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Earthquake  作者: 安楽樹
第一章 日常の崩壊
8/21

3/18 23:01 『動き出す人々』

この物語は、実際の災害を元にした『フィクション』です。

実在する団体や実際に起きた出来事も記載していますが、あくまで個人の創造物であり、一意見として捉えて頂けると幸いです。


全ての皆様が、一刻も早く『日常』を取り戻せる事をお祈りしております。

ついに政府は、自らたちだけでは力が足りないと、民間と手を取り始めた。


まず「震災ボランティア連携室」が立ち上がり、民間でも援助活動が行えるよう準備を始めた。

まず最初に行ったのは、交通規制が行われていた各地の高速道路などを、条件を満たす車両に限り、通行許可を与えたのだ。


これにより、NPOや株式会社を始めとする各法人が、現地への援助物資を運ぶ事ができるようになった。

基本的に公の機関は、自治体からの援助要請を受けてから、現地へ物資を運ぶ。

そうでなければ無駄な物資になり、必要な場所に届かない可能性もあるからだ。


阪神大震災で学んだこの教訓は、今回も最初から非常に徹底された。

……しかし、皮肉にもこの教訓が災いをもたらす事となってしまった。

それは、津波によってバラバラに分断された地域では、『自治体』そのものが無くなってしまっていたからだ。

ライフラインが断絶され、全く外部と連絡が取れなくなった避難所は、『忘れられた場所ミッシングエリア』となって孤立した。


絶望に取り残される彼らを発見したのは、いち早く個人的に現場へと駆けつけたNPOの存在だった。

彼らは個人のネットワークを駆使して移動手段を創り出し、ルートを開拓して現場へと向かった。

そしてそれだけでなく、上記のような今回の被災の問題点を炙り出して解決法を探り出したのだ。


……まさにベンチャー精神溢れる行動力と問題解決力だった。


そしてその情報は一気にネットを駆け巡り、次々に支援準備を始める人々が現れ始める。

この頃には、ネット上にて集められた有用な情報をまとめ上げるための被災地支援サイト「助け合いジャパン」」も完成し始めていた。


彼は、「何かできる事はありませんか?」と尋ねる学生に向けた、とある人からの言葉を発見した。



>君たちにできる事


節電とかなんて当然だ。なまぬるいね。

どうせなら、被災者と同じ暮らしをしてみたらいい。

暖房も点けずに毛布に包まって、風呂にも入らず、一日おにぎり一個で過ごしてみたらどうか。

彼らがどんな気持ちで、何が必要で、何をしたらいいかが分かるだろう。


もう少し能力があるならまだやれる事はある。

twitterはできるか?

できるなら、救助が来ないという被災者たちと連絡して、その場所の「住所」「時間」「連絡先」「必要物資」のリストを作ってくれ。

どこに何が足りていないのか?というリアルタイムな情報が足りない。


今後、30万人に近い人々が東北地方からそれ以外の地域へ疎開してくるだろう。

まだまだ時間はかかる。面倒を見てもいいという奴はいるか?


今圧倒的に足りないのは、輸送手段とガソリン、ドライバーだ。

西日本の知り合いがいる人は、トラックとか手配できないか。

レンタカー会社に掛け合ってみてもいい。西日本ならガソリンはまだある。


車が運転できるのなら、君たちだって運べるはずだ。

友達からカンパを集めて運べばいい。


こんな情報もあるが、おそらく捌ききれないので自分たちではじめた方が確実だろう。

http://watashinomori.jp/news/2011/20110318_41.html


もし本当にできたのなら、現在現地で活動しているNPOたちと連携して動くこと。

そして、自分の行動は自分で責任を取る事。

その覚悟が無いなら、やめておいたほうがいい。




>君たちに伝えたいこと


今、君たちは色んなニュースを見て、「何かできないか」と思いつつも、何もできない自分に無力感を感じている事だろう。

けど、その無力感を忘れないでいてほしい。

今最前線で頑張っている多くの人たちは、過去にその無力感に潰れそうになりながらも、それを糧に努力してきたから今最前線にいるんだ。


日本は今、物凄い岐路に立っている。

今後の未来が大きく変化する時だ。


無力感に負けそうになるのは、その場に立ち止まっているからだ。

考えてみよう。この先の未来を。

話し合ってみたらどうだ。遠い未来の事を。


未来を見て、目の前の一歩を踏み出すんだ。そうすれば無力感など消えていく。

何をすればいい?

何を調べればいい?

どんな人間になればいい?

一つずつ積み重ねていく事だ。


唐突だが、君たちはRPGは好きか?俺は大好きだ。

何故ドラクエの勇者たちがパーティーを組むのか。

……それは技術が異なる者たちの連携が重要だからだ。


今回の出来事ほど連携が重要だと思ったことは無い。

政府だけでは手が回らないからだ。

上からの指示を待っているだけでは、現場では対応できない。


その状況に応じて、臨機応変に連携を組んでこそ、初めて計画はスムーズに行く。

これから長い戦いが始まる。

君が好きな職業はどれだ?……望む職業を考えておくといい。


 【戦士】:自衛隊、レスキュー隊、警察官、現場で対応する人々


 【魔法使い】:学者、技術者、設計者、IT


 【商人】:物流、仕入れ、寄付


 【盗賊】:偵察隊、ルート探索、ネットワーク、情報収集


 【僧侶】:生産業、農業、畜産、保育、介護、メンタルケア


 【賢者】:上記をうまく組み合わせ、考えて実行できる人、社長、代表、首相


ここに出ている、みんなが勇者だ。


健闘を祈る。


こちらの情報を参考にしております。


助けあいジャパン(facebook)/http://www.facebook.com/TasukeaiJapan


関東地方及び、被災地“以外”の方へのお願い。 http://please.nomaki.jp/


「震災ボランティア連携室」より、交通規制が行われている道路の緊急車両通行車両について、用件を満たすものなら認められることになりました。 http://bit.ly/hZf1vr


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