青春の使い方
世界的な大きなパンデミックも終わりに向かい始め、今まで通りの世の中を取り戻そうとしている昨今。
約3年間に渡る行動制限の間に溜まったストレスは、世界的に爆発をし、至る所で観光客、旅行客が爆誕。。
海外旅行客を集め、インバウンドを期待しているわが国日本でも例外ではなく、各地の観光では賑わいと活気を取り戻していた。
『今日も人多かったね~。。。。次の休みはどこにいく? せっかく行動制限解けたんだから、今のうちに行ける所いっぱい行かないとだよね?!』
心春は息継ぎのタイミングすらも惜しいほどに話をつづけた。
『私達の青春はアニメに始まり、アニメに終わる。。。でしょ??』
弾む声は体を揺らし、ガサガサとカバンに手を入れながら距離を詰める心春に対し、2歩3歩と退く海
『そいえば!!先週貰ったコレに凄い事見つけたんだよ!私も最初は気が付かなかったんだけど。。これって運命感じちゃわない?』
さらに距離を詰めながら開いたジャポニカのノートは、海の顔スレスレに
『分かる?ねっ!ねっ!すごいでしょ!!私コレ気が付いたのマジで天才だわ~!これぞ運命!』
海の視界には薄緑色の線のみが認識できる程度で、心春の気持ちとは正反対にクールを貫いていた。
『心春?分かってると思うけど。。。』
海は視界の薄緑色に向かって話初めたが、畳み掛ける勢いはさらに増し。。。
『分かってるよー!海が言いたい事くらい!』
さらに続けて
『コレは本当の御朱印帳じゃない!って言いたいんでしょ?!タダのジャポニカ学習帳に知らない人の聖地の感想を書いてるだけだって!』
さらに熱とスピードを増し
『私はね!この御朱印帳に聖地巡礼をした同胞達の熱い気持ちが刻まれてると思ってるんだよそして読み返すとその聖地がこの人達にとってどういう所で参拝した直後のあの感動をまた思い返す事が。。。。』
心春の熱い勢いを海のクールが両断した。
『あのね。。。近過ぎで緑なの!俺の視界!』
『。。。。。。』
『。。。。。。』
心春はノートをゆっくりと海の顔から離し閉じながら
『またやってしまった。。。笑( ̄_ ̄ i)』
『いやー、いつもの事だからさ!またやってるよ。。。って感じ!!』
心春をこねくり回しながら海は続けて
『俺は心春のそういう所好きだよ!ジャポニカを御朱印帳にしてる所も、巡礼地であった初対面の人にジャポニカに感想を書いてって頼める度胸もね!笑 俺には無いからさ!』
心春の頭をこね繰り回しはずっと続いた。
御朱印帳 ( ジャポニカ学習帳 )にあるページからの1部。。。
(この度は時の巡り合わせで心春さん達にお会いしました。同じ作品のファンである事が嬉しく思えました。 さて、巡礼の感想です。私は初めて訪れた地です。聖地までたどり着けるかの心配は最寄り駅に着いた時から無くなったんですよ。お祭りでもあるの?と思うくらいの人の列に驚きました。でも、間違いなく目的が一緒なのもわかるその流れに乗って、こちらにたどり着きました。 率直な感想は人の多さに圧倒されました。名場面を思い返しながら歩く、立ち止まる、撮影などの楽しみ方は一切出来ないほど人。。。びっくり仰天です。笑
しかしながら、目に余る身勝手な迷惑行為。聖地を汚すポイ捨て行為。。。目の前で大好きなアニメの聖地が怪我されていくのを目の当たりにして、少し残念な気持ちも感じました。。。。とはいえ、心春さん達のような素敵な仲間に会えた事、憧れの地に会えた事を凄く嬉しく思っています。)
『あのー、そろそろ頭のこれ止めてもらえますか?。。。』