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蛇に睨まれた蛙  作者: 井伊空佑
8/10

虎の威を借る狐

檻の中で虎が捕らわれていた。

毎日、朝と昼と夜に鶏や牛の肉を与えられていた。

毎日人間という動物に睨まれていると肩身が狭い。

こんな毎日に飽き飽きしていた時に狐が現れた。


「こんばんは。どうですか最近は。」


「いやいやどうも何も…こんな毎日に

飽き飽きしているところです。」


「ですよねぇ…ここだけの話、

この檻の外に行ってみたくはありませんか」


「そんな夢物語を聞かせにここにいらっしゃったのならば

すぐ帰った方がいいかと。飼育員が来ますよ?」


「夢物語なんかではございません。私は真実を述べています。

私はそこの鍵を開ける方法を知っています。

手の大きいあなたには無理ですが私になら出来ます。」


「そんな証拠はどこにもないじゃないですか。」


「証拠ならここにありますとも。

私がここに来るために何をしたのかわかりますか?」


「鍵ですか。」


「はい。今から鍵を開けます。」


そして狐は鍵を開けた。虎は嬉しくなり、他の動物の檻に行き

自慢をしに行った。


「ライオンさん。ライオンさん。」


「なんだ虎さんですか。どうしたんですか。」


「見てください。檻から出られちゃいました。」


「言われてみれば檻から出ていますね。一体誰が…」


「狐さんが鍵を開けてくれたんですよ。」


「そうですか。残念です。」


「残念?」


「いえ、こっちのことです。お気になさらず。」


「まぁそうですな。では観光に行ってきます。」


虎は去っていった。


「ライオンさん。虎さんを無事に出しましたよ。

この賭けは私の勝利です。」


「そのようですな。

狐さんには後でなにか贈り物をします。」


「約束ですからね。」


そう言って狐は去っていった。

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