表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/24

平和?な水族館デート〜表〜 1

そしてそれぞれの思惑が交錯する水族館デート当日


「おはようございます!起きてください翔さん!」


そう言われ無理やり起こされる俺、ぼやける視界で時刻を見ると朝の4時半だった…ん?


「菜々…早すぎる…始発すら動いてないぞ…」


「そうなんですか…?ワクワクしすぎて早とちりしていました…」


早とちりも早とちり、大早とちりですよ菜々さん

よく見ると菜々は黒のワンピースに身を包み、5秒で家を出れるくらい支度を終わらしていた


「水族館が空くのも10時くらいだから9時くらいまでは寝かせてくれない?」


「はい!分かりました!おやすみなさい!」


俺がそう言うと菜々は二度寝しようとする俺の顔を隣で、バチバチに開いた目でジッと見ながらそう言った

いやいやいや寝れるかい


その頃チーム馬鹿共は…


「よーし、張り込み開始よ!」


菜々と同じ思考なのか4時には俺の家の前近くに集まり監視をしていた。ヤンデレの夏樹、結衣に加え何故かノリノリの響に、眠気で死にそうな柊

チームバカ達の尾行が幕を上げた


そして4時間後の朝8時。菜々の勢いに負けた俺は寝れる訳もなく準備をし、母さんお手製の朝食を菜々と食べ家を出ようとしていた

当初の予定より早く家を出ることになったが、1時間も家で時間つぶしはゲーム類も無い俺の家では厳しかった


「行ってらっしゃい、デート楽しんでね!」


そう言われ母さんに見送られる俺と菜々。俺達は行ってきますと言い家を後にした

菜々が来てから既に数日が経過し、もう母さんも随分とこの生活に慣れた様子だった


家を出た俺達は最寄りの駅で電車に乗り、水族館の最寄り駅へと向かっていた。朝日ヶ丘には水族館はなく電車と徒歩で30分ほどかかる



電車から降り道中寄り道などをして9時に水族館前へと到着すると、開店1時間前にも関わらず大勢の人が開店するのを待ち侘びていた

今日は日曜だから周りにはカップルや家族連れが多くいて、普段の俺なら場違い感しか感じないが今日はデートだから安心感どころか、普通に顔面レベルの高い菜々が隣にいるので胸を張って歩けていた


「こんだけ人多いなら早く出て正解だったかもね」


「はい!危なかったです!」


俺達はそんなやり取りしつつ、入場券を購入すると入場の列に並ぶ事にした

最初は1時間という時間を長いと思っていたが、菜々と部活の話やこの間のテストの話等の何の変哲もない普通の会話をしていると時間はあっという間に過ぎ去った


気付いたら1時間が経過し係員の人が、入場のゲートを開くとみるみるうちに並んでいた人達は水族館内へと歩みを進めた

水族館内に入ると外とは違い涼しい空気が俺達を出迎える。何歳になってもこの入場の瞬間は心踊るものがある。隣を見ると菜々が目をキラキラさせながら辺りを見渡していた


「翔さん!早く行きましょ!」


そう言い俺の手を引く菜々、俺はそのまま手を繋ぎ水族館の奥へと歩みを進めた

水族館に入るとまず最初に出てくるのは、見上げるほどの大きさの大水槽だ

水族館内の静かな雰囲気の中で明るく光るこの水槽は、入ってくるお客さんの大半の目を引いた。もちろん菜々も例外ではなく、それを見るなり走って俺を引っ張って行った


「す、すごい!」


そんな事をいい水槽を眺める菜々、その水槽には色とりどりの魚がおり、カラフルに配置されたサンゴ達は綺麗に光り輝いていた

そしてその中でも1番菜々の目を引いたのは、無数の小さな魚が群れとなり水槽いっぱいに広がる姿だった。鱗に光が反射し所々が光り、その光景は夜の街並みの様に見えるほど綺麗に目に映し出されていた


「めちゃくちゃ綺麗だな」


その光景に思わず俺も魅了され、水槽に目が釘付けになる。しばらく2人でその魚の群れを眺め俺達は次の水槽へと歩みを進めた


「何が1番見たいんだ?」


俺がそう聞くと菜々はクラゲ!と言い満面の笑みを浮かべた。薄暗い水族館内で菜々の姿を水槽の光がほのかに照らし、普段の菜々からは感じない妖艶さが滲み出ていた

俺はその光景に鼓動が激しくなるのを感じた。今日1日俺の心臓持つかな…そんなことを思いながらも、俺は菜々と手を繋ぎ水族館内をさらに奥へと進んだ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