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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

綺麗な黒髪の新入社員と桜 ~その愛でられ方~

作者: セレンUK
掲載日:2019/04/04

このお話には多少猟奇的な表現が混ざっております。

それらが苦手な方は読み進めずお戻りください。

私は4月から社会人になった社会人1年目のOL。

自分で言うのもなんだけど、腰まで伸ばした黒髪は私の自慢。

その自慢の髪の事を、私を指導してくれる職場の先輩(女)に褒めてもらえた。

社会人を始めてまだ数日。

残業は多くて大変だけど、先輩にはかわいがってもらえるので何とかやっていけそう。


今日も残業で帰宅が遅くなってしまった。

コンビニで買った夕食を手に、川沿いに綺麗に植えられた桜の木を眺めながら帰路に着く。

桜は日本人の心の故郷だよね。


半ば残業ハイの状態で美しく咲く桜を眺めていたが、突然得体の知れない感覚に襲われた。

なにかもやっとした、ぞわっとした、心を直接撫でられたような感覚。


心が重くなって、足も進まない。

ふらふらと千鳥足のようになって数歩。

私は地面に倒れこんだ。


視界が狭まり、まるで光が遠くに小さく去っていくかの様だ……。


 ・

 ・

 ・


ん、んっ……。

私は……。

急に気持ちが悪くなって倒れて、それから……。


よく思い出せない。頭にもやがかかっているかのようだ。

もしかしてまだ夢の中なのかもしれない。


暗い。朝とは程遠い真っ暗闇だ。

夜とはいえ街ならば街灯が赤々と点いているはずだけど……。

それに体は動かない。金縛りっていうやつだろうか。


もにゅもにゅ。口を動かしてみた。

何か懐かしい感じがする。

やわらかい何かが口の中に満たされて、まるでママのおっぱいを吸っているかのようだ。

それを吸うと、ほのかに甘い液体が染み出してくるのだ。


しばらくそのやわらかい何かを吸っていたが、のど越しのいいその液体が十二分におなかに溜まってきた。もういらない。


おっぱいの様な柔らかいものを口の中から吐き出そうとするが、うまく吐き出せない。


おえっ、もう、いらない。

私の意志とは無関係に、液体はあふれ出すように口の中に充満する。

私は抵抗するようにやわらかいものに歯を立てる。


歯を立てる……。

だけど、歯茎が力なくやわらかいものをんだだけだった。

背中にぞっとする感覚がよぎった。

舌で口内をなぞってみる。


ぞぞぞっと体中の毛が逆立つ感覚。


歯が、歯が一本も無い。

ただ歯茎の存在と、やわらかいものの存在だけを舌が感じ取った。


どうして歯が無いの? どうして?

今までもやがかかっていたような感覚が一瞬で霧が晴れたようにクリアになる。


目は……ある!

私は目の存在を確かめるために目を見開いた。

だけど目から入ってくる情報になんら変わりは無く、暗い景色だけが網膜に映し出される。


相変わらず体は動かない。

けど、腕は動く。いつものように自由には動かないけど、ゆっくりとだけど動く。

私の目がかろうじて動いた自分の手を捉える。肌の色が見える。


おかしい。どうして服を着ていないの?


着慣れないスーツを着ていたはずだ。

もちろんスーツだけじゃない。

白色のシャツに色が浮かないように薄い色の下着をつけていたが、それらも含めてさっぱりなくなっている。


つまり私は何も身に着けていない素っ裸の状態だ。

胸も、お尻も、隠しておきたい股間も、体のすべてが空気に触れている露出状態だ。


何がどうなっているのか分からない。

足は動かない。尻も腰も動かすことは出来ない。

何かにがっちりと固定されている感覚はあるのだが、手で触ってみてもその物体を認識することが出来ない。


口の中に居座ったままの柔らかいものから、どろりと口の中に液体が流れ込んできた。

むせ返りそうになる。


かろうじて自由になる手で口の中から液体をかき出そうとするが、口内に指が至る前に、やわらかいものに阻まれてしまう。


なんなのこれ?


口の中だけかと思っていたが、口から突き出すように謎のやわらかいものが存在している。

目では見えないが、丁度大きめのナスのような形。

やわらかいナスを口にほおばらされ、無理やりこの液体を流し込まれ続けてるのだ。


ふいに、私の自慢の黒髪が風になびいた。


いや、風、じゃない……。

何か嫌な感覚。ぞわぞわする、とげとげする、何かの感覚が私の髪の毛を撫で上げる。

体が固定されていてうまく後ろを振り向くことは出来ないが、腰まで伸ばしたさらさらの黒髪が不自然に体の右横で浮遊している。

髪の毛に何かが触れているようには見えないが、嫌悪感を抱く感覚は紛れも無くそこにある。


何かが、いる?

