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ザンガとシスターたち

 俺たちはザンガとその手下数人とともに教会へもどってきた。

 シスターたちは驚いた顔をしていたがザンガ一味に逆らえるものでもない。

 俺たちとザンガファミリーは応接間に通された。


「悪いなシスター、急に押しかけちまって」

「い、いえ、構いません。ですが、なぜザンガさんが直接……」

「そこの食えねえヤローに誠意を見せろって言われたんでな」


 俺のほうに親指をくいっと向けるザンガ。

 シスターたちは困惑するばかりだ。


「俺たちはザンガたちのやり方を改めるように言っただけですよ」

「やり方を、って……」

「ザンガの手下たちは強引にあなたたちから教会の所有権を奪おうとしていた。それではミンドスファミリーと何も変わらないとザンガを説得したんです」

「ああ、むかつくヤローだが、言ってることは間違っちゃいねえ。あたしも部下に任せっきりにしてたのが悪かったんだろうな。シスター、今日はお互いに腹を割って話そうじゃねえか」


 おびえるばかりのシスターだったが、ザンガの目にウソはないと見たのか、気を引き締めて「わかりました」と答えた。


「まずは確認だ。あたしらは教会の土地と建物の所有権がほしい。これは伝わってるな」

「はい。それについては何度も聞いています」

「その目的は最近、この街で勢力を伸ばしてきているミンドスファミリーに教会が奪われるのを防ぐためだ。これも聞いてるか?」

「一応、聞いてはいます。ですが、失礼ですが、私たちはそれを信じられないのです。所有権を取られてしまっては私たちはおろか、子どもたちの居場所までなくなるかもしれない」

「やっぱりそこが伝わってなかったか。あー、ちくしょう!」


 ザンガはコブシをもう一方の手のひらに打ち付けた。


「すまなかったな、シスター。あたしの部下どもは誰に似たんだか説明がヘタクソだったみたいだ」


 俺は見立てどおり、ザンガのボスとしての資質を信頼して話を聞いていた。


「あんたらも、ガキどもも今までどおりここに暮らしていい。あたしたちは所有権を持ったからといってあんたたちをここから追い出したりしない。あたしは、ザンガファミリーを親父から受け継いだときに親父に誓ったんだ。このファミリーは今までもこれからも、この街の住人のために動く、と。その誓いは今も変わっちゃいねえ」


 ザンガはひと呼吸おいて、ファミリーのボスとしての誠意を見せた。


「あたしらザンガファミリーにとって、あんたらシスターも、ここに住んでいるガキどもも、守るべきこの街の住人なんだ!」


 シスターたちの表情からすこしだけ緊張が抜けていく。


「先代のボスである親父の名に誓って約束する。あんたたちはあたしが守る。そして、あんたたちが住むこの街を、あたしらファミリーがかならず守る!」


 啖呵を切ったザンガに、シスターは穏やかな表情でその誠意を受け取った。

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