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第十話「紅魔館のメイド長」

前回、幽々子の命を受け紅魔館へ向かうこととなった悠子。今回は紅魔館で出会った咲夜さんと悠子の戦いを描きました。咲夜さんはいつでもどこでも瀟洒です。それでは、東方悠幽抄、第十話です。批評、コメント等ありましたら、よろしくお願いします。

 ――――えっと、ここが魔理沙の言っていた紅魔館ね。


 私、藤見悠子と幽々子は紅魔館の前へと辿り着いた。

 白玉楼を出てきた時間から考えて、今は戌の刻(午後8時)過ぎくらいか。

 湖の畔には、紅く輝く館が悠然とそびえ立っていた。

 その姿は闇夜と相まって、より近寄りがたい雰囲気を漂わせていた。


 警戒しながらゆっくりと門へと近づくと、そこには門番とおぼしき女性が立っていた。

 そのカンフー映画にでも出てきそうな中国風の服装をした女性は、門の前に仁王立ちしており、何者も寄せ付けないという『気』が感じられた。


(凄まじい気を感じるわ……)

(気をつけなさい、悠子。吸血鬼の館の門番よ。きっと、ワーウルフとかに違いないわ)


 私は小太刀に手をかけ、じりじりとにじり寄った。

 しかし、その女性は私たちが近づいても微動だにしなかった。

 ――不審に思い顔を覗き込んで見ると、漫画のように鼻ちょうちんを膨らませながら寝ていた。


(……あれ、この人、立ちながら寝ているわよ?)

(お勤めご苦労様、ってね。寝ているのなら、無視してもいいんじゃないかしら)


 私たちはその女性を素通りし、紅い館の中に入って行った。

 ――彼女は立ったまま寝てまで門を守ろうとしていた。

 彼女をここまで駆り立てるものは一体何なのか。

 一体、この館にはどんな恐怖が待ち受けているのか。

 私は生唾を飲み込んだ。

 そのときの私たちには、その理由を知る由もなかった――



 ◆



 ――――へぇ、本当に広いお屋敷ね。


 私たちは紅魔館の庭を歩いていた。

 手入れが行き届いた美しい広大な庭とこの怪しげな館の組み合わせは何とも言えない雰囲気を醸し出していた。

 感心している私に対して、幽々子は得意げに話しかけてきた。


(白玉楼の庭園の方が凄いわよ~ なんたって、広さは二百由旬もあって、たくさんの幽霊が住んでいるんですからね~)

(前々から思ってたけど、二百由旬って誇張が入っているんじゃない……?)


 そんな会話を心の中で交わしつつ、私は紅魔館の玄関扉に手をかけようとした――

 ――その瞬間、私の首に何か冷たいものが当てられ、背後から女性の声が聞こえた。


「あなた、何者?」

「!?」


 私は視線だけを首元に向けた。

 首にあてられていたのは、銀色のナイフであった。

 私はすぐさま両手をあげ、降参のポーズをとった。


「いや、決して怪しいものでは……」

「って、あら? あなた――神社の宴会にいた人間じゃない?」


 彼女はそう言って、私の顔を覗き込んだ。

 私はその顔に見覚えがあった。

 宴会に来ていたメイドさんだ。

 ラッキー!

 私のことを覚えていてくれたらしい。

 私はしどろもどろになりながら、返答した。


「えっ、ええ、そうよ! だからそのナイフをどけていただけると……」

「あら、ごめんなさいね」


 謝罪の言葉を口にしたメイドさんは、ナイフを下ろした。

 そして――!?

