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秋葉原ヲタク白書54 地下アイドル通り11番地

作者: ヘンリィ

主人公はSF作家を夢見るサラリーマン。

相棒はメイドカフェの美しきメイド長。


この2人が秋葉原で起こる事件を次々と解決するオトナの、オトナによる、オトナの為のラノベ第54話です。


今回は、政権直轄のアキバ系高級娼館からの帰路、大陸の軍閥御曹司が自動運転車によって誘拐されます。


政権筋から調査を依頼されたコンビは、裏に国際宇宙ステーション買収の密談があるコトを突き止めますが…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 "キティ"の前で


その御屋敷(キティ・ザ・アキバ)は11番地にある。


11番地は、アキバの中でも古い街で昔からの人が住んでいる、聖地(アキバ)の文化的な中心地だ。

再開発が進み見上げるばかりの高層タワーも立ち並んだが、古くからの雑居ビルも残る。


夜になると、そうした新旧ビルのアチコチにある御屋敷を地下アイドル達が行き来する。

最近は、みんなグループだから固まってアチコチの御屋敷(ライブハウス)を分刻みで歌って回るワケだ。


数人乗りの古いエレベーターの扉が開くと、アイドル女子がギッシリ詰まってたりするw

夜毎アイドルが往来するので、いつしか界隈は"地下アイドル通り"と呼ばれるようになる。


で、そんなタワービルの裏側で、小綺麗なエレベーターの扉が開くと…

やや?中から出て来たのは、ヤタラ身なりの良い紳士とお連れの方々。


お連れは明らかにプロのボディガードで扉が開くや四方に注意を払い、紳士の盾になるように連れ添って目の前の黒いSUVに乗せる。


黒いSUVは、音もなく発車して…

ソレきり、消息を絶ってしまうw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「黒いSUVは、翌朝、中央通りの"量販の殿堂(ノンキホーテ)"前のガードレールにハデにぶつかったまま、乗り捨てられてるのが見つかった。もちろん、誰も乗ってない」

「へぇ。また酔っ払い運転か何かでぶつけて逃げちゃったンじゃナイの?でも、ナンバーで持主が知れるでしょ?まさか、青ナンバー(大使館関係車)で手が出せないとか?」

「ううん。大陸系の産軍複合体の所有車だった。中華経済を実質的に支配する華麗なる一族。乗っていたのは恐らく御曹司で世界350位の資産家で国家主席とも親しい。まぁ、そのぉ、1種の経済マフィアなんだけど…実は、気に食わない交渉相手は、殺し屋を雇って消しちゃうとか逝う噂が絶えない人なの」


ソレで自分が消えちゃ世話ないょw

アキバに何か交渉で来て消された?


ココは、僕の推し(ているメイド)であるミユリさんがメイド長を務めるアキバの御屋敷。

美しい輪を持つが実は灼熱の星である土星に因み"破壊と創造の暴君(サターン)バー"と呼ばれる。


で、またまた厄介ゴトを持ち込む気配を四方八方に濃厚発散中なのはランボー(者)だ。

彼女は、政権直轄?のアキバ系高級娼館"キティ・ザ・アキバ"のマダムを務める。


"キティ"は、各界の要人や外交官をメイドがもてなすがピロートークは全て政権に筒抜けと逝う、国営の美人局みたいな店なンだw


「と逝うワケで、ハッキリとは逝えナイけど、コレは、まぁ、その、サル筋からの断れないリクエストなの。だから、テリィたんには諦めて受けて欲しいンだけど…彼を探して」

「ええっ?酔っ払い運転だろ、コレ?酔っ払いの取り締まりなら万世橋(まんせいけいさつ)に頼めょ。ソレに"サルスジ"って何だょ?サルスベリなら外で咲いてる(咲いてないw冬だし)けど、1民間人に頼むコトじゃナイでしょ。新橋鮫(まんせいけいさつ)なら、もうすぐ御帰宅するから、鮫に頼めば?」