得体の知れない何かが、理解の出来ない何かが自分の髪をまさぐっているかもしれないという想像は私の心を恐怖で満たすのには十分だった。


逃げたい、この場から逃げたい、一瞬でも早く遠くへ、遠ざかりたい!

その思いだけが頭の中を支配する。

だけど体の自由は効かない。


ぞわぞわとした感覚は、なおも続いている。


これが霊ってやつなのだろうか。

こんなに、こんなにも生々しくおどろおどろしい感覚なの?


霊じゃなければ、何?

もしかして高次元の存在?


子供のころ漫画で読んだことがある。

もし高次元の存在なら、下位の次元の生物である人間には存在を感じられないとしても無理は無い。

その存在の意味さえ理解できないのかもしれない。


『隕九※繝代ヱ……縺薙?鮟偵> カミ……キレイ……謚懊>縺ヲ謖√▲縺ヲ蟶ー繧』


突然頭の中を突き刺すような異音が通り抜けた。

今、一瞬、何か言われたような気がした。


謎の現象に思考を巡らしていると、頭にチクリとした痛みが走った。


『縺薙i……カミ 繧 ヌク ョ縺ッ繝槭リ繝シ驕募渚縺?。繧?a縺ェ縺輔>。逧?&縺セ縺吶>縺セ縺帙s縲√%縺ョ蟄舌↓縺ッ縺励▲縺九j險?縺」縺ヲ閨槭°縺帙∪縺吶?縺ァ』


今の痛みはどうやら髪の毛が数本抜き千切られた様だ。

自慢の長い髪の毛が数本足元へと舞い落ちた。


先ほどまで髪の毛に纏わり付いていた嫌な感覚は無くなっている。


だけど周りに……私の周囲を取り囲むように何かの気配を感じるようになった。

やはり何かがいる。私には理解しがたい何かが。


纏わり付くモヤモヤの正体を確かめようと視線を辺りに走らせる。


あれは……。


あまりに理解しがたい状況だったので気づきもしなかった。

目の前の、私の視線の先には私と同じく素っ裸の、それでいて綺麗な金色の長い髪をした少女がいた。


暗く広い空間。どこまで広がっているのか、どこが地面でどこが空なのか、よく分からないそんな奇妙な空間の中。

距離感が正しければ10mほど先にその長い髪の少女はいる。

直立不動で宙に浮いているようにも見えるその少女の目はうつろで、意識があるのかも定かではない。


うむー、うむー。


私はその少女に呼びかけるように声を出した……つもりだ。

だが、まったく歯が無く、口の中にもやわらかいナスがつっこまれている状況でまともな声が出るはずも無かった。


私は少女に向けて手を伸ばす。

私が自由に動かせる数少ない部分。

私の手は伸ばしても1mにも満たない。

指先の先の先、遠くの彼女へなんとか何かを伝えたかった。


私の周囲にあるもやもや。

それを突っ切るかのように私は腕を伸ばす。

先程私の髪の毛をまさぐっていた不快な感覚と同じ感覚を手首のあたりに感じる。

そしてその奇妙なもやもや感は手首からは無くなり、肩のあたりに移動した。


肩をまさぐって何があるのかと思った瞬間、脳が許容できないほどの痛みが私を襲った。


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。


腕が、伸ばしていた腕が、肩の部分ですっぱりと切断されている。

断面から赤い液体が噴出している。


脳が焼ききれる前に痛みの信号をカットしたのか、その痛みを他人事のように俯瞰してみている私がいる。


いや、気のせいではない。痛みが……治まっていく。

あれだけ噴き出していた血も流出が止まった。


どさり、とちぎれた左腕が足元に落ちる。

音はしなかった。

そういえばこの暗い空間で気がついてからというもの、音はまったく聞こえない。


『キガイ 繧貞刈縺医k閻輔? セツダン 縺励※縺翫¥』


危害?

切断?


脳に突き刺さる異音の断片的な単語を拾う。


モヤモヤの何かに手を伸ばしたから?

それで腕が切られたというの?

そんなに簡単な理由で私の腕は失われるの?

目だって首だって、簡単に潰されたり折られたりするの?


恐怖と絶望感が私の心を支配する。


『カミ 縺後?繝翫r ウシナッテ 縺?¥……繧??繧 ヤセイ 縺ッ ダメダ。迴阪@縺??繧定ヲ九▽縺代◆縺ィ諤昴▲縺溘……アンテイシュ 繧貞━蜈医☆繧』


また頭の中をつんざく異音が聞こえた。


なんなのよこれは、もう家に帰してよ!

夢なら覚めてよ!


