必殺技がいみわか!
俺の足が異常に速いことに気がついた。
……なんで…なんでだよ……なんで…なんで…
……なんで学校の体育祭の時にこの速さになんなかったんだよ! おかしいだろ…こんなの……なんで…今なんだよ…ありがたいけど。
…あの時に…この速さだったら、あんな醜態さらさなくてよかったじゃん…いやまぁ、そのお陰でクラスの美少女に話しかけてもらえたけど。
…あの時だって……! ……いや、今考えれば特にどれも大丈夫だったな。
と・に・か・く! 今はこの場を切り抜けることが先だ! …とはいってもどうする!? このまま走り続けても体力切れで、あのイノマンに吹っ飛ばされるのが落ちだ。……いっそのこと、殴ってみるか?
……いけ……るか……? …いや、でもな……この異常な足の速さを知ったら、実は力も異常ほど強くなってたりするんじゃないか…?
……ふっ……ふふふ………ふぁっはっはっはっはっ!!
そうだ! そうだよなぁ!! きっと今の俺はさいっきょうだ! その証拠に俺の足が速い! …おいおい、みてろ? イ・ノ・マ・ン?
…これが…! …これが俺の……! ……力だ!!!
俺は走るのを止め、その場に止まりイノマンの方に向き直る。足をおもいっきり地面に押し付け、殴る構えをとる。
「グゴガァァァァァァァァァァ!!!」
…お前の顔はもう見飽きたんだよ! どうせ持ってくるなら……!
「……美少女もってこいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
必殺! イノ! マン! …死す!!!
「……グルウゥ」
……あら、イノマン様。お元気で。…俺はこっちに用があるんで……さらば!
「グゴガァァァァァァァァァァ!!!」
手は痛くなかったけど、イノマンには効かないみたいだ。
ティロリン♪
……ん? なんだ? 今なんか聞こえたような……っまさか! スマホか!?
ポケットに手を突っ込みスマホを取り出す。
…なんだ? スマホの画面が真っ暗だな。壊れたのか? …チッ、ポンコツめ。
[死死死死死死死死死死死]
真っ暗な画面から突如現れた、大量の死と言う文字。
こっわ