「鮫の旦那なら、この件で桜田門(けいしちょう)に呼び出されてネジ巻かれてる。もしかしたら、公安部(ソトニ)にも呼ばれてるカモしれない。とにかく!警察だけの手に負えないと誰かが判断したの。お願い。力を貸して。頼まれると断れないンでしょ?江戸っ子だモン。ね?テリィたぁん」


文字通り乱暴なランボー(者)がシナまで作って頼むンだから余程困っているのだろう。

転ばぬ先の杖で、ミユリさんをチラと見遣るとカウンターの中でニコニコと笑ってる。


ウケても大丈夫みたいだw


「スピア。事故現場の街頭カメラ画像のハッキング」

「もうやってる。ぶつけた瞬間は既に万世橋(まんせいけいさつ)が押収したみたいでブロックされちゃった。とりあえず、事故処理中の今朝の画像でいい?」

「うわ。ガードル、じゃなかった、ガードレールに派手に乗り上げてるな…でも、その割には、路面にブレーキ痕がナイ。エアバッグも作動して無いね」


スピアはスク水の似合うトランジスタグラマー、じゃなかった、常連の1人でサイバー屋。

早速、防犯用の街頭カメラをハッキングして、万世橋(まんせいけいさつ)が事故処理中の画像を見せてくれる。


「コレは…運転手も含めて、車に乗ってる人の意思に反して、車の方で勝手に暴走して、ガードレールにぶつかったって感じだね」

「え?どーゆーコト?」

「ロボットの反乱だ。スカイネットに操られたSUV型のターミネーターが、遂に人類に対して宣戦を布告したンだ。僕達は今、人類vs機械の、長く、過酷な戦いのスタートラインに立った。このアキバで」


僕としては、ハリウッド映画並みの決め台詞を吐いたツモリだけど、誰も聞いてないw

まぁ、凡人に囲まれた天才アインシュタインの日常も、こんなモノだったに違いない←


「まぁステキなスーツ。ミユリ姉様、見て見て!アルマーニじゃナイかしら?」

「あらぁ。靴もワニ革ね。嫌味がなくてダンディ。生まれついてのお洒落さんカモ」

「え、どれどれ?」


いつの間にか、スピアのPCは昨夜、男が御屋敷を出て車に乗る画像に切り替わってる。

夜間画像で粒子も粗く靴がワニ革かなんてワカラナイw当てずっぽう逝ったに違いナイw


もしかしたら、パイナップルの皮カモょ?


第2章 ASCII artの女


犯人は"ふくろうカフェ"にいる。


ガードレールに衝突する直前のSUVは、明らかにコントロールを失っていたと思える。

ランボー(者)経由で、車載コンピュータのバックアップを取って解析スル(スピアがw)。


すると、圧縮された車載コードに何者かが埋め込んだASCII artが浮き上がる。

ASCII artとは、文字列だけで描かれた絵で、いわばハッカーが残す"署名"だ。


ソレが今回はオウムの絵だ。

あ、王蟲じゃないょ念の為←


出荷時に搭載されていた車載コンピュータのソフトを誰かが書き換えたのだ。

そして、黒いSUVを意のママに操ったソイツが今"ふくろうカフェ"にいる?


