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二部です
どうにか誰にもバレずに外骨格を持ち帰ることができたが、よく考えたら加工方法が一切分からない。
巨大ムカデ 外骨格 加工 [検索]
出るわけないよなそりゃあ。出たら出たで怖い。
今の自分にできる方法は、ネットで調べた情報を基に強化した刃物で形を整え、強化した針で無理やり穴を開け、また強化した糸を通してどうにか鎧っぽい形にする。仕上げに外骨格全体に強化を施す。強化はある程度時間が経っても残るので、しばらくは再強化の必要はない。
強化した金槌で叩いてみる。うん、無傷だな。へこみもヒビもない。銃を調達できる伝手があればもっと耐久実験ができるんだが、生憎そんなものはない。俺の強化とムカデの外骨格の強度を信じるしかなさそうだ。
動きも阻害されず、機動力も問題はないだろう。
問題は俺自身の強さだ。今回のムカデはかなり(見た目による精神的ダメージを除けば)楽な相手だったが、今後あれ以上の化け物は間違いなく出てくるだろう。今のままでは勝ち目がないかもしれない。
せめて自分の身は守れるようになりたいし、できれば助けられる人は助けておきたい。
正直に言うとどこの誰がアレの被害に遭おうがどうでもいいが、たまたま襲われている最中に遭遇した場合、見捨てるのは気が引ける。己の身を守るにも、誰かを助けるにも、まずはより強い力が必要だ。今までとは違うトレーニング法をどうにか自力で考案するしかない。機材も役に立たない以上、それらを使わずに済むものにしなければ。
化け物サーチアンドデストロイをする傍ら空き時間でいろいろと試してみた結果、バテる寸前まで肉体含むあらゆるものに強化を掛けまくった後、その瀕死の体のまま筋トレやランニングをするのが一番効果的だと判明した。
やる度に意識が飛んだり文字通り死にかけたりしたが、これまでやってきたトレーニングが全て徒労か何かに思えるほどに効率よく強くなれたのである。泣きそう。何だったんだこれまでの時間。
興味本位で未強化の包丁を未強化の腕に突き刺してみたが、包丁の方が見事に砕け散った。びっくりして思わず変な声が出たよあの時は。
肉体の強さも強化の補正の強さも最初期とは雲泥の差だ。やっぱ限界に挑戦し続ければ強くなれるんだな。
しかしこれだとどっちが化け物か分からん。ある程度の強さにも対処できそうなのは嬉しいが。
ちなみに、今まで遭遇してきた化け物は
あのムカデの同種らしきものと上位種らしき紫がかった色違い(あのムカデは赤っぽかった)
上半身が人の骨、下半身が蜂の飛ぶやつ(地味に早い上に毒持ち)
群れで行動しているグロい小型犬サイズのネズミ(未強化で雑に蹴ってたら死ぬくらい脆いが確実に何らかの疫病持ってる)
などなど、これら以外にも多岐にわたる。幸いにも手も足も出ないような相手には出会っていない。
何度か被弾し、毒を浴びたりなんか罹患したりとてんやわんやだったが、そのおかげか再生力や免疫も強化され、今や指や腕がバッサリやられても新しく生やせ、奴らがまき散らす毒や病もほぼ無効という人外に。やっぱり化け物は俺のほうじゃねえの?
それは置いといて、奴らには不思議な点がいくつかある。
まず、町などの人通りの多い場所で見かけることがない。奴らは数と質の暴力で一般人なんて容易く蹂躙できるだろう。なのにそれをしない。何故?人に悪意や敵意を抱いているのは確実なのに。
次に、ほぼ夜にしか出現しない。それも山奥とか廃屋とかの人目につかない場所で。昼間にも居たには居たが、じっとしていることが多い。今思えば、初遭遇も日が落ちかけていた時間帯だった。しかしとっ捕まえて実験したところ、日光で死ぬようなものでもない。ピンピンしていた。ていうか、日光で死ぬなら月の光も駄目だろ。あれも結局は日光の反射だし。
何故だ?なんか分かりそうな気がするんだよな。
もう少し考えてみるか。




