表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

何者にもなれない

作者: 長月ナナ

人は何歳からでも挑戦できる。

なんて言うのは嘘だ。


挑戦するには捨てなければならない。

今まで積み上げたものを壊して、壊して、壊す。


そうして初めて挑戦権を得る。


いい歳して、と白い目で見られて、

家族に迷惑をかけ、「昔は真面目だったのに」と陰口を叩かれる。


挑戦するには、独りにならなければならない。

社会にの歯車としての役割を放棄し、平凡を捨てなければならない。


「自分の代わり」はいくらでもいるが、

「自分の代わり」に世間の目に耐えてくれる人はいない。


挑戦をするには、私はもう囚われてしまった。


そして、自分の夢など、結局その程度で諦められるものだったのだ、と思い知る。


諦めてない。諦めてないよと心が叫ぶ。

挑戦したい。と魂が叫んでる。


けれど。


けれどもう。


無理なのだ。


だって囚われてしまった。


幸せな平凡に。


優しいぬるま湯に。


愛すべき人たちに。



幸福な日常を、壊してもいいと思えるほど、

自分の心は強くない。


だから結局


心にわだかまりを抱えながら


心を殺しながら


愛おしい平凡の中で


死んでいく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