第二十六話……天才女棋士は招待状を受け取る
アーリオと別れ、皇帝室に行き、先生による健診と追加報告を皇帝に行った私達。
第十側室に戻ると、立入禁止区域外に侍女が丁度居合わせていた。
「あ、センシャル・ストラクツ様。こちら第一皇女殿下からの招待状です」
「あ、どうもありがとうございます」
手紙を受け取って中に入ると、私はすぐに封を切り、みんなの前で内容を読み上げた。
「『センシャル・ストラクツさん。明日午前九時から、宮廷の私の部屋で碁を打ちましょう。アン』」
「……。俺が言うのもなんだが、酷い招待状だな……。強制参加か」
「これだけでも性格が分かるな。セン先生が碁を知らなかったらどうするつもりだったんだ?」
「『何様だよ』と思ったけど、皇女様だった……」
「まぁ、予想通りの内容だよ。ルールぐらいは書いてくると思ったけどね。私が棋士であることは知らないはず。わざわざこんなヤツのために、筆を持ちたくなかったんだよ。最低限の情報だけ伝えればいいだろって」
「そしたら、口頭連絡でいいんじゃないか?」
「この対局は、彼女にとって皇位継承戦の余興のつもりだから、ちょっとした遊び心を加えたかったんじゃないかな。たった今、私が言ったことと矛盾してるよね。でも、それが第一皇女なんだよ。まぁ、それも明日分かるから、『こんなヤツ』のために議論する必要はないよ」
「センが微妙に怒ってる気がする……」
「是非、セン先生の力でコテンパンにしてほしいね」
「俺達からすれば、よく分からない人間は怖い存在のはずなんだけどな」
「お姉様であれば安心ですね!」
「センちゃん、私達も応援に行くからね!」
みんなが私を応援してくれている。
しかし、この対局の本当の目的は別にある。
私はそれをみんなには黙っていることにした。
それも明日になれば、分かることだから。
「じゃあ、お母様。お風呂の時間は何時?」
「十九時半から一時間だよ。同時に上がれるように、男風呂と女風呂は分けてもらった」
「へぇー、そういうこともできるんだな」
「流石に皇族と男女混浴はマズイからなぁ」
「もちろん、他の皇族と会うこともないから安心して……」
皇子が言い終わる直前、窓の外に兵士の人影が見えた。いななきも聞こえたので馬に乗ってきたのだろう。
「フィールズ殿下! 正門前に『バルトン』と名乗る男が、『殿下に召集された』と言ってやって来たのですが、ご確認をお願いします! ファミリーネームは捨てたとも言っており……」
「セン」
「行きましょう。みんなはちょっと待ってて」
そして、私と皇子は馬車を使って正門前に向かった。
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