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魔剣を作ってみよう! 8

「完成だ!」


 両刃をキレイに研ぎ終わり、剣は完成した。


「ふぁ、完成したの~?」


 こっくりこっくり舟をこいでいたリオが目を覚まして近寄ってきた。


「ああ、これが私の、みんなの力で作った魔剣だ!」


 ラキスが剣をかざしてみせる。

 魔剣の刀身は芯に近い中央部は黒く、両刃の部分は白くてパッと見ただけでは通常の剣と違いはない。

 だが近づいてよーく見てみると刃の白い部分にうっすらと赤い炎の魔力が流れているのが感じられる。


「おー! これが炎の魔剣か!」

「やりましたね!」

「みんなのおかげだ! これなら自信を持って商品として出品できる!」


 ラキスは心の底から嬉しそうに笑った。

 そこへリオのシンプルな、だがすこし遠慮がちな問いが割って入った。


「えーっと、そんなにすごい剣、売っちゃっていいの? ラキスやライドは使わないの?」


 当然の質問だ。

 せっかく出来のいい剣、それも魔剣ができたのなら自分たちで使ったほうが良くないか。

 少なくとも俺は冒険者を辞めた身だから、そんな大層な剣は必要ない。

 だが、ラキスは……。

 俺の視線に気付いてラキスはゆっくり首を横にふった。


「私はライドに忠誠を尽くすと誓った。そしてライドは平和なスローライフを望んでいる。リオの言うこともわかるが、スローライフに必要なのは魔剣じゃない。これだけ良い剣ならモンスター退治が専門の冒険者に使ってもらったほうがこの剣も本望だろう。もちろん制作した鍛冶師としてもそれが一番だ」


 リオの言葉をやんわりと優しく否定した。

 納得がいったのか、リオは笑顔で「それならよかった!」と長時間がんばった俺たちを褒めてくれた。




 店主のグローブを呼び、できあがった魔剣を見てもらった。


「ほぉー! これは魔剣か。それも……これは炎属性を付与してある魔剣だな?」

「その通りだ! 我ながら会心の出来だと思う!」


 さすが武器屋の店主にして鍛冶師のグローブ。

 パッと見ただけでどんな属性を持つ魔剣か見破った。

 剣をくるりと回してみたり、水平にして片目をつぶってじっくり見た結果……。


「うむ! これは良い剣だ! この出来でしかも魔剣! これは良い武器だ!」


 ラキスの打った剣をべた褒めしてくれた。

 ラキス本人は嬉しさ半分、こそばゆさ半分という感じでむずがゆい表情をしていた。


「して、これはラキスの嬢ちゃんが使うのかい?」

「いや、グローブ殿の店でぜひ出品してほしいと思っている」

「なんと!? これだけの魔剣を売るか……。いや、お前さんたちも話し合って決めたんだな?」


 ラキスと俺たちの顔を見比べ、すでに話がついていることを悟ったようだ。


「ふむ、わかった。これだけの魔剣だ。高値は付けるが逆に売れるまで時間はかかると思うが構わんな?」

「もちろんだ。よろしく頼む」


 ラキスとグローブは握手して委託販売してもらうことになった。

 ラキスの鍛冶師としての能力が遺憾なく発揮された魔剣。

 いつか売れるその日が今から楽しみだ。

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