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欠陥テイマーはパーティを追放される

「ライド、お前はクビだ」

「えっ……」


 サイモンはなんの感情もない目で言った。

 使えないゴミを見下す目で、吐き捨てるように。


「なんで、なんて言わねえよな。テイマーのくせにモンスターをテイムできないお前は、ハッキリ言ってお荷物なんだよ」


 俺はグッとこぶしを握りしめた。

 わかっていた。

 ある意味これは当然の結果。

 テイマーのクラスなのにモンスターをテイムできないなんて、役たたずと言われても仕方がない。

 せめてパーティの役に立とうと雑用や荷物持ちをしてきたが、冒険者パーティにとってそんなのは役に立ったうちに入らない。

 剣士のサイモン、盾使いのドルク、魔法使いのビッキー、神官のセリア、みんなクラスの役割を果たしている。

 悔しいけど俺だけ何もできない……。


 まわりにいる連中もサイモンとおなじことを思ってるのだろう。

 誰も俺をかばおうとしてくれない。


「……わかった」


 サイモンがニヤリと笑った。

 俺がパーティの部屋から出るとき、後ろから声が聞こえた。


「やっとお荷物がいなくなってせいせいするぜ」

「ほーんと使えないやつだったね」

「神様もなんであんな役たたずにテイマーのクラスを与えたのかしら」


 悔しかったが何も言い返せない。

 もう冒険者なんてやめてしまおう。

 きっと俺には向いてなかったんだ。




 Bランク冒険者であるサイモンたちのパーティ「漆黒のツバサ」を追放された俺は途方にくれていた。

 どうしよう、金がない。

 冒険者としてダンジョンに潜ったりモンスターと戦うのはムリだ。

 持っているのはショートソードとマジックバッグだけ。

 クラススキルのテイムが使えないし、戦闘力もないに等しい。

 こうなったら森で薬草でも採取して稼ぐしかない。

 俺はうなだれながら初級冒険者向けのイーストンの森へ向かった。


 なんで俺はテイムが使えないんだろう。

 成人の年になると教会で神の祝福を受けるのがこの世界のならわしだ。

 神の祝福は冒険者に向いているクラスだけでなく、たとえば大工や鍛冶師、料理人など日常の生活にも役立つクラスがある。

 基本的にクラスのスキルも使って自分に向いた仕事につくのが常識だった。


 俺は小さいころから憧れていた冒険者になれるクラスが欲しかった。

 剣士や魔法使いみたいな派手でカッコいいクラスではないけど、テイマーだって立派な冒険者向けのクラスだ。

 祝福を受けたときは心の底から嬉しかったっけ。

 あのころはまさかパーティを追放されるだなんて想像もしていなかったな。


 ええい、過ぎたことを考えていてもダメだ。

 いまはとにかくお金を稼がないと。

 今夜の宿屋どころか晩メシすら食べられなくなる。

 そうしたら木の実でもかじって野宿するしかない。

 せめてその日暮らしでもいいからまともにご飯を食べてベッドで寝たい。

 いまの俺がやるべきなのは薬草採取。

 気持ちを切り替えていこう。

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