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8.暗号らしい和歌みたいなもの(その1)
篠崎と菊川は、曙橋が和紙の横に置いたメモ用紙に引かれるように互いの頭を近づける。
そして、息を止めて黙読する二人は、読み終えるとほぼ同時に嘆息して顔を見合わせた。一方で、曙橋はさっきから自分が書いたメモにずっと目を落としている。
メモの内容は、五七五七七の和歌にしては字余りがひどい和歌だった。いや、和歌と言えるのは最初だけで、それに言葉が付け足された感じのものだ。
具体的には以下の通り。
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ゆ あ む
る そ ら
り ふ さ
を に め
み せ や
ま い
わ し こ
ん て ろ
も
う た
え ち
は ぬ
す れ
く
へ き
よ つ
ね
お
ひ
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上は暗号です。埋蔵金の手がかりの一つを現しています。
この後のページで、登場人物の一人がこの暗号を簡単に解いてしまいます。
なぜこれで解けるのか、お考えください。