 私の背後から気配が消え、目の前の何もない空間に突然姿を現した。


「っ!? あなた、今――」

「ふふ、私の能力なんてどうでもいいわ」


 そのメイドさんは微笑みながら、居住まいを正した。


「ここ、紅魔館のメイド長をしている、十六夜咲夜ですわ。以後お見知りおきを」


 咲夜さんはスカートの端を持ち上げ、うやうやしく挨拶をした。

 私も姿勢を正し、挨拶を交わした。


「私の名前は藤見悠子です。よろしくお願いします」


 そう言って私は、直立不動の腰を深々と折った。

 咲夜さんはそんな私を見つめ、クスクスと笑いながら、ここに来た理由を問いかけてきた。


「それより、この紅魔館に何の御用かしら?」

「ええと……」


 そういえば、ここに向かえと幽々子に言われたから来てみたが、目的をよく理解していなかった。

 答えに窮していた私に、幽々子が語りかけてきた。


(悠子、こう答えなさい。こほん……『さぁ、アレよ』って)

(はぁ?)


 私は心の中で気の抜けたな声をあげてしまった。

 そして、幽々子に問い返した。


(何よ、『アレ』って)

(『アレ』は、『アレ』よ)


 幽々子は全く答える気がないようだった。

 まぁ、ここに来いって言った幽々子がそう言うんだから、きっと意味のある暗号に違いない。

 私は堂々と胸を張り、咲夜さんに言った。


「さぁ、アレよ!」


 そう答えた私に、咲夜さんは不思議な顔をした。

 そして、少し考えるしぐさをして、納得したように返事をした。


「アレって……また宴会のお誘い? 今回は白黒の魔法使いではないのね」


 ――おおっ!

何故かは知らないけど、思い当たる節があったらしい。

 私は便乗して返事をした。


「そう、宴会よ! 誘いに来たわ!」


 しかし、咲夜さんは納得していないようであった。


「白黒が来るならいざ知らず、こんな訳のわからない人間をよこすだなんて…… 巫女はとうとうイかれたのかしら」


 咲夜さんは困った顔をしてそう言った。

 霊夢さん馬鹿にされてますよ。

 咲夜さんは続けた。


「それに、神社の宴会はもう5回目よ? あれ、5回って多いのかしら?」


 咲夜さんは腕を組んで自問自答を始めた。

 彼女が唸る横で、私は幽々子に問いかけた。


(で、本当はどうすればいいの?)

(とりあえず、あの吸血鬼に会いに行きなさい。そして、言うのよ。『新しいお茶が手に入ったわ』って)


 次は吸血鬼の少女に会えと言われた。

 しかも、持ってもいない『お茶』の話題を出せと。

 幽々子はなかなか『無茶』を言う。

 未だ唸っている咲夜さんに私はお願いした。


「とりあえず、あなたの家にいる吸血鬼に会わせてほしいわ」


 咲夜さんは吸血鬼という言葉に反応して、パッと顔をあげた。

 そして、私の目を見据えた。


「しかし、お嬢様からはあなたという知り合いがいるという話は伺っていませんし…… 伝言なら預かりますが、直接会わせるわけにはいきませんわ。お帰りいただけないかしら?」


 咲夜さんは丁寧にそう返答した。

 確かにその通りだ、吸血鬼のお嬢様が見ず知らず私と会わなければならないいわれは無い。

 そう考える私に幽々子はきっぱりと言った。


(それはダメよ。必ず直接会いなさい)


 こう言いだした幽々子は、曲がらないことは私も重々承知している。

 私は、申し訳なさそうに頭を下げた。


「どうしても、会いたいのだけれど――ダメかしら?」


 咲夜さんは、う~ん、と唸りながら顎に指をあてた。


「そうねぇ―― あなた、紅霧異変の話は知っているかしら?」


 突然、彼女はそんなことを言ってきた。

 私は魔理沙からその話は聞いていた。

 それは、昨年の夏に『紅い霧が幻想郷全体を覆った異変』であり、それを解決したのは霊夢と魔理沙であるということを。

 私は即答した。


「ええ、聞いてはいるわ」

「ふふっ、話が早いわ。そのときの霊夢と魔理沙は私を倒して、お嬢様と対面した―― この意味わかるかしら?」


 そう言って咲夜さんは挑戦的な目で私を見た。

 ――私は咲夜さんが言いたいことを察した。

 合点がいった私の顔をみて、咲夜さんは微笑んだ。


「――もし、私に勝てたのならお嬢様との面会を許可するわ」


 そう言って、咲夜さんは銀色のナイフを構えた。


「上等よ!」


 わかりやすい通行切符だ。

 とりあえず、この人を倒してこの間の吸血鬼に会いに行く!

