第四十四話……天才女棋士は人見知りを紹介する
「ただいまー。テンさん連れてきたよー。男性諸君には欠かせない人ね」
「初めまして、皆さん。そして改めまして、殿下。『テン』とお呼びください」
保養施設に着いた私達は、早速テンさんをみんなに紹介した。
「……あれ? えぇ⁉️ バルさん⁉️ やっぱり、バルさんが言ってた『あの方』ってセンちゃんのことだったんだ~」
「バルさん、その時のこと教えて」
「はい。私がセン様と会ってから、再び盗賊狩りに周辺の村を回っていると、彼女から声をかけられました。少しだけ会話をした結果、彼女から夜の誘いを受けました。もちろん、私はその場で断ったのですが、『私、そういう男の人が大好きなの』と言われ、中々離してくれず、そこで『私には生涯仕えるべきと心に決めた方がいて、その方を呆れさせたくないのでお断りします』と言うと、『どんな人?』と返されたので、かなりぼかしてセン様のことを語りました。すると、『私が大好きな友達みたいだね。分かった。じゃあ、気が変わったらいつでも言ってね』と言って、彼女は去って行きました」
「そのあとも、何回か会ったよね。旅人が行きそうな所に行くと、大体会うんだよね。バルさんが私を助けてくれたこともあるんだよ」
「ちなみに、その去り際の言葉は、実はテンさんの罠なんだよね。テンさんを求めた時点で、その男への興味を失うから」
「え、そうなのですか……。よく分からない心情ですね……」
「どういう理屈なんだ?」
皇子の質問に対しては、テンさんは何も答えなかった。
「……。ん? 聞こえなかったかな?」
「テンさんは極度の人見知りなんだよ」
『ええええ⁉️』
私とテンさん以外が驚いた。
「し、しかし、セン様! 彼女は最初、普通に私に声をかけてきたのですよ? 今だって明るくて気さくで……」
「その時のバルさんは旅人っぽくて、一生に一度しか会わないと思っていたから。そこで仲良くなったから、二度目以降も今も普通に会話できた。でも、皇子とさっき挨拶したあとは、全く会話しなかった。初対面の社交辞令の挨拶は問題なくできるってことね」
「信じられんな……。全くそうは見えないのに……と言っては失礼なのかな?」
皇子の言葉に、テンさんは首を横に大きく振った。
「それじゃあ、テンさん。先に言っておくね。ここにいる人達は、みんな純粋な人達だよ。テンさんの大好きな人達。だから私はあなたをここに呼んだんだよ。分かるでしょ?」
「うん……」
「……。テン、よかったら教えてくれないか? センに初めて会った時のことを。君にとっては、運命だった日のことを。俺達は心からの仲間になれるはず、いや、絶対になれるから」
皇子の真剣な眼差しを見て、テンさんは静かに頷いた。
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