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web(なろう系)小説の「お約束」

「おもしろいおもしろくない以前に、まずは目に留めてもらわなければなにも始まらない」


……なに当たり前のこと言っちゃってんのと思った方は、復習程度にお聞きくだい笑


そのための方法として最も考えなくてはいけないのがタイあら(タイトル、あらすじ)、キャッチコピー、そして物語の導入(勝負の1話)となります。


いくら後半につれておもしろくなる物語だったとしても、web小説に限らず、昨今の読者は読むか読まないかの判断がとてつもなく早いです。


Youtubuやインスタを始めとしたショート動画なんか、その最もたるものですよね。

あれだけ短い内容でありながら、ちょっとでも趣味嗜好に合わないとなれば一瞬でスワイプしてしまう。誰にだって覚えがあるかと思います。


Web小説の場合むしろ、タイあら、キャッチコピーを見てくれるだけありがたいと思わなくてはいけません。


この段階で興味を引くことができてようやく第一話を読んでもらえるわけですが、ひと昔前のように「プロローグ」なんて書いてしまってはその瞬間にブラウザバック、いわゆるブラバされてしまいます。


経験豊富な作者の方に私ごときが言うまでもありませんが、第1話で山場を迎えるくらいのことをしなければフォローされるのは難しいかと……。


実はこの話、別にWeb小説に限った話ではありません。創作論として昔から当然のように言われていたことです。近年ではそれがさらに顕著になった、ということらしいです。その代表、先駆けがWeb小説という感じですかね。


みなさん、ハリーポッターと賢者の石(シリーズ第一巻)読んだことあります? 私は大好きで今でもたまに読み返すのですが、世界で過去一に売れたファンタジー小説でさえ、今の作品と比べると導入が遅く感じるのではないでしょうか。


いや、めちゃくちゃおもしろいですよ? あんな超大作と比べるのもどうかと思うのですが、あくまで導入のスピードだけでいえば、です。


だって最初に出てくるのは、主人公でもなんでもない、ライターで街灯を消すおじいさん(ダンブルドア)と猫から人間に変身するおばさん(マクゴガナル先生)、空飛ぶバイクに乗った大男ハグリットですよ?


……おもしろいな。いや、おもしろいんですけど、これを今の小説サイトに載せて読まれるか? って聞かれたらちょっと難しいと言わざるを得ないじゃないですか!笑


だってさらにその後に出てくるのハリーの(バーノン)おじさんですよ!? 主人公のハリー登場するのかなり後!笑


話がだいぶ逸れましたが、ハリーポッタークラスの作品でもない限り、いやたとえそうであったとしても、小説サイトに投稿する以上、小説サイトならではの体裁、メソッドが必要ということです。


今のweb小説では、おそらく以下のような展開が多いと。


これまでの自分と何らかの形でサヨナラ → 異世界転移 → 最強(または超便利)の能力を与えられる → 無双するor自由に生きる


これまでの自分と何らかの形でサヨナラ → 赤子または幼児(異世界転生) → 最強(または超便利)の能力を身につけていく → 無双するor自由に生きる


婚約破棄される → 最悪な婚約者&恋敵 → これからは自由にさせていただきます(ざまあ)!


いやあ、めちゃくちゃ展開が早い。というか、作者も読者互いに共通理解のもと話が進んでいます。


web小説においては、このお約束、ある意味予定調和な面白さが求められていると言えるでしょう。


水戸黄門なのに黄門様が旅をせず、トラブルにも巻き込まれない。助さん格さんが印籠を出す相手(悪代官)もおらず、当然「へへー!(全員平伏)」ともなりません。


……水戸黄門ファンにとっては「なんじゃこら」になるわけですよ。

いや、ごく稀に黄門様が地元に帰って小言いわれる話とか、格さんと喧嘩して別行動してたら印籠なくて窮地に陥るとか(笑)、めちゃくちゃ面白いですよ?


ちなみに実際にあった話ですから!


しかしこれはあくまでお約束である勧善懲悪の息抜き回、ファンサービスみたいなところがあって、だからこそ面白く観れるんです。


戦隊ものや仮面ライダー、ウルトラマン、プリキュアだってそう、みんなお約束、予定調和を求めている。その中でシリーズごとの特徴、あらたな能力や敵、カッコよさ、あるいは可愛さを楽しんでいる。


こう考えると、web小説にも同様のおもしろさが求められていることも何ら不思議ではないですよね?


だから、なに当たり前のこと言っちゃってんの思っている方。

わかってはいても、私のような作者にとって、自作にweb小説としてのお約束を入れ、かつ面白くさせるというのはそう簡単なことではないんです……。

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