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第6話 ラスト

「って、ちょっと待って! その声、"竜"様でしょ!? じゃなきゃクリスタルなんてほいっと出さないよね!?」

 <そうじゃが……>

「えっ? 竜様!? あの伝説の?」

 マジかよ。


 ミアが事あるたびに『竜様が見ていてくれる』って言ってた、あの竜様?

 本当に見ていてくれたのか……。


 だとしたら頼むよ。

 ミアをこれからも見守ってくれ。

 ちょっとしたついでとかでいいからさ。


 頼む……。


「もしかしてクリスタルってまだ持ってるんじゃない? ねぇ? 一個使ったんなら、二個でも一緒じゃない!?」


 しかも竜様のクリスタルってあれだろ?

 世界の調和を守るクリスタルなんじゃないか?


 そんなのそもそも1個も使っちゃダメじゃないか?



 <小娘に言われて使うのも癪じゃが、まぁいいじゃろう。貴様を救う方が有益に思えるしのぅ。蘇るがいい!>



 って、あれぇぇえええぇ???






 またまた結論から言うと、俺は助かった。


「レオ! レオ~~~~」

 思いっきり泣き笑いしながら抱き着いて来るミアが愛おしくて仕方がなかった。

 感覚は全部戻っていて、精一杯抱きしめ、何度もキスをした。



 公衆の面前で……。


「あのぅ。私たちも頑張ったし、助けたし、心配したんですけどぉ……」

 <そうじゃのう。助けたのは我じゃしのぅ……>


 まぁどうでもいいか。


 ミアが助かって、俺も助かった。

 これでまた2人揃って生きていける。


 もう何があっても怖くないな。

 改めて頭の中で思い浮かべると、さっきまで思い浮かぶままに使っていたスキルが全部ある。

 それもちゃんと使えるって感じる。


「もう! 無視ですか!? えぇ!!!?」

 <自分たちの世界からあえて抜け出て来ぬとは、なんという男なのじゃ!?>


 うるさいぞ、君たち。


 そもそも誰だよ?


 <そこな小娘が言っておったじゃろうが。我は世界の調停者たる""竜""じゃ!>

「えぇ、今さら自己紹介? ってそうですね。してなかったですね。私は聖女セルフィ―ナです。力及ばずクソな勇者のせいで窮地に立たせたことは謝罪しますが、私のせいじゃないし、助力したので許してほしいです」

「もちろん。助けてもらったし、何回も回復魔法使ってもらったし。怒ってないさ」

「ほっ……」


 あからさまにホッとした表情になる神官の女の人……聖女だっけ?

 勇者と言い、称号が凄いな。

 まぁ勇者の仲間だし当然なのかな?


 って、まだ地面につきささったままの勇者は生きてるんだろうか?

 どうでもいいけど。




 こうして俺たちの災難は終わりを告げた。


 <まだ終わらぬからのぅ>


 こらこら。不穏なことを言うのはやめなさい。


 <なにせ2つもクリスタルを使ったじゃろう?>


 うんうん。

 調和の維持をしてるんだっけ?


「うぎゃあああぁぁぁぁあぁぁぁぁあ!!!!?」

 なんだ?


 いきなりそこまで調和が崩れたのか?


 と思ったが違った。



 見覚えのある……というか、俺達をはめた治療術師の女が、地面に埋まった勇者のあそこを蹴り飛ばしていた……。



「なにしてるのよ、フェルム!? ってまぁそうよね……。」


 ほんとに何してんだよ。


「クソ勇者に騙され、『娘を生贄に捧げた張本人なのに偽善ぶるなよ』とか、『喋ったらお前の罪は重いぞ』とか言われてたもんね。なのに、あの場で私に追随しないのは心が弱い証拠だし、ちょっと今後一緒に冒険する気にはならないけど、一番悪いのはクソ勇者とあの伯爵よね……」

 そうだったのか。


 俺も許す気にはならないけど、もう関わらなければいいや……。



 こうして俺達は無事、未来を手に入れることができた。


 クリスタルを使ってしまったことで起こるトラブルはまた別の話だな。


 俺は悪魔を倒したことでシルバーランクにアップし、より稼げるようになったからミアと結婚したんだ。



 その後の人生も山あり谷ありだったけど、楽しいものだった。


 流と聖女が纏わりついてきたけど、君たちさぁ。なんであれで俺に惚れてるわけ?


「ぎくぅ……」

 <くっ……>


 ほんとに何やってんだよ。


「レオ……もてていいわね……」

「違うから! 俺のせいじゃないから!!! 俺の運命はミアのものだから!!!!?」


 機嫌を取りつつ、迫りまくってくる聖女と竜に折れたのは全力で謝罪するとして……。





 もうここで終わりだ!

 なんの話をさせてんだよ!?






 fin.

お読みいただきありがとうございました┏○ ペコリ

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