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中間テスト結果発表

そしていよいよ中間テストの成績発表の日

クラス全体がザワ付き先生が成績上位者を発表し、各々に採点が終了した解答用紙が返却される。2度目の人生とはいえ結果発表と言う奴はやはりソワソワするものだ

そう思っているのは俺だけでは無いようで、夏樹も響も足をじたばたさせていた


「よーし!じゃあ結果発表していくからな!まずは国語だな」


先生がそう言うとクラスに一気に緊張感が走る。その中でも夏樹は国語が苦手だったので、特に緊張している様子だった


「まずは1位!満点で黒瀬 菜々!」


ここはみんなの予想通りだろう、菜々も余裕そうな表情を浮かべこちらに向けてピースを送ってきていた

大事なのは2位と3位だ…


「2位は98点で暁 柊!」


「「「はぁ!!??」」」


候補に浮かびもしなかった名前に思わずクラス全体に加え、近い席の俺と夏樹と響が声を上げる

このバカ、俺勉強できないからできないから詐欺しやがった…


「割りと菜々さん抜かしにいったんだけどなぁ、無理ぽだったわ!」


そんなことを言いふざけた顔をする柊、響はこんの裏切りもんがァ!と涙目になりながら柊の襟をつかみ振り回していた


「意外すぎたわ…翔くんなら割りと納得だったけど…勉強会サボってた柊くん以下か…」


そう言い夏樹は机にうつ伏せになってしまった


「はいはい!まだまだテスト結果はここからですよー!」


おいおい、なんか先生もノッてきたな


「国語第3位は…96点で如月 結衣!」


「ぁぁぁぁぁぁあ!」


夏樹が奇声をあげ力なく椅子に溶けるようにもたれかかった。隣の教室からは結衣の物であろう叫び声が廊下に響きわたり、夏樹のメンタルをさらに抉った


そして結果国語の結果は響78位、夏樹48位、俺は28位だった。ちなみに夏樹の点数は80点ちょうどだった。1年の生徒数は150人、別に悪くは無い結果だが国語はちょっと自信あった分ヘコむぜ…

響はギリギリ75位に届かなかったが、本人は大満足のようで大喜びしていた

夏樹も善戦出来たようでなんやかんや満足気な顔をしまぁまだ一教科目だから!と言っていた


アホ3人の勝負は国、数、英、理、社の主要五教科の合計点数での勝負だ。確かにまだ全然勝ち目はあるな


「よし次数学〜」


先生がそう言うとザワついていた教室は静まり、点数発表に全生徒が耳を澄ます


「100点で1位は…黒瀬 菜々!」


うんうんうん、これは当たり前だ。勝負は次からだ

普通の生徒達はみんなそう思うが、俺の隣に1名と他クラスに1名、そうは思っていない生徒がいた

夏樹はそれを聞くと再び机にうつ伏せになり死にそうな顔になっていた


「2位…99点で高橋 夏樹!」


「やったぁぁぁあ!」


それを聞くと夏樹は飛び上がりガッツポーズをしてそう言い喜んだ。夏樹と結衣の接戦に俺は胸が熱くなるが、これの結果って俺も結構関係してくるんだよなぁ


「そして最後3位!…97点で如月 結衣!」


「ダメだ終わったぁあ!」


先程まで喜んでいた夏樹だったが、再びそう言い机にうつ伏せになった。感情の忙しいやつだ、見てる分にはめちゃくちゃ面白い

そして数学の結果が帰ってき、俺76位、響96位、柊54位と俺も響も75位以内を取ることは叶わなかった


その後、社会と理科のテスト結果が返され結果は社会1位が100点の大どんでん返しで夏樹、2位98点で菜々、3位が俺達以外の人だった。ちなみに結衣は78点。

理科の1位は98点で菜々、2位96点同率で夏樹と結衣で3位が俺達以外の人だった


菜々が圧倒的知識を見せつけて1位になると思っていたが、勝負は意外と拮抗し今のところ菜々総合396点、夏樹375点、結衣367点という結果だ

菜々が100点だった瞬間、菜々の勝ちが確定する。緊迫した状況の中先生が口を開き英語の点数を発表する


「英語の1位は100点で…」


「お願いお願いお願いお願い」


夏樹はそうブツブツ言いながら手を合わせて、天に祈りを捧げていた。菜々も同じような感じな所を見ると英語はあまり手応えが無いようだ。見えてはいないが、結衣も同じような感じだろう


