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ショータイム! 2

 いざショーが始まると動物たちと団員が変わる変わる曲芸をしていった。

 屈強な団員二人が線の細い女性の団員の足裏を片手で持ち上げ、そのわずかな足場の上で宙返りをしてみせた。

 二人の団員がお互いに輪っかを投げ合って、その輪っかの中心をネコたちが一糸乱れぬ動きでくぐり抜けていく。

 ネコたちもまるで人とおなじ意志があるかのように、演技の後には客席の近くを列をなして駆けまわり、観客から大きな拍手をもらった。


「わ~……! すごいすごいすごい!」


 となりのリオはショーが始まってからずっと興奮しっぱなしだ。

 イルファやラキスも拍手を絶やす暇もなく、手を打ち鳴らしている。


 今度は木の板にはりつけにされた団員が運ばれてきて、細身で長身の団員がいくつものナイフを観客に見せてまわった。

 はりつけの男は首を大げさに横にふって、コミカルに嫌がるそぶりを見せ、それに向かって細身の男は立てた指を横にふって観客の笑いを誘った。

 そしてドラムロールが鳴る中、細身の男がすばやい動作でナイフを投げると、はりつけの男の股のあいだにナイフが刺さった。

 次々と息をつく間もなく投げられたナイフは、男の腋の下、腕の上、脚の横、そして頭の上すれすれに突き立てられ、はりつけの男はガクッと気絶したそぶりを見せた。

 会場が拍手と歓声でわく中、細身の男が四方に頭を下げて帰っていった。


「わ~、いまのすっごくあぶない!」

「すごいね。一本でも刺さったら大ケガだよ」

「今度、ライドにやってみていい?」

「やめてよ! 穴だらけになっちゃうよ!」


 俺とリオがふざけているのを見てイルファもラキスもケラケラ笑った。


 続いて管楽器を吹く団員たちが現れたかと思ったら奥の暗闇から純白のハトの群れがいっせいに飛び出してきた。

 団員たちの音楽に合わせて空中を優雅に舞い踊り、時には二手に分かれてギリギリぶつからない距離を交差して観客席の上を飛んでいった。


「わぁ、すごいです……!」


 イルファの感極まった声が聞こえる。

 そのあいだもハトは飛び続け、奥に引っ込んだかと思ったら今度は何匹もの犬たちが駆けだしてきた。

 いつの間にか地上に設置されていた遊具の数々を犬たちが隊列を崩さず、左右に飛び跳ねたり、障害物を飛び越え、大きな壁を蹴って跳ね返って会場中を駆けまわった。

 管楽器に加えて太鼓を鳴らす団員も出てきて、太鼓の低い音に合わせて今度は犬たちがまるで軍隊のように規律を正して一歩ずつ勇ましく歩いていく。

 茶色の犬と白い犬が先頭に立ち、二手に分かれた犬たちは隊列を維持したまま、会場を半周して合流し、中央でまとまったかと思ったら太鼓と管楽器の激しい演奏とともに散り散りになって奥へと消えていった。


 音楽はそのままに、今度は空中に照明があたり、高い位置の端と端に団員たちが立っている。


「お、これは俺が楽しみにしてたやつだ」


 片方のブランコには脚をひっかけた団員が揺れており、もう片方のブランコにはこれから団員が手を掛けるみたいだ。

 タイミングと技術と、何より団員同士の信頼が大事な空中ブランコ。

 音楽が高鳴っていった瞬間、団員はブランコを握って勢いよく飛び出し、空中で一回転してもう片方のブランコの団員の手につかまって反対側の端に着地した。


「おおッ! すごい!」


 照明を当てられた団員が大きくお辞儀をしてみせた。

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