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橘さんはわかりやすい  作者: 上舘 湊
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不思議な女の子

小説家になろう初執筆です!!

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僕の教室には不思議な女の子が居る。


というのも一般的な不思議な行動をしたり不思議な口調をする訳でも無い。


じゃあ一体何が不思議なのかと言うと


「橘さん、昨日家庭部でクッキーを作ったんだけど良かったらいる?」


「欲しいです!ありがとうございます!」


その女の子がクラスメイトからクッキーの袋を受け取ると、彼女の真っ白な髪の毛の先端付近の色が黄色に変わった。


今の光景で分かる通り、不思議な女の子の不思議な部分とは「感情によって髪の毛の先端の色が変わる」というものである。


***


彼女の名前は「(たちばな) 鈴芽(すずめ)


かなり温厚でふわふわとした性格であり、一言で説明すると今で言う「小動物系女子」と言った感じで、うちのクラスの愛されキャラである。


まるで雪のように真っ白な長い髪の先端はその時の橘の感情によって色が変わり、嬉しい時は黄色、悲しい時は青色、迷っている時は紫色、怒っている時は赤色など、色は様々だ。


今は貰ったクッキーが美味しかったのか毛先の色は黄色に変わっている。


こんな風に髪の毛の色が変わる現象の理由は未だに解明できておらず、橘さんにも突然現れた現象のためひとまず「突発性毛変色」と言う仮名で呼ばれているらしい。


色んな学者が必死に動いて原因究明に勤しんでいる中、その研究対象である当の本人はと言うと。


「このクッキー凄く美味しかった〜また今度作り方教えて欲しいな!」


まあなんとも能天気である。


彼女自身研究には協力しているが基本自由な身であり、本人はこの現象に対してそこまで関心が無いようなので周りも「普通の女の子」として接しているのだ。


「橘さん!次の授業移動教室だから早く移動しないと」


「あ!忘れてた!授業の準備まだ出してないよ〜!」


橘さんが後ろに置いてあるであろう準備を取ろうと立ち上がった瞬間、彼女の机に乗っていた消しゴムが落ちて俺の所に転がって来た。


俺は足元に来た消しゴムを拾い上げて橘さんを呼んだ。


「おーい橘さん、消しゴム落ちたよ」


「へ?」


橘さんは俺が後ろから名前を呼ぶと驚いた声を上げて振り返った。


真っ白な髪の毛をなびかせながら振り向く姿は、あまり異性への関心が無い僕にも美しいと感じる程だった。


「あ、す、すいません。拾って頂いてありがとうございます…」


「そんな謝らなくても大丈夫だよ。気をつけてね」


俺が安心させるように微笑みながら消しゴムを手渡すと、橘さんは毛先を鮮やかなピンク色に染め上げてから僕に一礼して僕と逆方向に居る友人の方向を向いた。


橘さんは凄く礼儀正しく、誰に対してもやってくれたことにきちんと礼をする、それはとても素晴らしい性格だと思った。


話は変わり、橘さんの髪色なのだが。様々な色の理由は分かっているが、唯一この「ピンク色の毛先」の時の心情が判明していないのである。


状況だけ見ると「感謝」なのかと思うのだが、普段感謝をしている時は嬉しい時と同じ黄色に染まっている。


さっきのクッキーを貰った時だって黄色に染まっていたのだから間違いないだろう。


僕はこの色の感情を日々頑張って知ろうとしているのだが、1ヶ月経っても判明していないのだ。


色々観察をしていて唯一わかった事が「ピンク色になるのは今の所僕の前だけ」という事だけである。


正直こんな結果が出たところでその理由やどういう感情なのかというところの結論までは辿り着けていない為、ますます分からないのである。


× × ×


「霞くん、さっきは消しゴム拾ってくれてありがとうね」


授業が終わり、自分の席に座っていた僕の元に橘さんがやってきた。


どうやらさっきの休み時間に消しゴムを拾ったことに対してのお礼をしに来たらしい。


「いや、そんな大したことはしてないよ。ただ床にものが落ちたから拾っただけなんだから」


「それでもお礼がしたいな〜って思って。これさっき友達に貰ったクッキー、誰かにあげてもいいよって言われたから霞くんにあげるよ!」


そう言うと橘さんは先程クラスメイトの女子に貰ったであろうクッキーの袋を持った右手を僕の方に突き出してきた。


「え…いいの?」


「もちろん!!すっごく美味しいから良かったら食べてあげて欲しいんだよね!」


「…それじゃあ遠慮無く頂くね」


僕がそう言うと橘さんは嬉しそうな顔をして僕の手のひらの上にクッキーを袋をぽんと置いた。


可愛らしく包装されているラッピング袋の中にはハート型や星型、クマの形等いかにも女の子が作ったクッキーと思えるような可愛らしい物が入っている。


僕は袋を開けて1つクッキーを取り出して自分の口に放り込んだ。


「ん!このクッキー美味しいね」


「だよね!今度私も作り方教えて貰うから作ったらあげるね!!」


「うん、楽しみにしてるよ」


僕が橘さんに笑顔でそう伝えると、今度は僕の方向を見て表情を変えないまま毛先の色をピンク色に変色させた。


やっぱり橘さんの髪は不思議だなと思った。

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