23
新種ムカデ事件から一週間。あれ以降人前に化け物が出てくることもなく、世間も落ち着いてきた。
だが、いつまた街中に化け物が現れるか分かったものではない。今回の死人が一人で済んだのも奇跡と言うほかないだろう。ひょっとしたら、次は巨大な化け物がいきなり街中に現れる可能性だって否定できないのだ。
そんなことで頭を悩ませている俺だが、現在はイギリスにいる。何でかというと、化け物出現以降外国に行った覚えがなく、どうなっているかを確認するのと、もしかしたら仲間が増えるかもしれないという思惑もある。
イギリスでもそこそこ超能力者騒ぎが起こっていたらしい。まだイギリスでは表立って化け物や超能力者が発見されたというニュースは無いはずだが。日本のニュースがここまで話題になったのか?
そんなことを考えながら町を歩く。何て言えばいいんだろうか、この異国情緒あふれる街並みは何度見ても飽きないな。化け物発生以前に他の能力者を探してイギリスに来たことがあったが、あの頃とそう変わっていないように思える。まあ大して時間は経ってないはずだし、そうすぐには変わらないだろう。
さて、今のところ奴らの気配も他の能力者の気配もゼロ。とても平和だ。いいことである。あんなの居ない方がいい。
あれ、伊藤さんからメール?何だろう。
「あの怪物たちですが、そろそろ総称を決めるべきだと思うんですよ。ずっと化け物や怪物じゃあわかりにくいし。」
あー、確かに。今までそういうの無くて漠然と呼んでたなあ。もう今のうちに決めておくか。
「とりあえず、無難に魔獣というのはどうでしょう?どう見ても獣じゃないのも多々居ますが。」
「うん、それでいいと思います。シンプルで分かりやすいですし。」
「じゃあ決定ですね!翔君たちにも伝えておきます!」
い、一瞬で終わった。まあこれ以上の案なんて無いしこれでいいか。
今は俺含めて4人しかいないが、そのうち人が増えてきたら統一された呼び名も必要だろう。様々な国の人が一発でパッと分かるこの名称でいいはずだ。
よし、もう昼だしレストランにでも─
待て、何だ今の気配は?なかなか強力な…また街中に現れたのか!?早すぎんだろ!
クソッ、できればそんな強い奴じゃないのでいて欲しい!広範囲攻撃とかは勘弁な!俺は耐えられても周囲が死ぬから!ああヤバイ悲鳴と爆発音が!?
おっと、まずはどこか手ごろな場所で変装しなくては…よし、あそこの公衆トイレだ!幸いにもこちらに意識を向けている人は居ない。爆発音と悲鳴と向こうから逃げてきた人に釘付けだ。
トイレ内でさっと着替えている最中にも気配が近くなってくる。結構デカイな!?小さめの一軒家くらいはあるのでは…え、これ本当に俺でも勝てる相手か?
ええいままよ!
変装して外に出た俺が見たものは、イギリスの街並みを破壊する、一軒家くらいのサイズの巨大ナメクジ(触手付き)だった。
嘘だろ?
たぶん70話かそこらで終わるかも…?