「黒瀬 菜々!!!」


「強すぎだろぉぉ!!!」


菜々の勝ちが確定した瞬間、夏樹はそういい崩れ落ちた


「てんめぇ勝てるわけねぇだろがァ!!!」


発表の後数秒後にドアがバァン!と開かれ顔を真っ赤にした結衣が現れた


「当然の結果ですね!翔さんとどこ行こっかなぁ〜」


菜々のその言葉を聞いた結衣と夏樹は外に飛び出し、叫びながらどこかへ消えた。先生と他の生徒は目が点になっていたが、慣れたような様子で気にすること無く進行を進めた

そして俺は菜々とのデートが確定したのだった


そして、その後も発表は続けられ2位99点で夏樹、3位96点で結衣だった。五教科の総合得点で言うと菜々496点、夏樹474点、結衣463点と圧倒的に菜々が強すぎるだけで2人もとても善戦していた。残念賞にアイスでも奢ってやるかとか考えつつ、俺は2点しか取れなかった英語の解答用紙を泣きそうになりながら見つめていた。あのスラスラかけた現象は一体なんだったんだ…順位はもちろんダントツで最下位だ…



そうしてドタバタと2度目の人生初の中間テストを終え、帰宅し寝る準備を整えた俺は菜々と自室で話をしていた。議題はもちろん何処にデートに行くか、だった


「せっかくの初デートですし水族館か遊園地行きたいです!」


「おいおい、陸か海か究極の選択だな。まぁ絶叫系とか苦手だから水族館にしよう」


「やったー!次の休み楽しみです!」


そんなやり取りをしつつ、喜んでいる菜々を見ていると少し嬉しい気持ちになる。俺の役目は少しでも彼女が過去を忘れれるように務める事だ、今回の水族館デートは気合い入れて行かないと行けないな

そう心に思いながらも俺は1つ気がかりなことがあった


夏樹と結衣…結構すんなり俺と菜々のデート認めたな

俺はあの2人が何も俺と菜々のデートについて、口出しして来なかったことに違和感を感じる

確かに点数勝負で負けたが、あの2人が大人しく引き下がるような女か?まぁ俺の考えすぎか…

俺は自分にそう言い聞かせた、それにもう決定した事だ


「人生初の水族館デート楽しみすぎて今日から眠れない

かもです…」


「バカ言ってないで寝ないと明日からの部活にも響くぞ?そろそろ大会とかもあるだろうしな。おやすみ」


俺がそう言い布団に潜ると菜々は、はい!おやすみなさい!と返事をし眠りについた。多分本当に眠れないだろうが…



そしてその頃、夏樹の家では結衣、柊、響が集まり会議を開いていた


「議題は『菜々と翔くんがデートをする事について』です!」


「おいおい、そんな事で集めないでくれよ。お前ら負けたんだから諦めろよ」


夏樹が議題を発表すると柊がダルそうにそう言った

()()()()()()()()()()()()()()、その言葉は夏樹と結衣の心を深く抉った


「あんな出来レース勝てるわけないでしょ!」


「そうだそうだ!最初から菜々の計画通りだったんだー!」


「そうだそうだ!こっそり隠れて国語で2位取りやがってー!」


「あー!うるせぇテメェら!出来レースだの計画通りだの言ってるが、なら最初提案された時点で否定しろ!翔とのデートが賭けの提案に出された瞬間、脳内真っ白になったのはテメェらだ!あと響は黙ってろ」


そんな柊とアホ3人のやり取りは1時間ほど続き会議は接戦を極めた。そしてその結果


「はぁはぁ…よしじゃあ翔くんのデートは皆でこっそり尾行する事にしよう」


「はぁ…ぁああ!しんどい!異議なし!」


熾烈な口論を制したのは夏樹と結衣だった


「はぁ、クソ女共が…はぁはぁ、分かった分かった分かりました…」


柊は夏樹と結衣の勢いに根負けし、そう言い言う事を聞くことにした

実際、友達の翔がデートするのに実はちょっと興味があったりするのは内緒だ


「良し、じゃあ各自当日はまだどうなるかは分からないけど、『菜々と翔くんのデートを見守り隊』として頑張ろう!」


夏樹得意のダサダサネーミングセンスで命名されたダサ部隊はおーーー!!!と掛け声を上げるとその日は解散した

かくしてアホ共の尾行作戦が幕を開けたのだった

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