表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

淡い花と空の絵

青空とそよ風と木々の繋ぎ目から

作者: 風奈多里


私はヒカル、高校二年生。


今は夏休み中。


今日は、夏実から紹介してもらったサトシに初めて会う。


春くらいに紹介してもらったから、かれこれ3ヶ月ほどメール友達だったかな。


メールの感じは、まぁ普通にいい人そう。県内のすごく頭の良さそうな進学校に通ってるみたい。




待ち合わせ場所は高校の近くの駅。その後、近くのハンバーガー屋さんへ行く予定。


お母さんには友達とお昼を食べに行ってくるって話して出てきた。


男の人と待ち合わせをするのは初めてだからドキドキする。どんな人なのだろう。




駅に着くと、人がすごくたくさんいた。サトシとはメールだけで、実際に会ったことはない。お互い服装や髪型を伝えておいたけれども、いまいちピンとこない。こんなに人がいて会えるのかな。


あそこに立ってるいる、棒みたいに細くて暗そうな人だったらどうしよう…。もう会えなくてもいいから帰りたい…。恥ずかしいい。どうしよう…。


すると、誰かが近づいてきた。


「あの。ヒカルさんですか?」


あっ、この人か。わぁ、ビックリした。思ってたよりも早く出会えた。


「はい!そうです!サトシさんですか?」


ヒカルは、引きつった笑顔で答えた。


なぜかと言うと、サトシは、思っていたよりもお洒落ではない服装だったからだ。もやっとした色でダルっとしたTシャツと、これまた、もやっとした色のズボン。全身モヤッと系男子?と、心の中で眉間にシワを寄せた。






2人は近くのハンバーガー屋さんへ歩いて向かった。


「……。」


何を話していいのかわからないけれど、無言はつまらないので、とにかく何かを話しておこう、と、ヒカルは思った。


「あの、夏実の友達ですよね?中学一緒だったんですか?」


ヒカルは次々と思いつく質問をサトシにしていった。サトシもどんどん答えた。


ハンバーガー屋さんに着いて、2人とも同じハンバーガーのセットを注文した。


サトシは、声が小さくて少し女々しい。なので、しっかりしているヒカルがサトシの注文も一緒にした。


2人でハンバーガーを頬張り、いろいろな話をした。


途中から漫画の話になり、ヒカルは、好きな少女漫画の話をした。


すると、サトシの目は急に輝き、僕もその漫画好き!!と言うように身を乗り出して話を聞いてきた。


ヒカルは、急になんだ?と思いながらも少女漫画の話をした。




しばらくして、ヒカルはバイトがあるので先に帰った。




帰り道、サトシへメールで今日はありがとうと伝えた。






その後もサトシとは何度かメールを続けたが、途中から漫画の話にも飽き、つまらなく感じてきた。そして、質問を考えるのも嫌になり連絡が途絶えた。




夏休みが終わり、夏実が聞いてきた。


「サトシくんとはどう!!??なんかサトシがすごく楽しかったって言ってたよ!!良かったね!!付き合っちゃう!!??」


と、ニコニコと嬉しそうな夏実。


ヒカルは、夏実のテンションの高さに驚いた。


「えっ、別に普通だよ。付き合わないよ。そんなに楽しかったって言ってた?」


ヒカルは不思議だった。たぶん楽しかったのはサトシだけだ。


ヒカルは、無言のサトシにいろいろな質問を考えて話を続けて、一緒にいてなんだか気疲れしてしまったのだ。逆にサトシは、ヒカルが明るい性格だと思ったのか、話が盛り上がったと思ったのか、なにかを勘違いしているようだった。




「サトシくん、本当にすごく楽しかったって!また会いたいって言ってたよ!会ってあげなよ!いい感じだったんでしょ?」


その後も、夏実の圧がすごかった。


「う〜ん。もう会わないかな。いい感じではなかったよ。」


と、ヒカルは、冷静に答えた。




すると、夏実はハテナマークだらけの頭を傾けてこう言った。


「なんかサトシくんから聞いたことと全然違う。恋愛って難しいね。」

夏実は、眉毛をハの字にして、アヒル口でぶーぶー言っていた。




ヒカルは窓から木々を眺めて、そうだね…と、返事をした。外は青空で、そよ風がとても気持ち良かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