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プロローグ
僕は彼女と出会ったあの日のことを一生涯忘れることは無いだろう。僕にとってはそれほど印象的だったのだ。
僕はあの日桜が舞い散る校庭を横目にタブレットで小説を読んでいた。
ふとタブレットに影が落ちた為、目を上げると艶やかな黒髪をかきあげながら彼女が覗き込んでいた。
「君は紙の本は読まないの?」
僕は彼女の思惑が読めず思わず彼女の濡鴉色の目を見つめた。
「あー、 いつも電子書籍読んでるじゃない?だから気になって」
「僕はマンション住まいだし、部屋が広くないからあまり本が置けないからね、電子書籍なんだ」
ふーん。そういうと彼女は僕への興味が無くなったように小声でじゃあね。そういい教室から出ていった。
これが彼女との最初の会話だった。