【悲報】オイオイオイ、死んだわ俺【急逝】
今、めちゃくちゃ幸せだ。
なぜかって?
ガチャで最高レアの人権キャラ、いわゆる最強のキャラクターをゲット出来たからだ。
「ふぃー」
思わずため息が出た。
何回リセマラしただろうか…。何十回という数であるのは明らかだ。
もう少しリセマラしやすいシステムにしてもいいんじゃねぇのか?
いっそのこと『高校生バーチャル配信者 甘色レンが物申す!』とか題名つけて動画出そうかな。
にしても俺すげーよな。
500万人もの人が俺、甘色レンをフォローしてるんだ。
俺以上にすげぇ高校生なんているのか?
それはそうと、腹が減った。
時計を見ると、深夜1時を回っていた。
俺の両親は、俺が配信をしている23時くらいに既に寝ているのを確認している。
そして俺には、夜食を作れる腕はない。なんなら家に材料もない。
「コンビニ行くかぁ…」
コンビニに向かう途中、SNSで彼女からメッセージが入ってた。
見てみたが、配信お疲れ様って事と愛してるって事だった。
返信する気じゃなかったのでそのまま既読無視した。
フラれるんじゃないかって?アイツはこんな事で俺をフラない。
まぁ仮にフラれても、他に彼女2人いるし問題はナシ!
そもそも彼女なんか居なくても、配信で手に入る金さえ有ればいいしな。
などと考え事をしながら歩いてたら、あっという間にコンビニについた。
さっさと買って帰って、課金してガチャ引こう…。そう思い、無言でカップ麺をレジに出した時だった。
「君、学生だよね?」
店員さんに声をかけられたのだ。
俺は少し腹が立った、
「そうだけど、なんだよ」
「こんな時間に1人で買い物はダメだよ、学校で習わなかった?」
「んなこと知らねぇよ。俺は腹減ったんだよ」
「相手が僕だったからいいけど、大人には敬意を払った口を…」
「レジ打ちはレジだけ打ってればいいんだよ。早くしろよ」
「とにかく警察に連絡して、迎えに来てもらうからね!」
「はぁ!?」
俺はもう頭にきた。
俺はただ買い物に来ただけなのにいちゃもんつけられて、挙句警察呼ぶだと?ふざけんじゃねぇ。
俺は思わずそいつのスマホを奪い取った。
「おい、返せ!」
「俺は警察になんかお世話になりたくねーんだよ」
「君の意志は関係ないよ。とにかく返しなさい」
「通報しないなら返してやろうかな〜」
「君…大人を舐めるのも大概にしろ!」
そう言われたかと思えば、俺は腕を掴まれていた。
これって立派な暴力だよな?
そう考えるとこっちもめちゃくちゃ腹が立ってきた。
「おめーこそ、子供だからって甘く見るんじゃねぇ!離せ!」
「大人は君たち子供を正しい方向へ導く義務があるんだ!それが分からないのか!」
「お前がやってるのは暴力だ、さっさと離せ!」
「大人しくしろ!!」
俺は激しく抵抗した。
それゆえ、周りの状況の把握がおろそかになっていた。
『ゴン!!』という音が頭に響き、続いて後頭部に激しい痛みが響いた。
位置的にレジ横の唐揚げなどが入ってるガラス貼りのとこにぶつけたんだろうか?
白くチカチカする視界から、ガラスの破片も見えた。
「だ、大丈夫かい!?」
「うるせ…くそ……」
「今、救急車呼ぶからね…」
「……くそ…‥…が…っ…」
なんで俺がこんな目にあわきゃいけねーんだ。
いつか絶対仕返ししてやる。あのレジ打ちのやつに。
というか、これやべぇかもしんね…クラクラしてきやがった。
俺こんなとこで死にたかねぇんだけど!?
あぁ、でもこれ、だめなやつだ。本能的にわかる。
くそ…まだやりたい事……が…………
こうして、甘色レンはあっけなくこの世界を去った。