表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才女棋士は第五皇子を皇帝にのし上げる~帝国宮廷事件真相解明局譜~  作者: 立沢るうど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/49

第十三話……天才女棋士は『皇子放置事件』を解明する

「まず質問に答えますね。フィーくんには、昔話をしてあげます。本当にすごかった……優しくて面白くて……私の大切な友達について……。そしてもう一つ。フィーくんとセンちゃんの結婚を許可してあげます」

「母上⁉️」

「分かりました……とまぁ、結婚はともかく、その話をしてもらえますか?」


「彼女と初めて会った時、私は遠くの城を見てボーッとしていた。ずっと年上の彼女から、『何してるの?』って声をかけられて、『何も考えてなかった』と私が答えたら、『じゃあ、ゲームしようよ。そしたら、考えないといけないから』って返された」

「……」


「そして、チェスをしてあっさり負けたあと、こちらから何も言ってないのに、『憧れを抱きたくないんだね。哀れな現実に気付いてしまうから』っていきなり言われて、私の潜在意識に触れられた。『天才』だとハッキリ思った。

 そこで私が、『どうすればいいのかな?』と質問したら、彼女は少し考えて、『私にも答えを出せない時があるんだよね。そしたら、じっと待つしかない。何かが変わることを。でもそれは、自分が動かないってわけじゃない。変わったことを感じ取る必要があるから』って言ってから、『また会おうね。あなたはそのままでいて。その方が絶対に良い。でも、身の回りには気を付けて。代わりに私が感じ取ってくるから』と彼女は言い残していって、その日は別れた」

「……」


「それから、何回か会って雑談していたある日、『フィーちゃんは前にお城眺めてたけど、もし白馬の王子様が迎えに来たらどうする?』って聞かれて、『うーん、断るかな。あなたにはもっと相応しい人がいるはずです』って。そしたら、『じゃあ、その王子様の第一印象が素敵な人とかじゃなくて、おじさんとか、話している間に自分と合いそうだと感じる人だったら?』と聞かれて、『え……どうだろう……。ずっと愛してくれるなら付いて行くかも』と答えたら、『その場合、王子側のメリットは何? フィーちゃんの身体は、若い内の一時的なメリットにしかならないよね? 子どもは独り立ちするから、自分ができることじゃない。誘った方の責任だから、そんなことは気にしない?』って返されて、私は言葉に詰まった」

「母上の愛を与えるだけではダメだということですか」


「そう。そして、さっきみたいに私は答えを捻り出した。『愛は前提として、私の友達の話をする。とある天才と出会った話。それともう一つ。私の子どもと、その友達の子か孫を結婚させる。そうすれば、その教えと才能で国も安泰になる』って。そしたら、『良いね、それ! 面白そう! 王子とか関係なく!』って言ってくれた。

 その一週間後、王子様どころか、皇帝陛下の一団が私の村を通り過ぎようとした時に、陛下が私をお見かけになり、気に入ってくださり、家族ごと帝都に引っ越しすることになった。

 まさに運命だと思った。正妻とか妾とか関係ない。きっとこの話をする時が来ると信じて、陛下を愛し続けて……今その時を迎えた。

 でも、センちゃんの顔を見ても信じられなかった。本当にこんなことがあるなんて。私の大切な友達、グーちゃん……グランセンの子孫がこの場に現れるなんて……。

 この話もすぐには思い出せなかった。それだけ私は逃げていたことになる。目を背けていたことになる。息子と娘が置かれている状況から。自分自身から……」

「……」


 フィーリアさんの声のトーンは次第に低くなっていったが、その表情は真剣で、強い覚悟が見えていた。


 そこで私は、みんなに向けて話をまとめることにした。


「つまり、こういうことです。お二人が殿下のことを好きすぎるあまり、何でもしてあげたいと考える一方で、自身に制約を課してしまった。

 皇女殿下は、兄妹としての一線を引くことで、皇位継承戦の意識まで高まり、お互いに助力を控えた方が良いと考えた。だから、殿下の皇位継承戦を有利に進めてくれるであろう参謀の私の指示があれば、それを気にせず動ける。

 母君は、ご自身の性格と過去の経験から、相手の考えを最大限に尊重することがその人のためになると考えた上、運命的な何かが起こるまでじっと待つことにした。これまで殿下にそのエピソードを語らなかったのもそれが理由です。チェスは継続していたようですが。

 だから、私の顔を見た瞬間におばあちゃんの面影が浮かんでも、確信するまではそのことが信じられず、確信することで全てを思い出すことができた。動くことができた。

 ちなみに、皇子も皇女も宮廷ではなくここに住んでいるのも、お互いの絆の強さの証です。

 私は、お二人からそれらを同時に聞き出すために、あのような質問をしたのです。殿下の婚約者については、別のルートで聞き出す予定なので、そこまで重要ではありませんでした。

 これが、『愛の形』。『皇子溺愛母妹皇子放置事件』の真相です」

「リアラ、母上、いかがでしたか? 俺の大切な参謀との『対局』は。センからすれば、『二面対局』ですが」

「……。強すぎますね……。お兄様に相応しいお方です。私の『お姉様』にも……」

「こんなに嬉しい対局はありませんね……。私にとっては、『運命戦』でした。そして、全てが動き出した……。いえ、すでにあの時から動き出していたのですね……。流石です。グーちゃんもセンちゃんも」


 リアラ皇女もフィーリアさんも涙を流していた。

 これまでかかっていた霧が晴れたように、清々しい笑顔を浮かべながら。


 それを見て、私もみんなも笑顔になり、そのそれぞれが、なんとなく家族が増えたような気がしていたと思う。



 この空間を大切にしたい。

 これからも、この先も。



 あの時、出会った二人が感じたように、それを受け継いだ私達も。

「面白かった!」「つまらん……」

「続きが気になる!」「次回作に期待!」


と思った方は、以下の「☆☆☆☆☆」から、応援をお願いします!


星一つであっても、皆さんの反応が大変励みになります。

星五つであれば、なおのこと!


ブックマークもよろしくお願いします!



最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


Xアカウント @tachizawalude

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