 私も小太刀を鞘から引き抜き、中段の構えをとった。

 一体、どんな攻撃をしてくるのか?

 先ほどの動きをみる限り、私と同じ『瞬間移動系』か?

 しかし、そんな私の予想は外れることとなる――


「ふふふ、いきますわよ。 幻符『殺人ドール』!」


 ――えっ!?

 彼女がスペルカード宣言をした瞬間、ナイフが私を取り囲むように配置されていた。

 私は何が起こったか全く分からず、棒立ちになってしまった。

 全てのナイフは私の服をかすめ、地面に突き刺さった。

 どのナイフも私に突き刺さることは無かった。


「驚いたでしょう? 私は時を操るの。今の一瞬であなたの周囲にナイフを置かせてもらったわ」


 咲夜さんは得意げにそう言って、私の皮膚をかすめた血のついたナイフを拾った。


「どう、あなたに勝算はあるのかしら? それとも、お嬢様との面会は諦める?」


 咲夜さんは私を挑発した。

 しかし、私はそんな挑発よりも突きつけられた事実に震えていた。

 彼女の攻撃は当たらなかったのではなく『わざと外した』のだ。

 ――手加減された。

 彼女は私を舐めてかかって来ている。

 私はプルプルと震えた。


(どうしたの、悠子?)


 私は幽々子の言葉など気に留めず、彼女の舐めた態度に腹を立て叫んだ。


「油断していると――痛い目にあうわよ!」


 私はカッと目を見開き、咲夜さんの背後に瞬間移動した!

 そして、右足を大きく踏み出し、突きを繰り出そうとした!

 そのとき、幽々子が呟いた。


(待ちなさい。このメイド、人間よ)


「えっ!?」


 私は幽々子の言葉に一瞬だけ判断が遅れた。

 ――それが、隙を生んでしまった。

 今度は咲夜さんの姿が一瞬にして目の前から消え、数メートル離れた位置に現れた。


「ふふっ、残念だったわね。あなたの能力、理解したわ。 ――あなたは最初で最後のチャンスを無駄にしたのよ」


 咲夜さんは不敵に笑った。

 ――最初で最後のチャンス……?

 私はその言葉を聞き、動揺した。

 だが、この真剣勝負では隙を与えないことが重要である。

 私は動揺を隠しながら、もう一度咲夜さんの背後に瞬間移動を試みた。


 ――しかし、私の体は元いた位置から数センチほどしか移動できなかった。


「ど、どういうこと……?!」


 私は愕然とした。

 さっきはできた瞬間移動ができなくなってしまったのだ。

 私の感覚では瞬間移動は成功していたのに……


 ――咲夜さんは私のそんな姿を見て、堪え切れなくなったのか声をあげて笑いはじめた。


「はははっ! 種明かしをしますと、あなたの行使する『瞬間移動』もとい『空間を縮める能力』は、私の『空間を操る能力』の下位互換―― 私の前ではその能力は役立たずになり下がるわ」


 笑いながらそう言った咲夜さんは、姿を消した。

 そして、私の直近に姿を現すと足払いをかけてきた。

 私はその姿をとらえる事ができず、その場ですっ転んでしまった。


「痛っ!」


 尻もちをついた私を見下しながら、咲夜さんは冷静な声で言い放った。


「あなたの時間は私のもの。ただの人間であるあなたに勝ち目は、無い」


 その姿を見て、私は悟った。

 ――勝てない。

 時間と空間を操る能力はさすがに強すぎる。

 まさに、人間の領分を越えている。

 

 私の心は見事に折られてしまった。

 私は降参を宣言するため、口を開こうとした。

 ――そんな私の中で幽々子が盛大にため息をついた。


(はぁ~ あなたって意外と根性なしなのね。もっとよく考えなさい、悠子。今こそあなたの能力を使うときでしょう?)

