第四十一話……天才女棋士は第六皇子の元に向かう
「経緯は分からずとも、ロザリエが死んだ報告を受けて、第一皇女と第二皇女は何か動かないのか?」
「少なくとも第一皇女の認知はもう歪んでいるから、『私と婚約者の両方の対局で負けた腹いせに婚約者を殺したのだろう』と勝手に誤解して動かない。第二皇女は第一皇女の命令でしか動かない。そこは盤石の体制。だから、どちらも動かない。念のため、明日以降にアーリオに確認する」
「それも計算の内か」
皇子の言葉に私は頷いた。
「今のところ現実世界では、どの皇族も高々三手程度しか読んでいないはず。私なら余裕で上回れる。裏の裏の裏なんて全部表、どころか隅々まで鑑定してあげるよ。その一環じゃないけど、お母様の家族って帝都のどこにいるの? まずはそこに私のパパとママを滞在させてくれないかな? 引っ越しの手紙出したいんだよね」
「うん、ちょっとしたお屋敷に住んでるよ。部屋も余ってるから、先に連絡しておくね。地図もあとで見せてあげる」
「ありがとう。明日、シエルさんを説得したあとは、情報収集しつつ、仲間も集めて、ここの拡張も検討して、しばらくは事件が起きるまで様子見の予定。じゃあ、お風呂に入って寝ようか」
『了解!』
保養施設のお風呂は明確に三つに分かれていた。したがって、先に皇帝とフィーリアさんに混浴風呂に入ってもらい、その後に私達が入ることにした。
また、一人一人が自分の部屋を持てるほど部屋数も多い。私はリアラ皇女の希望で二人一緒の部屋、一緒のベッドで寝ることになった。
まだまだやるべきことはある。
丸一日休める時は来るだろうから、それまでに考えられることは考えておこうと思う私だった。
△ ▼ △ ▼
次の日、朝食を食べ終えた私達は、第五側室に向かう準備をしていた。
「センちゃん。クッキー作ってみたんだけど、持って行っていい?」
「子どもをお菓子で釣る作戦かー。良いね。じゃあ、せっかくだからそれも利用しようか。量は結構あるけど、全部持って行こう」
「いい匂いがしてるなぁと思っていましたがどうりで。クーさん、お菓子も作れるんですね! 料理とは全く別物ですよね? すごいです!」
私とリアラ皇女は、クーさんの作ったクッキーに興味津々だった。
「まぁ、作り方を覚えればいいだけだから簡単だよ。流石に試行錯誤できる時間はないから普通の味だけど。お菓子は簡単に失敗するからさ」
「オーブンの温度調整も難しいらしいからね。でも、見た感じふっくらしてるね」
「そこは流石ですね。私も食べてみたいです!」
「父上と母上以外で行く感じか?」
皇子の質問に私は頷いた。
「そうだね。それで行こうか。お父様もそれでいい?」
「ああ。クッキーは食べてみたかったが……。感想を是非聞かせてくれ」
そして私達は、第五側室に向かった。
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