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月はアメジストの丘に、星は風待草とともに

作者: 逢乃 雫
掲載日:2026/02/01

吹きぬける


凍て晴れの風の中に



フキノトウの


花芽が春をふくらませて



冬の陽だまりに


咲き始めたひとひらの



風待草(かぜまちぐさ)


ゆれる花びらの白と紅は



季節を先駆け


咲きゆく


花のぬくもりを



こころへと


そっと、届けるように




夕闇に煌めく


丘はアメジストのように



月の光が


(そら)に満ちゆくように



如月(きさらぎ)の夜に


街を照らしながら



春もきっと


時とともに少しずつ



やさしく満ちゆく


月の光のように




夜空に瞬く


星は風待草のように



東の空から


上りゆく春を兆す光



目覚めるように


レグルスの星は瞬いて



南の地平線の


彼方にはカノープスの



紅い星が


風待草の花びらのように




季節を先駆け


春の風を


呼ぶように咲くその花を



風待草と


名付けた古人(いにしえびと)


言の葉に想いを馳せながら



遥かな宙から


シリウスは見守るように



カノープスは


大地に寄り添うように



やがて明けゆく


空は東雲(しののめ)色に染まりながら



その向こうへと


つながりゆく


春色の空を想い描いて




今はまだ


淡い光だとしても



樹々の花芽の一つずつ


この胸の内にも


春の光が、きっと



如月の夜空に


見つけた春星のように



未来という


花のつぼみと


言の葉を、大切にできたら




吹きぬける


凍て晴れの風の中に



みつけた


春へと向かう


光を宿す星明かりに



咲き始めた


ひとひらの花びらが

 


心の景色へと


やわらかな風を呼ぶように



月が照らす


アメジストの丘で



風待草の


花とこころは


春色の空を、想い描きながら


















アメジスト(アメシスト、紫水晶)は、2月の誕生石で、「誠実」「心の平和」の石言葉があります。フキノトウは、2月頃から春にかけて咲くフキの花芽で、花言葉は「待望」です。


2月が見頃のカノープスは、神話の水先案内人に由来して、全星座の星でシリウスに次いで明るい星とされます。南の地平線近くに紅く煌めきます。


風待草かぜまちぐさは、梅のことで、1月下旬頃から3月にかけて咲き、「高潔」などのほか、白い花には「澄んだ心」の花言葉があります。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
 紫水晶のように煌めく丘のイメージに重ねる星空は鉱石多き小惑星までを観るようでもあり、地平線を僅かに越えるカノープスの紅き光を、上向く枝目に咲く花香る梅の花とし、香りに誘われもちやあんこが恋しくもなり…
今はまだ冬ですが、今後の春を感じさせてくれるような詩で心が穏やかになりました。 特に『フキノトウの 花芽が春をふくらませて』ということが、希望が感じられて好きでした。 素敵な詩を拝読させていただきあり…
とても良い詩ですね(^^) 詠んでいると、春が近付いてくるような、そんな気持ちになります(^^) 温かく、穏やかな春がもう少しで来るのを、心待ちしてしまうような、とても心に響く詩でした(^^) …
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