第四十六話……天才女棋士はお互いの気持ちを確認する
「単刀直入に言うけど、テンさんには性欲処理係をやってほしいんだよね」
「それはいいんだけど、いくつか確認させて」
テンさんにみんなのことを一人一人紹介、状況を少し話したあと、私は話を切り出した。
「いいのか……」
「普通は怒るよな?」
「センちゃんの知り合いは、ぶっ飛んでる人が多いんだなぁ」
「それは一体、誰を指しているのか……」
皇帝を覗いた男性陣は、微妙に戸惑っている。
「みんなセンちゃんのことが大好きで、その中でも陛下とフィーリアさんは相思相愛ってことでいい? シエルさんはどうなの?」
「私はもちろん陛下のことを愛していますが、陛下の方はそこまでではないと考えています……。いかがですか?」
「正直に言うとそうだな。だが、この先は分からない……と言いたい。わしだって二人の女性を同時に愛してみたいのだ。男のロマンで」
「すまない、ちょっといいか? それを聞くということは、もしかして女性の性欲も処理するつもり……なのか?」
皇子がテンさんに気になることを質問した。
「もちろん。だって、純粋な人は男女問わず好きだし」
「あ、お姉様の性欲処理は私がやりますよ。お兄様もですが」
「……」
「え~、私もセンちゃんとイチャイチャしたいよ~」
「では、二人でしましょうか」
「……。私に拒否権はないの?」
「い、いや、ちょっと待ってくれ! それは分かった。だが、俺達のこと、センは本当にそれでいいのか⁉️」
「そうだ。俺達を軽蔑するんじゃないのか?」
「女の子はそういう男が嫌いだって聞いたことあるぞ!」
「私もそれが理由で、テン殿の誘いを断っていたわけですし……」
男性陣の意見を聞いて、私は彼らの方を向いた。
「大丈夫だって。そしたらそんな提案しないでしょ? 私は潔癖症でもないし、病気の心配もないわけだし、浮気相手への財産分与がどうのって話もないわけだし。ましてや、相手が信頼できるテンさんなら尚更」
「それはそうだが……」
「まだ確認したいことがあるんだけど、若い男性諸君はセンちゃんに自分の子どもを産んでほしいと思ってるってことでいい? つまり、本気で好きかどうか」
『え⁉️』
みんな驚いていた。かく言う私も。
「い、いや、そういうんじゃないけど……。しかも、皇子を差し置いてなど……なぁ?」
「う、うん……」
「そのような考えは毛頭……」
「俺もそこまでは考えていなかったが……婚約者がいなくなった今は……」
「少なくとも、『ワンチャンあれば』とは思ってるよね?」
「……」
テンさんの確認に、男性陣は目を泳がせるばかりで何も言わなかった。
そして、テンさんの次の言葉は、私にとっても答えづらいものになるだろう。
「もう一つ確認。当然、センちゃんは彼らの気持ちに気付いていないわけがない。この緩い逆ハーレム状態の出口をどうしていくのか聞きたいんだよね。男が本当に生涯無償で手伝ってくれるっていうのは流石に夢を見すぎだと思うから。去勢でもしない限り」
「うん……。私もみんなを自分の都合の良いようにただ利用したいわけじゃない。でも、今は結論を出せない。なぜなら、『みんなの意見』を聞いてみないと分からないことだから」
「『みんな』……? もしかして……これから増える仲間の意見か? アーリオも含めて」
皇子の確認に、私は頷いた。
「あー、やっぱり、まだ増えるんだ?」
「うん。そのこと自体に愛想を尽かされても仕方がないけど……」
「俺は愛想を尽かさないぞ。そもそも、俺の参謀として連れてきたわけだし」
「もちろん、俺もだ。セン先生の助けになりたいと思って来て、殿下や陛下のためにもと思ってここにいるんだ。なんだかんだで、それが最初の動機だからな」
「俺もなんて言うか……センちゃんと周りの人達の幸せのために頑張りたいんだよな」
「私もです。全ては主のため。主がそれを望むのであれば、私も望む所です」
みんなの言葉に、私は励まされた。胸がジーンとするような思いだ。
「みんな、ありがとう。私もみんなのことが大好きだからさ、一緒にいてほしいと思ってるから、みんなが集まればもっと楽しくなるんじゃないかって思ったから、みんなを誘ったんだよ。みんなが幸せになれるように私も頑張って考える!」
「センちゃん、ありがとう。センちゃんの気持ちが分かった。まぁ、最後は全員の子どもを産んじゃえばいいだけだからね。初めての時はどうするかだけど、私に良い考えがあるんだよね。流石に皇子が最初の相手だとしても、他のみんなを除け者にする必要もないから、その様子を全員で観戦するんだよ。殿下と自分を重ね合わせることで、センちゃんの初夜の反応も逃さない。もちろん、私も観たいからそこで実況するけど」
「どこが良い考えなの! 恥ずかしすぎるでしょ!」
「そのための訓練もしておこうよ。見られることに快感を覚えるように。いいでしょ? 減るもんじゃないし」
「地味に全員の子どもを産むことは否定していないな……。やはり、押しは大事なのか……」
「大家族になるな……。出産リスクを減らせるように俺も勉強を頑張らないと」
「やっぱり、ぶっ飛んでるよなぁ……。この発想を料理に活かせないかな?」
「……。私の想像を遥かに超えることが起きるのですね……」
「わしとしては、フィールズとセンの子どもが一人でも見られれば、それでいいと思っておる。帝国、いや、世界を背負うなら、やはり男がいいか、それとも逆に女がいいか……分からんな。そして、優秀な者達の子どもも見てみたい。当然、我が帝国に多大な恩恵をもたらしてほしいところだ」
「流石、陛下。そのご寛大さに、改めて尊敬致します」
保養施設がカオスになりかけているような気はするが、ここは思考停止することにしよう。
きっと、その方が楽しいから。
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