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File:23 P.H.

どうも皆様、お久しぶりです。

あれ、おかしいですね。

3日しか過ぎていない筈ですのに?

そう言いたくなるのはどうしてでしょうか。


────……すみませんでした。

三ヶ月も放置して。

いや、色々あったんですよ。

不定期更新って銘打ってあるし少しくらいなどと言った誘惑とかとか。

なにわともあれ、戻って参りましたので楽しんで頂ければ幸いです。







「社会様、此処って開くのですかねぇ?」

 清は神が待っている部屋が開くかどうか確認する。


「全く不用意ですよ、清」

 諭す様に言ってそこを社は何事も無かったかの様に通り過ぎる。


「開かないようですよ」

 そう言って清は通り過ぎて行った社の隣についた。

 社は3の部屋の前で足を止める。


 社は先程までと同様に警戒してゆっくりと扉を開く。


 そこは黒だった。

 光は無かった。

 もっと正しく言うのであれば、中央の部屋からの蝋燭からの明かりが届かないと言った様子ではない。

 その部屋の黒が、闇がそれを良しとしていない、許していないのだと。

 さらに言えば、この部屋に居る主が、と言う事がなのだろうが。

 姿も形も見えない主は見えていないなどと言う事を意に介さず、社と清に自身の存在を伝える。

 それは多大なる情報量、恐怖、しかし、けれど、その様な事よりも社には、社には。


「しゃ、社会様、社会様。

 申し訳ありませんが私、ここには入れません」

 社は何故とも問う事はしなかった。


「そうですか、なら仕方ないですね。

 私も乗り気はしませが行って来ます」

 そこからは葉紅に似た雰囲気がしたのだ。

 だから、戸惑ったのだ。


 社は黒を潜る。


 黒に染まる。

 そこには熱もなく、唯々視界を黒く染めたのでは無かった。

 あるべくして、ある筈の感覚は疎か、全てを無に帰っしたかの様に染上げる。

 それがさも当たり前であるかの様に、常識であると主張せんばかりに。

 染める、染める。

 社に理解出来るのは、自身が黒の中に居る事だけであった。


 音が鳴る。

 ノイズが奔る。

 調和する。

 それは次第に声へと変わった。

 そして、紡ぐは言葉となる。


『ん、こんにちは。

 あらら、これはこれは、面白い方がやって来たものです。

 いえ、失礼。

 私からは今イベントに対するヒントを与えます。

 とは言いましたものの貴方には必要なさそうですね。

 何か他のモノを探しているのですね。

 それは(モノ)であり、(モノ)であり、知識(モノ)であると私は推察しますが、いえ、今は口を開く事さえ出来ないのでしたね。

 それではヒントを。


 Moneraは闇より出でた。

 Protistaは体より世にとけ。

 Fungiは生を体を維持し、害もなす。

 Plantaeは生を産み、界をまとめる。

 Animaliaは無知が故にエデンで目覚める。


 と、この様なものですかね。


 私からは(モノ)を与える事は出来ませんが、(モノ)知識(モノ)ならば与える事が出来ますので少しばかり上げましょう。

 (モノ)に関しましては鍵を。

 何のとは聞かなくても貴方には分かりますでしょう。

 彼女は奴に嫌われていますから、気をつけて上げて下さい。

 それはそうと、知識(モノ)に付きましては貴方が何処まで疑問を抱き、知っているのかが分かりませんので、殆ど話せないのですが。

 私はそれを観測し、認識し、どうする事も出来なかった。

 私に出来た事はその絶対悪を書き記す事だけであった。

 いえ、絶対悪と言うのは私の主観でしかありませんが、私以外の奴等もそう感じた筈ですよ。

 とは言え、貴方には何れ関わりがあるかもしれない事です。

 頭の片隅ぐらいには置いておくと良いでしょう。


 それではさようなら、qw/5a03ceT』










「────aま、社会様!」

 黒は白に塗り替えられ、視界いっぱいに清が見えた。


「ぅう、清、ですか。

 私が部屋に入って行ってからの状況報告をお願いします」

 社は目を擦り、清に問う。


「へぇ、社会様?