(へっ? 何を言ってるの? 瞬間移動を封じられた私は、ただの人間でしか――)


 そこで、私は思い立った。

 ――そうだ、今まで様々な妖怪を退治してきたのだ。

 私の能力は『瞬間移動する程度の能力』ではない。

 『大妖精の瞬間移動』の便利さに失念していたのだ。

 あの夜、出会ったあの妖怪少女を思い浮かべた。

 そして、私は小太刀を握り直し、スペルカードを宣言した!


「 闇符『ナイトバード』!!!」


 真夜中の紅魔館。

 私の周囲は、月明かりに照らされた闇夜よりも『深い闇』に覆われた――



 ◇



 ――――闇符『ナイトバード』!!!


 そうスペルカード宣言をした悠子の周囲は、突如『深い闇』に覆われた。

 一瞬、咲夜は何が起こったのか分からなかった。

 月が出ているにもかかわらず、先ほど悠子の立っていたあたりには全く光が当たっていなかった。

 これも、悠子の能力なの?

 咲夜が思案している間に、深い闇がこの紅魔館の庭全体を覆い隠してしまった。


「なっ!?」


 一瞬にして咲夜の目には何も見えなくなってしまった。

 咲夜は取り乱し叫んだ。


「どこに行ったの!? 出てきなさい!」


 すると、咲夜の背後から悠子の声が聞こえた。


「いくらあなたが時間を止められたとしても、私を目で捉えられなければ意味は無いわ」


 咲夜は振り返った。

 しかし、そこには闇しかなかった。

 ―― 一体どこにいるの?

 咲夜は不安を隠しきれなかった。

 時を操れても、視界を閉ざされては意味がない。

 咲夜にとって闇を操る能力は、ある意味『天敵』だったのだ――


「凍符『パーフェクトフリーズ』!!!」


 闇の中から悠子のスペルカード宣言が聞こえた。

 咲夜はとっさに身構えた。

 ――次の瞬間、咲夜の足は凍結し、身動きが取れなくなった!


「なっ!?」


 咲夜は凍結した足に目を向け、時を止めて何とか脱出しようと考えた。

 ――しかし、その場で思案したのが咲夜の判断ミスだった。

 足に注意が向いていた咲夜は、悠子の踏み込みに反応が遅れてしまった。


「 胴っ!!!」


 強烈な悠子の咆哮が聞こえ、咲夜の左腹部に強烈な一撃が加えられた!


「ぐっ――!?」


 咲夜は苦しげな声をあげ、地面に膝をついた。

 すると、周囲の闇が霧散し、月明かりに照らされた悠子の顔が見えた。


「咲夜さんは人間なのよね。なら、私はあなたに真剣を向ける理由はないわ」


 悠子は鞘を握ったまま、咲夜を見下ろしていた――



 ◆



 ――――なら、私はあなたに真剣を向ける理由はないわ。


 私は膝をつく咲夜さんを見下ろしながら呟いた。

 ルーミアの『闇を操る程度の能力』を使った私は、咲夜さんの視界を奪うことに成功した。

 そして、チルノの『冷気を操る程度の能力』その動きを止め、凍った足へと注意を向けさせた。

 その一瞬の隙に咲夜さんの間合いに踏み込み、小太刀の鞘で咲夜さんのわき腹に『正胴』を打ち込んだ。

 咲夜さんは人間なので、真剣での一撃を受けたら致命傷になってしまうだろう。

 『人殺し』だけはごめんだ。


「はぁ、はぁ、くっ……」


 咲夜さんは呼吸を乱し、苦しそうにうずくまっていた。

 すぐさま、咲夜さんの足の凍結を解除した。

 私は自分でやっておきながら、心配で声をかけた。


「あれ、大丈夫ですか……?」


 しかし、咲夜さんは荒い呼吸を繰り返すばかりでまともな返答ができなかった。

 当たり所が悪ければ、金属製の鞘で内臓破裂とか有り得るからなぁ。

 私はそんなことを考え、徐々に焦り始めてきた。


(どっ、どうしよう! これまずいんじゃ……)