僕とミユリ(何故かメイド服)さんは、早速中央通り沿いにある老舗に御帰宅。


「君、車載コードの書き換えは、阿呆(あほう)です、じゃなかった、違法(いほう)です。ダメ絶対」

「はぁ?何コレ?新手のナンパ?メイドさん、助けて!この人、痴漢です」←

「あ、貴方達は?!アキバのメイド長とSF作家のコンビね?!ヤバっ!」


解説しよう。


僕が怪しいと思って声をかけたタマタマ僕好みの令嬢風セミロング美少女はハズれで、彼女が痴漢ょとチクった先がビンゴのようだw


ところで、"ふくろうカフェ"は、文字通りフクロウが放し飼いになっているカフェだ。

客は、ふくろうを見て愛でたり餌付けをしたりすルンだケド、入場制限があって予約制。


で、無理矢理ついてくるワンドリンクを運ぶホール?担当のメイドが1人いるが、彼女がメイド服である必要はナイように思われるw


とにかく、彼女が車載コードを書き換えたポイので店の外に連れ出し話を聞く。

その間、都合良くメイド服だったミユリさんがホール担当メイドとして働き中w


で、彼女の名はアウル。


「何で私だとわかったの?気晴らしにメイドのバイトをしてるコトは"エッヂ"にも内緒にしてるのに」

「でも、webにはダダ漏れってか、自分で呟いてるょね?twitterで"フクロウなう"とかさ。ソレにHN(ハンドルネーム)"アウル"は航空電子工学(アビオニクス)系の掲示板では"超"がつく有名人だ。てっきりヲタクの入った中年エンジニアだと思ってたら、メイドさんだったとはね。で、君が勤めてる"エッヂ"って、どんな会社?」

「web系のスタートアップ。自動運転車やハイパーループ鉄道の指令システム、宇宙移民船団の航法アプリとかを研究開発してる。私は、ソコの主任プログラマー」


えっ?超先端的なのかレトロフューチャーなのかイマイチ不鮮明w

大阪万博に沸く20世紀人の語る未来物語を聞かされてる気分だょ←


「ひと昔前のブラックなソフトウェアハウスとかを思い浮かべられては困るわ。私達が開発してるのは"月探査的なプログラム"つまり"実現すれば世界が激変する"プログラムばかりなの」

「でも、君が自動運転車用に書き下ろしたソフトが要人誘拐に使われたSUVに搭載されていた。しかも、コードは書き換えられ、車はコントロールを失い、乗っていた要人が行方不明になっている。つまり、君の書いたプログラムが誘拐に使われたってコトだ。もしかしたら、既に誰か死んでるカモしれない」

「やめて!私は"非定型発達"です。人の感情を読み取るコトが無理なの。だから、如何なる相手とも満足なコミュニケーションが出来ない。でも、コードを書くコトは得意ょ。だって、後からいくらでも書き直せるンだモノ。ソレに、書き上げた時の、あのハイな気分。何物にも変えがたいわ。あのね。あのソフトはね、命を救うためのモノなの。自動運転車は安全です。自動運転車は事故は起こしません。私は、トッププログラマー。私の代えは効かない。だから、壊れ物なの。わかって。handle with care」


ヤタラ多弁なメイド姿のアウルと中央通りを秋葉原駅方向へ歩く。

傍目的にメイドの口車に見事に乗せられた観光客に見えるだろうw


「"エッヂ"はIT系の億万長者が創業者なの。だから、外部資金は必要ない。株は、創業者と従業員だけで所有している。だから、外部からの圧力には強い会社だと思う。ところで、この業界ではライバル社のハッキングなんて日常茶飯事なの。私達もヤルし社外からもハッキングされる」

「うーん。ソレって業界の文化みたいなモノなのかな?しかし、君みたいによく喋るメイドさんって…あぁ良くいるかw沢山いるねw君って、立派にコミュニケーション出来てるょ。メイド服さえ着てれば」

「そう?実はね、数週間前も主任プログラマーである私のコードを含むソフトに不正アクセスがあった。多分認めないけど、アクセスしたのは、ライバル会社。そうょ。テリィたんの逝う通り、ハッキングって、ジョブスがゼロックスからマウスのアイデアを拝借して以来の業界文化なんだわ!文化だから、イチイチ警察に通報とかスル必要もナイ。そうそう。多分コレって2ヶ月前、深海ロボットの開発状況を調べるために、ウチの海洋開発チームがハッキングしたことへの仕返しだと思う。そう逝えば、ハードウェア会社CEOのメールボックスに党中央との中国語メールが何通もあったって聞いてる。とにかく!幼稚で子供じみてるけど、ハッキングと不倫は業界文化なの!」


