル軍曹の部下が母親《月詠海里》の近くに来て

「カイリさん、これ着用してください。」

と伝えるとフライトスーツと対Gスーツを

持って来た。


母親《月詠海里》はフライトスーツを着て

その上に対Gスーツを着ようとするとキツくて上手く着れずに転びそうになるので、部下の一人の女性兵士が手伝う。


スーツを着用すると部下の男性兵士が

「これは,レイリョクを吸収して、戦闘機にエネルギーを送る装置です。」

と言って回路が沢山ついている、

黒い手袋とアイマスクを手渡した。


母親《月詠海里》はそれを受け取ると戦闘機の後部座席に座り身に付ける。


そしてバウエル軍曹も前の座席に座り計器の動作確認をしている。


若い兵士が「フライト準備OK!」「視界クリア」「天候クリア」と確認して戦闘機を

滑走路まで大きな機械で運んで行く。


滑走路にF-15DJモデルHAYABUSAが着くと

バウエル軍曹が「カイリ,HAYABUSAに、

エネルギーを送ってくれ。」と海里に伝える


母親《月詠海里》は精神を集中させてHAYABUSAに霊力を込める。


するとHAYABUSAが淡い青色に光り出して戦闘機の左右にあるエンジンが動き出す。


凄まじい爆音が辺りに轟き、エンジンから、吹き出す風が格納庫にある荷物を

吹き飛ばす。


バウエル軍曹が「行くぞ!」と言うと滑走路を激しい爆音と共に風を切って走り出し、

離陸すると大気を切り裂いて飛んで行く。



凄い速度で飛行するHAYABUSAに

凄まじいGが機体にかかる。

バウエル軍曹は,興奮しながら


「カイリ,凄いパワーだ!もうマッハ3だ!」


「身体は,大丈夫か?」


と母親《月詠海里》の心配をしていた。


海里は,「大丈夫よ、それより操縦に集中して!」

とバウエル軍曹に言うと精神を更に集中させて霊力をHAYABUSAに送る。


更に全身に凄いGがかかり、

座席に身体がめり込む感覚が襲い、

肺にある酸素を無理矢理に

絞り出されている様に呼吸が苦しくなる。


視界も少し狭まり意識が薄れる。

バウエル軍曹が「OH MY GOD!、もうマッハ6だ!」と感動していた。


母親《月詠海里》は,激しいGが全身に襲うが薄れるゆく意識の中で「直人お願い、無事でいて!」と自然の神々に祈っていた。


約一刻ほど経つとピーと機械音が鳴る。

バウエル軍曹が「カイリ、もうすぐナオト博士がいる目的地に着くぞ!」と

言うので母親《月詠海里》は,空から下を

覗くと一面の広大な砂漠が見える。


するとGPSが青く光り点滅する。

バウエル軍曹が「目的地に着いたこれから着陸するぞ!」と言うと旋回しながらコクピットの緑色のボタンを押してホバーモードに

切り換える。


するとF-15DJモデルHAYABUSAの

形状が変わり、宇宙船の様に円盤型になる。


着陸する時にエンジンから吹き出る

風のせいで辺りに砂嵐が起きる。


激しい砂嵐で辺りが砂に覆われ視界が悪く

発信器が示す場所《月詠直人》がわからない。


5分ほど待つとエンジンが完全に止まり砂嵐も収まってまわりの景色が鮮明になる。


母親《月詠海里》は,ベルトを外しHAYABUSAから飛び下りると父親《月詠直人》を探していた。


すると、バウエル軍曹が「カイリ,待て!念のため防護服を着用した方が良い。」


と先に降りていた母親《月詠海里》に細菌兵器用の防護服を、投げて渡す。


渡された防護服を着ると

発信器を見ながら父親《月詠直人》を

探す。

すると獣の様な唸り声が聞こえる。


バウエル軍曹と母親《月詠海里》は,拳銃を構えて声のする方に向かって行く。


声のする場所に着くと、

そこには星蘭によって張られた結界の中で

眼から赤い血液を流しながら身体の半分が

異形の化物に変わり果てた

父親《月詠直人》の姿があった。


父親《月詠直人》は、バウエル軍曹と母親《月詠海里》の姿を見つけると血液を求める獣の様に襲いかかろうとするが結界に弾かれこちら側にこれないでいた。


グガァーと雄叫びを上げて本能のままに結界を殴り続けている、愛しい人《月詠直人》の変わり果てた姿を見て母親《月詠海里》は

瞳から涙が溢れる。海里は結界の側に行き

変わり果てた化物に語りかける。


「直人、私よ分かる?私は海里よ。」

そして自分の首に着けていたペンダントを

見せながら中身を開くと家族皆で写っている写真が入っていた。


バウエル軍曹は「カイリ、あまり近づくな

サビアに感染している!」と母親《月詠海里》を止めていた。


