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前代未聞の冒険者  作者: クソラノベ量産機
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第5話 おにぎりと三体の怪物と獄炎のヒジャクテン

 アサイラム王国の冒険者ギルドにて“ホーライ村”からの一ヶ月に一人ずつ“ターカイ銀山”へと生贄を送らなければならないので助けてほしいと言う内容の依頼を受け村へと着いていた。


「良く来てくれましたロイド様、実はこの村にはもう生贄の為の若い娘は居らぬのじゃ。 何時しかターカイ銀山に住み着いた怪物をどうか倒してほしい。」


「つまり俺にその怪物をなんとかしてほしいと言うことか。」


「はい、怪物は三体居りますじゃ。 五つ首のヒュドラ、単眼巨人サイクロプス、百の腕と五十の頭を持つヘカトンケイル、今まで何千何万もの冒険者達が挑戦しましたが誰一人として帰っては来なかった……おそらくじゃが為す術もなくやられてしまったのではないかとわしは思っておりますじゃ。」


「やけに詳しいな。」


「この眼で見ましたから。」


「そうか、時間も無いし早く行くとしよう。」


「お願いしますじゃ。」


 俺は村長の家から外に出ると待たせていた仲間達を連れてターカイ銀山へと歩を進める。


「ロイド様、ターカイ銀山にはドワーフ族が住んでいる噂がありますね。」


「ああ、仲間に出来れば良いが三体の怪物とやらにやられてなければ良いがな。」


「なに、どのような化け物がでようとわたしの剣で首を刎ねてやろう。」


「そうですわ、此処の銀山には四大精霊の一人“火の大精霊カエン”が居る筈ですが……小精霊の気配すら感じられませわ?」


「そろそろターカイ銀山に着くよ、戦闘の準備をした方がいいんじゃないかい?」


「キャンベラの言う通りだよロイドお兄さん。」


「そうだな、一旦この辺で休憩しようか。」


 銀山へと入る前に俺達は休憩をとる為に魔物が近付けない様にバリアを張る。


「さて、怪物退治の前の腹ごしらえでもしようか。」


 キャンベラの荷馬車の中へと全員入り込み、亜空間を出現させると食べ物を取り出す。


「それは何じゃ?」


「ああ、これか“おにぎり”つー日本の食べ物だ。」


「日本?」


「俺がこの世界に転生する前に生きてた世界さ、和食が恋しくなってつい亜空間に農家を作って自然に作られる様にしていたのでな。 味のレパートリーも豊富でハズレ無しだ。」


 取り出したおにぎりの具材は塩、梅、昆布、鮭、照り焼き、エビマヨ、おかか等を用意する。


「美味しい!」


「だろ? 他にも日本食はあるが、それはまた今度だな。」

(さて、怪物三体の気配どころか集団で何者かの気配すらあるが。)


 食事をしながら銀山に感じる人の気配に俺は違和感を覚えながらも、危険そうに感じた仲間を俺の亜空間内に入ってもらった。

 荷馬車が目立つのを理由にキャンベラ、リリア、マーベル、ミザリー、セラムを亜空間内に入ってもらい残りのフェンとドラの二人を戦闘対象に選び銀山へと進む。


「よし、着いたぞ。」


「何やら出て来たぞい?」


「あの奥に居るのは、あの村の村長のようだな。」


「良い女が居るじゃねえか、金目の物と女置いて帰りな! そうすりゃ命までは取りはしねえよ。」


「はあ、三体の怪物ってのはこいつらの事だな?」


「どういうことじゃ?」


「変身しろ、したところで俺には勝てんがな。」


「よく分かったな、俺達が怪物ということに……後悔するなよ? ぬううううん!!」


 盗賊団は姿をヒュドラ、サイクロプス、ヘカトンケイルへと変貌し、その数百体に達する。


「流石にこれは骨が折れそうじゃわい。」


「ヤバそうだね、がやるしかないか。」


「いや、待てお前らこいつらは俺一人で十分だ。」


「んだと!? 舐めやがって! くらえ、サイクロプスビーム!!」


「ヘカトンケイルレーザー!!」


「ヒュドラ光線!!」


 サイクロプス、ヘカトンケイル、ヒュドラの姿へと変わった盗賊団は一斉に俺へと眼を光らせビームを放つが全くダメージを受けず俺は手刀で三体の怪物を真っ二つにする。


「バカなああああ!」

「まさか最強の力が!!」

「魔族からもらった力が負けるとは!!」


 三体の怪物を倒し、その様子を見ていた村長は銀山の奥へと走り去り追いかけると巨大なクリスタルの中に火の大精霊が封印されており、俺は村長を問い詰める。


「おい! お前何のつもりだ?」


「何のつもりとは?」


「お前、人間では無いな? 怪しい気配がプンプンするぜ?」


「ほう、バレてしまっては仕方ない本性を現してやろう。」


 村長の姿はみるみるうちに変貌し四天王の姿へと変わる。


「オレの名はニセ魔王様四天王が一人、獄炎のヒジャクテン! 魔王様の命令にて大精霊の封印をしていたのだ、やはりあんな雑魚では勝てんか。」


「こやつかなり強いぞ!!」


「勝てそうに無いぞ!!」


「そう思うのも無理もない、お前達に勝つのは無理だ……俺でないとな!」


「大した自信だ、いまや俺に弱点は無い! 炎に包まれ息絶えるが良い!! 獄炎フレイム!!」


「「ロイド!?」」


 獄炎のヒジャクテンは俺に向かい一瞬にして業火で焼き尽くそうとするが俺には全く効いてないが効いてると思い込む。


「ひゃはははは! 大精霊の封印を解こうとしなければ死なずに済んだものを。」


「やはりこの程度か。」


「なに!?」


「ほら、返すよ。」


 俺は業火を指先へと集中させ獄炎のヒジャクテンへと放つ。


「ま、待て! 俺は火が弱点では無いぞ!? 止め、ぎゃあああああああ!!」

(馬鹿な! 何故俺が火が弱点だと分かった!?)


「簡単なことだ、お前は名が体を現してるからだ。」


「くっそぅ……」


 獄炎のヒジャクテンは燃え盛る業火の中で消し炭となり、火の大精霊の封印が解ける。


「人の子よ、助かりました。 まさか魔族に封印されるとは思いませんでした。 貴方に私の全てを捧げましょう。」


 火の大精霊は俺にキスをし、力の全てを注ぎ込む。


「これで貴方は全ての火属性魔法が使えましょう。 必要とあらば何時でもお呼びくださいませロイド様。」


「そうさせてもらう。」


 その頃、魔王城では四つの陰が獄炎のヒジャクテンが倒されたことを報告していた。


「獄炎のヒジャクテンがやられたか……」


「何の問題もありません、奴は四天王の中でも最弱。」


「そうそう、自分の名前で弱点晒してる様な奴だし負けて当然だよ。」


「おい、カゼガダメ言葉を慎め。」


「まさか我等四天王の五人から一人脱落者がでるとはねぇ、四天王のまとめ役兼リーダーのこのわたくし氷結のコールッテが尻拭いをしないといけないねぇ。」


「その必要は無いよ。」


「そうよね、だって私で直ぐに終わらせてやるんだから。」


「それは頼もしい、人類最後の砦を葬ったとて新たに我々魔族にあだなす者が現れたのだ。 失敗は許さぬぞ?」


「当然ですよ、この水流のミズイヤーダにお任せを。」


「クククッ、フハハハハハハ!!」


 ミズイヤーダはその場から姿を消し持ち場へと着きに行く。

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