その時、アウルはライバル会社の社名を教えてくれたけど、もちろん知らない名前だw


二人で話しながら歩く内に、いつの間にか僕達はアキバを抜けて神田に迷い込んでいる。

"ミルクホール"と描かれた暖簾をくぐって海の家みたいな店で昭和のカレーを食べる。


「美味しい!何?この甘じょっぱい味?」

「この味が"昭和"だょね」

「こんなミルクホールの女給さん、やってみたい。"非定型発達"の私にも出来るかしら?」


出来るさ。メイド服さえ着ていれば。


「あぁ!何だか。テリィたんとお話ししてたら、生まれてからズッと心にかかっていた霧が晴れたみたいょ!素晴らしいわ。コレが、コミュニケーションなのね!私は今、コミュニケーションが出来てる!ありがと、コミュニケーション!ありがと、プログラムみたいに二分決定図で私に辿り着いたテリィたん!私は、メイド服さえ着てれば、コミュニケーションが出来る!相手がヲタクなら!」


最後が余計だなw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「ダメだった。"エッヂ"の主任プログラマーは、確かに自動運転のプログラムを書いてはいるが、書き換えはしていない。病理的に彼女に書き換えは不可能だ」

「残念。コチラは、ワニヲ(誘拐された男がワニ革の靴だったコトから彼のコードネームはワニヲにw)が店を出る時の様子を調べてみた。ヘルプの子の話だと、先ず、ワニヲのボディガードが、ウチのストリッパーを見てビビったそうょ。で、そのボディガードが慌ててワニヲに耳打ちしたら、2人は直ぐに席を立ったンですって。で、その直後から全員が行方不明w」


ええっ?ストリッパーだって?

"キティ"って御屋敷(メイドカフェ)だょね?


「突っ込むトコロ、ソコ?ワニヲの商談相手とか聞かなくていいの?」

「いや、だってソンなコトより、うーん…ワニヲの商談相手は誰ですか?教えてください」

霊南坂(アメリカたいしかん)。ウチの常連で多分CIA。太平洋の向こうの国の御意向を忖度して、彼等に限っては、盗聴などの諜報活動は一切自粛しているの」


ええっ?ソレって全寝物語を盗聴されてる各国の要人に対して余りに失礼でしょw


「ソレが共同防衛の実態ってモンょ。で、テリィたん、どーする?そのストリッパーに会ってみる?もし来るなら、サービスをハッスルしちゃうよう話しておくけど?」


サービスをハッスルw

ゼヒお話をプリーズ!


第3章 11番地の長い夜


憧れの御屋敷(キティ・ザ・アキバ)に御帰宅だ!


しかし、何とミユリさんも一緒なので、まぁその保護者同伴と逝うか、御弁当持参でレストランにフルコースを食べに逝きます的なw


まぁ、コレが僕の御帰宅が許された条件なので仕方ないwソレにミユリさんはメイド服なのでモシモの時(何時(いつ)?)に役に立つカモだ。


御屋敷は、新しく建ったビルの地下にあり、VIP専用のエレベーターで降りる。

扉が開くと…いきなり!ソコはリトル・ラスベガス(逝ったコトないけど)だょ!


クラブの真ん中にはポールダンスの円形ステージがありダンサー(ストリッパー?)4名が狂乱の舞を舞う。

円形ステージを囲んだ"かぶりつきシート"と四方に広がるテーブル席に客がひしめく。


客は圧倒的に男…と逝いたいトコロだが、コレが意外や女子グループやカップルもいる。

いや、派手にチップを弾む"かぶりつき"とかグループで女子がキャアキャアやってるw


そんな満席の客達の間をゴージャス、カワイイ、グラマーの3拍子揃った10数名の下着姿のメイドが歩き回って営業してルンだけど…


驚くべきコトに淫靡感がナイと逝うか、全くの皆無?気のせいカモしれナイけどw

コレは、もしかしたら、極めて良質なエンターテイメントなのではナイだろうか?


