04
ユーゲルスはミルテイン王国の王都にある王宮へとやってきていた。
王都トラスミールにある王宮の中の謁見の間でフライド国王に謁見していたのだった。
到着予定の時間からはかなり遅れていたので、国王がユーゲルスに尋ねたのだった。
「ずいぶん遅かったなユーゲルス??それにレイラ殿はどうしたのだ?」
ユーゲルスが国王に言った。
「それが大問題が発生しておりまして。」
国王がユーゲルスに尋ねた。
「大問題??ユーゲルス??何かあったのか?」
ユーゲルスが国王に言った。
「実は襲撃事件が発生したのでございます。ルイホルム公爵邸が何者かの襲撃を受けたのでございます。」
国王が驚いてユーゲルスに聞き返した。
「なに襲撃だと??」
ユーゲルスが国王に言った。
「そして我が妻レイラが何者かに誘拐されてしまったのです。」
国王がユーゲルスに言った。
「襲撃にレイラ殿の誘拐だと?穏やかではないな??」
ユーゲルスが国王に言った。
「我が公爵邸が何者かの襲撃を受け、王宮に出仕するのは遅くなってしまいました。申し訳ありません。」
国王がユーゲルスに言った。
「それは構わぬがその襲撃によって死傷者は出ているのか?」
ユーゲルスが国王に言った。
「はっ、まだ全ての把握はできておりませんがたくさんの者達を失ったはずです。」
国王がユーゲルスに言った。
「なんという事だ。ユーゲルス??気を落とすでないぞ。きっとレイラ殿を救い出す事もできよう。」
すると謁見の間に騎士が一人入ってきたのだった。
「国王様、失礼致します。」
「どうした??」
「ルイホルム公爵夫人であるレイラ様より手紙とセリスの首飾りが届きました。」
「なんだとレイラ殿からか?」
「分かったこちらに持ってきてくれ。」
国王は騎士からその手紙をセリスの首飾りを受け取った。
そしてユーグレスに尋ねた。
「レイラ殿からの手紙を読んでもよいかユーグレス?」
ユーグレスが国王に答えた。
「無論でございます。」
「では読むぞ。」
国王の声が謁見の間に響いた。
「国王様、ご多忙な所失礼致します。この度ユーグレス様とはこれ以上共に歩いていく事はできないという考えに行きつきました。せっかく結婚式の見届け人をして頂いたのに、こんな結果になってしまったのは大変申し訳ございません。しきたりに基づいてセリスの首飾りをお返し致します。これからも一貴族に連なる者としてミルテイン王国を支えていく所存にございます。それでは失礼致します。レイラ・ボルス」
手紙を読み終わった国王は首をかしげながらユーグレスに尋ねた。
「どういう事だユーグレス??レイラ殿は襲撃者に攫われたのでないのか??」
ユーグレスは返答に窮していた。
「これは??」
国王がユーグレスに言った。
「この文面を読む限りユーグレスそちがレイラ殿に愛想を尽かされただけのようだが?こうして結婚式の時に交換したセリスの首飾りも返却してきておるしな。」
ユーグレスが国王に言った。
「それは全くの誤解でございます。このユーグレス様がレイラに愛想を尽かされたのではございません。」
国王がユーグレスに尋ねた。
「ではどういう事だ?」
ユーグレスが国王に言った。
「そうか、これは襲撃犯に企みにございます。」
国王がユーグレスに聞き返した。
「企みだと??」
ユーグレスが国王に言った。
「襲撃犯達はレイラが生きているように見せかけようとしているのです。」
国王がユーグレスに尋ねた。
「ユーグレス、何がいいたいのだ??」
ユーグレスが国王に言った。
「我が公爵邸を襲撃した犯人達は王国を死霊魔法を使いアンデッド達を操りこのミルテイン王国を襲撃しようと企んでいるのでしょう。」
国王が驚いた様子でユーグレスに言った。
「なんだと??そんな事になればこの王都トラスミールを含め王国中が大混乱になる。」
国王がユーグレスに尋ねた。
「ではレイラ殿は?」
ユーグレスが国王に言った。
「恐らくこの世にはもうおらぬのでしょう。恐らく襲撃者にもう殺されてしまったのかと。私はレイラを誰よりも大切にしてまいりました。ですのでレイラに愛想を尽かされる事などあろうはずがございません。レイラを殺し亡き者にしたからこそ、このセリスの首飾りを外して送る事ができたのでしょう。」
国王が大きな声で言った。
「おのれ!!!襲撃犯共め!!!」
ユーゲルスが国王に言った。
「アンデッドに対する早急な備えが必要になるでしょう。」
国王がユーゲルスに言った。
「うむ、アンデッドは普通の魔物とは退治方法がかなり異なる。ちゃんと準備をしておかねば確かに対応は難しいであろうな。よし騎士達に対策を指示しておくとしよう。」
ユーゲルスが国王に言った。
「お願いします、こちらも一刻も速く調査を進め襲撃犯の特定を進めたいと思います。」
国王がユーゲルスに言った。
「うむ頼むぞ、ユーグレス。」
「はっ!!」