 いえ、何でもありません。

 私からは社会様が黒に入って行った後、扉が独りでに閉まったかと思うと、直ぐに黒の部屋の前に社会様が現れたと言う風に見えました。

 ですので、介抱仕様と声を掛けている時に社会様は目覚められたという訳です」

 清は少しばかり残念そうにそう言った。


「そう、ですか。

 では時間はそう過ぎていないという事ですね」


「はい、それで間違いはないかと」


「それでは、早速で申し訳ありませんが、1の部屋に行ってきます。

 そうです、その前にひとつ3の部屋の扉は開きますか?」

 社は立ち上がり、1の部屋へと歩を向ける。



 扉を開けようとする音を響かせる。

「社会様、3の部屋の扉が開かなくなっていますが、宜しいのですか?」


「えぇ、構いません。

 その部屋には存在意義はあっても要はもうありませんから」

 そう言って歩を進める。

 開け放たれた扉を潜り、1の部屋へと入る。

 悪臭が鼻を突くが社は気にも止めず、奥へと足を伸ばす。


 少女も社の気配を感じ取ったか、拘束具をカチャリと鳴らす。

 少女は拘束具の外れている右手で壁を叩く。


 ・―・・・ ―――・ ・―


「そう言わないで下さい。

 これでも急いだのですよ」


 ・・― ―――・


「そう思われるのでしたらそれで構いませんが、開錠しても宜しいですか?」

 少女はコクリと頷く。


「では、失礼致します」

 そう言って社は左手の拘束具の鍵穴に鍵を差し込んだ。


 ・・―・・ ・・ ・・― ―・・―・


「いえ、感謝には及びません。

 私が個人的に聞きたい事があっただけですので。

 その後の行動は御自由に」



「部屋から出ましょうか」

 コクリ。



「社会様、ご無事で?

 ─────!?

 だ、だめですよ。

 その様な女の子に手を出しては」


「何を言っているのですか。

 最後の最後で巫山戯ないで下さい。

 今からイベントを終わらせるという時に」

 息をつく。


「それは冗談としても社会様。

 私、このイベントの謎が一つも解けていないのですが。

 さすが、社会様ですね」

 清は虚空に足を伸ばし、つまらなそうに空を蹴る。


 ――・―― ・・―― ―――― ―・・・ ・・ ・―・・ ・―・ ・・―― ――・―


 少女が机を叩く。

「えぇ、ですので時折困ってしまいます。

 貴女は解けますか?

 この部屋の謎が」

 そう言って社はテーブルに置かれていた紙を渡す。


 そこで社は一つやり残している事を思い出す。

「清、4の部屋から蝋燭を持って来てもらえませんか?」


「はぃ、分かりまし、た?」

 何故今頃、蝋燭が必要なのかと清は不思議に思いながらも社に言われた通りに取りに行く。




「持って来ましたよ、社会様」

 清はぴょこぴょこと足軽に社の元へと帰ってくる。


「ありがとう御座います」

 そう言って社は清から燭台を受け取る。

 そして少女が読み終えテーブルに戻していた紙を、燃やす。


「しゃ、社会様っ?

 何をしているのですか?」

 少女も清と同様に驚いた様だが瞬時に社の行動を理解する、清と違い。

 社は良い具合に炙り終えた紙を清に手渡す。


「清、紙の裏には何と書かれていますか?

 読んで下さい」




「えぇと、何ですかこれは?

