【こらむ】国営放送の激変
日本の国営放送は、
丸投げ実現と同時に旧システムが解体され、
すぐに現行システムが再構築された。
「日本放送機構(JBA)」と改称された組織は、
機構上の変更よりも収益システム変更の方が
特徴的だった。
まず、年間予算は国庫から出され、
一度無料放送された番組は、
終了後すぐにネット経由で世界に向けて
有料配信されるようになった。
その有料配信…
「JBAオンデマンド」は
全コンテンツ見放題の定額性(500円/月 税込)。
世帯単位で加入すれば
家族全員がTV、PC、スマホで視聴できる上、
画質も選択できる。
自宅やスマホなどで、十分な速度と容量を備えた
無線WiFiなどの通信インフラさえ整えれば、
豊富なコンテンツが録画もレンタルもせずに楽しめる。
ネット主体で報じられる番組は必要に応じて観れるため、
ニュースや警報などの重複を避けたり、
興味あるジャンルが自動的に流れる最適化モードが主流だ。
また、海外ユーザー向けに提供された
有料の翻訳サービス(500円/月 税込)も大人気だ。
それまで旅行前の情報収集を
日本通の外国人サイトに頼っていた外人旅行者達は、
ケタ違いな質・量で日本の情報を入手できるようになり、
より多くが来日するきっかけとなった。
予算が税で賄われるようになって、
集金コストや不払い客との紛争など
無用な金銭トラブルがなくなり合理化が進んだ。
同時にコンテンツ派生ビジネスでの稼ぎは、
内容に応じて制作スタッフと機構に著作権料として按分され、
機構の取り分は国庫に還元されるようになった。
コンテンツ派生ビジネス…
オンデマンド配信とセル盤の売り上げ
(見放題でも意外なほど売れる)も、
海外展開に伴って順調に伸びている。
また、見たい番組のアンケートが
クラウドファンディングと直結され、
より需要の多い番組が増えた事などによっても、
さらなる内容充実が図られた。
これら
「企画・制作の初動を公費で安定的に支え、
反響に応じて発展した内容・費用を還元するシステム」は
VGの定番手法なのだが、相乗効果を発揮して
「より野心的かつ良質なコンテンツへの制作意欲」
に繋がった。
これらの施策が功を奏し、発足三年目にして、
既に世界的なコンテンツメーカーに成長したJBAは、
VGにとって
「日本を海外にアピールする絶好の媒体」となった。
続出する人気番組が
とんでもない価格破壊を伴って提供されたため、
ネットに押されて斜陽化していた民放も
これに引っ張られる形で、
壮絶な業界再編の波に晒されるのだが、
それはまた別の話。
別の機会にて話すとしよう。
[サイト
「動画メディア最前線」より抜粋]