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1000文字短編

異世界への日記

作者: をち武者

 10月4日

 K下、腹と背中に5発。

 Y田、腕に2発・腹に4発。

 F原、足と腕に3発ずつ。


 10月7日

 K下、腹に2発・腕に3発。

 Y田、腹に5発。

 F原、手足に4発。

 くたばれ


 10月8日

 K下、腹に7発・腕に2発。

 Y田、腹に1発、股間に2発。

 F腹、腹に2発、腕に3発。


 10月9日

 今日、机の中にラノベが入っていた。

 誰かが持って来て隠されたんだと思う。

 ラノベなんて恥ずかしくて今まで読む気になれなかったが、読んでみると結構面白い。


 10月11日

 K下、腹に7発。

 Y田、腕に2

 異世界転生だって、今まで知らなかった。

 どうやら不幸な目に遭った人が死ぬと、来世では神様から力を貰えたりするらしい。

 じゃあ、俺にもその権利がありそうだ。

 だが自殺はダメって書いてあった、どうなんだろう。


 10月25日

 いじめがエスカレートして来た。

 でも俺には次の世界が用意されてるから大丈夫だ。

 あいつらは全員、地獄にでも落ちればいい。


 どんな能力を貰おうかな。こんな俺でも力があれば慕って貰えるんだろうか。

 色んな人を助けたい、暴力で虐げられている人や辛い立場にある人を。


 10月28日

 今でも少しの魔法があればこいつらなんて簡単に倒せるのに。

 力の前貸しはして貰えないかな?


 でも大丈夫だ、最近は何も感じない。

 凄い魔法を考えておこう、俺にしか使えない強力な奴を。


 11月1日

 国道沿いの道を選んで帰る事にした。

 別に死のうと思っている訳じゃない、あいつらから逃げようなんて思ってない。

 俺の方がよっぽど強い人間だ。


 最近、俺が泣き出したりしないもんだからあいつらムキになってきてる。

 体中のアザがジュクジュクして気持ち悪いけど、異世界に行ったら治ってるよな?


 11月12日

 最近、ずっとラノベを読んでいる。

 もう復讐とかどうでも良くなって来た。もっと読みたい、こんな世界に行ってみたい。

 本当に、あるよな? 異世界……。


 11月15日

 近くで交通事故があったらしい、死者が出たらしい。

 どうして俺じゃないんだよ! 神様は不公平だ!!

 早く俺をつれてってよ。


 12月5日

 親に体のアザがバレた、警察が来たり病院に行ったりで大騒ぎだ。

 こんなの全然望んでなかったのに……、どうして?


 もう嫌だ、これならイジメられてる方がよっぽどマシだ。


 12月7日

 家を出た。お金はほとんどない。

 とりあえず大通りに沿って行けば道には迷わないだろう。


 12月8日

 2時45分、寒い眠い。もう帰る所も行く場所もない。

 神様、お願いだから俺をは

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