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「何があったんですか!?ていうか戦いながら電話しているんですかあなた!?」

「その、(キュイン)あぶなっ!」

「何の音!?」

どうにか小声で聞こえてきた話を整理すると、今夜も親が帰ってきそうにないので近所の大型スーパーに買い物に行ったら、立体駐車場の中にビームを撃つムカデの上位互換らしき個体が出現し、現在はそれと戦闘中とのこと。もちろんバッチリ周囲から見られ撮られているし、二人がムカデに到着するまでに死者が1名出てしまったそうだ。

頭を食い千切られていたらしい。なんで二人とも冷静なの?やっぱ妙なところで強いな。

てか撮られてんのは不味い!変装用の道具は渡したよな?ちゃんと持ってたのか?

「変装はしてますよね?」

小声で話していたのはおそらく周囲に声が聞こえにくくするためだろう。下手に名前を呼んでしまっても多少はどうにかなるはずだ。でも変装がなければ一発で身バレに直結する!

「俺も愛理もちゃんとしてますよ。バレる心配はないと思います。(キィン)おっと!?」

よかった変装して、待てこの音は!

「またビームですか!?大丈夫ですよね!?とりあえず、俺が行くまで耐えてください!」

「あ、いやもう虫の息です、ムカデだけに…はは…?」

「え」

あ、もう終わってたの?どうやらビーム撃つたびに勝手に体力を消耗していたらしい。割と欠陥能力だな。威力はかなり高かったらしいが。

「俺たちもまだまだですね…他のムカデよりずっと硬くて、雷も鎖もデバフも効きが悪くて焦ってたんですが、反動でバテたので、そこを狙ったら普通に死にました。」

「なんだそれ…」

とにかく、倒せたならそれでいい。死体の回収は目立つから絶対に無理だ。仕方ない。

問題はどうやって二人の正体をバラさずに帰らせるかだ。

「その、それなんですけど、愛理が目撃者全員気絶させちゃって…」

「あの娘は本当にもう!?」

なにやってんの!?でも今回は案がまるでなかったので、今回ばかりはこれで正解かもしれない。でも絶対に褒められないよこんなん!

「とにかく、誰か来る前にどこかに隠れて変装を脱いで、何食わぬ顔で帰ってください。」

「はい!あ、結晶は回収しました!」

「おお、それはよかった!」

もしかしたら誰かの手札が増えるかもしれないから、結晶はできるだけ集めておきたい。新種の結晶を回収できたのはデカいぞ!

その後、二人はバレることなく帰宅できたらしい。ああよかった。ちょっと呆気なかったけど。


翌日、案の定ニュースになっていた。そりゃそうだよな。

「ビームを放つ怪蟲(かいちゅう)と超能力者!?」

「謎のムカデと超能力者の正体とは!?」

こんな感じのタイトルばっかりだな。新種ムカデの死体は警察に回収され、今は研究施設にあるらしい。

ぶっちゃけあいつらの皮膚や外骨格や骨って謎パワー(俺の強化とも違う)で常に強化されてるだけで、構成する物質は普通の動物のそれと何ら変わりないから調べても意味ないと思うんだよな。肝心の謎パワーも科学的な力じゃあ観測できないだろう。

テレビでは有識者やらコメンテーターやらオカルト関連の誰かやらが不毛な議論を続けている。

それは別にどうでもいい。

ついに街中に堂々と奴らが現れるようになってしまった。

これまで以上にやり難くなるだろう。俺は頭を抱えるほか無かった。




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