ミユリさんが、気を利かし?プールバーのガチャポンをヒヤかしに出撃するや目標視認(ターゲットインサイト)

シャンプーのCFか松本零士の漫画に出て来そうなストレートの黒髪に切れ長の細い目。


とりあえず、合言葉。


「パーツ通りから来た者だけど」


すると、ゾクっと来る微笑が返って来る。


「テリィ様ですね?私はリラン。"特別ハッスルコース"でとマダムから念を押されてます。アキハバラへようこそ!日本は初めてですか?」

「ハイ。ニホーンの人、ミーナ親切ね。先ずは記念撮影アルょw萌え萌えゴージャース!」

「え?え?何処の国の人?チェキが好きなの?」


構わずにツーショットを撮影。

あれ?しっかりカメラ目線だw


「おかえりなさいませ、テリィ御主人様。コチラは御屋敷からのサービスでございます。シカゴの本店で名物の$10ステーキを召し上がれ!」

「ぎゃ!ミ、ミユ…じゃなかった、えっと、あの、その、マダムの女ランボーに、テリィは楽しんでると伝えてくれ。彼女には貸しがある」

「けげ!あのケチケチマダムがステーキ奢ったの?!テリィたん、いったい何者なの?貴方は」


解説しよう。


鉄皿の上でジュウジュウ音を立てるサイコロステーキを運んで来たのは…ミユリさんだw

ホールメイドのフリしてニコヤカに話に割り込み、一瞬、殺気に満ちた視線で僕を刺す←


…とは夢にも思わず、意外な太客をゲットして無邪気に喜ぶリラン。

恐らく僕が産油国の第1王子かなんかに見えたのではないだろうか(なワケないかw)。


「マダムのお薦め$10ステーキ、ホント、神の味だからどーぞ!ふぅふぅあーん…どーしたの?突然、涙なんか流して。母国の彼女とか思い出した?」

「(思い出すドコロか、当の彼女はすぐソコのカウンターにいて僕を思い切り睨みつけてるンだけど、まさか、その彼女がコレでもかとステーキの裏にカラシを塗りたくってたとは口が裂けても逝えないから)美し過ぎて。君が」

「まぁ。ストリッパーをその気にさせて、どーするつもり?」


ラスベガスでは、トップレスだとアルコール可でフルヌードだとソフトドリンクらしい。

で、何とココでリランはあっさりトップレスになりミユリさんの目は一気に三角になるw


古今東西、仲良くなるほど気持ちのこもったサービスを受けられるコトに変わりはない。

他の客とのサービスの差は歴然で、僕以外の店内の視線もリランの双子の膨らみに集中。


期せずして店内ミュージックも高まり…あ、この手の店って必ずダンサーを踊らすためのDJがいるンだけどラップばかりなんだょな。


どうも夢多きラッパー諸兄が自作曲を持ち込むらしくて、まぁ中には伝説的なアンセムって奴が生まれたりするコトもあるらしいが…


ハッキリ逝ってウルサいンだょw

必然的に大声かつ多弁になる僕←


「さ、さすがは、演繹的推理と人間心理学のプロだなぁ。最小の努力で最大のゲインを引き出す天才だね。僕を標的(ターゲット)に定めたキメテは腕時計かな?ラバウルで戦死したお爺ちゃんの形見なんだ。で、僕は君と逝うイリュージョンを既に見破った。だから、僕にタネを隠しても無駄さ」

「あら?私にこんな格好をさせて、いったい何処に何を隠せと逝うの?」

「まだボトムの小さな布切れが邪魔してる。個室で2人、ダンスでもしながら邪魔者を始末しないか」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


"個室"だw


捕まえてご覧なさい、と立ち上がるリランに"釣られ"かつミユリさんのデス光線を致死量浴びながら逝く先は紫のカーテンの先だ!