 平仮名が羅列されいるのですが。

 きっと社会様には分かるのですよね。


 うくとうちうなにりび、ふんこすとひにりにう。

 ふぎくおれみどかかぬうとひにりにう。

 つんすもそ、よえんいりをそ。

 すょぢわひせどぬきうといれ。


 うぅ、噛みませんでしたよ、頑張りました。」


「御苦労さまです。

 しかし、やはり言うべきか。我々には既に必要のない情報でしたね。

 それともう一つ無くても解けるとは思いますが、3の部屋でヒントを頂きましたので言いますね」

 社の言葉に頷く少女とは対照的に清はポカンとするのであった。


「社会様、私には全く分からないのですが。

 どうすれば、良いのでしょうか?」

 あたふたとする清。


「彼女の隣の席に座れば何も問題ありませんよ。

 では、これが私が頂いたヒントになります。


 Moneraは闇より出でた。

 Protistaは体より世にとけ。

 Fungiは生を体を維持し、害もなす。

 Plantaeは生を産み、界をまとめる。

 Animaliaは無知が故にエデンで目覚める。」

 そう言って社は黒の中で聞いた事を諳んじる。


「どう言った意味なのでしょうか?」

 清が頭をショートさせそうに成りながら社に何とか問う。

 社は少女の方を一瞥する。

 少女は社の目配せに頷く。

 それを確認してから社は口を開く。


「今回のイベントのクリア条件は簡素に言うのであれば、五界説に則り自身がこのテーブルのどの辺の椅子に座るか、とその後に知恵の実を食すというものです。

 ではどの辺の椅子に座るのが正しいのかという事がネックに成ってきます。

 正直に言ってしまえば、勘でも全然クリアできてしまうのですが、簡単に理屈を説明しましょう。

 まずは、この六角形のテーブルの各辺に五界説のそれぞれを当てはめていくのです。

 しかし六角形ですので当然ながら一辺余ってしまう訳です。

 清、それは何処でしょうか、分かりますか?」

 社は清にでも理解出来る様にと、言葉をゆっくりと連ねてゆく。


「ぇええと、椅子が一つの場所です」


「それは何故ですか、理由は?」


「社会様と私が並んで座る事が出来ないからです」


「そう、ですか。

 場所はあっていますが、理由がとても真面目に考えられたものとは思えませんね。

 それでは説明しましょう。

 頂いたヒントを活用しましょうか。

 五界説には、モネラ界(Kingdom Monera)、原生生物界(Kingdom Protista)、植物界(Kingdom Plantae)、菌界(Kingdom Fungi)、動物界(Kingdom Animalia)の五つで示されています。

 モネラ界(Kingdom Monera)闇より出でた、は扉の先が黒、闇であった3の部屋。

 原生生物界(Kingdom Protista)体より世にとけ、は死体が転がり大多数が腐敗を迎えていた1の部屋。

 植物界(Kingdom Plantae)生を産み、界をまとめる、は原材料が植物である本が多くあり情報をまとめる場所である4の部屋。

 菌界(Kingdom Fungi)生を維持し、害もなす、は食事を用意するキッチン、2の部屋。

 動物界(Kingdom Animalia)無知が故にエデンで目覚める、は流れで行くのであれば神の待つ部屋であるが、この中央の部屋であると考えられる。

 何故ならば、イベントクリアの最終条件は知恵の実を食する事である。

 ならば、イベント開始時時に私と清が目覚めたこの場所がエデンであると考えられる。

 であるなら、モネラ界、原生生物界、植物界、菌界に対面する辺の席は私たちが座るのには正しくない席であるという事になる。

 そして、神が待つ部屋の対面の辺の席は『It doesn't belong to the five kingdoms theory.』と記されている事から五界説に属している者が座るのは不正解。

 この事から正しいのは神の待つ部屋の対面の辺の席の正面の席。

 詰まりは今まで語る事のなかった席ですね。

 どうですか、分かって頂けましたか?」

 社は楽しげに今回のイベントの解説を清に披露してゆく。


「分かりました。

 社会様の頭の構造が一般的とは異なる事が」

 幾ら説明しようと理解しようともしない人物には理解のしようもないのだと、社は再認識させられた。

 しかし、少女はとても感心した様に頷いてくれたので社は気を落とす事はしなかった。


「それでは座りましょうか」

 清は短く返答する。

 少女は小さく頷く。



 清と少女は社が先程指定した席へと歩を向ける。

 それぞれが席に手を掛ける。

 椅子を引く。

 そして、座る。








 社も椅子に手を掛けた。

 そして、2人同様に座る。


































































『It doesn't belong to the five kingdoms theory.』と記された席に。


英文を幾らか使ってますけど毎度あってるんですかね。

不安です。

これを機に英語を真面目に学びましょうか?

少しばかり敷居が高いのでオンドゥル語から始めてみましょか。

まぁ、生涯学習などと言う言葉が有るくらいですから、今はまだ大丈夫ですか?

自分にそう言い聞かせて怠惰に生きたい。


ここまで御付き合い下さり誠にありがとう存じます。

それともう一つ、非常に申し上げにくいのですが週一更新が限度になってしまいそうです。

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