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幕間 『最終報告』

【調査終了】

提供された複数の史料と、コナー・スコット少尉による監査報告書から、主要な船員の動向が判明した。


杉山千代子

報奨:$1500

・基本給(船医) $1500

・特別報酬(船員救護) $50

・罰金(単独行動) -$50

1921年からイギリスへ三年間の留学を果たす。日本に帰国したのちに結婚した模様。第二次世界大戦中、杉山家は地方へ分散し、戦後も復興叶わず没落したためその後は不明。焼け残った杉山家の蔵本は佐伯家に移る。



スヴェン・ロットナー

報酬:$1050

・基本給(一般) $1000

・特別報酬(船員救護) $50

南米経由でイギリスに向かうと、スタンレイの指導のもと大学に通い直し医学博士号を取得。1925年には日本へ移住、結婚。戦後は東京の大学で教鞭を取って暮らした。1976年、心不全により82歳没。



ベリル・V・ウィリアムズ

報酬:$1950

・基本給(船長) $2000

・特別報酬(船員救護) $50

・罰金(監督不行届) −$100

イギリス本国へ戻り、民間輸送船の船長として活躍する。1924年の航海中、爆発事故で重傷を負い帰還中に死亡。33歳没。

曾孫に世界的ピアニストのヴィクトリア・ローズ。自分が大成できたのは、祖母から譲り受けた素敵なピアノのおかげだと語っている。



ニノ・デ・ルカ

報酬:$1500

・基本給(操舵手) $1500

調査団の解散後もウィリアムズのもとで船に乗り続け、彼女の没後は旅行家となり世界中を転々とする。戦争に巻き込まれることなく生き延びたが、アンカラにて58歳で病没。



アレキサンダー・J・アダムス

報酬:$2000

・基本給(調査団長) $2000

入院中のやり取りをきっかけに、カーレッドと文通を始める。その縁から交際に至り結婚、2男1女をもうける。第二次世界大戦に出陣するが無事帰還し、以後も軍人としてよく任務に就いた。1954年、69歳没。



エリザベス・М・カーレッド

報酬:$1500

・基本給(調査団長補佐) $1500

この調査で官を退く。しばらくは本国で療養していたが、アメリカに渡って結婚。執筆を重ね、小説家として名を残す。船員の中では最も長く生きた。1986年、97歳没。



ジョン・スタンレイ

報酬:$1600

・基本給(船医) $1500

・特別報酬(船員治療) $100

ロットナーを弟子に取り、また千代子の身元保証人となって二人のイギリス留学を支援する。1932年、70歳で肺炎により死去。



ヴァルター・クラウゼヴィッツ

報酬:$500

・基本給(一般) $1000

・罰金(離反の主導) -$500

帰国後、軍を辞める。その後は官僚として働き、教育機会の整備に尽力した。勢力を増すナチス党員とは反目する立場だったが、まもなく体調を崩し表舞台を去る。1933年、肺水腫により48歳没。


イワン・リドフ

報酬:$500

・基本給(一般) $1000

・罰金(離反の主導) -$500

地学者として活動を続ける。スターリンの反感を買いソビエト指導部により逮捕。強制労働所にて死亡。1938年、68歳没。


楊逸

報酬:$760

・基本給(一般) $1000

・特別報酬(調査協力) $10

・罰金(離反) -$250

故郷で私塾を開く。常に穏やかで思慮深く、生徒によく慕われたという。国内で知識人の弾圧が続く中、1966年、74歳で死亡。


ブエナベントゥラ・コスタ・コラレス

報酬:$600

・基本給(一般) $1000

・罰金(乱闘) -$50

・罰金(離反) -$250

・罰金(傷害) -$100

田舎で小さな畑を作りながらリドフと文通を続け、個人で植物の研究をする。

1936年、スペイン内戦に巻き込まれ39歳没。


イスハーク

報酬:$1050

・基本給(一般) $1000

・特別報酬(戦功) $100

・罰金(単独行動) -$50

故郷に戻り平穏に暮らす。以後消息不明。



シャルル・ベルジェ

報酬:$1050

・基本給(一般) $1000

・特別報酬(戦功) $100

・罰金(乱闘) -$50

帰還後まもなく婚約者と結婚、三人の娘を持つ。

第二次世界大戦の開戦以降、精神的に不安定になり除隊。1945年、49歳没。



アンドレアス・ガラニス・メジャー

報酬:$1050

・基本給(一般) $1000

・見舞金 $50

家族とテサロニキに戻り、晩年を穏やかに過ごす。1927年に胃癌で死去、68歳没。



アンドレアス・ガラニス・マイナー

報酬:$500

・基本給(予備人員) $500

若い頃から天才画家として人気を博す。しかし、名が挙がるにつれ神経質な部分が目立つようになり、アルコールや煙草、薬物に依存した。1938年、33歳で事故死。


コナー・スコット

報酬:$1500

・基本給(監査) $1500

帰還後は引き続き米国陸軍に所属。生真面目な性格で評判がよかった。1944年、戦死。

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