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鳶が鷹を生む
茶道の師範がいた。
そして昨日入ってきた弟子がいた。
「ここまで急成長を遂げた才能のある者は
お前の他に誰もいない。だがな、
自惚れるような事があっては絶対にいけない。
まさか1日で…それは他の師範代からも妙な目で見られる
ことである。そしてお前は私の息子だ。
才能は素晴らしいがお前には威厳がないのだ。
こんなことは言いたくないんだがな……」
まだ若いその弟子は頷いて言った。
「はい。ありがたきお言葉であります。」
「師範を降りる前にお前の茶が飲みたい。いいか?」
「いいですよ。」
弟子は茶道が嫌いだった。
そしてお金に飢えていた。