(紅魔館のメイドですもの、きっと大丈夫よ。それよりも早く吸血鬼に会いに行きなさい)

(でっ、でも――)

(悠子、私も『人殺し』にはなりたくないんだけど……?)


 そう言って、私の中でまた霊気が渦巻いた。


(わかった、わかったから!)


 私は慌てて、幽々子の言うことを聞くことにした。

 っていうか、最近幽々子に尻に敷かれている気がする……?

 私はそんな悪い想像を振り払い、咲夜さんに一言声をかけた。


「私の勝ちと言うことで、館の主人である吸血鬼のお嬢様と面会させていただくわ。ごめんなさいね」


 膝をついて苦しそうに息をする咲夜さんには悪いと思ったが、急いで中に入らせてもらうことにした。

 私は吸血鬼の館・紅魔館の玄関扉に手をかけた――



 ◇



 ――――咲夜は悠子が紅魔館に入ったのを確認し、スッと立ちあがった。


 膝についた泥をパンパンと払いながら、身なりを整えた。

 そして、メイド服のエプロンに手を差し入れ、ゴソゴソと何かを取り出した。

 咲夜の手には、風防にヒビの入った銀色の懐中時計が握られていた。


「後で取り換えなくちゃね」


 咲夜はため息をついた。

 そして、先ほどの少女が入って行った扉を見つめた。


「お嬢様、言われました通りに『面白そうな人間の少女』をお通ししましたよ」


 咲夜はそう言って、微笑んだ。

 そして、悠子を追い紅魔館に入るのではなく、門へ向かって歩き出した。

 そこには、仁王立ちで眠りこけている美鈴の姿があった。

 咲夜は笑みを崩さず、美鈴の肩に手を置いた。


「あなた――何で寝ているのかしら?」


 美鈴はビクッとし、目を覚ました。

 そして、壊れたぜんまい人形のようにギギギと音がしそうなしぐさで、ゆっくりと振り向いた。


「さっ、咲夜さん――!?」


 美鈴は青い顔をして、後ずさろうとした。

 しかし、咲夜がしっかりと肩を掴んでおり、それは叶わなかった。

 美鈴はわたわたと弁明を始めた。


「いっ、いや~ これには、深~い訳がありまして…… 私、三日三晩、寝ていなくてですね――」

「もし本当に深い理由があったとしても、門番の仕事も満足にこなせないの、あなたは?」

「あれ、もしかしてまた白黒の魔法使いを通しちゃいましたか?」


 美鈴は『やっちゃった、てへ』という風に頭を掻いた。

 しかし、咲夜は笑顔を崩さず続けた。


「それだったらもう期待していないから―― そうではなくて、あなたは『普通の人間』を素通りさせたのよ」

「げっ、本当ですか……」

「この程度の仕事もできないなんて、お仕置きが必要ね」


 そう言って、咲夜は嗜虐的な笑顔を美鈴に向けた。

 美鈴の額に汗がつたった。


「ちょ、ちょっと、待ってくだ――」

「問答無用よ」

「いっ、いやあぁぁぁぁぁ――!!!」


 美鈴の悲鳴が夜の紅魔館に響きわたった。


 その後、美鈴がどうなったのかは、メイド長を除いて誰も知らない――

一体、美鈴に何が起こったのか!? ――は置いておきまして。

とうとう、紅魔館のエントランスに足を踏み入れた悠子と幽々子。彼女たちを待ち受ける紅魔館当主・レミリアの目的とは?

次回はとうとうレミリアお嬢様が登場します。楽しみにしていてください。

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