「さぁ、テリィたん。お好みは?優しく?激しく?それとも両方かしら?悲劇のヒロインにでも、愛に飢えた女にでも、コールガールにでも、何にでもなって、あ・げ・る」

「その必要は無いンだ、リラン」

「どーゆーコト?」

「僕は、君の本名を知っている。所属が総参謀部第二部だと逝うコトも」

「あ、そういうプレイなのね?そうよ。私は中華な女スパイ」


だ・か・ら!演技は不要だょ、リラン。


僕は、リランとのツーショットをミユリさんと、その、あの、まぁ俗に"竿姉妹"とも逝われている、通称"マスターキー"に送る。


"マスターキー"は大陸のサイバー軍でコチラも総参謀部だけど所属は第三部で61398部隊の精鋭。目下、日本に潜入中の女スパイ。


僕に借りのある彼女は、直ぐに軍内部の顔認証ソフトにかけ、結果を教えてくれる。

"マスターキー"自身は、今週は地球の裏側で作戦中とかでアキバには不在らしい。


実に好都合だ←


「リランのコト、霊南坂(アメリカたいしかん)の知人にバラしたりはしない。ただし、御屋敷の回りはウチの特殊部隊(デルタ・ストライク)が固めてて、合図1つで直ちに突入して来る。リランも、業界の人なら知ってるとは思うけど、デルタは"時間ナチス"との実戦で何度も血の洗礼を受けてる精鋭だ」

「…そう。いつか、誰かが私にそう告げる日が来ると思ってた。でも、ソレが御国の警察や公安ではなくて、まさかアキバのヲタクだったとはね。そうょ。私は大陸から送り込まれたスパイ。我が祖国は、私に世界の東の果てにある娼館への潜入を命じた」

「確かに、僕達はヲタクだ。だから、外交辞令も敬礼もナシと逝こう。ただ、誰かに頼まれて軍閥の御曹司とやらを探してるだけだ。で、生きてるのかな?彼は」


すると、リランの顔から急にエロさが消えてキリッとした軍人の顔になる。

あームチャクチャ残念だょー。あれほど敬礼はナシだと逝っておいたのに。


「任務に関する話は出来ない。ソレに…実は御曹司の行方はコチラもロストし調査中だwただ、あの夜に話し合われてた内容については、ある程度なら話せる。モチロン全て、あくまでも仮の話としてだけだが。あ、一応、腰は動かすけどOK?」

「の、望むトコロだ…え?そ、そんな激しく?あっ、か、仮の話だょね?あくまでも」

「YES。あくまでも仮の話ょ。あのね。軍閥は、NASAから国際宇宙ステーションを買収してリニューアルするつもりなの。あの夜、両国は契約の詳細を詰めるため、初めて同じテーブルについた。ソレはストリップクラブのテーブルではあったけど」


ええーっ?NASAが極秘裏に国際宇宙ステーションを売りに出していただと?

確かに、かなりポンコツになってスクラップ同然と逝う人も…コレは下取り?


かつて、大陸の国はウクライナが廃艦にした空母を軍閥に買わせ、リニューアルして実戦配備したコトがあるけど、その宇宙版かょ?


「しかも、この話がまとまれば、太平洋の向こうの国の貿易赤字は一気に黒字に転換し、世界不況を招来しかけた不毛な関税合戦にも幕を引ける。何たって、兵器は彼の国で最大の輸出産業だからな。しかも、今回の売物はロシアのミールの二の舞で、実は処分に頭を痛めてたスクラップ。ソレが高値で売れるとあれば、まさに太平洋のアッチとコッチでウィンウィンと逝うワケだ。まさに史上空前の取引(ディール)だね。あの大統領らしいや」

「表向きは、軍閥が独自の企業行為として行うコトとなってて、軍自体は関わらないコトになっていた。だから、私の存在はテーブルについた誰も知らないハズだった。ところが…」

「思わず腰が動いてしまって正体がバレてしまったとか?」

「何ソレ?御曹司のボディガードが党の国家安全部で、私とは軍の訓練センターで同じ学科を受けた仲だった。彼が党の思惑で送り込まれてたのか、個人的にアルバイトをしてただけなのかはワカラナイ。ただ、お陰で軍が交渉を監視してるコトがバレて、交渉テーブルは御破算。しかも、御曹司が引き揚げる途中で消えた。私も軍も何が起きたのか、全くワケがワカラナイ。だから…」


