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まほろばに抱かれて

作者: ひだまり

ゆっくりと過ごしている休日の今日、何となくアコースティックギターをポロポロと、ただ音色だけを聴きたくて適当に流しながら床に座り込む



見上げた窓の先には広がる青空、本当に毎年、凍える程の気持ちで過ごす冬は終わって春の暖かい外模様



空以外は決して景色がいいとは言えない4階からの景色を眺めていたら、真下の駐輪場に恋人の姿



休日と言っても私だけ、恋人は今日も仕事に出掛けて、休憩しに私の待つ部屋へ



「お帰りなさい」と出迎えるこの瞬間が本当に大好き、「ただいま」とキスされて、二人でゆっくりお茶を飲む



恋人はいつも優しくて穏やか、だから私も、普段仕事やその他諸々のせいでささくれた気持ちが一緒にいると安らいで、もう何もしたくなくなる、動かずにずっと、この優しい恋人にすっぽりと包まれて座っていたい



一抹の不安が胸をよぎっても打ち消してくれる安心感、今日までの私の恋愛で、こんな安らぎをくれる人は二人だけ



1人目の人との恋愛が終わってしまったあの時は見る影もなく落ち込んだのだったけど、こうして今の恋人と出逢う分岐点だったのだと思うと、6年経っても疼いていた心の傷は今ではもう、まるで傷なんて最初から無かったみたい



休憩が終わってまた仕事に行く恋人を今度は私から「行ってらっしゃい」とキスをして、見送る



エレベーターに乗り込んで扉が閉まるまで見つめる恋人の姿はとても華奢、毎日「気を付けてね」と言葉をかけるけれど、そう言われて本当に気を付けながら外に出る人はどれだけいるだろう



私の大切な幸せ、何事もなくずっとこのまま、この居心地のいい空間を味わっていたい



私があなたを、命ある者の本当のお別れに、見送る日まで




























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