3人の女神 1
今回登場人物数人増えます
次回の後書きで登場人物全員まとめます!
グラウンドの端、無駄に長い距離を走りようやくたどり着いた俺は、1年生がまだ俺1人という事実に驚かされていた。1回目の人生の時は少なくとも俺含め6人は居たはずなのだが…
体操服の色を見ればわかる、2年生は入っている線が青。3年生は緑だ。数えてみると2年生4人、3年生3人、合わせて7人…少ねぇ…
いつから陸上部はこんな少数部隊になったんだ。だが、この時点で1度目の高校生活と一致することがある。それは、2年生の数だ。
2年生は極端に数が少なく部長が嘆いていたのを、ハッキリと覚えている
「こ、こんにちわ…」
俺は看板を持って立っている、部長らしき男の人に挨拶をした。くっそ、人見知りって辛いなぁ。年上って怖いなぁ。運動部って怖いなぁ…
「こんにちわ、新入生は俺の後ろにいてくれ」
「り、了解です」
そう言われ部長の後ろに回り、ふと校舎側を見るとヤンデレ3人組が走ってこちらに来ていた。普通に可愛い子達なんだがなぁ〜
「やば、可愛くね?」
「え、今年当たりじゃん」
3人が近づいてくるにつれ、男の先輩達がザワつき始める。やっぱり普通に見ると可愛いんだよ、でも関われば分かる…俺も出来れば第3者が良かった
「1年生俺の後ろに回ってね〜」
…なんでだろう。部長、さっきあんな優しかったっけ?
部長の一言で3人共俺の後ろに回り、1列に並び、体育座りをする。それを確認した3年生、2年生も1年生の隣に1列で並び新入生歓迎ミーティングが始まる。ってか1年生本当に俺たち4人だけかよ…
「よし、じゃあまずは自己紹介からしようか俺は部長の氏原 海斗よろしくな。気軽に部長って呼んでくれ!とりあえず3年生から順番に自己紹介しようか」
部長がそう言うと2年、3年が同時に返事をし、3年生のみが立ち上がる
「副部長の桜 陽菜です。よろしく」
副部長は女性で、ショートボブの大人じみた女性という感じの人だった。口調を聞く限りクールな人のようだ。部長とは真反対だな
「…日向」
…んん、無口!!3年生最後の日向は男で、とても無口のようだ。フサフサとした髪の毛で前髪は長く目が隠れている。それで、走れるのか…
3年生全員の自己紹介を聞き、俺は記憶をたどる。俺は部長も副部長も知っている。これは1回目の時と同じだ。そして他にも3年生は3人程俺が知っている先輩がいるはずなのだが、姿が見えない所を見るといないのだろう。そして、日向
見たことも聞いたこともない新キャラだ
まぁ、とにかくこの日向って人は後々関わってくる気がする
「日向、もうちょっとまともな自己紹介できんのか?まぁ、いい。次2年生」
部長がそう言うと今度は2年生が立ち上がり、3年生は体育座りをする
「次期部長候補の木村 小和です。みんなで頑張りましょー」
そういいエイエイオーのポーズをとる女性は、2年生で次期部長候補の小和。髪はポニーテール、見た目と同じく明るく活発な、女の子という感じだ
「次期副部長候補の山岸 剛です。楽しんでやるのが1番、レッツエンジョイ陸上!!」
…キャラ濃!!しかもレッツエンジョイまで英語で言ってんだから、陸上も英語で言いなさいよ。ほんとに、こんなのが次期部長で大丈夫か?
剛は言うまでもなく明るい男子だ…うん。やっぱ、個性って…大事じゃん?
とりあえずここまで聞いたけど、割りと全員個性強めで1度目の人生と違う点もあるが、そこまで問題はなさそうな気がする
「どうも長谷川 蓮です。よろしく、生意気なやつは嫌いなんで」
うん、刺激しちゃダメなタイプの人だ。蓮は髪を刈り上げヤンキーの様な風貌の、部長達も手を焼くトラブルメイカーらしい。ちなみに蓮の事は1度目の時から知っている。嫌味な奴で事ある事に食いついてきて、皆に嫌われていた。まぁ、その性格は健在のようだ
「どーも、井上 颯太。基本年下嫌いだから」
なんだこいつ。こんなやつ知らねぇぞ。ってか2年で知ってるの蓮だけって、なかなかにやばい。颯太は蓮と同じく刈り上げてはないものの、ワックスで髪を固め見た目からして関わりたくない人、つまり蓮と同類だ。あー、敵はヤンデレだけじゃないのかなぁ…
頭の中によぎる嫌な記憶。蓮はプライドが高く、年下にタイム負けるなど言語道断らしく、俺はいつも陰口や、嫌がらせをされていた。それだけでも人見知りの激しい俺からすれば、それだけでメンタルがズタズタになる、それなのに、なんでもう1人増えちゃうかなぁ…
「じゃあ、次1年生の男の子から行こうか」
はぁ、マジか。まー、そりゃそーですよね。1番最初につきましたもん
「新入部員の木下 翔です。精一杯頑張りますのでよろしくお願いします」
我ながら完璧な自己紹介だ。蓮が睨みつけて来ているのが気になるが、まぁ、気にしちゃ負けだ
「新入部員の高橋 夏樹です。マネージャーとして入部しましたよろしくお願いします」
…部員がザワついてんなぁ、蓮なんか面白いぐらい鼻の下伸ばしてんなぁ
「新入部員の如月 結衣です。よろしくお願いします」
なんで、俺より雑な自己紹介なのにザワつきが俺よりでかいんだよ!
2年の男連中なんてスタンディングオベーションしている
「新入部員の黒瀬 菜々です。陸上未経験なので足を引っ張るとは思いますが、頑張りますのでよろしくお願いします」
流石学年トップ。言うことが違う、頭がいいから何も言えないわ…
「よし、終わったな。先生は今日出張だから、んー、どうしようか。新入部員のタイムも知りたいし50m走ろうか、それでグループ分けして明日リレーをしよう」
部長がそう言うと全員が返事をし、部長のあとに続く。しばらく歩くと50mの白線で出来たコースが2本現れる
「新入部員はスパイク持ってないから、お前らランシューな」
部長が新入部員に気を使いそう言うと全員ランシュー、すなわちランニングシューズに履き替え準備をする
そして、全員が履き終わると、3年、2年と50mのタイムをはかっていく。タイムはマネージャーである夏樹が、ストップウォッチで計測する。スタート合図は勿論部長だ
やがて、結衣、菜々も走り終わり最後は俺1人になる
「よし、じゃあ翔、いちについてよーい…ドン!!」
部長の合図とともに全力で走り出す。が、寝不足のせいか思うように動かず、とても遅い。やがて、残り10mと言うところで俺の意識は魂が抜けたように吹き飛んだ