え、何?

腰の辺りに違和感を、何かが触れている感覚を感じた。

まるでメジャーでウエストサイズを測られているかのように。


ぷしっ、とウエストの周囲から赤い血が噴き出したかと思うと、ずるりと体が横に動いた。


いいいいいいいいいいいいいいいい

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!


視界が回転した。


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……。


痛い、いた、いたい?


先程腕が切断された時と同様に、いつの間にか痛みは無くなっていた。


もう良く分からない。

何がしたいの、一体私の何が悪いと言うのよ……。

考えてみても答えは出ない。


混乱した頭をよそに、目はしっかりと周囲の状況を捉えている。


今私は、地面かどうかは分からないが地面に倒れている。

私の横には、私の下半身だったものが残っている。

丁度腰のあたりで私の体は真っ二つにされ、上半身は下半身からずり落ちて地面に落ちた、という状況らしい。


そこにマネキンのように直立で立つ自分の下半身を見ていると奇妙な感覚だ。

気にしている少し大きめのお尻と若干太目のふともも。

もうそれは私の体じゃ無いんだよね。


そういえば、あの金髪の子は……。

太目な下半身を見ていると、先ほど目に映ったすらりとした少女を思い出した。


私は少女の方に視界を向ける。


……少女は一人では無かった。


今、この角度からなら分かる。

正面にいた少女のほかに、何人も、何人も。

正面の少女の横に規則正しい間隔で別の少女が並んでいる。


私の下半身だったものの横にも同様に少女が並んでいる。

どの少女も同じ金色の長い髪をしており、その虚ろな表情というかその顔は全員同じ。

兄妹にしては似すぎている。双子かクローンか。


私の目の前にいた少女、いや、私の下半身だったものの正面に位置する少女に視線を移す。

相変わらず虚ろな表情で、それでいて綺麗な姿勢で固定されている少女。


ふと、少女の右手の指が血を吹いた。

私の時と同じ様に、指が切断されたのだ。


その指がふわりと宙を舞う。

ゆっくりと浮遊するその指は、だんだんと私に近づいて来て。

私の下半身だったものの真上で止まると、ゆっくりと下降した。

そして下半身と指が触れった。

腰の切断面から上に向かって生える指。

そういった表現がピッタリだ。


私はもはやこの猟奇的な現象を理解するのを止めた。


腹から生えた指がブルブルと震えたかと思うと、ごわごわと内側から何かが盛り上がってくるかのように膨らみ始めた。

指だったものが腕の様な太さになり、太股の様な太さになり、そして、何かを形作っていく。


私の下半身だったものと指だったものが同じ太さになったころ、ようやくわかった。

これは人だ。人の上半身だ。

腕や頭のような形に肉が盛り上がっていく。


そして完成した。

私の下半身だったものの上半身は、なんと金色の髪の毛をした少女となったのだ。まるで下半身を苗床にしたかのように指は成長して少女となった。


一列に整然と並んだ少女たちの金色の髪の毛がサラサラと風になびいている。

美しい光景だ。


まるで川沿いに綺麗に植えられた桜のようだった。

お読みいただきありがとうございました。


途中のセリフはいつもの通りUTF-8からSIFT-JISに一部を返還しております。

わざわざ変換しなおして元の文章を読むのも大変かと思いますので、以下にネタ晴らしをしておきます。


----------------------------

『隕九※繝代ヱ……縺薙?鮟偵> カミ……キレイ……謚懊>縺ヲ謖√▲縺ヲ蟶ー繧』

『見てパパ……この黒いカミ……キレイ……抜いて持って帰る』


『縺薙i……カミ 繧 ヌク ョ縺ッ繝槭リ繝シ驕募渚縺?。繧?a縺ェ縺輔>。逧?&縺セ縺吶>縺セ縺帙s縲√%縺ョ蟄舌↓縺ッ縺励▲縺九j險?縺」縺ヲ閨槭°縺帙∪縺吶?縺ァ』

『こら……カミをヌクのはマナー違反だ。やめなさい。皆さますいません、この子にはしっかり言って聞かせますので』


『キガイ 繧貞刈縺医k閻輔? セツダン 縺励※縺翫¥』

『キガイを加える腕はセツダンしておく』


『カミ 縺後?繝翫r ウシナッテ 縺?¥……繧??繧 ヤセイ 縺ッ ダメダ。迴阪@縺??繧定ヲ九▽縺代◆縺ィ諤昴▲縺溘……アンテイシュ 繧貞━蜈医☆繧』

『カミがマナをウシナッテいく……やはりヤセイはダメダ。珍しいのを見つけたと思ったが……アンテイシュを優先する』

----------------------------

お楽しみいただけたなら幸いです。

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