ココで、リランは激しくグイっと腰を回すw


「私、ピンチなの。助けて、テリィたん」


OK!助けてあげる!だから その腰を…


第4章 天宮の果てに


ようやく今回もパズルの全体が見えてくる。

パズルの最後のピースはリランのリストだ。


彼女は"キティ"にいた御曹司のボディガードがバイトしそうな先のリストをくれる。

僕は、そのリストの中から、アウルのコードをハッキングした会社の社名を見つける。


調べてみると、大陸の国の宇宙ステーション"天宮"を制作したハードウェアの会社だ。

万一、大陸の国が国際宇宙ステーションを買収すると、当然"天宮"計画は中止される。


つまり、国際宇宙ステーションの買取契約が成約になった時に最も損害を被るのは…


「テリィたん。犯人がわかった!彼等を捕まえて!私のために」


僕達が今回の結論に辿り着くのと、アウルが御屋敷(ミユリさんのバー)に飛び込んで来るのがほぼ同時w


彼女は、スピアが諦めたSUVの車載コンピュータのバックアップの解析に成功、GPSと連動させ、あの夜のSUVの立寄り先を割り出す。


ソコは、外堀通りの漢方薬店で僕達は入れないwだって店頭に干した蛙が吊ってあって…

ソコで、リランに情報を流したら、数時間後にはもう漢方薬店に特殊部隊が突入してる←


しかも、部隊の指揮は全身が青装束(ナトリウム街灯で黒が青に見えるw)のリランだ。

見事な指揮、ヤタラと強い拳法使いの老婆の鮮やかな始末ぶりなど眼を見張るばかり。


あぁ、あんな子と僕は"個室プレイ"を…


あ、僕達は通りの向かいのビル6Fにある閉店した御屋敷(メイドカフェ)で消灯して一部始終を見ている。

で、アウルも一緒だったんだけども"非定型発達"の彼女が、その、あの、その時だけ…


急に"普通の女の子"っぽいコトをする。


彼女は、その時僕にキスをする。

暗闇の中でナゼか涙を浮かべて。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


結局、僕達は党が主導する"天宮計画"と軍が主導する"国際宇宙ステーション買収計画"の覇権争いに巻き込まれたと逝うワケだ。


"天宮"のモジュールは開発中で国際宇宙ステーションと競合出来るレベルにはない。

貿易戦争が終結し、和平となれば輸入再開となりモジュール開発努力自体が水の泡だ。


もちろん、ハードウェア会社の株券は紙屑になる。

極秘交渉をどうやって知ったのかは、わからない。


ただ、彼等は自らの野望が頓挫するコトに気づき極秘交渉を潰す決心をする。

そのために血塗られた殺し屋をも雇う。全ては貿易戦争を継続させるために。


天宮チームは車で逃走を図るも、アウルに回路を遮断されてシャッターが上がらズ、リランの突入チームが御曹司の救出に成功する。


逃走車を運転していたのは、元モンゴル軍暗殺部隊の兵士達で東欧で派手な仕事をして来たが、極東では初めての任務だったようだ。


没収された彼等のスマホには自動運転のアプリが搭載されており、データを抽出し解析したトコロ、御曹司誘拐の動かぬ証拠となる。


まぁ初任務でアキバのヲタクに当たったのが彼等の運の尽きだ。ヲタクを舐めるな。

アウルの協力を得てスマホは徹底的にバックトレイスされ大陸の天宮派も一網打尽。


秋葉原のオタクは組織には縛られない。

好きなコトは廃人になるまで止めない。


だから、警告する。

ヲタクを舐めるな。


僕達は君達と同じ血塗られた道にいる。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


さて"好きなコトは廃人になるまで止めない"僕達は最後の宿題を片付け中w

ミユリさんは、珍しく真剣な眼差しで息も荒く、薄っすらと汗もかいている←


「リランさんの(腰の)動きって…こぅ、ですか?」

「えっ?うーん、いや、ちょっち…」

「では…こぅかしら?奥の手、出しますょ?」



おしまい

今回は海外ドラマでよくモチーフになる"自動運転"をネタに、大陸の軍閥御曹司、不定形発達に悩む美少女プログラマー、ストリップクラブに潜入中の女スパイなどが登場しました。


TVで見聞きするNYの都市風景と、今回はLas Vegasのstrip clubを秋葉原に当てはめて展開してみました。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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