表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/24

西の改札

少しホラーみがあるかもしれないです。




"この駅の西側の改札からは出ちゃいけないよ"







その言葉を聞き、なぜダメなのか気になった。ずっと乗っている電車を降りた後、西方向へと向かった。


切れかけの蛍光灯がチラつく中、目の前に階段が現れた。薄暗く気味が悪いが、恐怖より好奇心が勝ち、階段を上っていった。


進むにつれ暗くなっていき足がすくんだ。

改札まで行って戻ればいい。そう言い聞かせ、足を進めた。




階段が終わると、寂れた改札が見えた。そこには乗客はおろか駅員の姿すらなかった。改札は動いておらず、手に持っている切符を入れる所すら見当たらない。そのままに通るのは気が引けて引き返した。











「あそこ動いてないよ」


電車の中で友人に改札の話をすると、友人はにこやかに言った。


「お前、あの寂れた改札で止まっちゃっただろ」


「そりゃそうだよ」


そう返すと、友人は考え込むように言った。


「あれは昔の改札。今のはもっと先にあるんだよ」





「俺も一緒に行くよ、俺はあの辺に詳しいから」













また薄暗い階段を上る。今回は一人じゃないから心強い。

改札が見えると、僕は友人と目を合わせた。


二人で改札をコソコソと抜ける。そこからしばらく歩いたが何も見当たらない。


「ねぇ、どこまでいくの」


そう言っても、友人は足を止めない。

そのままついていくと、急に光が差し込んだ。


きっと外だ。このままでは切符を通さずに外に出てしまう。


「ねぇ、ダメだろ。戻ろう? 」





声をかけると、友人は見たこともない形相で叫んだ。


「お前はこっから出るんだよ!!いいから行け!!!」


友人は僕の背中を思いっきり押した。光が眩しい。






















ゆっくりと目を開けると、そこには見慣れた改札があった。辺りにはたくさんの人で溢れている。目が覚めたように、僕は手に持った切符を改札に通した。


すると改札に引っかかってしまった。駅員がこちらへと向かってくる。わけも分からないまま棒立ちしていると、駅員さんが怒った様子で話しかけてきた。





「君、だめだろ。これ3年前の切符じゃないか。」





僕が困惑していると、その様子を見た駅員さんは渋い顔をしてどこかへ連絡をした。









僕はいつの間にか警察に連れていかれていた。

話を聞けば、僕は3年間行方不明になっていたらしい。




迎えに来た、やつれた母に抱きしめられながら、僕は友人のことを思い出していた。


彼は一体何者だったのだろう。僕と同じ人間なのか。それともあちら側の人間か。

もう顔も思い出せない彼は、未だにあの駅をさまよっているのだろうか。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