牛も千里馬も千里
砂漠地帯で老人が千里先のオアシスを杖1本で目指していた。
そこにバギーに乗った若者2人が現れた。
「おいそこのじいさん。
ここら辺にある安いガソリンスタンド知らない?」
「知らん。」
老人が応えると
「うわー愛想悪すぎ。」
「まぁこの先行きゃあガソスタくらいあるっしょ。」
そう言って若者2人ではバギーを走らせていった。
老人は歩き続けた。
喉の渇き、砂による目の痛み。それに
寒すぎて疲れても眠れないため不眠でもあった。
だが老人は歩き続けた。
もうすぐで辿り着くはずだと信じて。
やがて夜になり、老人は倒れた。
だが砂漠の寒さで眠ることができない。
老人は仕方なく起き上がった。
老人は夜でも歩き続けることにした。
やがて朝になった。
前方にはバギーが止まっていた。
「おい!じじい!無いなら無いって言えよ!」
そんな声が聞こえた。老人は落ち着いて言った。
「ジパングのことわざにこういうものがある。
牛も千里馬も千里。
これは歩みが鈍い牛も歩みが速い馬も目的地は
同じだから焦らなくてもいいと言う意味だ。
だがこう捉えることも出来る。
歩みが鈍い牛なんて乗り捨てよう。とな。」
そう言って老人は砂の上を平にして円を描き、
12箇所等間隔に点をとった。
そしてそれぞれを繋いでいき、真ん中に空いたスペースに
星を描いた。そして何やら呪文を唱え始めた。
呪文が終わった瞬間。老人はオアシスにいた。