静止を無視して母親《月詠海里》は、サビアに感染した化物と変わり果てた者に語りかける。

「直人、お願い正気に戻って私達を思い出して!」


「また夢莉と一希と私と直人で海に行こうね。て約束したじゃない。」


と結界の中で暴れ続ける愛する人《月詠直人》を見詰めて話す。


母親《月詠海里》は、言葉の通じぬ獣と化した父親《月詠直人》を見て絶望で泣き崩れ

そのまま座り込む。


すると「カイリ、スマナイ、ボクハ、モウダメダ、キミノテデ、ボクヲ、トメテクレ」

と半分異形の化物と化した月詠直人から

声が聞こえ、その瞳から涙が溢れ

砂に落ちる。

海里は、その声を聞いて月詠直人の瞳を見詰める。

「カイリ,タノム、モウジガヲ、タモテナイ、ハヤク、ケッカイガ、トケル」


と大切な人《月詠海里》に伝える。


母親《月詠海里》は,その言葉を聞くと愛する人《月詠直人》の瞳を見詰め頷くと

拳銃を構える。


月詠直人が星蘭で張った結界が解ける。


月詠海里は静かに拳銃を構え「直人ごめんね」と言いながら引き金を引く、

愛する人《月詠直人》の額を鉄の玉が貫き

そのまま倒れる。


そして月詠直人が「アイシテイル、カイリ」

と言うと赤い瞳から光りが、消えてそのまま息を引き取った。


動かない月詠直人の姿を見て月詠海里は,


「悪魔メフィスト貴方だけは,許さない!」


「必ず殺してやる!」

と母親の瞳に憎悪の芽が宿る…



その事件から数ヶ月後

父親《月詠直人》が作ったデーターを元に

サビアの治療薬が完成してサビア感染者は

この世から完全に消えていった。


母親《月詠海里》は,その事件以来

悪魔に関する事件をひたすらに追っていた。

いつか悪魔メフィストに復讐するために…


◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻◼◻


僕は,自分達に起きた出来事を綺羅々に

語り終えると


綺羅々は,「辛い事を聞いてごめんなさい。」と言って

僕にどんな言葉をかけて良いのか

わからない様子でとても辛そうにしていた。


すると僕の背後から凄まじい殺気を感じて、後ろを振り向くと

そこには筋骨隆々の鍛え上げられた肉体と

一部の隙もない動きで僕を睨み付けて


「君は,もしかして綺羅々ちゃんの彼氏かな?」と凄まじい殺気を込めて言う。


僕は,本能的に返答を間違えると死ぬと感じて必死で言葉を選んでいた。


すると綺羅々が「パパ違うよ!新しく転校してきた月詠一希君!」


「ほらパパも言ってたでしょ!月詠家の子供が転校してくるって。」


綺羅々の一言で鬼神の様な男から、殺気が

みるみると消えて観音菩薩の様な笑顔になり

僕の方を見て

「えっ、綺羅々ちゃんこの子が、月詠直人君のせがれかい。」

と言うので僕は,「今年から宿陽道小中高一貫校でお世話になる月詠一希です。」


「宜しくお願いいたします。」

と綺羅々の父親に自己紹介をした。


すると「私の名前は,賀茂頼則武かもよりのりたけです。」


「綺羅々ちゃんの父親で水鏡町のスーパー(おづぬ)をやっているから、今度遊びにおいで。」


「それと娘とは,"友達"として仲良くして

ね!」


と言うと綺羅々が「私が男の子と一緒にいる度に変に圧力をかけるのは止めて!」と

父親のみぞおちに正拳突きをしていた。


綺羅々の父親賀茂頼則武は「ウッ」うずくまり、みぞおちをさすりながら、怒る娘の後を追いかけて歩いていた。


すると「あやつ、なかなかの手練れよの!」と織田信長が賀茂親子を見て感心していた。


僕は,いつからいたの?と信長に聞くと

「今さっきじゃ!」と空を見て言う。


夢莉が「本当は,最初からずっと見てたよ。」


「私は,帰ろうよ!て信長さんに言ったけど面白そうだから様子を見るぞ!」


「信長さんが言うから仕方なく見てたの。」

と僕に話して空を見ていた。


信長は「わしは,お主が上手く女人と話せるかを、心配で見ておったが、上手くやりおったわ!」と高笑いを、していた。


僕は二人を見てため息をしながら、

手を繋いで帰る賀茂親子を

見て少し羨ましく思っていた。


僕は,心のどこかで、大切な事を見過ごしている気がしていた。


それが何なのか分かったのは、

月曜日の朝だった…





























オマケ(裏設定)

主人公の通うクラスは特別な能力がある子供だけがいるクラスである。

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